ラスボスの子に転生したのでNO.1ヒーローを曇らせたいと思う   作:タメガイ連盟員

10 / 47
はせと504様、ヴァイト様、にゃるおじさん様、ジャック・オー・ランタン様、太陽のガリ茶様。
誤字報告ありがとうございます。

今回はちょっとした試みということで。


10.反省会

 というわけでー、第3回私会議ー、はーじまーるよー。

 

「いえーい」

 

「そのコールなんか意味あんの?」

 

 気分だよ。

 

 分身を2人ほど作ってこれまでの反省や今後について協議するわけだ。3人寄れば文殊の知恵っていうからね。それぞれ私本体に対して肯定的な思考をするものと否定的な思考をするものを用意してある。肯定が赤で、否定が青だ。なんでこんなことしてるかと言うと、本音で相談できる相手がいないから。パパ関係は全員アウトだし、ヒーロー関係もNG。秘密が多すぎるのも考え物だね。

 

「全部自分なんだからあんまり変わらなくない?」

 

「いやいや、自分を客観的に見るって大事だよ。本体って結構抜けてるから私達がフォローしてあげないと」

 

 おう、言ってくれるやんけ。ま、それはともかく、マスキュラー戦お疲れさまでした。

 

「こっちはほぼノーダメだったし、私たちも結構やれるってわかったのは収穫だと思うよ」

 

「ワンパンできるんだったら最初からやればよかったんじゃないの? そうすればホークスにも見られなかったし。つーかホークスの存在忘れてたでしょ。覚えてたら最初からホークスを監視してたはずだし。監視担当が転移担当に通報して対処するまでタイムラグあるのはわかってたじゃん」

 

 いろいろ試したかったんだよ。威力がある組み合わせはその辺のチンピラでやったら死んじゃうし。一応マスキュラーが筋肉張り直すのに合わせてやってたから、結構もったし。

 

「ねえ、忘れてたよね? あいつ公安の鳥なんだからこっちのこと調べてるとか思わなかったの?」

 

 うぐぐ。言いたい放題言ってくれよる。そのための分身(否定)なんだけども。というか、なんだ、鳥って。犬じゃないのか。

 

「犬って言うほど忠実な感じじゃないから」

 

「んー、でもあの人なんだかんだ言って公安の言うこと聞いてるよね。拾ってもらった恩があるからかね。ちゃらんぽらんに見えて義理堅い」

 

 ヒーローが暇を持て余す世の中か……四半世紀は来ないね。アラフィフになるまで馬車馬のように働いてもらおう。

 

「あの人なんの生き物なの?」

 

「人間。で、監視体制に不備があったことは明らか。その点を改善してかないと、今度こそオールマイトが突っ込んでくるよ」

 

 やっぱ速度出せる人には対応しきれないんだよね。あのときの分身って最低限の個性構成しかしてなかったし。にしてもホークスはまだわかるんだけど、オールマイトは一体どうなってんの? ホークスは空を飛べるから速い、わかる。インゲニウムはエンジンの個性があるから速い、わかる。オールマイトは、なんなの? ワン・フォー・オールって物理法則を書き換える能力でもあるの? 

 

「じゃあ、監視と転移に移動系個性追加する? でもホークスに対応できる速度じゃないと意味ないよね」

 

「いや、そもそも近づけないようにしてしまった方が良い。現代ファンタジーとかでよくある秘密組織の施設に近づけなかったり、認識できなくなったりするアレ」

 

 結界的なやつ? えぇ、どうすんのそんなの。個性って基本体から離れているものに効果を及ぼすの難しいんだぞ? マスキュラーにも触れずに『重量軽減』使ったけど、あれだって結構疲れるんだぞ。対象の設定とかもしないといけないし。

 

「その理屈だとイレイザーヘッドの『抹消』はどうなのよ」

 

 あれは目から個性因子を停止させるなんかが発せられてるって解釈できるでしょ。視線が通らないと効果がないから直進しかしないと見るね。あと『念動力』も私からエネルギーを放出することで効果を発揮している。なので体力の消費は小さくないんだけど、練度が高いので抑えられている。でなければあんなに連発できるわけないし。個性は身体の延長。使っているところはどんどん伸びていくわけだ。メモリが増えてできることは増えるけど、練度はそれぞれ別だからぶっぱにならざるを得ないんだよね。まあ、個性の組み合わせで強化できてるから、運用でカバーだ。

 

「贅沢な悩みだねぇ。その点考えるとメインとして『念動力』って選択はベターかな。汎用性高いし」

 

「で、人払いの方法はどうする?」

 

 この分身、自分が出した話題は何が何でも継続させようとするね。

 

「そうでもしなきゃすぐ目を逸らしてなかったことにしようとするでしょうに。こちとら本体の分身だぞ? 本体の性格ぐらいよぉくわかってるよ。目を逸らしてたら面倒事になるのはわかりきってる、だからわざわざ私を作って意見させてるんでしょう」

 

 むぅ。私はそんなに怠惰か? 

 

「うん。あと強欲と色欲と傲慢あたりかな」

 

 そこは否定してよ。というか、色欲はなんだよ。

 

「百を見る目がやらしいじゃん、本体って。まあ、寝ている隙にキス以上のことはしてないからよく自制してるとは思うけど?」

 

「すぐ話が脱線する。『魅了』の応用でなんとかならない?」

 

 『魅了』? あー、“広範囲”に“人の精神に影響を及ぼす”ことはできるけど、範囲広げると効果落とさないといけないぞ。今だってせいぜい“敵意を持ちにくくなる”って程度の効果だし。範囲に入ると中心に向かうことを避けたくなる、ぐらいにしかならないと思うよ。中心はもちろん自分のこと。それに強い意志を持って中心に行こうとする人は阻止できないと思うし、そういう人ってヒーローとかだろうし。

 

「んー、分身の数増やせばいいんじゃない? そうすれば範囲せばめてもカバーできるし」

 

 それだとムラができちゃわないかな。効果薄いところから入り込まれたら困る。それに分身増やすのもなぁ。あれそれぞれちゃんとした個性を持たせるようにして作るの大変なんだぞ。ちなみにこの2人は無個性である。個性なしだと作りやすいんだよね。

 

「第1回のときも聞いたけど、トゥワイスの『2倍』じゃだめなわけ? そりゃ彼は取り扱いミスってトラウマ抱えるはめになったから忌避したくなるのもわかるけど」

 

 原作キャラとまったく同じの使うのはなんかね。あとあれって対象のこと把握してないといけないって制約あるし。今成長期だからその都度測り直すの面倒だし。分身ならいろいろ調整できて便利だし。やっぱり自分に合ってるってフィーリング大事よね。

 

「それ別の漫画」

 

 いいんだよ、前世の知識だから。ま、とりあえず、仮に『人払い』として作って実験繰り返すしかないか。結局のところ、こうやって地味な検証作業を繰り返すしかないんだよね。私の想像力が肝だけど、想像通りになるわけじゃないし。んー、なんだろうなぁ、心にブレーキでもかかっているのか、それとも現実が思いのほか強いのか。

 

「まだまだ個性に対する理解が足りないってことじゃない? 一般人と比べりゃかなり好き勝手に使ってるけど、たかが2年ぐらいで、しかも誰かに教えてもらうわけにもいかないから独学でやってるわけだし」

 

 そこは今後も頑張っていこうじゃないの。で、他になんか気になることある? 

 

「ホークスはどうするの。あれから丸一日以上経ってるから公安への報告は正式な書類としてはともかく、口頭での報告は終わってるはずでしょ」

 

 うーん。ホークスにどのぐらい見られていたかというと、長くて数分だと思う。距離も離れていたから、大雑把な見た目がわかったぐらいじゃないだろうか。さすがに特定はされてないと思うんだけど、憶測で動くのはまずいよね。いつも通り公安の報告書を見ておかないと。

 

「あいつら秘密活動好きなのに書類は残すのね」

 

「官僚組織には違いないからね。ほれ、CIAもKGBもモサドもMI6も文書残してたりするでしょ。民主主義万歳だ」

 

 いや、知らんけど。あとKGBは民主主義違う。ヒーロー公安も内閣府の外局だっけ? 管理は警察庁だけど。てことはなんかあったら内閣府つっつけばいいわけだな。

 

「行政のトップだぞおい。変なところに飛び火しそうだからやめておきなさい」

 

 でもさ、偉い人の弱みは握っておきたいじゃん。ヒーロー公安のスキャンダルネタなら既にあるわけだし。これって表に出したら政権飛ぶよね? 

 

「ここ四半世紀ぐらいは政権交代起きてないからね。国の機関が法によらず殺人やってましたなんて大スキャンダルよ。心求党にでも情報流したら大喜びで政権爆発四散させてくれるよ。というか、普通に異能解放軍に渡せばいいのか。IT会社の人が良い感じにやってくれるだろうし」

 

「定められた目標に向かって邁進するのが官僚組織とはいえ、やり過ぎなんだよね。治安が悪いから倫理観も悪くなってて困る」

 

 倫理観大事だよね。だから根本的な間違いを起こしてるんだよまったく。とりあえず、この件での向こうの評価は少し待たないとね。

 

「マスキュラーは? ほっといたら暴れ回りそうだけど」

 

 夏合宿襲撃のときまでは放置でいいよもう。別に私はあいつの保護者じゃないんだから。そのときが来たら手厚く歓迎してあげよう。いや、出久くんの仕事だなこれは。あ、でも洸汰くんがどうなるかわからんな。両親健在だからマンダレイに預けられることもないだろうし。んー、となると誰がマスキュラーに襲撃されるかわからなくなるな。原作の補正力でも働いて出久くんのところに行ってくれればいいんだけど。確か出久くんは殺害目標になっていたから大丈夫かな。

 

「前から思ってたけどさ、本体は原作のこと意識しすぎなんだよ。もっと自由にやればいいのに」

 

 んー、でも無視してやると原作知識っていうアドバンテージが使いにくくなっちゃうし。

 

「こっちにはこのチート個性があるんだよ? どうとでもなるじゃん」

 

 いや、ほらさ、原作であったシーンを生で見たいじゃん? 

 

「なにを今更。既にデクvsレディ・ナガンが成立しなくなってるじゃん。このあと八斎會にもちょっかい出すんだから、あの辺のイベント全スキップでしょうに」

 

 んーまー、そうなんだけどさー。八斎會は、あれだ、個性消失弾が完成すると思われる来年に行動するつもりだけど。はじめの予定が狂って一年前倒しで原作イベントやっちゃうことになるんだよねぇ。ああ、デクvsオーバーホール、切島くんの奮闘も、ルミリオンの活躍もキャンセルされちゃうんだよなぁ。切島くんも結構好きなんだよね。A組の中でも掘り下げられている方だからってのもあるけど。

 

「サー・ナイトアイの死亡とルミリオンの個性消失もキャンセルできるんだからいいんでないそこは。この件、サー・ナイトアイを絡ませるつもりなんでしょ? ちゃんと準備しておかないと、ガバるよ」

 

「八斎衆の顔ぶれが違ったり、壊理ちゃんが全然別の場所にいたりとかね」

 

 相手の頭数が多いから、原作みたいに多数のヒーローや警察巻き込もうかと思ってたけど、私の顔を見られるってリスクがあるから考え物なんだよな。いやまあ、ミッドナイトみたいな個性を使って眠らせちゃえばいいんだけど、さすがに範囲が広いからなぁ。

 

「んー、八斎會って治崎が組長を黙らせちゃって、組長派も逆らうと殺されかねないから、治崎に従ってるわけでしょ? 切り崩せるんじゃないかな。八斎會の現状って治崎が組を乗っ取ってるようなもんなんだから」

 

 えーそれ絶対面倒くさいやつじゃん。他のヴィラン組織を通じて組長派に接触、治崎の排除と組長の復帰を、みたいなことになるじゃん。というか組としては割とアウトに近いから乗ってくれるか? 

 

「パパだって外国のお友達がたくさんいるんだから、国内ぐらいお友達持ちなさいよ。ヴィランサイドの情報だって欲しいでしょ?」

 

 パパの人脈は100年以上の時間かけて培ってきたもんでしょうに。それにヴィランやりたいわけでもないし。別にヒーローになる気もないけどさ。でもまあ、ヴィラン側の独自情報源は欲しいかな。パパと繋がりもってないところがなさそうなのが一番の問題だけど。うーん、やっぱ古株の極道かなぁ。

 

「ヴィラン最大手だもんね、パパ」

 

 あー、ヒーロー公安のデータベースからヴィラン組織の情報ぶっこ抜いて、それからよさげなところピックアップして、そこの人たちと接触して、それからそれから……あー、忙しくなるなぁ。めんどくせえ。あとはあれだ、決行当日はうまいことサー・ナイトアイが八斎會屋敷に来るようにしないと。あの辺は彼の管轄っぽいし、『人払い』をうまく使えるようにして誘導しないとなぁ。あと事前の仕込みもいるし。終わったあともやることあるしなぁ。ああ、考えるだけで面倒くさい。

 

「まあ、そこは本体に任せるとして。パパと言えばさ、懸念材料があるんだけど」

 

 懸念する要素がない部分あるのかなあの人。

 

「ない。懸念材料の擬人化」

 

「そうだけど。パパってなんで私たちの個性獲らなかったんだろう、って」

 

 うん? メモリの関係で獲れなかった、って言ってなかったっけ? 

 

「パパって嘘はつかないけど、肝心なところは喋らないじゃん。特に弔には。全ては君のためにある、なんて言っておいて本当は乗っ取るつもりだったわけだし」

 

 つまり私にもなんか仕掛けてあるかもしれないってこと? あー……ありえる。こうやって放し飼いにしてるのは、なにしてようがその仕掛けがあれば自分の思い通りにできるから、というのは大変あり得る。

 

「否定の余地がない」

 

 そりゃまあ、最初は母親が志村菜奈だって聞いたときは反射的にオールマイトへの嫌がらせだ! って思ったけどさ、弔を後継にするのだって、元々彼の憎悪を利用するためだったわけで、志村菜奈の孫だってのはまあ、ついでというか偶然なわけじゃない? 存在を把握するぐらいはしてたと思うけど。じゃなきゃ良い感じに転弧に接触なんてできないでしょ。パパのやばいところは自分がいずれオールマイト、ワン・フォー・オールに敗れると予想して弔を後継者として育てていたところだ。いや、普通寿命までどうにかしてる人がそんなことするか? そのくせに負けたら負けたでオールマイトに粘着してるんだから変なところで人間味を出さなくても良いだろうに。で、私が作られたのはおそらくオールマイトに敗れてからだ。この流れで改めて考えてみると、だ。

 

「弔のスペアだよね」

 

「他にも後継候補は用意してあるだろうけど、パパが求める水準を満たせたのが弔ってことなんだろうね」

 

 社会レベルにまで憎悪を抱ける人間なんてそうそういてたまるか。まあ、個性とその持ち主の性格には関連性があると言われているから、『崩壊』なんて個性を持っているが故に、ということかもしれない。してみると、私はなんなんだ? 

 

「必ず関連してるってわけでもないんじゃない。飯田くんとお兄さんのインゲニウムだってほぼ同じ個性だけど性格全然違うし。それに私たちの場合、前世があるんだから、個性と性格の関連性がどうってあんまり意味ないと思うよ」

 

「こういう性格だからパパの娘なんて厄物件に転生したのかもよ」

 

 そこ言い出すと神様とか世界の巨大法則みたいなものの出番になっちゃうから脇に置いておこう。そもそもその仕掛けってなんだろう。個性に意思を付与しておくなんてのは、私の方の容量が限界一杯だからできないってことは『個性強奪』の実験でわかっているし。

 

「てことは、ドクターの出番ってわけか」

 

 うへぇ、脳無式ってこと? いやまあ、肉体と知能を強化されている時点で脳無に近いのかもしれないけど。てことは、脳みそいじられてるんだよなぁ。うわぁ。

 

「それこそ目覚める前だったらなにされてるかわからないし、後でも世話係の眠木さんみたいに『催眠』の個性持ちの人がいるんだから、眠っている間に処置できるだろうし」

 

 眠木さん、親切な人だけどパパサイドの人だから信用はできない。ああ、信用できる大人がいないなぁ。

 

「筒美さんは?」

 

「あの人も親切だけど、こっちをまだ警戒してるから。利害が一致しているから受け入れてるって感じ」

 

 せっかく転生したっていうのに、運がないよなぁ。まあ、即脳無じゃないだけましなんだろうけど。即脳無になった兄姉がいるかもしれないと思うとなかなかに気持ち悪いぞ。なにもかもパパが悪い。

 

「最悪の可能性としてさ、私たちのことも乗っ取ろうとしてるかもしれないしね」

 

 否定できねえ。相手がパパだから最悪の想定すら下回ってくる可能性があるんだよ。いや、私の個性を獲れないなら、って考えててもおかしくないんだよなぁ。どうやって乗っ取ろうとしているかわかんないけど。この想像が現実にものになったら誰も止めようがないぞ。今夜から弔と常夜のダブルオール・フォー・ワンだ。やめてくれこの世の終わりじゃねえか。夜明けなんて来ないんだよ。というか、私の名前のそういう意味か? 

 

「じゃあドクターの研究室調べてみる? というかそこしか情報ないわけだし」

 

 んー、でもパパが表にいる間は動けないんだよねぇ。私たちが自分になにかされてるって考えてるのは原作知識があってのもので、当然これはパパには気づかれていない、はずだ。まあ、未来予知で誤魔化せるけど、変に動くとパパに感づかれて予定繰り上げ乗っ取り、なんてことになったら目も当てられない。

 

「てことは、原作通りにパパがオールマイトに負けてタルタロスに収監されてくれないと困る……ねえ、オールマイトに精神ダメージ与える方針継続すんの? これ矛盾してない?」

 

 えー、だってパパに産んでもらったり生活費出してもらってる貸し残すの嫌じゃん。人間通すべき義理ってあるもんだよ。あと単純に私が見たい。

 

「我らが本体ながら本当にわがままだな」

 

「変に貸しがあると気持ち悪いのは確かだけどね」

 

 じゃあ、前に立てた目標を改めて見てみよう。

 

 安穏とした暮らしを得る、つまりパパの完全打倒だ。頑張れ出久くん。ついでに目標3も達成できることになるね。

 

「他力本願がすぎる」

 

 直接パパと接触したらなにあるかわからないじゃん。だいたい新しい平和の象徴になるのは本人たっての希望なんだから、悪の魔王を打ち倒して「僕が来た」って世に知らしめて欲しいわけよ。

 

「じゃあ、出久くん強化すんの? 確か雄英1年の3月時点でワン・フォー・オール45%で弔を倒しきれなかったわけだから、それ以上になってもらわないと」

 

「理想はワン・フォー・オール完全解放だけど、元々オールマイトも雄英の3年間で出久くんが完璧に使いこなせるようにするつもりだったはずでしょ。出久くんが強くなるための期間が短すぎるんだよね。海賊も忍者も年単位の修行期間があってラスボスクラスと伍することができてるんだから」

 

 成長速度とラスボスの凶悪さが不釣り合いというか……まあ、ようするにパパが悪いんだけど。ステインやマスキュラーはボスキャラとして良い塩梅だったと思う。

 

「来年から出久くんの修行期間が始まるから、そこからちょっかい出しとく?」

 

 えー、それもやるの? さすがに分身の担当でよくない? そりゃ影から見守るのやってみたいけど。

 

「個性構成もよく考えないと。見た目も変えた方がいいだろうし。成長促進、学習効果倍増、これらに遠隔付与効果をもたせて、あー疲労軽減もいっとく?」

 

 出久くんも大概ハードスケジュールだよねぇ。私もかなりのハードスケジュールだけど。あー、パパ対策もしないといけないし……なんでこんな忙しい思いをしなければならないのか。

 

「普段だらけきっていたからでしょ」

 

「学校の方は分身に任せて、本体はこっちやればいいじゃん」

 

 やだよ百に会えないじゃん。百分の不足は精神の乱れに繋がるんだぞ。

 

「いっそこの部屋に連れ込んじゃえば? 抵抗しないでしょ」

 

 やめて、エロ同人みたいになっちゃうから! あーもう、今日はもうおしまい! 戻れ戻れ! 

 

 分身たちを戻したことで部屋が静かになる。実は『消音』を使っていたからどれだけ騒いでもご近所迷惑にならないのだ。まったくもう、来年は受験や修学旅行と学校の方のイベントも多いというのに……やることが、やることが多すぎる! ヒロアカ世界で安穏な生活を得るのは大変だ。だいたいパパが原因なんだけど。やはり倒してもらわねば……




悲報:常夜ちゃん、ぼっちだった
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。