せっかくTSしたので親友(♂)を全力で落とそうと思う 作:らびっとありす
「……母さんちょっとあいつのとこ行ってくる!!」
朝起きて携帯を確認するとあいつから連絡が来ていた。
Y/u『助けて。』
Y/u『マジでやばいことになった。』
あいつがそんな連絡をするのが珍しかったからあいつの身に何かあったんじゃないかって心配になって俺は、とっさの行動で家を飛び出した。家庭事情?いやあいつの家族は良い人達だ。じゃあ学校絡みか。いやまだあいつは家だ。となるとアイツの身に何かあった?
「すみません!!」
「あら葵くんどうしたの?」
「優から連絡があって。すぐに来てくれって言われたんで。」
「優が?まぁとりあえず入って。」
「失礼します。」
玄関で靴を脱いで一目散にあいつの部屋がある2階の方に駆け上がる。
「おい!優!!いるのか?」
返事はない。ガチャガチャとドアノブを捻ると鍵はしまっていない。最悪の事態を想定した俺は扉を勢いよく開けた。
「………優!!大丈夫か!?」
「うぉあっ!!葵!?」
扉を開けるとそこにはダボダボのTシャツを着た女の子があいつのベッドの上で座っていた。
「「……………。」」
「すっー………。「ちょっと待った!!」」
葵が『何も見ていない俺は何も見ていない』と言いながら扉を閉めようとしていたから俺は扉のふちに手を挟んだ。
「……優はどこですか?」
急に敬語で周りをキョロキョロと確認する。そりゃ探しても男の俺は見つかんねぇよ。
「俺だよ!!俺が優!!島崎優だよ!!」
だってお前の目の前にいる少女が俺だもん。
「……。俺の親友は男だ。嘘を言うんじゃ「お前は首元に小さなほくろ。背中には切られたような古傷がある。」…………まじ?」
「うん。まじ。」
よし。このことは親友の俺しか知らない。これなら信じてくれるだろ。
「………はぁ。聞いたことねぇぞ親友が女になるなんて。」
とりあえずこれで信じてくれたようだ。
「いや俺だって驚いたよ。急に起きたらこの体だったんだから。」
「なに?最近はやりのTS物?そーいうのは2次元だけにしとけって。女装……って訳でもねぇよな。」
「んなわけないだろ。てか確かめるか?……他の人は嫌だけどお前な「いらんいらん。俺はそんな変態野郎じゃない。」お前ってほんと無欲だよな。」
「確かめるも何も身長明らかに縮んでるからお前が嘘ついてないって言うのは分かってるし。別に確かめなくていいだろ。とりあえずこれ着てろ。俺の目のやり場が困るから。」
そう言って葵は自分が来てた上着を俺に渡してきた。
「……ありがと。」
「ん。」
……あいつの匂いがする。って匂い嗅いでる訳じゃない。決して匂いを嗅いでるわけじゃない。
「とりあえず学校側にはお前が性別変わったから今日は休むって伝えておいた。後で制服が届くらしいぞ。」
すごい行動が早い。ってか俺が性別変わって言って本当に信じてくれたのか……。
「信じたんだ……。」
「半信半疑だったけどな。」
「休む必要あったのか?」
「女子になったら色々変わんだろ。買い出しだ買い出し。」
あーなるほど。そういう事ね。
「後で俺の姉ちゃんにも色々と伝えとく。とりあえず急に家出ていって親が心配してるだろうから一旦帰るわ。色々準備出来たら伝えてくれ。」
「あ、うん。」
バタバタと葵が下に降りていったのを確認して俺は大きなため息を着いた。
「どーしよこれ………。どーすんだよこれ。」
性別が変わる病気なんて知らないしそんな論文もあるなんて聞いたこともない。
「……すげぇ心臓バックバクなんだけど。」
今日あいつと会ってから心臓の鼓動が止まらない。なんでだ。男だった時はこんなこと無かったのに。
「……はぁぁぁぁ。」
あー。もうそういうことなんだろうな。本当にそういうことなんだろうな。
「なんでこんな時に再自覚するんだよぉ……。」
1度、蓋をした自分の気持ち。この『好き』だという気持ちが。前までただの好きという気持ちだったものがまた違う何かに変わりそうになった。
「………せっかく女になったんだし。良いよな。別に。」
男に戻りたいという気持ちはある。男だからあいつと色々できたことだってあるのは事実だ。でも男に戻る前に。今、女になったんなら。別にこの気持ちを隠さなくてもいいんじゃないか。
「……よし。もう割り切ろう。どうせ男に戻らないんだし。」
諦めは早かったけど完全に男を捨てるというわけでは無いし俺は俺のままだ。だから俺は俺のままあいつに勝負する。
「せっかく性別が変わったんだ。なら。」
やることはもう決まっていた。
「見てろよ葵。」
封をしていた自分の気持ち。あいつに対する片思い。そんな我慢は今日でサヨナラだ。どうせ実質2度目の人生。思いっきり楽しんでやろうじゃねぇか。
「全力でお前を落としにいく。」
そう決めた俺は颯爽と自分の部屋を出て一階へと向かった。
「……おっす。葵。」
「ん?お。来たか。」
とりあえず今は服がないから自分の部屋にあった小さい頃来てたフードを着た。案外着れるもんなんだな。これ。
「……昔のお前を見てるみたいだな。」
「色々変わってるのに?」
「なんつーか雰囲気。」
「……ふーん。」
「な、なんだよ。」
「とりあえず行こ。色々買い出しすんだろ。」
「お、そうだったな。」
そういやこうやって2人でなんか買い物行くなんて何ヶ月ぶりだっけか。最近お互い忙しくてこういうの出来なかったからなぁ。
「それメモか?」
「うん。化粧品とかシャンプーとかは家にあるから服とか下着とか買って来いって言われて。」
「……あれ。俺いるかそれ?」
「お前が自分で言ったんだろ。」
「ま、自分で言ったことにはちゃんと責任はとるよ。下着は知らねぇからそっちで任せる。」
いや俺も知らないんだが。
「あっそうだ。これ。お前俺にこれ渡して忘れてっただろ。」
「あ。すまん。サンキュー。」
別に出る前まで匂い嗅いでたとかそんなんじゃないから。
「とりあえず色々買ってくるよ。」
「おう。」
ーー数分後
「葵。買ってきた。」
女子ってこんなに大変なんだな。女子になってから身に染みて理解した。
「服以外買ったのか。」
「おう。店員さんに聞いたら色々教えてくれたよ。」
「こっからどうする?服買いに行くか?」
「そうする。葵、私服センスいいから選んでよ。姉ちゃんいるでしょ?」
たしか葵のお姉ちゃんの服って葵が選んでたんだっけか。こいつの私服センス老若男女関係ないじゃん。
「まぁいいけどさ。」
よっしゃ!……てかさっきから素っ気なくね。対応。
「……ちょっと照れてる?お前。」
「……おう。ま、お前がお前のままで良かったよ。」
………おっと?
「ほえぇ。オーバーサイズ。」
「後はそうだな。ハーフパンツとかえっと。ま、こんなもんでいいか。」
メンズでもレディースでも何でもいけんのか。噂には聞いてたけどホントなんだ。
「今これが流行ってるの?」
「ちょっと前にな。ま、女になったとはいえ男だろお前自身は。だからあんまり違和感ないやつ選んだんだが。」
「うん。すげぇ動きやすい。」
「おう。そりゃよかった。」
よく見てるよなぁ。人のこと。
「飯にすっか。お前これ好きだろ。」
「おっとと。カフェラテ!」
「お前なんでこんな甘いの飲めんだ。」
「そういう俺はなんであんな苦いの飲めるんだって感じだけど。」
「お互い様か。」
「そうだな。」
別にズル休みという訳では無いけど平日に親友とどこかに買い物行くのはどこか優越感みたいなものを感じた。
「届いちゃったよ。」
そっか。俺、女の子だから今まで来てた制服着れないのか。
「これがスカート……。着ないといけないんだよな?」
とりあえず職員室までは着いていくってあいつは言ってくれたけど。
「思った以上にスースーするなコレ。そりゃ体操服上から履くわ。」
人生初めてだけど……。うん。なかなか悪くないと言えば悪くない。
「明日これ、あいつに見せんのかぁ。……やべ。恥ずかしくなってきた。……これでも着てみるか。」
あいつが姉さんの古着だから持ってってくれって言われたから貰ったけど。……うん。The・女子って感じだ。
「……まだ早いな俺には。」
苦笑いしながらクローゼットにすっと服を直した。そういや俺、性別変わったこと知らせないといけないんだっけか。……クラスの人達。どんな反応すんだろ。
「………。怖いな。」
ふとメッセージを見ると1件の着信があった。
AoI『何かあった絶対頼れよ。親友だろ。』
「……ほんとずるいよな。お前って。」
Y/u『言われなくても頼る。』
「はァァァァ。乙女か俺は。………。俺の親友イケメンすぎるだろ。まじで。……あっつ。まだ25度だろ。」
まだ夏が始まったばかりだろ。なんでこんなに暑いんだよ。
「どーすんだろな。俺。……とりあえず。明日の準備でもしとくか。」
細かいことを考えると余計暑くなりそうになることを悟った俺はとりあえず明日の準備をして寝ることにした。
実は1話の神楽坂の口調がちょっと関西弁になってます。相変わらず文章力落ちてんなぁ私。
登場人物設定 紹介その1
名前:島崎優
性別:男→女
特技:翻訳、ゲーム
趣味:論文漁り、ゲーム、アニメ、漫画
外見:銀髪、低身長、赤眼、そこそこの胸
概要:起きたら何故か女の子になってた主人公。第三者から見たら完璧な美少女。だが中身は男。中学時代から親友である葵に片思いを寄せてたため、どうせならと全力で落とすことを目標に頑張る。一応男子高校生並の欲はあるがそれ以上はないため至って健全。本人は貧乳の方が好きだが容姿はそれと反対になった。この体になってからとある事件をきっかけに少し男性恐怖症がついた。成績は学年2位。