せっかくTSしたので親友(♂)を全力で落とそうと思う 作:らびっとありす
実は今までの話でちゃっかり次回作伏線張ってたりします。今後も出てくるのでぜひ見つけてみてください 。
新キャラに百合要素追加しましたけど、ストーリー的には支障は出ないんで百合が苦手な人も大丈夫です。多分この話ぐらいですこんなに触れられるの。
ライバル?
「ねぇ。あの二人どうなってると思う?」
夏休みも終わり、二学期が始まった。
「どーだろ。もしかしてあんまり変わってないんじゃない?」
あの二人といえばもちろん、優くんと白井くんの事で。なんでもあの二人は夏祭りも一緒にいたらしく。でも話を聞けばいつも夏祭りは二人で行くらしいので。
「ちょっと進展してたら嬉しいなぁ。」
「とーせならカラオケ行った時に聞いとけば良かったァァ。」
あんまり進展していないんじゃないかと私たちは思っていた。白井くん、凄い鈍感だし。
「「うっすー。」」
話をしていたら噂のふたりが教室に入ってきた。
(((あんまり変わってなさそう。)))
「あっ。本が。」
優くんが机にカバン置いた勢いで本を落とした。隣の白井くんがその本を取ろうとした瞬間、2人の手が重なった。いつもなら優くんが一方的に照れるところだった。いつも通りなら。
「「………………。」」
………あれ?
「あ、ありがと。」
あれれ?
「あー。うん。」
(((めちゃくちゃ仲進んでんじゃん!!)))
どうやら二人の仲は私たちが思っている以上に進んでいたようです。
☆ーーーーーーーーーーー☆
「あおっちあおっち。そろそろ部活再開しようと思ってるんやけど……って何聞いてるん?」
「ん?いや。なんも聞いてねぇけど。」
いやイヤホンしてるよな?それで何も聞いてないって。
「嘘おっしゃい。どれどれお兄さんにみせてみな。……ってこれ。ゆーくんちゃうん?」
「……ちっ。」
「今舌打ちせんかった!?」
「してねぇよ。」
いやしたやろ。絶対。
「つかこれゆーくん歌っとるやつやん。何2人でカラオケ行ってたん?」
「早坂から送られた。」
「あーなるほど。早ちゃんからか。それにしても上手いんやな。」
「そうだな。」
………あっそうや。いいこと思いついた。
「そういや。うち今ボーカル足りなかったやん。」
「3年卒業したしな。今年、新1年生勧誘する暇なかったし。」
「ゆーくんボーカルに誘ったらええんちゃう?」
「………。いいのか?部長、許可すると思うか?」
「まぁ部長なら大丈夫やろ。と言っても俺ら3人しかおらんし。ちょうどええんちゃう?」
「ま、あいつにも言ってみるだけ言ってみるよ。」
よっし。これでボーカル補充完了や。
「あいつ、乗ってくれるかな。」
「ゆーくんやったら大丈夫やろ。」
二学期が始まって始業式とホームルームが終わった。
「あ、あお「あおっち。部活行くでー。」あ……。」
そうだった。そろそろ文化祭が始まるから部活再開するんだった。
「おう。よし優。行くぞ。」
「あ、良いよ。一人で帰るから。3週間後文化祭だしね。練習しないとダメでしょ?」
「いや。そういう事じゃなくて。」
「……そういうことじゃない?」
「なんや?ゆーくん来んの?」
え?
「まさか、お前、まだ話とらんの!?部長めちゃくちゃ張り切っとったで!?」
「……。まじ?」
何の話?なんで俺の名前がそこで出てくるの?
「なんでこう肝心な時に限ってお前はポンのコツやねん。」
「あーー。優。とりあえずスマンが時間が無い。一旦一緒に来てもらうぞ!」
「うぇ?え?ちょっと!?ど、どういうこと!?」
「ちゃんと後であおっちが説明してくるから。」
「ここって。部室?」
「そっ。まぁ話は中に入ってから葵が話すと思うわ。」
……なんだろ。すっごい嫌な予感がする。
「なぁ。俺が開けるのか?」
「せやろ。はよ。」
なんか葵、変な汗かいてない?
「……はぁ。わーったよ。部長。入りま「あーおーい!」……ぶふぉっ!?」
「あ、葵!?」
葵が。葵が吹っ飛んだ!?ていうか軽音部の部長って。
「じょ、女性?」
「ぅいってて。勢いよく飛び込むなよ。楪さん。」
「はっはっ。私と君の仲じゃないか。」
「あのっすね。誤解生む事言わないでくれます?」
……てか。この2人距離近くなくない?
「むー……。」
「2人とも。そこら辺にせーへん?ゆーくんが嫉妬するから。」
「おっ。そっかそっか。とりあえず入りな。」
この人が部長何だよね……。葵とすごい距離近いというか。
「なぁ。優。」
「何?」
「お前、なんか距離近くね?」
「べっつにー。葵が『珍しく』、『女の子』と仲良いからとかそういうの関係ないから。」
「はぁ?」
「ふーんだ。」
「お熱いねぇ。いいねぇ青春だねぇ。」
「茶化さないでください。あの話しますよ。」
「ん?なんだい?」
「彼女に告ってな「すみませんでした本当にごめんなさい」分かればよろしい。」
……彼女?
「それで。この人がうちの部活の部長。海原楪。この部活唯一の上級生で俺の従姉妹。」
「………うぇ!?従姉妹!?」
従姉妹!?いとこで同じ学校いるの。あー。だからか。だからあんなに対応慣れてるしあんなに距離近いのか。
「どーもー。いつも葵がお世話になってるよ。」
「すまんな。こんな従姉妹で。」
「あ、えっと。島崎優です。」
「ずっと前から葵から話は聞いてるよ。こんな形で初対面とは。いやー人生って何があるか分からないねぇ。」
「それでどーなんっすか。彼女にまた振られたんすか?」
「そーなんだよねぇ。女性だから友達だと思って……ってなに急に言わせんだよ!?」
「っとこんな感じのやつ。」
「せめてそこは先輩って言え!?一応歳上なんだぞー?」
「あ、一応なんだ。」
「相変わらずぶちょー意識緩いなぁ。」
「おい。聞こえてんぞ徹。」
わいわいしてる。……すっごい楽しそ。
「それで。えっと元々男の子って言うのは知ってるけど、優ちゃんでいい?周りからはなんて呼ばれてるの?」
「優とか優くんとか島崎とか。何でもいいですよ。」
「分かった。じゃ私は優ちゃんって呼ぶね。それで優ちゃん。うち、入るの?」
………ふぇ?
「え?なんでそんな話に。」
「これ聞かれてこいつがノリノリで。」
「おい。先輩にこいつって言うなや。」
葵が見せてきた動画は俺が先日女子友達4人でカラオケに行った時の動画だった。それも、俺が歌ってるやつ。
「なんで葵がそれ持ってるの!?」
「早坂が送ってきた。」
恐るべし。陽キャの情報網……。ていうかずっと聴いてたんだそれ。あの時もイヤホンしてたけどずっと。
「あ、優ちゃん凄い可愛い顔してる。でろーって。」
「やっぱりわかりやすいの?俺って。」
「まぁ分かってないやつ若干1名おるけど。まぁそんな話はええねん。単刀直入に言うけどええ?」
「うん。」
「うちの軽音部のボーカルして欲しい。」
「うん。……うん?」
うにゅ?
「はいよし決まりー。」
「お疲れしたー。」
「待て。待て待て。待て待て待て。いや?え?どういう風の吹き回し?」
「優くん歌上手いやん?うちちょうどボーカルが先輩だったんやけど卒業したやん?だから。」
話が追いつかないんだけど。
「ちなみにこれ。葵推薦。」
「あおいが?」
「……ん。そうだ。」
「まぁ俺も聞いたけど上手いし。普通にありやと思うんよね。これでボーカル、ギター、エレクトーン、ドラムが揃ったわけやし。割り振り的にはええ感じやと思うで?」
「割り振り的にはいいと思うけど。俺でいいの?もっと適任いると思うんだけど。」
この学校、生徒数多いんだし。俺より上手い人なんてざらにいると思うんだけど。
「まぁな。これに関しては嘘偽りなくキッパリ言うけど多分いる。でも俺はお前が適任だと思うんだ。上手いとか下手とかそういうのじゃなくて。なんて言うか。お前の歌声には『人の気持ちを変える』力があるんと思うんだよ。本当に。これは俺が胸を張って言える。」
「葵………。」
「それによ。その。………っー。久しぶりに一緒に何か出来たらなって。思っただけ。それだけだ。」
葵………。正直みんなの前で歌えるかどうか分からないし、怖いけど。でも葵がそう言うなら。葵が一緒だって言うなら。
「良いよ。俺でいいなら。」
「「よっしゃぁぁ!!」」
「これでボーカル確保!!」
「良かった。これでこの部活の『ラスト』を決めれる。」
「「「……………はっ?」」」
ラスト。え。
「この部活、今回の活動で部員が集まらなかったら廃部になります。」
「そうなるとは思ってた。」
「まぁしゃーないな。部員おらんし。」
「え?え??」
「反応薄くなーい?ま、5年もったしいい方でしょ。最後だしぱぱっと決めようぜ!!」
「え?」
待って。行かないでくれ。俺を置いていかないでくれ。情報が多すぎて置いてかれてるんだけど。
「それじゃゆーくんまたなー。」
「俺、今日こいつと部活に必要なもん買い出し行くから。先帰るわ。先輩、ちゃんと送ってやってくださいよ。」
「分かってるよー。」
なんだかんだ色々あったけどとりあえず初日の部活は無事終わった。……いや入部早々廃部って聞いたことないんだけど。
「それにしても噂の優ちゃんが私の妹みたいになるのかぁ。」
2人の足音が聞こえなくなった頃合、突然先輩が呟いた。
「え?妹?」
「葵と結婚したいんでしょ?」
「ぶふぁっ!?い、いや。えっと。ま、まぁ。、け、結婚は。」
「可愛いなぁ。」
「そ、その。先輩って。」
「ん?そーだよ。私、レズビアンだよ。一筋だよ。ずっと。」
「何回も断られてるんですね……。」
「はぁ。振り向いてくれないなぁ。」
ほんとにそれ。振り向かせようとしても絶対に振り向いてくれない。
「優ちゃんも大変だねぇ。」
「多分、あいつの中の俺って男のまんまなんだろうなぁ。」
「そういう訳では無いと思うよ?多少なりとも変わってると思う。それに、好きになるって性別とか関係ないと思うし。ほら、私好きな人女性だし。」
好きな人は性別が関係ない……か。
「お互い頑張ろ。自分と同じ性別の人を落とす同士として。」
「俺、今は女の子なんだけど……まぁそうか。そうですね。」
「それじゃあ帰りますか。あ、歌。やっぱり凄い上手かったじゃん。良い感じだよ。これからよろしくね。」
「……はい!」
普通のラブコメを書けない男になりそう