せっかくTSしたので親友(♂)を全力で落とそうと思う   作:らびっとありす

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何気に初めて高校の名前が出ます。


出し物会議

県立富士咲が丘高校。俺たちの通う学校の文化祭は言わば。派手だ。

 

「部活どんな出し物すんの?」

 

「俺んところは部長の実家がラーメン屋だから模擬店やる。」

 

「うち演劇!!」

 

文化祭の規模が県立高校なのに私立並に派手だ。

 

「公立なのになんでこんなうち金あんの?」

 

「さぁ。細かいこと気にしちゃ負けでしょ。生徒数多いからとかそんなところでしょ?」

 

普通科、工業科、特進、薬学科etc。色んな学校と合併を繰り返していつの間にか生徒数は800人を超えていた。マンモス校とまでは行かないが公立高校にしてはかなり規模が大きい。そんな高校だから行事の規模が桁違いにデカい。そんな中でもこの文化祭は。

 

「お前らァ!!そろそろ文化祭の時期が始まるぞぉぉぉ!!」

 

「「「うぉぉぉぉぉ!!!」」」

 

学校一、盛り上がる行事である。

 

「渚っち気合入ってるねぇ……。」

 

「まぁ前回、隣のクラスに負けたからな。」

 

「そこ!痛いとこつかない!」

 

「うぃーす。」

 

負けたというのは比喩表現でもなんでもない。生徒の投票でどのクラスの、どの部活の出し物が良かったが決まる。そして栄えある1位になったらクラスには学級費、部活には部活動活動費がプラスされる。

 

「今年は負けてらんないからね!それに2年からは模擬店で資金稼ぎもできるようになるからもっと競争は激しくなると思うの。」

 

「いいんちょー。今年は何するの?」

 

「これからそれを決めるのよ。」

 

この文化祭はほかの公立高校と全く違う箇所が何個かある。まずは日にち。準備期間2日と本祭3日。そのうち本祭が土日を含む計5日。土日は後で振替休日になるため別に大きな支障はない。そしてこの文化祭は他校や中学生などの一般客の出入りも許可されている。そのため土日には他校に友達がいる生徒やこの学校に入学を考えてる中学生も来る。さらに準備期間の最終日には前夜祭、本祭の最終日には後夜祭が控えているという気合の入りよう。

 

「うちの学校って行事にすごい力入れるよね。」

 

「生徒が楽しむを第1のスローガンにしてるからなこの学校。」

 

「言われてみればそうだった。」

 

「変わってるよなぁこの学校。」

 

変わってることに関しては否定できない。こんなに自由な公立高校後にも先にもあんまりないでしょ。

 

「ていう事で後3週間後で文化祭だからみんなで何やるか決めたいんだけど何か案ある?」

 

「どーせなら模擬店したいよな模擬店。」

 

「そういや渚と神楽坂って実家飲食店やってるよね?」

 

「んー。やってるけど海の家なんだよねぇ……。あんまし参考にならないかも。」

 

「俺ん所も居酒屋だから。酒出てるし多分参考にならないと思う。」

 

「どっちも模擬店には向いてないかぁ……。」

 

すると偵察から帰ってきた調査組が教室に戻ってきた。

 

「調査組おつかれ。どうだった?ほかのクラス。」

 

「B組は喫茶。C組はスイーツ店だって。」

 

「くっそ。喫茶店先越された!!」

 

まぁ王道だもんねぇ……喫茶店って。先越されちゃったか。

 

「ねぇ!白井くん!!なんか良い案ない?」

 

「………。中華店?」

 

中華店……。

 

「多分姉さんに頼んだら服も貸してくれる。それにあれ。丸木とか小野宮とか中華店で厨房のバイトしてんだろ。神楽坂は焼きそば作れっし。他にも料理得意なやつとかいるだろ。それで行けんじゃね?」

 

葵。どこで誰がバイトしてるとかどうやって情報入手してるの?うえぇ……陽キャの情報網って怖ぇ……。

 

「「「それだぁぁぁぁ!!!」」」

 

「さすが白井くん!!」

 

「良く俺たちあそこでバイトしてるって知ってたな。」

 

「一回家族で行った時みた。」

 

「よく覚えてるなそんなことで……。」

 

「葵、バック相変わらず強いなぁ……芸能人でしかもモデルって。」

 

「よっし。それじゃあ班分けしますか。」

 

班わけは渚と神楽坂を中心で進んで行った。俺と葵はと言うと

 

「はーい。2人は接客確定ねー。」

 

「え?いや。え?」

 

「ちょっと待った。優は分かるとしてなんで俺も?」

 

「あのね。うちのクラス二大顔面偏差値お化けの2人をキッチンとか準備にするのなんて勿体ないのよ。ね?分かる?」

 

「早坂。お前の顔に優のチャイナドレス見たいって書いてんぞ。」

 

「はっはっはっ。まぁいいでしょ。2人がいれば百人力よ。」

 

拒否権もなく強制的に接客にさせられた。

 

 

 

 

 

「神楽坂。そこちょっとペース早めてくんね?」

 

「ええけど、ぶちょーとゆーくんはついていける?」

 

「私は大丈夫だよ。」

 

「うん。俺も。」

 

「うっし。そんじゃ行くぞ。ワンツースリー……。」

 

時間はすっかり夕方となり、軽音部の放課後練習が始まった。初めの方、緊張はしたもののやってみると案外楽しくて気づけば時間を忘れるほどに没頭して歌っていた。

 

「良いじゃん!!良い感じ!!」

 

「かなり慣れてきたんとちゃう?ゆーくん。」

 

「初めてこういう部活みたいなことしたから。なんかうん。」

 

「楽しいか?」

 

「うん!すげぇ楽しい!」

 

誰かと、葵と何かを学校でするということはあまりしてこなかった。だからどこか新鮮だった。

 

「それにしても。選曲、なんでラブソングなん?」

 

「楪さんが失恋したからでしょ。」

 

「違うわ!!」

 

必死に否定してるじゃん。先輩。

 

「お茶。持ってきたよ。」

 

「サンキュー。」

 

「さんく。」

 

「優ちゃんありがとー。全く2人に比べて良い子だなぁ。2人はもっと私に敬意を持ちなよ。」

 

「「いや。無理っす。」」

 

「即答!?」

 

「仲良いなぁ……。」

 

会話の内容が同級生じゃん完全に。

 

「あ、そうだ。優ちゃんってさ。」

 

「はい。」

 

「好きな人っているの?」

 

「「ぶファッ。」」

 

「おぉ。先輩ぶっこむなぁ……。」

 

な、なんで葵もお茶吹いたの。ていうかそれ昨日聞いたばっかですよね?

 

「あー。えっと。居るは居るんですけど。」

 

「え?誰?先輩?同級生?」

 

「あ、あ。えっと。」

 

「へでぶっ!?」

 

「せ、先輩!?」

 

「姐さん。……優困ってるんで?ね?」

 

「す、すみませんでした。てかその呼び方久しぶりに聞いた姐さん呼び。」

 

葵。本当に助かった。

 

「ていうかあおっちは気にならんのな。あんまり。」

 

「別に誰を好きになろうが俺が口出しする権利ないだろ。」

 

はい。ご最もでございます。

 

 

 

 

 

「はぁ。疲れた。」

 

「はい。優。」

 

葵がさっき買ってきたであろうブラックコーヒーを渡してきた。

 

「あ、ありがと。」

 

「カフェオレうっめ。」

 

それにしても先輩。ほんとグイグイ来るというか羞恥心が無いというか。自分の失恋話とか包み隠さず言うし。

 

「ちょっと憧れるな。そういうの。」

 

「どっした?」

 

「んん。なんでも。」

 

今の俺にはそんな勇気がない。今のこいつに告れる。そんな勇気が。

 

「うぉっ。」

 

「ごめん、ちょっとつまづいた。」

 

携帯の通知が鳴ってメッセージを見てみると先輩から『昨日聞いたのにまた聞いちゃった。ごめんなさい。』と。ほんとに忘れてたのかあの人。

 

「あの人、変わってるね。」

 

「アホだよ。あの人。でも悪い人じゃないから安心していいぞ。」

 

アホって言っちゃうんだ。




部長はただの元気なアホの子です。運がカンストしてるそんな感じです。
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