初の試みなので文章は拙いですが、つたわれ!!つたわれ!!!
天皇賞(春)
釣果は…ゼロ。
その大望は果たせなかった。
およそ一年半ぶりの
前を行く背中が遠ざかる、後ろから聞こえる足音が、後ろから吹く風が、私を追い抜いて。
私だけを置いて行った。
気付けば後ろには誰もいなかった。
何度も壁は壊してきた、しかしそれもこれまで。
今日、私は大敗を喫したのだ、
しばらくして引退を表明したが
「時期を間違えた」「彼女の価値を落とした」
とトレーナーが批判されるのを何も言えずにただそばで見ていることすらできなかった、
トレーナーは私の引退をきっかけにトレセン学園を辞めてしまった。
あぁ…どうして…
以前の私なら結果で黙らせることができたのに──
────そんな痛みからも数年が経とうとしていたある日のこと。
とある声が聞こえてきた
「……僕らは、ひとりでは強くなれない」
聞き覚えのあるフレーズだ、
重賞レースの歴代の勝者を讃え、“次の伝説”の目撃者を呼び集める、つまり集客のためのテレビのコマーシャルだ、
このCMは嫌いじゃない、昔の仲間たちを思い出させてくれる
──激戦のライバルたち。僕らは、ひとりでは強くなれない。
──逆襲のラン。本当の敵は、諦めだ。
──10度の敗北を超えて、血統を証明した。敗れても、敗れても、敗れても、絶対に首を下げなかった。
──今行くか。いや、まだか。いや、今か。一瞬の判断で未来を変えた、未知なる栗毛。
私の代表的なレースはどうだったか、
ふと考えた、耳に残っているフレーズは…
──最後方から──
ちがう。
──七馬身差の──
私じゃない、
そうか、私は
──何者にもなれなかった──
頭を抱えた、頬を伝う涙を隠すように。
後ろに不規則な足音が近づいて少し離れた場所で止まった。
「…スカイさん?」
家族の声が背中に届いた、
(困るなぁ、こんな顔誰にも見せたくないのに)
またあの時のように何も言わずに、振り返ることも、目を合わせることすらしなかった。
すると、小さな足音がすぐ後ろまで来てこう言った、
「ミライね、遊園地行きたい」
数日前にも同じことを言われたな、
(こないだは雨が降ってたけど)
なんて断ろうか、と窓の外を見上げた。
その青く澄んだ空を見て思わずフラッシュバックしてしまった。
青い芝の上、どこまでも澄んだ空、晴天だ。
耳に残る歓声、そして、
──まさに今日の京都競バ場の上空とおんなじ!青空! 京都の競バ場今日は青空だ!
あった、私の、私だけのフレーズが。
懐かしい思い出を、輝かしい記憶を、そして
──壁を壊すことを試してない。
ずっと支えてくれたひとのためにも私は進まなきゃ。
トレーナーさんが教えてくれた
怖いけど、壁は壊せるかもしれない。
だからトレーナーさんにしか言ったことなかったこの言葉を言おう。
小さなウマ娘──ニシノミライを抱き上げて、私の家族──ニシノフラワーに向き直り
かすかに濡れた頬に笑みを湛えて
「さ、行きましょっか」
ミライの父親がだれか?
そんな野暮なこと聞かないでね