せっかくTSしたので親友(♂)を全力で落とそうと思う 作:らびっとありす
タイトル通りの話です。
海の話2話、小休止1話、夏祭り2話で予定してます。
「……おぉ。」
「おぉ。」
おぉ………。
「「おぉぉぉぉぉぉ!!!」」
きた。ついに来た。
「「海だぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」」
8月中旬。世間は夏だ海だ祭りだと盛り上がっている頃、俺たちは電車に乗って30分の海に1泊2日のプチ旅行に来ていた。
「ゆーくん海やで!海!」
「海だァ!!白い砂浜、透き通るくらいに青い海!正しく海だ!!」
「めちゃくちゃ嬉しそうだなぁ。あの二人。」
「おーい。早くこっち戻ってこーい。荷物、とりあえず置きに行くぞ。」
「あ、せやったせやった。」
「ごめん葵。テンション上がりすぎた。」
「別にいいだろ。元々遊ぶために来たんだし。ま、遊ぶ前にやる事あるんだけどな。」
そう。何でも渚の両親がここで海の家をやってるらしく、俺たちはそれを手伝うことを条件に泊めてくれることになった。
「そうやな。まずは挨拶しに行かんと。」
「俺、渚の両親に会うの初めてなんだよね。」
「大丈夫だよ。怖い人じゃないから。ほらほら海水浴に来る人達が来る前に早く。」
砂浜を歩くこと30秒。目の前にいかにも【海の家】な見た目の建物が見えてきた。
「おかーさーん。おとーさーん。」
「渚!待ってたわよ!」
「よく来たな。お、友達もちゃんと来てるな。」
「あ、どうも。えっと島崎優です。今日から少しの間、お世話になります!」
「あらあら。そんな畏まらなくていいのよ。」
「こりゃまた……可愛らしい子が。今日は忙しくなりそうだ。」
「神楽坂徹です。少しの間ですがよろしくお願いします!」
「君が神楽坂君ね。」
「お。君かよく渚がよく話す「お父さんその話はやめて!」お。そうか。すまんすまん。」
「…うっす。」
おっと?この2人なかなかいい感じじゃん。
「白井葵です。こいつの保護者です。」
「せめて親友って言ってよ!?」
「「…………。」」
「えっ。芸能人さんですか?」
「いえ。普通の学生です。」
「こりゃ今日、本当に忙しくなりそうだな。母さん。」
やっぱりこいつ、生まれる世界間違ったんじゃない?
「流石は有名モデルの弟やな。」
「「え!?」」
「そっか。お父さんもお母さんも知らないのか。と言っても私も最近まで知らなかったんだけど」
「うそぉ……。世界って狭いのねぇ。」
「君、接客得意かい?」
「バイトで喫茶店の店員やってます。」
「良し!!」
すごい嬉しそう……。
「とりあえず、入って入って。部屋はもう準備してあるから開店まで少し時間あるからゆっくりしてね。」
俺たちは渚のお母さんの後ろについて行った。はえぇ……。中ってこうなってるんだ。結構広いというか。なんというか。
「ごめんね。部屋、3部屋しかなくて。普段、渚の友達が来るなんて言うこと少ないから。」
突き当たりを右に曲がると3部屋、来客用と書かれた部屋があった。
「どっする?部屋割り。」
「俺、葵と一緒でいいよ。葵、それでいい?」
「別にいいけど。」
「まぁそれが一番無難か。」
「そうだね。2人で積もる話とかあると思うし、それでいいんじゃない?はい。決まり!!」
「………待って待って。普通、同性同士が同じ部屋になるものじゃないの!?」
あっそっか。俺たちのこと知らない人ってそういう反応するのか。
「言っても信じてもらえないと思うんだけど、優くんって元男なんだよね。」
「………ほえ?」
「まぁ色々ありまして。はい。」
「駄目だわ。お母さん、頭がグルグルしてくる。」
「ちょっとお母さん!?………とりあえず、荷物運びますか。」
「「「うっす。」」」
「よし。とりあえずこんなもんか。葵?そっちは?」
「俺も。」
こうなんか。2人で同じ部屋に寝泊まりするなんて何年ぶりだろ。
「昔を思い出すね。これ。」
「怖い話したらお前がトイレ一人で行けなかったやつな。」
「お前見た目に反してやることがえげついんよ。」
なんでこいつさらっとそんな恐ろしいこと言えんだよ。
「とりあえず着替えるか。部屋でっぞ。」
「はーい。」
部屋を出ると神楽坂と渚が外で待っていた。
「うし。じゃあ俺たちは先に着替えて待ってるわ。」
「「はーい。」」
これ、着るのかぁ。
「緊張してる?」
「緊張というか……。なんというか。」
「白井くんを振り向かせたいんでしょ?なら頑張らないと。」
そうだよね。背に腹はかえられぬか。
「相変わらずお前、筋肉すごいな。」
「そうか?」
「筋肉が綺麗すぎるわ。ま、俺はキッチン頑張るからフロアは頼むわ。」
「そういやキッチンは誰がやんの?」
「えっと。悟さんと俺だけだったような気がするわ。なんでもいつもは悟さん1人らしいし。」
「うわ。大変だなそれ。」
「だからめちゃくちゃ助かるってさっき言ってたわ。俺も頑張らんと。そろそろ来るんちゃうか?ゆーくん達。……おっなんや。楽しみなんか?」
「うっせ。」
「痛っ!?つねやんでええやん!?」
……うぅ。緊張する。
「おっまたせー。いやー我ながら最高の出来。ほんとにお人形さんみたい。」
「渚っちも似合っとるやん。」
「わ、私のことは褒めなくてええよ。そ、それより!見て!!優くん!!ほらほら。」
うぅ。めちゃくちゃ緊張する。というか恥ずかしい。
「ほらほら。白井くんに見てもらうんでしょ?」
「わ、分かったよ。」
「ジャッジャーン。まぁ白井くんのセンスには負けるけど私たちも頑張って選んだよ!水着!白いビキニにパレオ巻いて、ちょっとフリフリつけてみた!」
「…………。ゆーくんやんな?」
「でしょでしょ!?なんかこう見たらちょっと大人っぽいでしょ!?」
「いや俺なんも言っとらんけど。まぁでも。大人っぽいけど可愛らしさも残っとるやん。こりゃ普通の男のならイチコロやで。」
普通の男なら……か。
「流石、お「お前はデリカシーないんか!?」」
「…………。どうかな?葵。俺、似合ってるかな?」
「おう。似合ってると思う。」
「~~~っっ!?」
え?何。こいつ今日めちゃくちゃ正直に言うじゃん。
「可愛いかな?」
「…………。まぁ。可愛いんじゃね。」
デレた!?あいつが!?あの無表情で有名なあおいが!?
「レアやな……。あんなにくっそ照れてるの。」
「え、あれ照れてるの?」
「あいつの耳と頬見てみ。すごい赤いやろ。」
「あ、ほんとだ。」
「ほんとに?ほんとにほんとにそう思ってる?」
「ほんとだほんと。嘘はついてねえ。」
あいつが俺の事、可愛いって言った。
「うへぇ……。」
「「青春だ………。」」
「「アオハルだなぁ……。」」
「「うおっ。」」
いつの間に湊さんと悟さんいたの!?
「大丈夫なんですか?」
「大丈夫。ちょっと驚いただけだから。」
ちょっとで済むのか………。
「開店準備終わったぞー。」
おっ。そろそろか。
「お前ら。気合い入れていくぞ!!」
「「おぉーー!!」」
「はーい!焼きそば2個とコーラ2!!」
「うっし。任せとけ。」
「お姉さん可愛いね。ここのバイトさん?」
「え?あ、友達と一緒に。あそこにいる人です。」
「「………えっ。めちゃくちゃイケメン。」」
凄い。めちゃくちゃ客が来るというか全然止まる気配ない。
『神楽坂。材料どんな感じだ?』
『ちょっとやばいかも。足りんかもしれん。』
『りょ。』
それにしても慣れてるなぁ。やっぱり。テキパキ動いてて。
「お姉さんお姉さん。」
「あ、はーい。」
ひえぇ……。忙しい。
「豚玉と焼きそばそれぞれ一つずつ!!」
「あいよー!」
SNSの反響すごいな。すぐ客が来る。
『葵ー!!ゆーくん聞いとるか?』
『聞こえてるけど。』
『どうしたの?』
『もう材料無くなったわ!!』
まだ開店して2時間しか経ってなくない?
「伝えて「材料切れたって!?」言う必要なかったわ。」
「ふぅ。今日は店仕舞いだ!!」
悟さんが店全体に伝わるように声を上げた。やっと終わったぁ。
「ふいぃ。疲れたぁ。」
「おつかれ。」
「おつかれさん。徹君、いい腕してんね。」
「実家、居酒屋なんで!」
ここぞとばかりアピールしてる。
「みんなのおかげで売り切れだったよー。」
「よっしゃ。仕事が終わったってことは。あれだ。」
「「海だぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」」
「「またこのパターンか。」」
「お給料は後で渡すから存分に楽しんでらっしゃい。」
「「うおっしゃあ!!!」」
「元気だなぁ……。」
「ま、いいんじゃね元気なことは。」
あと2話ぐらい続きそう。