転生先が百合キャンセラーのバケモンとかどうにかならなかったんですか!? 作:サク&いずみーる
あと、サブタイは大体その場の気分で決めています。
Heart+Heartは2番サビ前の吐息みたいに歌うところが良い(挨拶)
そんな俺は今、海で魚を捕まえているところですねー。
前回、梨璃ちゃんのとこに行ったであろう猫。
あれって、俺が差し向けた奴なんだよ。
その時、交換条件で『ちょっと良い飯が欲しいなー、獲ってきてくれたらお願い聞いてもいいんだけどなー?』ってチラチラされて。
で、海女さんごっこしてるってわけ。
後悔はしてない。
だって俺の(命以外の)犠牲で梨璃ちゃんが笑顔になるなら、別にいいかなって(諦観)
おかげで、たづまいが『9人や、ウチらを入れて』とレギオン加入したはず。
アイドルも演劇も、9人いないと始まらないしな!
「──ッ!」
あ! 来ました!
来ましたよーマグロ!
『前世』の俺もなかなかありつけなかった活きのいいマグロ!
あいつこれ要求しやがったからな!!
なまじっか泳ぐの速いから苦労するのにな!?
しかも獲っても俺食えないのが惜しまれる……!
マグロは魚の中で2番目に好きなんだけどなー!!
「!?」
「──!!」
獲ったどー!
デカいの獲ったどー!!
ひゃー、活きがいいっすねー!
苦労するとは言ったが、獲れないとは言ってない。
とっとと持って帰らないとな、魚は新鮮さが命だから。
……それに。
『原作』に基づいて考えたら。
梨璃ちゃん誕生日回の後は、確かまた厄介なヒュージが来てたはず。
どんなイレギュラーがあるかは分からない。
行けるなら行かないと。
え? 最初に危惧してた『原作介入』の話?
いや、忘れてたわけじゃないんだぜ?
でもどうせ、土壇場で考えが吹き飛ぶだろうし。
もういいやって。
それに、本来なら平和で年相応の暮らしができるはずの女の子たちに。
任せっきりっていうのも、なんか違うじゃん?
野郎なら、それくらい頑張らないとな。
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レギオン『ラーズグリーズ』──通称『一柳隊』の発足。
梨璃はてっきり『白井隊』だと思っていたらしいが。
このレギオン自体、彼女の働きで生まれたようなものだ。
満場一致で梨璃が隊長に着任した。
もちろん、夢結も未熟なシルトを支えてくれるとのことだ。
ただし、弛んでいれば「責任を持って突っつく」とも付け加えて。
そして、今の一柳隊はというと。
「──ここで見学、ですか?」
一柳隊総出で来たのは、廃墟群の屋上。
パラソル付きのテーブルやティーセットまで用意してある。
「私たちの戦闘を見学するなら、特等席でしょ?」
「あの夢結がシルトのために骨折りするなら、協力したくもなるでしょう?」
世界最高峰のレギオン『アールヴヘイム』の2年生──『
からかうような、微笑ましいような目で夢結を見た。
そもそも、アールヴヘイムのような凄腕のレギオンが、結成したばかりの一柳隊に協力しているのは。
初代アールヴヘイムとして関わりがあった、夢結からの頼みだったからだ。
そして、あの『夢結』が。
こうしてシルトのために、頼ってきてくれるなんて。
「ふふ……夢結をこんなにかわいらしくしちゃうなんて、あなた一体何者なの?」
「え? 私はただの新米リリィで……」
「ありがとう、天葉」
少しだけ圧を感じる夢結の礼も、天葉は「貸しだから」と軽く返した。
だって、あの『夢結』が。
「シルトに近づく同級生にちょっとやきもちしている」だなんて。
当時を知る者からすれば、その変化がかわいく見えて仕方ない。
「ノインヴェルト戦術が見たいんでしょ? お見せする間もなく倒しちゃったら、ごめんなさいね」
そう言う依奈も、どこか微笑ましそうな様子で。
2人が行った後も、なんだかむずがゆくて気まずい雰囲気になってしまった。
故に、雰囲気を変えようと夢結が問いかける。
「時に梨璃……貴女レアスキルは何か分かったの?」
「え? あれから何も……私にレアスキルなんて、ないんじゃないですか?」
あはは、と頬を掻く梨璃の言葉に。
ふと、ルームメイトの『
──レアスキル『カリスマ』
類い稀なる統率力を発揮すると言われる、支援と支配のレアスキル。
それが、梨璃のレアスキルではないかと見当をつけていた。
そして暗に「夢結が梨璃の手の内にある」という可能性も示唆していて。
尤も、そう考えたくはないのだが。
「そう……気にすることはないわ。何であれ、私のルナティックトランサーに比べれば……」
「いけません! そういうの!」
夢結の自嘲を遮って、梨璃が立つ。
「そんな風に自分に言うの……お姉さまは、何をしたって素敵です!」
その言葉が、彼女の本心であることが分からないわけではない。
その想いが、信じられないわけではない。
でも、それを真正面から受け止められるほど、自分のことを受け入れたわけでもなくて。
「……そうね。そうありたいと、思うわ」
目線も合わせずに、そう返す。
願望じみた返答だったけれど、梨璃は黙って座った。
海からの襲撃者は水柱を上げてやってくる。
ジャラリ、としなる鎖のムチが派手にやるそれは──
「私たちに陽動を仕掛けた!?」
「ヒュージのくせに小賢しいじゃない!!」
攻撃というよりは、注意を引く陽動。
あの小竜は別として、考える知能もないはずのヒュージにしてはおかしい動きだ。
さらに。
「あっ!?」
「■■■■■■■■■!」
水面から飛び出し、ついに
そいつの姿を一言で言えば、イカが最も近いだろう。
耳障りな咆哮を上げるそいつの『目』にマギの光が宿る。
「押されてるな。アールヴヘイム」
「ええ。あのヒュージ、リリィをまるで恐れていない……」
何もかもが今までのヒュージとは違っていた。
それも、悪い意味で。
「こいつ、戦いに慣れてる!?」
「アールヴヘイムはこれより、上陸中のヒュージにノインヴェルト戦術を仕掛ける!」
天葉の号令で、レギオン全体の動きが変わった。
作戦開始の合図は、CHARMに特殊弾が装填される音。
瞬間、メンバーの表情にわずかな緊張が走る。
「よく見ておきなさい」
「は、はい……」
ノインヴェルト戦術とは『9つの世界』を意味する、謂わばリリィの必殺技。
マギスフィアを、9つの世界に模した9本のCHARMでパスしながら成長させ。
ヒュージに向けて放つ戦闘法だ。
その威力は絶大で、あらゆるヒュージに対する決定打となる。
ただし、それと引き換えにリリィのマギとCHARMを著しく消耗させる。
まさに、文字通りの諸刃の剣。
成功すれば必勝、失敗すれば危険が跳ね上がる。
「不肖、
そう、成功すれば必勝──
「何!?」
「フィニッシュショットを止めた……?」
「嘘っ!?」
直前で展開したのは『マギリフレクター』。
ヒュージが持つ防御手段であり、今までもこれを使う個体がいなかったわけではない。
しかし、ノインヴェルト戦術を防ぐほどの強度を誇るものは見たことがない。
「何じゃ──!?」
「えっ……!?」
そして、夢結は確かに見た。
マギリフレクターの端にブレて浮かぶ、ルーンを。
しかも、それにはどこか見覚えがあって。
「こんにゃろぉおおおおおおおっ!!」
天葉のダメ押し、マギの輝きが強さを増す。
ギリギリとせめぎ合って、そして──
──パキリ、と音が聞こえた。
幾分か威力が弱まってしまったが、マギによるバリアは破れ。
マギスフィアが着弾する。
巻き起こる、核弾頭も真っ青の派手な爆発。
立ち上がる、マギの
代償は、天葉の愛機『グラム』の全壊。
天葉本人が無事なのは、彼女のシルト『
「もう……天葉姉さま、危ないです……!」
「不本意ですが、アールヴヘイムは撤退します」
アールヴヘイムの主将が実質戦闘不能となった結果だった。
武器もないのにヒュージと戦うなんて、無謀もいいところだ。
さらに言えば、最近のアールヴヘイムは外征続きで疲労もそれなりに蓄積している。
よって、それらを考慮した彼女の判断は正しい。
「──くっ!」
しかし、その判断を自分が受け入れられるかどうかは別であり。
撤退せざるを得ないことが、悔しくて仕方なかった。
「アールヴヘイムが、ノインヴェルト戦術を使って仕損じるなんて……」
それは「世界最強クラスのレギオンですら敗れ得る」という現実。
「世界最強」は「無敵」とイコールで結ばれているわけではないのだ。
そして、梨璃は気がつく。
「っ!?」
「梨璃さん!」
「あのヒュージ、まだ動いてます!」
燃える朱の中に佇む、異形の姿に。
「黙って見てたりしたら、お姉さまに突っつかれちゃいますから!」
「どさくさ紛れに、一柳隊の初陣ですわね」
だからとて、絶望はしない。
むしろ、一柳隊の士気は満ち溢れている。
それに、だ。
──突然、海の匂いを連れた風が一つ。
「あっ……!」
「キュッキュイーッ!」
翼を広げてどこからか飛んできたのは、リリィと友好を結ぶ異形──ピラトゥス。
大方、異常を察知して駆けつけたのだろう。
「一緒に戦ってくれるの?」
「キュイッ!」
「ありがとう!」
何にしろ、頼もしい援軍であることに間違いない。
だが、油断は禁物だ。
何せ相手は、アールヴヘイムすら退けたヒュージなのだから。
(お姉様……私たちを守って)
夢結のペンダントを握る手に力が込もる。
今は亡き「姉」に縋ってしまうのは、隠し切れない不安の表れだった。
──共闘、開始。
メインストーリー2章履修後の作者
「うちのオリ主、神琳さんと聖恋ちゃんの声を聞いて宇宙猫になりそうだし、来夢×聖恋の関係を知ったら死にそう」
そしてUA1万越えしました! これも全て皆様のおかげです! それに伴い、少し本編とは関係ない情報を解禁します。
以前「UA10万と本編完結したら〜」みたいな話をしたと思いますが、あの自己満足の内容は「他の作家さんの作品とコラボする」というものです。個人的に好きな作品の作者さんにお願いして、うちのオリ主を本格派遣したいのです。ね? 自己満足でしょ?
【キャラ設定】その13
前回のおまけ小話でもあったオリ主の「尻尾ゆらゆら」は完全に無意識。もちろん意識すれば自由に動くが、特に何も考えていないと感情に合わせて動く。ちなみにオリ主自身はまだその癖に気づいていない。
そろそろ公開できるネタがないので、みんな活動報告の『質問箱』に質問投げて……気まぐれに拾ったり拾わなかったりします。