転生先が百合キャンセラーのバケモンとかどうにかならなかったんですか!?   作:サク&いずみーる

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本当は前回の話とまとめようかと思っていましたが、なんとなく分割しました。今回は種明かし編です。


だって、あいつらバカじゃん

 ──それから、なんとか落ち着いた官僚たちは。

 戻ってきた『支配者』の指示で、連行の手筈を整えていった。

 人を呼び、鎖で縛って自由を奪う。

 状況だけを見れば、政府が優位に立てたように思えるが。

 その実、主導権を握っているのは全く逆だった。

 鎖の拘束なんて、気休めにもなりやしない。

 自分たちは、それよりも恐ろしい爆弾を文字通り飲まされたのだから。

 官僚たちはいつもの態度を取り繕うので精一杯だ。

 

「……ッ」

「理事長代行……」

 

 静かに歯を食いしばる咬月も。

 不安そうに見る百由も、何も言えなかった。

 

 確かに、これで結梨はヒトとして認められた。

 今後、容易に手を出してくることもないだろう。

 人を呼ばせる前に、官僚たちに対して『そいつ』が3つの釘を刺しておいたからだ。

 

 ──『オレが見てないからって、約束を破るなよ? 分かるから』

 

 ──『オレを殺さないでもらえるように話を通しておいて。じゃないと道連れね』

 

 ──『言うまでもないとは思うけど、一連のことは他言無用だから』

 

 官僚たちはまた泣きそうになりながら頷いた。

 だから、結梨はもう自由の身だ。

 

 ……だが、その代わりに。

 悪役を買って出た『竜の少女』は、自由を失った。

 かろうじて命の保証はされるようだが、また独りで苦しい思いをすることになるのだ。

 結局、誰かが犠牲になることに変わりはない。

 何か声をかけたくても、表面上は敵対関係で。

 脅し、脅された関係ということになっているから。

 心配の言葉をかけてしまえば、全てが無駄になる。

 それは『竜の少女』が最も望まないことだ。

 どれほどもどかしくても、それだけはダメだった。

 あまりにも報われなくなってしまうから。

 あまりにも、救われなくなってしまうから。

 

「さあ、来い」

『……』

 

 『そいつ』が連行者の指示に従って、歩こうとして。

 ふと、フードを被った顔を上げる。

 

 官僚たちは震え上がった。

 『そいつ』が歯を覗かせて嗤っていたから。

 咬月と百由は息を呑んだ。

 『そいつ』の右眼は最後まで光がなかったから。

 それぞれ違うものを最後に見届けて、『乱入者』は連れて行かれた。

 竜の尾は、揺らいでいなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「……では、失礼します」

 

 咬月と百由も、会議室を後にする。

 

「……っ」

 

 百由はぶるっと身を震わせた。

 いつも、肝心なところは竜の少女に助けられてばかりだ。

 共に戦ってくれるし、寄り添ってくれる。

 時には身を削ってでも守ってくれる。

 だというのに、自分たちは何も返せていない。

 当人は何でもないことのようにしているし。

 日頃から『温かく迎えてくれるだけでも十分なんだ』なんて言ってくれるけれど。

 それだけで納得できるほど、リリィは薄情ではない。

 

 いつになく沈んだ様子の百由に。

 しばらく歩いたところで、咬月が何か声をかけるため口を開こうとして──

 

 

 

 

 

 

()()()()()()()()()()()()

 

 ──背後から、()()()()()がかけられる。

 その声には、聞き覚えがあった。

 揃って振り返れば、()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 しかし、格好が先程とは違う。

 ボロボロのローブではなく、百合ヶ丘で着ていたマントを羽織っているし。

 声の調子からも分かるように、首に付けた人工声帯は前のものだ。

 や、と軽く手を挙げる仕草は『そこで見かけたから来ました』くらいのノリである。

 

「!?」

「あ、アルンさん!?」

『そうですよー』

「え、どうして……!?」

 

 まさかの展開に、咬月ですら驚きを隠しきれない。

 混乱するばかりの2人を、竜の少女は『まぁまぁ』と落ち着かせる。

 ──そして、ことの種明かしを始めていく。

 

『あれはオレの偽物です。今、目の前にいるオレが「高松アルン」の名をもらった本物です』

「はいっ!?」

 

 まず一言目からぶっ飛んでいた。

 そこから順を追って説明していくと、こうなる。

 

 先程まで会議室でやり取りをしていたのは、アルンの偽物──正確には、アルンが切り離して生み出した分身体。

 自我が弱く従順な、アルン専用ヒュージ『サーバント』の一種だという。

 本来なら、アルン本人より弱くなるはずだが。

 それではマズいと考えて、アルンと同じくらいのステータスになった個体らしい。

 

『そのせいで、今のオレは前より弱くなりましたよ』

 

 火力が死んだ、と苦笑するアルンは。

 確かに外見も少し変化していた。

 くすんだ銀の角は半分ほど短くなっていて。

 最大の特徴とも呼ぶべき腕は、以前だとまるで『人間の腕を横から(うず)めている』という感じだったのが。

 今は『手袋か何かのように人間の腕を突っ込んでいる』という感じになっていた。

 

『分体とはマギ的なパスで繋いで感覚を共有できるので、ずっと見ていました』

「なら、話していたのは……」

『はい。意識を被せてオレが話していたと言っていいです』

 

 だから、あれはアルン自身の想いであり。

 アルン自身の言葉でもあった。

 

『まぁ、既にパスは切ったので。今では、事前に与えた命令(プログラム)に基づいて行動するコピーでしかないですよ』

 

 意思は薄く、誰かの言いなりで動きつつ。

 生体データはアルンと全く同じ模造品。

 それは、連中にとっても都合の良い人形だろう。

 だが、百由には1つ心配があった。

 

「それって、本物じゃないってバレるんじゃないの?」

『どうせ、アイツらに「中身」のあるなしなんて分からないですよ。人やリリィすらモルモットにしか見えていないんですから、頭が空っぽでも気づくもんか』

 

 呆れた顔での即答。

 連中が重視しているのは、心ではなくデータだ。

 なら、あの程度で十分だろう。

 むしろ無駄な反抗をしない分、扱いやすいとすら考えそうだ。

 そもそもの話、連中にそんな良心があるなら。

 事態はここまで悪化しなかったのである。

 

 サーバントには『何があっても絶対に人やリリィを傷つけてはいけない』という命令が核とされている。

 それは、何者にも壊せない心臓とも呼べるものであり。

 この命令が破られた瞬間、サーバントは即時自壊するようになっている。

 つまり、あのコピーが人々に被害をもたらす心配はないということだ。

 

「いつの間にそんな力を……」

『前に尻尾が切れて動き回るやつが生まれたじゃないですか。あれからインスピレーションを得ました』

「インスピレーションって……」

 

 つくづく敵には回したくない存在だ、と咬月は思った。

 何より恐ろしいのは、官僚たちに飲ませたあのヒュージウイルスだ。

 規格外もいいところの未知なる能力。

 アルンの気分次第でヒュージになってしまう状況は、まさしく「手のひらの上」と言える。

 もちろん、信頼関係を築いてきた咬月は飲まされていないが。

 敵対すれば、アレを飲まされると思うとゾッとする。

 

「ヒュージウイルスなんて隠し球、予想以上に危ないわね。ちょっと見過ごせないかも」

『いや、そんな機能はオレにないですけれど』

 

 さらっと明かされる衝撃の事実。

 2人はまた目を剥くことになる。

 

「え? じゃあ、あれって……」

『その辺は全部まっさらなハッタリですよ?』

 

 マントのポケットから何かを取り出し。

 歩きながら呆ける百由に持たせる。

 手の感触で我に返った彼女は、渡されたものを見る。

 手の中にあったのは、普通の錠剤(タブレット)と唐辛子の幽霊が描かれた調味料の容器。

 そして、いつもアルンの検査で使っていた薬を飲みやすくするゼリーである。

 

「これは?」

『強いて言うなら、件のヒュージウイルスの材料ですね』

 

 実際に飲ませたのは、何の変哲もない錠剤。

 それをゼリーで包んで、調味料をふんだんにまぶせば。

 ヒュージウイルス(笑)の完成である。

 なお、表面は着色料で黒くしたため。

 中身は見えないようになっていた。

 

「じゃあ、あの発汗と発熱は?」

『あれも単純な話ですとも』

 

 初期症状として出ていた発汗と発熱。

 カプサイシンによる作用も確かに関係しているのだが。

 あれは本当に密かに、部屋自体の温度が上げられていたのだった。

 現に、外に出た途端。

 一気に冷えたような気がして、百由は一瞬震えたのだ。

 

『あの空間、実はオレもいたんですよ。誰よりも先に行って、少し空調をいじっていました』

「は!?」

「一体どうやって──」

『忘れていませんか? オレ、隠密と防御には自信があるってことを』

「あ、ユーバーザインね!」

『いぐざくとりー』

 

 あとはこのマントですねー、と付け加えたアルンは最後の種明かしに移る。

 

『ご存知の通り、ユーバーザインは敵味方関係なく気配を消すレアスキルです。コピーを背負って使えば、あっさり潜入できました』

 

 一応、政府の名誉のために弁明しておくが。

 警備員はしっかり仕事をしていたし、セキュリティもちゃんとしている。

 ただ、アルンの本気には届かなかったというだけなのだ。

 ユーバーザインによる隠密行動は、リリィですら見つけるのに時間を要する。

 ただの人間やカメラの監視を切り抜けることくらい容易い話だ。

 そこから空調システムに干渉して、会議室の制御権を一時的に掌握。

 あとは全員揃ったタイミングで、少しずつ温度を上げていくというわけである。

 

『ユーバーザインの隠密効果をコピーに移して、みんなが見つけたあの位置で待たせておけば「いかにもあそこで聞いていました」みたいに見えるでしょう?』

「待ってくれ。ならばその間、アルン君自身はどうやって?」

『そこでこのマントです。コピーにこれを着せなかったのは、何も百合ヶ丘との関係を誤魔化すためだけじゃないんですよ』

 

 アルンが纏うマントには、特殊迷彩が施されている。

 マギを通わせてフードを被れば、ユーバーザインほどではなくとも。

 相応の隠密行動を可能とする。

 その効果は、マギを扱えない人間から存在を認識しにくくするというもの。

 リリィなら注意を払っていれば、すぐに見つけられる程度の精度ではあるが。

 完全な不意打ちなら、絶大な効果を発揮する。

 あの場の人間は、まさかアルンが潜んでいるなんて夢にも思わないだろう。

 つまり、不意打ちには絶好の状況である。

 加えて同じ空間には、より注目を集めている(コピー)がいる。

 意識をそちらに集中し、本体(アルン)の気配を弱めておけば。

 自身にユーバーザインを使わなくとも、余程のことがない限りは気づかれないということだった。

 

 これが、ヒュージウイルスのトリックの全容。

 竜の少女が汗をかかなかったのは、コピーだからというよりは。

 ヒュージとしての体質が強く出る半人の姿だから。

 そして、咬月と百由がほとんど汗をかかなかった理由。

 これは、あの拘束が関係していた。

 

『ほら、途中からこの辺りキツくならなかったですか?』

「言われてみれば、そうじゃったな」

 

 示されたのは胸の下──ちょうど肋骨がある辺りだった。

 『半側発汗』といって、人間の体は肋骨に圧力がかかると汗が止まるようにできている。

 もちろん、体温を低下させる働きのある発汗を止めるということは。

 その分体温を上昇させるため、注意する必要がある。

 だが、時間に気を付ければ問題はない。

 こうして、あたかも「連中がウイルスを仕組まれた」ような状況を作り上げたのである。

 

「ははーん、やるわねぇ〜?」

『それに、ああ言っておけばあの老害(バカ)どもは「理事長代行がどうすることもできなかった」という事実を身を以て信じるでしょう?』

 

 あの手の分からず屋には口より体でってね、と小柄な策士は微笑んだ。

 

「しかし、バレないものなのか? 万が一、実際に精密検査を行えばすぐに分かるのではなかろうか?」

『はい、確かめれば分かりますよ。でも、()()()()()()()()()

「それはまた何故……」

『オレには分かります。アイツらは所詮、小物です』

 

 地位に縋りつき、権力を振りかざして。

 それを自分自身の力だと信じて疑わない小物だと。

 そんな小物に、『爆弾』の真偽を確かめる度胸などありはしない。

 だから『爆弾に見せかけた空箱』ということに気がつかない。

 シュレディンガーの猫は、確認していないからいつまで経っても結果が分からないのだ。

 人は未知を恐れるもの。

 何も知らずに怖がって、勝手に怯えて。

 そこを揺さぶれば、ある程度は思い通りに動かせる。

 そういった心理を利用したのだった。

 

『それよりも、早くみんなに連絡入れてあげてくださいよ。善は急げってやつですよ』

「そうだな。百由君」

「まっかせてくださいな!」

 

 端末を取り出すのを見届けると、アルンは外していたフードを被り直す。

 その動作に、咬月は怪訝な視線を向ける。

 

「どうかしたのかね?」

『一足先に戻らせてもらおうと思いまして。みんなに黙って出てきたから、早く謝りに行かないと』

 

 何でもないことのように零す一方で。

 蜂蜜色の瞳は、どこか覚悟を決めた目つきをしている。

 ただ帰るだけでこんな目をするだろうか。

 咬月は淡く胸騒ぎを覚えるが、引き止める理由を持ち合わせてはいなくて。

 

「……そうか。なら、百合ヶ丘で」

『はい。必ずです』

 

 そんな言葉を後に、アルンの姿が突然音ごと消える。

 おそらく、ユーバーザインすら使って行ってしまったのだろう。

 残されたのは、嬉々として報告する百由と。

 いつも通り鉄仮面の咬月のみ。

 

 ……その心中は、どうにも穏やかではなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 ──夜明け前の廃墟群。

 その中を、8人の少女たちが進んでいく。

 間違っても、肝試しや夜遊びといった好奇心で訪れたわけではない。

 

「夢結。梨璃たちのいる場所、こっちで合ってるのか?」

 

 先陣を切る梅が振り返って確認する。

 夢結は確かな肯定を返した。

 

「梨璃には、西の無人の街に行きなさいと伝えてある。間違いないわ」

「梨璃さんたち、きっとお腹を空かせてますわ。早く見つけて差し上げないと」

 

 辺りを警戒していた神琳は、雨嘉がぼんやりしていることに気がついた。

 調子が悪い、というよりは何か考えているらしい彼女に。

 優しく声をかけてみる。

 

「雨嘉さん、どうかしましたか?」

 

 当の雨嘉は、もう一度考え込んでから。

 思っていたことを口にする。

 

「私たち、これで違反者になるのかな……って思って」

「はい! みんな逃亡者を助けようとしているのですから、立派な違反者ですね!」

「立派なのかな……?」

 

 政府の指示は、逃亡者を捕らえて結梨を差し出すこと。

 もちろん助けろ、とはどこの誰にも言われていない。

 独断行動もいいところだ。

 しかし、二水はいっそ清々しいまでに言い切った。

 

「私は、何があっても梨璃さんと結梨ちゃん、それにアルンさんの味方です! そう決めたんです!」

 

 違反上等、という二水の意見に反対する者はいない。

 むしろ、賛成の意すら見せるのが『一柳隊』というレギオンで。

 

「ははは、気持ちのいい思い切りだな」

「私も、梨璃たちを助けたい」

「リリィには、臨機応変な状況判断が認められています。結梨さんが危険な存在でないのなら、そのように対処するまでです」

 

 やはり、考えることは同じなのだということを実感して。

 ほんのり胸が温かくなる。

 

 ──不意に、誰かの携帯が鳴る。

 静かな街には、さほど大きくないはずの音がよく響いた。

 

「お、百由様からじゃな」

 

 ミリアムが端末に耳を当て、話を聞く。

 大して時間はかからなかったようで、一言返すとすぐに切って──その吉報を伝える。

 

「皆の衆! どうやら違反者にならずに済みそうじゃぞ!」

「え?」

 

 どういうことなのか、分かっていないメンバーもいる中で。

 早くに理解した夢結が小さく微笑む。

 

(百由……どうやら間に合ったみたいね)

 

 白みだした空を見上げて、窮地を凌いだ同級生に感謝する。

 夜明けは、もうすぐそこだ。

 




ここから伏線回収の答え合わせに入ります。一応、「まだ自分で考えたい」という人は各自ブラウザバックをお願いします。
いつものキャラ設定は活動報告にもまとめてあるので、そちらをご確認ください。






























では伏線答え合わせ、行きます!

23話抜粋「その手には、黒いキャップに真っ赤な中身の入れ物」
→酔った百合ヶ丘職員さんも意識が吹き飛んだあれ。ヒュージウイルスに使われた「調味料」はこれ。

24話抜粋「……オレの分身、みたいな?」
→たまたま尻尾が切れて、分身になることが分かったあれ。ここで「体を切り離せば分体ができる……これ、切る部分変えたらもう一人の自分作れないかな?」と思いついた。

25話キャラ設定抜粋「どうしても錠剤が避けられない時は、専用のゼリーを使っている」
→ヒュージウイルスに使われた「ゼリー」はこれ。実はここにも伏線を撒いていた。

34話抜粋「わずかに尾が締め上げる強さを増す」
→ここで味方の肋骨に丁度いいくらいの圧を与えると同時に、本体のオリ主が一気に空調を調節した。


13話キャラ設定抜粋「特に何も考えていないと感情に合わせて動く」
今回の抜粋「竜の尾は、揺らいでいなかった」
→「感情に合わせて動く」=「特に感情を持たないコピーは意図しなければ動かない」ということになる。

今回の抜粋「さっき連行されたはずの『竜の少女』」(伏線とは違うけど)
→そもそも前回から「アルンが」なんて一言も言ってない。

34話抜粋「光も映さぬ瞳」
→実はここで「百合ヶ丘のみんなが知ってるオリ主本人ではない」ということをほのめかしていた。


【キャラ設定】その35

今回登場したコピーは、オリ主のとっておきの切り札。影武者・身代わり専用サーバントで『フェッチ』と命名。由来は某妖精騎士の必殺技から。24話の出来事からインスピレーションを得て編み出された。
ただ、他のサーバントと違って体の一部ではなく、体全体を必要とする。31話冒頭で「腹割って……」というシーンがあったが、あれは本当に物理的に腹を割っていた。
しかも上手くいく保証はどこにもないし、中途半端なやり方だと先に『転生特典』が体を治してしまう。さらに、腹部は完全に痛覚が存在するため、壮絶な苦痛を味わうことになる。最初から上手くできるはずもなく、オリ主は成功するまで何度も何度も切腹を繰り返していた。
本来は一時的な身代わり程度の扱いなので、各種スペックは劣化していてオリ主はなんともないはずだった。しかし、今回は本来のスペックを維持させるためにオリ主自身のマギ保有量を少し削ったため、オリ主の方が弱体化した。
他のサーバントよりは思考ができるが、自我はやはり弱い。


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