転生先が百合キャンセラーのバケモンとかどうにかならなかったんですか!? 作:サク&いずみーる
作者「やったね! みんなオメーのことかわいいってさ!」
オリ主「解せぬ」
それはそれとして前回に比べて文字数の落差がエグい……!!
この前のしぇんゆー回、やっぱすげーわ……(余韻)
にしても、あれだったな。
あの狙撃シーンって、『やきう』だ『ハチナイ』だってよく言われるじゃん?
それ最初聞いた時「お前ら、弾を打ち返したら何でも野球判定になるのおかしくね?」って思ってたんだよ。
だって一応銃弾だぜ?
でも、実際見て分かったわ。
あれは確かに野球だった。
想像以上にベースボールしてた。
生で見るとやっぱりいろいろ違うよな。
叶うなら、その後のお風呂で背中合わせするシーンも。
見たかったなあって……!
いや、その、別に全然下心とかじゃなくて!
ただ髪下ろした雨嘉さん綺麗だから見たかっただけなんだけど!!
ほら俺って髪長い女の子推しがちじゃん?
でも「いつも髪結んでるけどたまに髪を下ろす女の子」はもっと刺さるっていうかさあ!?
だからほんっとただ髪下ろした雨嘉さん綺麗だから見たかっただけなんだけど!!(2回目)
……
「にゃあう!」
「キュイ……?」
今の俺は平和な日常を噛みしめつつ。
たま〜に我が家に来る猫の導きを受けていた。
ちょっとした夜のお散歩の気分。
でもどうやら『あのご飯欲しいー!』っていう軽いお願いじゃなくて、もっと重要度が高い案件らしい。
案内の端々に焦りが見えるから。
「にゃあー!」
「キュイ?」
そうして連れてこられたのが、百合ヶ丘から少し離れた旧市街地。
暗いし瓦礫でごちゃついてっけど、俺の目はそんなの関係ない。
……この身体に慣れてきた自分が怖いなあ(白目)
確かこの辺、猫の溜まり場なんだっけ?
ちなみに情報のリソースは同居猫と梅様。
既にいた何匹かが群がっているのが分かった。
はいはいみんなお邪魔しますねー。
「みっ!?」
「にゃあ」
「ふー……?」
驚き、警戒、困惑、安心……いろんな意味合いの視線を受けながら。
俺が目にしたのは。
「──ッ!!」
小さな体に広がる、赤い池。
確かに、一刻を争う事態だった。
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季節は6月、かつてはよく雨が降ると言われたこの時期だが。
今ではそうでもないらしい。
昼間は、レギオンメンバーを集めるために奔走したり。
個人情報の漏洩に半泣きになったり。
「妹」の誕生日が目前であると知った「姉」が、こっちもこっちで奔走していたり。
なんなら、翌日の早朝から外出できるように生徒会にかけ合ってみたり……と。
実に……実に賑やかな時間が流れていたものだが。
夜になれば、すっかり落ち着いていた。
一部、『むしろここからが勝負だ』と言わんばかりに張り切る者もいるが。
大抵の者は夢の世界へと向かった後だろう。
そんな、ほとんど静寂に満ちた世界で。
「──イ」
沈黙を裂く影、一つ。
「──キューイ……」
あまりに静かなものだから、より一層虚しく響く声。
時間が時間なだけに、申し訳ないというのは理解していた。
「キューイ……」
だが、事態が事態だということも理解してほしかった。
気づいて、と段々鳴き声に不安が混ざり始める。
「キューイ……!」
早く、早く……!
急がないと、この手の中の小さな灯火が絶えてしまう……!
「キューイッ!」
もう、必死だった。
ただただ、縋るように。
自分じゃどうにもできないから。
「キューイッ!!」
──残響、後に静寂。
それが「お前には何もできない」と言外に突きつけられている気がした。
「おいっ、何があった!?」
──でも、完全に見放されたわけではなくて。
真っ先に異常を感じた金髪の少女『
「キュッ、キュイキュイ!」
「なっ……!? すぐに医務室に運んでくる!」
差し出された『それ』に、目を見開いた鶴紗は。
託された小さな命を胸に抱いて走っていった。
「キュイ……」
取り残された闇の中、涙も流せない眼が揺れる。
願いは聞き届けられた、だから。
この祈りも、届きますように。
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──ピラトゥスの幸運なところは。
何も、リリィが応じてくれたことだけではない。
抱えた『事情』故に、医務室の世話になりがちな鶴紗が来てくれたというのもある。
ある程度は、医療器具の置かれた場所と扱いを覚えている彼女のおかげで。
風前の灯火だった命はなんとか救われたのだから。
「それにしても、酷い……」
ピラトゥスが運んできたのは、ボロボロの黒猫だった。
血がべったりとつき、パッと見ただけでもたくさん傷がついている。
それだけではない。
左耳は欠け、尻尾は半分に千切れている。
何があったのか、それとも誰にやられたのかは分からない。
分からない、けど。
「お前は、必ず助けるからな」
泣き叫ぶように吠えていた小竜が託した、この命は。
絶対に手放さないように、と。
弱く鼓動を打つ体に触れて誓った。
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まだ朝日が昇っていない早朝、白井夢結は目を覚ます。
日付は6月19日、
つまり、今日が勝負。
日頃から梨璃にも口酸っぱく言っている身だしなみを整える。
百合ヶ丘のリリィたるもの、如何なる時もきちんとした格好でいなくては示しがつかないのだ。
前日に準備しておいた持ち物たちを確認──問題なし。
手には、大事な外出届。
そこに記された時間は、陽が沈んだ頃。
……さすがに用件の欄に「シルトの誕生日プレゼントを買いに行く」なんて、馬鹿正直に書くような素直さも度胸も持ち合わせがなかったのか。
ただ簡潔に「私用」と書いてあるのがなんとも夢結らしい。
「ふぅ……」
行き先は甲州──梨璃の生まれた故郷。
今ここに、ちょっと不器用な「お姉さま」の旅が幕を開ける。
「っ!?」
……出発早々。
駅の改札に引っかかってしまう辺り、夢結は己の旅が早くも前途多難であることを悟った。
実はこれより前に鶴紗さんとはエンカウント済みのオリ主。
【キャラ設定】その11(今回は補足)
決してリリィたちが薄情だったわけではなく、単に寮の防音が優秀だっただけ。オリ主が悪い奴じゃないというのは百合ヶ丘ではもう周知の事実であるため、もし気づいたらみんな来てくれてた。
鶴紗さんが来てくれたのは、夜中に目が覚めちゃってなんとなく外を見たらオリ主が騒いでたことに気づいたから。
ここまでが去年のうちにストックしておいた分です。
ちょっと課題に集中するので投稿が遅れるかもです。いつもこの『転生ヒュージの話』を読んでくれる人たちに感謝を。
次の投稿まで少し待ってていただけると嬉しいです。