転生先が百合キャンセラーのバケモンとかどうにかならなかったんですか!?   作:サク&いずみーる

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アサルトリリィとシンフォギアという個人的に夢のようなコラボが決定したので、25日更新予定だったのを急遽変更しました。イヤァーッ!めでたいッ!!!!
あとこのタイトル使いたいがために、前回中途半端に終わりました(懺悔)



やはり百合は全てを解決する(確信)

 飛んでいった梨璃はあの後、無事楓によって受け止められた。

 ……「どこ」で受け止められたのかは、何も語るまい。

 

「梨璃さん! 何なさいますの!?」

「バカかお前は!」

 

 戦場に居合わせたリリィたちが集まってくる。

 夢結の暴走への不安、突然現れた特型ヒュージへの疑念、梨璃の行動に対する驚愕。

 それぞれが浮かべる表情は異なっていた。

 

「……私、今、夢結様を感じました」

「何を仰いますの!?」

「マギだわ……CHARMを通じて梨璃さんのマギと夢結のマギが触れ合って……」

 

 ──それは、希望。

 醒めない悪夢から夢結を救い出す、一つの活路。

 

「そんなCHARMの使い方、聞いたことありませんわ!」

「じゃが、あり得るのう……」

 

 今、この間にも。

 夢結は過去に囚われながら戦っている。

 ついぞ誰にも打ち明けなかった想いに苦しんでいる。

 そんな彼女を、梨璃は放っておけない。

 

「私、前に夢結様に助けてもらったことがあるんです。今度は、私が夢結様を助けなくちゃ!」

 

 ──それは、決意。

 リリィとして、シルトとして。

 心のどこかで助けを求めるシュッツエンゲルを助けたいという、一つの想い。

 

「正気かお主!? あそこには夢結様だけでなく特型もおるんじゃろ!?」

 

 だが、一度飛び出せばもう止まらない。

 梨璃は既に向かっていた。

 

 ミリアムの危惧は尤もと言える。

 ルナティックトランサーを発動した夢結が最大の脅威であることは、最早言うまでもないが。

 それと同じくらい、謎の特型ヒュージ──ピラトゥスも警戒すべきではないかと。

 そう言いたいのだろう。

 

「──大丈夫だ」

 

 その警戒に待ったをかけたのは梅。

 何故だか「信頼」を向けていて、まるで古い知り合いを見つけたような口調。

 

「あいつは、大丈夫なんだ」

 

 近くにいた者たちは一瞬引っかかりを覚えたが。

 同時に、それどころではなかったと思考を切り替える。

 

「あーもう! 後でお背中流させていただきますわよ!」

「よーし、梅も行くか!」

 

 楓が、梅が。

 

「参りますか? 雨嘉さん」

「う、うん……!」

 

 少し離れたところにいた二人──『(くぉ) 神琳(しぇんりん)』と『(わん) 雨嘉(ゆーじあ)』が。

 

「私もCHARM持ってくればよかったかな?」

「ううぅぅぅ……わしも行けばいいんじゃろがぁっ!」

 

 半ばヤケになったミリアムが。

 次々と梨璃の後に続いて戦場へ跳んでいった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「はぁ……っ、はぁ……」

 

 終わらない。

 

「……ぁあ」

 

 終わらない。

 

「あぁぁああああああ!!」

 

 悪夢が、終わらない。

 理性は眠り、狂気が踊る。

 

「キュイッ! キュイーッ!!」

 

 必死に猛攻を捌くピラトゥス。

 おかげで翼はボロボロ、いかつい腕からは青の体液が垂れている。

 尻尾に至っては、先端の刃物が真っ二つだ。

 だが、触手に絡めたCHARMだけは死守していた。

 

「■■■■■■■■■」

「キューキュッキュイ!!」

「ぁああああ!」

「キュッキューイ!」

「■■■■■■!?」

 

 他のリリィたちも本格的に動き出したことで、完全に注意を引くことは叶わなくなったが。

 それでも、できるだけ少女たちの負担を減らそうと、小さな竜はレストアの背で大立ち回りを披露する。

 致命傷になりそうな夢結の攻撃は誘導して、レストアの背中に落とす。

 反応したレストアのミサイルは、ダメージにならないのをいいことに、自分に当てさせる。

 これで煙幕代わりにしているわけだ。

 こうすることで完全に避けられない致命傷の一突きを、軽傷程度に抑えられる。

 CHARMの奪還もほとんど完了し、あと二振り回収すれば終わりだ。

 

「ッキュイ!!」

 

 一振り──大剣のCHARMを掴み、思い切り引き抜く。

 

「■■■■!」

 

 案外あっさり抜けた、僥倖だ。

 もう一振り──おそらくグングニルであろう、酷く傷ついたCHARMに手を伸ばしたところで。

 

「ぅああああああっ!!」

 

 爆煙を斬り捨てて迫る白。

 その軌道の先には、囚われのグングニル。

 

「キュ────ッ!!」

「うぅぅ……っ!!」

 

 ──咄嗟の判断だった。

 夢結のブリューナクがピラトゥスの左腕にめり込む。

 

 確かに多少古くてもCHARMはCHARM、今の夢結の攻撃もなんともないかもしれない。

 でも、あんなにボロボロになったCHARMが砕かれてしまうかもしれない可能性もあったわけで。

 加えて、グングニルといえば梨璃の愛機である。

 それを砕かれてしまう、というのは。

 「梨璃との繋がりを完全に絶ってしまう」と言われているような気がしたから。

 

 ──んなこと、絶対にさせっかよおッ!!

 

「っ……!?」

「キュ──イイイイイイッ!!」

 

 斬り落とさんと食い込む刃を、腕を抉り取られる程度に留める。

 散々傷を付けられ、装甲の防御力はあまり期待できない。

 心なしか、腕から嫌な音。

 流れる蒼血の量が増す、堪える。

 焼けるような痛み、今だけ押し殺す。

 グンと腕を振れば、夢結と『肉』がいくらか飛んでいった。

 紅い眼光が、手負いの竜を睨めつける。

 

 でも、どうやらこれで充分だったようだ。

 仕事は一つ、完了した。

 

 何故なら、苦しんでいるヒロインを助け出すのは『怪物』の役目ではない。

 そういうことは、いつだって。

 

 

 

 

 

「────夢結様っ!!」

 

 ──誰かのために進む、主人公の役目だ。

 

「私に、身だしなみはいつでもきちんとしなさいって、言ってたじゃないですか!!」

 

 仲間たちが文字通り切り開いた道を行く梨璃。

 声に反応を見せた夢結。

 隙を狙ったレストアの腕はピラトゥスが蹴り飛ばす。

 何人たりとも、少女を止めることはできない、止めさせない。

 

「夢結様っ、私を見てください!!」

「えあああぁあぁぁぁっ!!」

 

 梨璃の訴え、夢結の絶叫。

 交わる、二人のCHARM。

 擦れた刃の中心から生まれたのは、マギの輝き。

 再び戦場を照らす光は、先程とは違って球状へと収束する。

 

 

『──がっかりしたでしょう、梨璃……?』

 

 CHARMを、マギを通して伝わってきたのは。

 数秒前まで猛然と武器を振るっていたとは思えないほどの、弱々しい声。

 「孤高のリリィ」と呼ばれた少女の、秘めたる本心。

 

『これが私よ……憎しみに呑まれた、醜く浅ましいただのバケモノ……っ!』

 

「──それでも、夢結様が私のお姉さまですっ!!」

 

 「違う」では説得力が足りない。

 「大丈夫」も合わない気がした。

 だから、「それでも」と。

 全てを受け入れた上で、夢結は夢結だと断言して。

 

「……っ!」

「夢結様ぁ!!」

 

 武器を手放し、真っ直ぐに夢結のもとへ。

 梨璃の温もりが、狂気に凍てついた夢結の心を溶かしていく。

 一人で苦しんでいた少女の悪夢に、夜明けをもたらす。

 

「っ、梨璃……!」

 

 小さく光った一粒の涙。

 白は、黒に。

 烈火は、宝石に。

 夢結は理性を取り戻し、『妹』を抱き止める。

 

 性懲りもなく迫るレストアの腕は、たった一撃で粉砕する。

 それは先ほどまでの憎悪ではなく、二人の絆が為した力。

 

「跳ぶわよ、梨璃」

 

 そして、今までで一番優しい瞳が梨璃を見つめた。

 

「はいっ、お姉さま!」

 

 CHARMを繋ぐ光の球体──マギスフィアが輝きを増していく。

 ふわり、と軽やかに二人の身体が舞い上がる。

 その様は、春風に吹かれる花弁(はなびら)のようで。

 

「私たち、マギに乗ってる……!」

「梨璃、行くわよ。一緒に……!」

「はいっ!」

 

 やがて、花弁は流星に変わる。

 真っ直ぐに、レストアヒュージ目がけて落ちていく。

 

「「やああああああああぁぁぁっ!!!」」

 

 

 ──着弾。

 閃光が歪な巨体を砕く。

 

 辺り一面を舞うマギの粒子は、少女たちの勝利を祝うようだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 ──レストアとの戦いはこれで幕を閉じたのだった……

 

 なーんて、綺麗な終わり方ができそうで何よりです。

 いやー、よかったよかった!

 やっぱり、百合は世界を救うんやなって……

 え? お前死んだんちゃうのって?

 失敬だな、ちゃんと生きてらァ!

 夢結様が愛の力で浄化された直後、レストアくんが挟まろうとしてただろ?

 あれ吹っ飛ばした時の衝撃波で、俺もバランス崩して吹っ飛んだってだけだから!

 おかげで『ずべしゃあッ!』って勢いで顔面ダイブ。

 痛くないけど、反射で「痛い」とは思った。

 まあ痛いっつったら、こっちの方がよっぽど酷えよ。

 

「キュイ……」

 

 全身切り傷、翼は虫食い状態。

 たくましい腕なんかすーごいボロクソ。

 いくらヒュージっつっても、あんまり放送したくねえレベルだなこれ。

 ゆーて左腕以外は割と浅いんだけど。

 まあ、傷の浅い深いも俺には関係ないんだよな。

 

「ッキュ……イー……」

 

 じわりじわり、と無数の傷が塞がっていく。

 巻き込むといけないんで、最後に回収しておいた二つのCHARMは地面に置いておく。

 ──これが、俺が手にした『転生特典』らしいもの。

 前に本気で死にかけた時、「死にたくない」という執念が掴み取った代物だ。

 瞬時に治るわけじゃないけど、それでも十分速い再生能力。

 このおかげで、ヒュージネストに戻らなくてもなんとかなっていた。

 

「──まだヒュージがいる!」

「あれ、噂の特型じゃないの!?」

「傷が治っていくわ! 今のうちに仕留めないと!」

 

 あー……うん。

 まあそうだよね、そうなりますわな。

 俺の存在に気がついたリリィの皆さんが、CHARM持って跳んできていた。

 何人かは遠距離射撃でスタンバってる。

 やべーなこれ、ガチで頭回んない。

 どうしよう、今回割と頑張ったのにまだ好感度足りてないのか……

 とかアホなこと考えてたら、走ってくる音が聞こえた。

 

「っ、待ってください!」

 

 動かない俺を庇うように、前に出た桃髪っ子。

 というか梨璃ちゃんだった。

 え、ちょっと?

 

「この子は私を助けてくれたんです! 今回だけじゃなくて、前にもヒュージから守ってくれました!」

 

 他にも「リリィに攻撃するところを見たことがありません」とか。

 「ヒュージとは思えないくらい感情を持った子なんです」とか必死に訴えてくれている。

 え、大丈夫なん? そんなことして?

 もちろん、単なる『ヒュージ』としてじゃなくて『意思疎通ができ得る相手』として認識してくれてるのは本当に嬉しいけど。

 それ、事実上の人類への反逆みたいにならない?

 ほら、ちょっとみんな「何言ってんの」みたいな雰囲気になってるよ?

 

「そこを退きなさい」

「嫌です!」

「相手はヒュージよ、ここで倒さないと襲われるかもしれない」

「この子はそんなことしません!」

「貴女、自分が何をしているか分かってるの?」

「でもっ、この子には人の心があります!」

「……キュイ」

 

 ……もういいよ、梨璃ちゃん。

 これ以上俺を庇って梨璃ちゃんが悪者扱いされたりしたら、俺が堪えらんない。

 それでも死にたくないとか考えてる俺の浅ましさに自己嫌悪しつつ、立とうとした時。

 

 

「そいつは安全だゾ。私が保証する」

 

 梨璃ちゃんの隣に立ったのは、緑の髪を揺らすリリィ。

 吉村・Thi・梅、その人だ。




まあ、本家でもあんなことするくらいだから、梨璃ちゃんはオリ主を庇ってくれるんじゃないかなと。
次が今年最後の更新です。

【キャラ設定】 その6

生き延びることに執着していたおかげで『リジェネレーター』ばりの回復力を後付けの特典としてゲット。(ただし本家のリジェネレーターほど性能は良くない、回復速度的に)
防御力も相まって滅多に死にやしないけど、CHARMによる攻撃は回復がちょっと遅い。本当に意識を失うくらいでやっと慌てて急激に発動するくらい。
それでも、痛いものは痛いし、死ぬのも怖い。
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