転生先が百合キャンセラーのバケモンとかどうにかならなかったんですか!?   作:サク&いずみーる

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まずはUA10万に感謝! そしてこの作品を書くきっかけになった作者さんとのコラボじゃ祝えィ!!! 無理言ってアサルトリリィ未修の方に書いてもらったぞ!!!!!
(以下、協力してくださった作者さんのメッセージになります)


アサルトリリィ界隈の皆様は初めまして、シンフォギア適合者も兼ねている皆様はお世話になっております。
普段はシンフォギア界隈で、『チョイワルビッキーと一途な393』という作品を、徒然なるままに垂れ流しております。
数多命と申します。
この度、『転生先が百合キャンセラーのバケモンとかどうにかならなかったんですか!?』と拙作『チョイワルビッキー』のコラボのお話を頂きまして、拙いながらも一筆したためさせて頂きました。
日頃からアサルトリリィを愛していらっしゃる方々に比べると、私が込めた愛なぞ微々たるものでしょうが。
代わりに敬意はたくさん練り込んだつもりです(笑)
こちら、UA10万突破記念も兼ねているということで、思いもよらぬ大役に戦々恐々としておりますが。
どうか、皆さまのお暇つぶしにでもなれたのなら、これ幸いでございますm(_ _)m




特別番外編 麻婆豆腐食べようぜ

 

――――俺の名前は『高松アルン』。

少女達の愛で百合が咲き乱れ、バトルで火花が舞い踊るアニメ『アサルトリリィ BOUQUET』の世界に。

何の不幸か敵サイドである『ヒュージ』として目覚めてしまった転生者である。

ついこの前、なんとか結梨ちゃんを死なせることなく最終回を乗り越えることが出来たのだが・・・・。

 

「・・・・・あの」

 

隣では、とっっっっっっっっっっても見覚えのある琥珀色の瞳が、戸惑いを隠せていない。

まさか、会うことはないだろうと思った()()に会えるとは思わなかったが。

まあ、おいといて。

 

「これ、どうしましょう?」

 

いい加減現実に戻ろう。

()()が指さした先、ぐらぐらと煮えたぎる『紅蓮』を見る。

鼻につく唐辛子と山椒の香り。

ところどころにのぞく豆腐の白が、ラー油と豆板醤で真っ赤な料理にアクセントを加えている。

・・・・『外道麻婆』と名高いそれを前に、ため息をついてから。

顔を上げる。

 

『転生者二人で、泰山麻婆豆腐を平らげないと出られない部屋』

 

・・・・特大の秘密を、さらっと暴露してくれた額縁に。

もう一度ため息をついたのだった。

 

 

 

 

閑話休題(ひとまずどうするよ)

 

 

 

 

「――――へぇ、『アサルトリリィ』。そんなアニメ・・・・いやゲームもか?が、あったなんてねぇ」

「いやぁ、うっかり敵キャラに転生しちゃったもんだから、しばらくは毎日サバイバルだったよ」

 

無遠慮すぎる額縁にバラされたとはいえ、そのおかげで思ったよりも穏やかに話すことが出来ている。

多分あれだ、同じ被害にあった者同士のシンパシー的な・・・・。

 

「こっちでノイズに転生するようなもんかぁ、主人公サイドも殺意高かったんじゃない?」

「いわゆるサブキャラに当たる子達はそうだったかも。でも、梨璃ちゃん・・・・主人公枠の子達は、割と受け入れてくれたんだ」

 

ちなみに、俺の前にいる『立花響』さんは。

中身が転生者な、所謂成り代わりパターンというやつらしい。

 

『シンフォギアの4期と5期が決まって、うへうへによによしているうちにぽっくりしちゃったっぽいのよね』

 

と、明るく言っていた。

・・・・転生したということは、死を経験しているということだからな。

本人が明るく済ませているのなら、それ以上突っ込むのも野暮だろう。

 

「まあ、さすがに最初は警戒されてたけどさ」

「誰だってどこだって、そんなもんじゃないの?何にせよ、よかったじゃん」

 

そう言って、にっと笑う響さん。

俺が知っている彼女とはだいぶ違うけれど。

人と人とが繋がる様子を喜ぶのは、実に『立花響』らしいと思えた。

 

「オレとしては、立花響に妹がいるのにびっくりしてるよ。やっぱり転生者が介入すると、乖離するもんなんかね」

「いやぁ、わたし自身もわりと好き勝手してるから、その辺は何とも言えないところがあるけど」

 

あのライブ後の迫害に耐えられなくて、世界規模の家出をかましたって言ってたな。

その旅に未来さんが付いてきてしまったことも、話してくれた。

 

「でも、シンフォギアってだいぶハードな世界じゃん?そこで四期の辺りまでなんとかするってすごいことだと思う」

「へへへ、そうかな」

 

照れくさそうにうなじをかく響さん。

中身は別物と分かっていても、やっぱり『立花響』なのだと再認識させられる。

 

「そうだよ。オレ自身も原作に立ち向かった側だから、大なり小なりしんどさは分かっているつもりだし」

「ありがとう。でも、原作を乗り越えて、望んだ結果をつかみとったアルンちゃんもすごいと思うよ」

「こちらこそ、ありがとな。そう言ってもらえると報われるよ」

 

お互いのことをある程度話し終えてから、現実に戻った。

・・・・俺達の目の前にあるのは、依然ぐらぐらと煮えたぎる麻婆豆腐。

ある程度慣れてきたかなと思いもしたけど、やっぱり無理だわこの暴力的なまでにスパイシーな香り(くゎほり)

 

「・・・・何か、救済措置はないもんかな。ラッシーとか」

「炊き立てごはんならあったよ」

「うぉっ!?本当だ!?しかも業務用の炊飯ジャー!!」

「わたしもごはんは好きだけど、こんだけ食べれそうにないなぁ」

 

ちなみにラッシーは冷蔵庫に入っていた。

・・・・『食べきれないからハンデをくれ』と言える逃げ道を、潰されちまったよ。

 

「・・・・絶対やばいよね、これ」

「やばいだろうな、これ」

 

二人で、もう一度麻婆豆腐を見下ろす。

時間が経ったからか、表面の煮えたぎりは少し落ち着いていた。

 

「・・・・正直言うと食べたくないけど」

 

おもむろに、響さんが口を開く。

 

「このままここから出られないのも問題だよね」

 

そうなのだ。

ここは所謂『〇〇しないと出られない部屋』。

設定された条件以外での脱出は、決して許されない空間だ。

念のために、と部屋の壁を攻撃してみたが。

やはりびくともしなかった(備え付けの冷蔵庫は危うく倒れるところだった)。

 

(時間の経過も気になる。もし浦島方式で、元の世界の時間が早く進んでいたのなら)

 

(あまり手をこまねいていると、手遅れになる・・・・!)

 

俺が頭を抱えていると、響さんがれんげ(ラーメン屋とかでよく見る、まさに中華なあのスプーン)を手にする。

 

「響さん?」

「・・・・このまま手をこまねくくらいなら、いっそ突っ込む」

 

ひき肉数粒に豆腐ひとかけ、れんげの半分も染めないソースと。

ダメージが少なく済みそうな量をすくって、果敢に口に運んだ。

 

「あ、意外とおいしい。花山椒利いてる」

 

始めこそは、そんな感想が出てくる。

明るい顔に、俺も希望を持てそうだったんだが。

 

「アッ待ってこれ無理」

「響さんッ!?」

 

明るい兆しも、儚き夢のごとし。

ゴボォッ!とむせて倒れ伏す響さん。

口元を押さえた手指の隙間から、真っ赤なマーボーが喀血の如く零れ落ちていく。

 

「ごっほおっほえほえほえほ・・・・!!」

「あわわわわ、響さん、ラッシー(ポーション)を!」

 

やや粗雑にコップにラッシーを注いで渡すと、ひったくるように取られた。

ごっごっごっと、女の子らしからぬ音を立てて飲み下した響さんは。

空のコップをビールジョッキの様に、叩きつけて。

 

「がら"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"・・・・!!」

 

涙をいっぱいに浮かべながら、心の底からの言葉を吐き出したのだった。

 

「大丈夫?」

「・・・・・こ、これが・・・・舌にがっつり塩をまぶして、針を容赦なくぶっさした苦痛・・・・!!」

 

心底辛そうにしかめられた両目からは、涙がとめどなく溢れ出している。

口にすらしていない俺にも、どれほどの地獄なのか手に取るように分かる有様だった。

・・・・さすがは伝説に語られる麻婆豆腐。

一筋縄ではいかなさそうだ。

 

「・・・・でも」

 

でも、早いとここっから出たいのも本音だ。

俺達と現実が望んだ時間の流れ方をしているとは限らないんだから。

俺はもちろん、響さんにも待っている仲間たちがいる。

・・・・腹を、括るか。

 

「アルンちゃん?」

 

復帰しつつある響さんが見ている前で。

どんぶりに江戸時代もかくやとごはんを盛り、ラッシーを注いでいく。

 

「響さん、オレも覚悟決める」

 

でん、と。

響さんの分のどんぶりご飯とラッシーを置いてから。

俺もれんげを手に取って。

たっぷりとマーボーをすくい取る。

 

「一緒に、この部屋を出ようッ!!」

「・・・・いいね、乗った」

 

響さんも同じくれんげにたっぷりすくい取って、にやっと笑う。

一緒に深呼吸、二つ。

刺激的な匂いに、覚悟を決めて。

 

「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおッッ!!!」」

 

思いっきり、かっこんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――――ルンさん、アルンさん!!」

「アルン!起きて、アルン!!」

「・・・・んあ?」

 

暗闇から、意識が浮上する。

光に眩みながら目を開けると、一柳隊のみんなが心配そうに覗き込んできていた。

どうやら倒れてしまっているらしい。

 

「覚えている?貴女、ヒュージに弾き飛ばされたのだけど」

 

結梨ちゃんの手を借りてなんとか起き上がると、夢結様が身を乗り出して語り掛けてくる。

・・・・そうだった。

巣を叩いて数は減ったとはいえ、ヒュージの襲撃は未だ続いている。

今日はそんな日常となりつつある出撃の一つだった。

戦闘のさなか、梨璃ちゃんが敵の攻撃に当たりそうになって。

・・・・うん、段々思い出してきた。

 

「アルンさん、よかった。起きなかったらどうしようかと・・・・!」

「ありがと、オレは大丈夫。梨璃ちゃんも無事でよかった」

 

目を潤ませる梨璃ちゃんの頭をひと撫でしていると、今度は梅様が口を開いて。

 

「そんで、アルンはよくない夢でも見てたのか?だいぶ魘されてたゾ」

「そうなん?」

「うん、すっごく心配だった」

 

結梨ちゃんに聞いてみると、どうやら本当らしい。

 

「まったく、うるさいったらありゃしませんでしたわ」

「とかいいつつ、楓も心配してたでしょ」

「そ、それは言わなくてよいことでしょうッ!?」

 

楓さんにも心配かけてたとなると、相当魘されてたっぽいな。

 

「夢・・・・夢・・・・そういえばなんか見てた気がするな」

「本当?どんな?」

 

結梨ちゃんにずい、と顔を寄せられながらも、頭をひねってみる。

・・・・もうすっかりぼやけた記憶に浮かぶのは、

 

「・・・・・赤?」

「赤?色のこと?」

「ああ、あとなんか『痛い』っていうのも強烈に印象にあるな・・・・」

 

なんだろう、こう。

ぐらぐらと煮えたぎる地獄の窯を覗き込んだような感覚が・・・・!

 

「よしよし、アルン。もう大丈夫だよ」

「あ、ありがとう結梨ちゃん・・・・」

 

いつの間にかバイブレーションしていたらしく、結梨ちゃんに頭を撫でられる。

ううう・・・・本当にええ子・・・・守れてよかった・・・・。

 

「まあ、何はともあれ。目標のヒュージは倒したのです、そろそろ帰投しませんこと?」

「賛成です!アルンさん頭打ってますし、早く医務室で見てもらわないと」

 

二水ちゃん他、一柳隊みんなの同意もあったことだし。

俺達は百合ヶ丘に帰ることにした。

 

「アルン、何かあったらすぐに言ってね?」

「ああ、その時は頼らせてもらうよ」

 

結梨ちゃんと並んで歩いたところで、ふと。

思い立ったことがあって。

思わず足を止めて、口を開く。

 

「――――なあ、みんな」

 

 

 

 

 

 

おまけ

 

「はい、立花特製麻婆豆腐だよ~」

「うゎ、赤。辛そー」

 

S.O.N.G.本部、自炊用のキッチン。

先ほどまで鍋を振るっていた響が、大皿に持ってきたのは。

スパイシーな香りをこれでもかと放つ、麻婆豆腐。

 

「でも辛さは抑えめだから、この花椒をお好みで入れて調節してね」

「ぉ、おう。でもなんでマーボー?」

 

香子と一緒にごちそうになっているクリスが問いかけると、響は少しだけ唸ってから。

 

「なんとなく!」

 

溌溂と、そう答えたのだった。




いただいたお話を微調整・誤字脱字チェックの後そのままコピペしています。いやもうめっっちゃ素敵な内容になっとった……!
数多 命さんに大きな感謝を!

チョイワルビッキーはこちらから読めます……!
https://syosetu.org/novel/117332/

なお、数多さんは現在『ひろがるスカイ!プリキュア』での二次創作も連載しておりますので、そちらもぜひ。プリキュアにわかの作者でも面白く読ませていただきました!
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