せっかくTSしたので親友(♂)を全力で落とそうと思う   作:らびっとありす

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私の趣味は他人のアオハルを眺めることです


青春と書いてアオハルと呼ぶ

「元気だな……。」

 

いやほんとに元気だなこいつら。

 

「お。なんや、お前も遊ばんのか。」

 

「俺は眺めてるだけで満足だよ。あいつが元気で遊んでる姿を見れたら俺は。」

 

「保護者極めとんなぁ……。」

 

「お前も知ってんだろ。昔のアイツ。」

 

「あいつ昔は明るかったなぁ。そういや。そう考えたら元々あんな性格だったよな。」

 

ある日を境にあいつの性格は暗くなった。でも最近のあいつはすごい楽しそうだ。俺はそれが本当に嬉しかった。

 

「俺はちょっとアイツらのとこ行ってくるわ。」

 

「おう。」

 

「そっち投げるよー!!」

 

「任せとけ!!」

 

「ちゃんと受け止めるよー。」

 

本当に良かった。あいつを海に誘って。おっとそうだ。写真でも取っとくか。

 

「………あいつ被写体にめちゃくちゃ向いてんな。」

 

やっぱこう見たらあいつってどちらかも言えばあいつのお父さん似なんだな。

 

「あ、葵写真撮ったでしょ!?」

 

「おう。」

 

我ながら良い写真が撮れた。

 

「大丈夫だって。ネットにはあげねぇよ。」

 

「お前言うてSNSみたいなのやってないじゃん。」

 

まぁそりゃそうなんだがな。

 

「全く。後で写真消しておいて!」

 

「考えてやる。」

 

「お前のそれは絶対消さないんだよ俺知ってんだ。」

 

あっ。バレたか。

 

「ゆーくんそんな走ったら危ないで?」

 

「うぇ?」

 

……あいつ転けるよなこれ。さすがにこれは走らないと間に合わないか。

 

「優くん!?」

 

「あっあっあっ。うぉっ!?」

 

「あっぶねぇ!?」

 

「……相変わらず反応速度と言うか身体能力全般化け物やな。ほんま。」

 

ふぅ。あっぶね。まじで。

 

「……お前なぁ。」

 

「あっ。ありがと。ごめん。」

 

「いやいいんだ。こうなることだいたい予想してたし。」

 

「あらら。それお姫様抱っこじゃない?」

 

「「…………はっ。」」

 

「な、な、な、渚っ!?」

 

……つか。手になんか当たってんだよな。

 

「……ねぇ葵?」

 

「おん?」

 

「あのー。そういうのは他の人が居ない時にやって貰えると……。」

 

「…………。ふぉあっ!?」

 

おーっと。こりゃやったかもしんね。やらかしたかも。

 

「うぉっ。危ないじゃん!急に降ろすの。」

 

「……すまん。ちょっと潜ってくる。」

 

「えぇ!?何いきなり!?」

 

………。なんかすげぇ……。こんなこと思うのもすごい邪心的な感じもするが。………柔らかいもんなんだ。ほんとに。

 

 

 

 

 

「はぁ。」

 

「いやー。かなり意識ししてきたんちゃう?」

 

「そうなのかなぁ……。」

 

そうだと嬉しいんだけど……。てかあいつもあんな露骨に照れるような表情できるんだ。なんか海潜って行っちゃったけど。

 

「白井くんって思ったより表情筋豊かなんだね。」

 

「あれはオーバーリアクションすぎるでしょ。……あいつなら別に……ゴニョゴニョ……。」

 

「まぁ言うてあいつも男の子やからなぁ。……つか長くね?あいつ。」

 

「え?溺れてたりしない?」

 

「いや。大丈夫だよ。あいつ、水中で2分はずっと潜れるし。どうせ手づかみで牡蠣とか取ってくるんじゃない?」

 

「いや。そんな抽象的な。」

 

あっ。水面に気泡が見えてきた。あいつ上がってきたな。

 

「牡蠣取ってきた。」

 

「「「まじで取ってんじゃん。」」」

 

「無事帰るんだぞー。」

 

「「「戻してるし。」」」

 

ちゃんとキャッチアンドリリースしてるし。牡蠣ってキャッチアンドリリース意味あんの?……あっそうだ。

 

「お前、撮ったか?」

 

「葵も撮ったじゃん。お相子。」

 

「………。俺の写真なんて誰得だよ。」

 

俺得です。

 

 

 

 

 

 

「うっはぁぁあ!!食ったァ!」

 

流石は海の家。魚介の料理めちゃくちゃ美味かった。

 

「そういやベッドって1つなんだな。」

 

「まぁいいじゃん。」

 

「そっか。俺床に寝たら。」

 

「一緒に寝たらいいじゃんって言ってんの!!」

 

「お、おう。」

 

「だいたい、俺とお前の仲だろ。別にいいじゃん。」

 

まぁベッドがひとつなのは想定済みだし。まぁでも葵のことだから手は出さないだろうし。別に葵になら俺はいいけど。

 

「んんっーー。ねぇねぇ見て凄いよ景色。」

 

夜の海ってなんでこんなに幻想的なんだろ。ほんとにここ電車で30分の場所?

 

「ほんとだな。」

 

「………久しぶりだね。こういうの。」

 

「何年ぶりだろな。」

 

ずっと一緒にいたつもりだけどこういう2人でのんびりする時間なんてなかなかなかった。なんだかんだでもう4年ぐらいかな。こういうことしたのは。

 

「うし。ちょっと外出るか。」

 

「え?」

 

「夜風を浴びに行ってくる。」

 

「あ、俺も行く!!」

 

 

 

 

砂浜を歩く音に静かに響き渡る波の音。青白く輝く星々が海を照らす。まるでどこか遠くの異国に来ているかのような。そんな雰囲気だった。

 

「~~~。~~。」

 

鼻歌歌ってさ。上機嫌だなぁあいつ。

 

「夜の砂浜ってやっぱり雰囲気違うね。耳が心地いいや。」

 

「こういうの俺、好きなんだよな。」

 

「好きそう。なんかこういう幻想的なの。」

 

静か。暗闇の中の静寂ってこういうことを言うのかな。……ってあいつまた鼻歌歌ってる。よし。こうなったら。

 

「えいっ!」

 

「 ?急に腕に抱きついてどうした?」

 

このニブチン。ほんとにニブチンだな。

 

「はぁぁぁ。ほんとおもんな。反応薄すぎんだよ。葵は。」

 

「反応薄いってな。別に俺が照れてないなんて言ってないだろ。」

 

「もうすこし態度で出してほしーなー。俺は。」

 

「やだよ。めんどくさい。表情筋使いたくないんだよ。」

 

表情筋って使って疲れるもんだっけ。

 

「……なぁ。優。」

 

「ん?」

 

「楽しいか?今。」

 

「おう。めちゃくちゃ楽しい!」

 

「……ふっ。そうか。」

 

「ギザだなぁ……。」

 

「るっせ。……また行こうな。」

 

「うん!絶対だよ!」

 

「おう。当たり前だ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー朝

 

「あらら。」

 

「「すっー………。すっー。」」

 

「寝息めちゃくちゃ息ぴったりやないか。ていうかこんなに抱き合いながら寝てるのにまだ付き合ってないんかこいつら。めちゃくちゃもどかしいわ。」

 

「はむっ。」

 

「優くん夢でなんか食べてるんかな。」

 

「さぁな。ま、幸せそうな顔してるわ。写真撮って後で送っとき。」

 

この後、写真を撮って島崎に送ってらうわぁぁぁとか言いながらも自分のスマホの壁紙にしたとかしなかったとか。




あ、舞台自体は現代ですけど住んでるところは架空の地域です。

次回は夏祭りの話の前の話みたいな感じです。
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