ラスボスの子に転生したのでNO.1ヒーローを曇らせたいと思う   作:タメガイ連盟員

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路徳様、1個10グラムの飴玉様、誤字報告ありがとうございます。


04.退院

 なんというチート個性だろうか。

 

 なんでもありじゃないか。パパの子供じゃなかったら誰も納得しないぞ。

 

 しかも死柄木姓までもらってしまった。わーい、パパに認められたぞー。などと喜んでいる場合ではない。利用価値があるから家名を乗せて縛ろうという算段に違いない。いやまあ、別に家名もらったからと言って恩義を感じたりはしてないんだが、家族扱いされるということは一緒に悪の帝国建国して欲しいってことでもあるんだよな。

 

 オールマイトへの嫌がらせ目的からステップアップしてしまっている。

 

 なんかオールマイト呼びするし、パパでもテンション上がることってあるんだな。

 

 それからしばらくいろいろ試した結果わかったこと。

 

1.複数の個性を同時発動が可能

 

 ただし、同時に使える個性には制限、あるいはメモリの上限があると言うべきか。例えば、私の容量が最大100とすると、消費容量50の炎と同じく50の氷なら同時に発動できるが、それに加えて別の個性を発動させることはできない。この100のうちに収まるなら組み合わせは自由自在になるし、消費が少ないものなら常駐させることだってできる。問題はこの容量がそれぞれどれぐらいかわからないので実際に使ってみて感覚で覚えるしかないことだ。一つずつなら容量を超えることはないのだが、二つ目の加減はともかく使いまくるしかない。

 

 パパはこの辺悩んだことないのかと思ったのだが特にそういうことはなかったとか。ドクターによると、パパと私では出力メモリが違いすぎるらしい。私が100ならパパはその数十倍らしい。そら困らないだろう。まあ、こっちは0歳児で向こうは100歳オーバー、積み重ねた年月が段違いだ。私も個性伸ばしをしていけばメモリが増えていくはずだから頑張ろう。

 

2.パパは私が作った個性を奪うことができない

 

 私が作った個性は大本の『個性創造』と強く紐付けされていて、奪うならまるごとやるしかないらしい。

 

 じゃあ、なんでまるごといかないかというとドクターが言ったように『個性創造』は特異点を越えているため、容量が非常に大きくなっていて奪うことはできてもパパの方が容量超過になってしまうんだそうだ。奪えない個性なんて是が非でも奪おうとするものかと思ったけど、私は歴代ワン・フォー・オール継承者達と違ってパパやドクターに従順だ。手元に置いておけるのだから、奪う必要もないということだろう。

 

3.エネルギーを貯め込むタイプの個性を発動させるにはやはり消費対象のエネルギーがないといけない

 

 ワン・フォー・オールのように力を蓄積するようなものは再現できないというわけだ。あれも何十年という蓄積があってのものだし、なんでもできると言っても融通の利かないところはある。まあ、アプローチを変えれば似たようなことはできるから私の想像と発想力次第ということになる。

 

4.異形系の個性は使える

 

 対象となっている生物への変身、と言った方が近いか。私の場合動物そのものへの変身もできるし、体の一部だけでも可能だ。

 

 変身した状態で他の個性を使えればよかったのだが、現状ではまだできていない。

 

 自分の体より大きな動物になったときに服が破れてしまったので、それ以降異形系の実験は常に全裸だったんだよね。見てるのはドクターかパパだから今更気にすることでもないんだけど。気にした方がいいのか。

 

5.個性強奪は実質使用不能

 

 使えるんだけど、容量超過になってワン・フォー・オール四代目みたいに体にヒビまで入った(巻き戻しで治した)

 

 奪ったものは『個性をストックする個性』を使って維持しないと霧散消滅してしまうし、維持し続けるにはメモリをその分消費することになる。別に人から奪わなくても不都合はないし、相手の個性を使えなくするには『個性抹消』か『個性破壊』でも使えばいい。

 

 パパみたいに個性を利用して人を誑かすことはできないが、私は後継者というわけではないから問題ない。

 

 一つ奪っただけでヒビが入るわけだから、パパからの付与も実質不可能ということになる。パパの意思を植え付けられないのは、よかったと言える。

 

 ちなみにドクターに個性複製しないのかと聞いたら、終わるまで半年以上かかるし他に複製の必要のある個性がいくらでもあるのでやらないそうだ。パパのオール・フォー・ワンは一年以上かかったらしい。パパの半分の規模なのか・・・

 

 

 

 既に体も日常生活を送るのに支障はない状態になっているし、個性把握も概ね終わり、今後どうするか考えないといけない。

 

 ドクターはこのまま病院に滞在していても構わないと言っているが、体に悪いところがないのに病院にいるのは気が引けるし、ぶっちゃけドクターやパパ、その息がかかっている人が近くにいるのは気が休まらない。まあ、熊倉さんや眠木さんたちは良い人だけどさ、パパのシンパであることに違いはない。

 

 それにオールマイトへ接近する必要があるからちゃんと学校に通える状態にしておきたい。

 

 なので病院から離れることにする。体に悪いところがないとは言っても特殊な産まれ方をしているので通院して検査を受ける必要があるけど。ドクターがデータ取りたいだけだろ。

 

 退院する日が決まったのでパパに挨拶をしておこう。

 

 まずテレパシーでお伺いを立ててから転移でパパの部屋へ。パパは蛇腔総合病院のVIPルームに滞在している。

 

 原作でこの人どこに潜伏してたんだろうと思ったけど、こういうことだったらしい。パパの協力者やシンパはたくさんいるんだから隠れんぼは得意だろう。

 

「お父様、この病院を離れることになりましたので、ご挨拶に参りました」

 

「君はまだ幼い。社会に出て多くを学ぶといい」

 

「はい、お父様」

 

 中身が実は成人男性であることはお気づきでないらしい。気づかれたらそれはそれで面倒なことになりそうだから気づかないでいて欲しいところだ。

 

 とはいえ個性社会についてはテレビや新聞を通じてしか知らないから実際に触れてみる必要があることは確かだ。

 

 あ、そうだ。雄英に入ることを伝えておこう。

 

「オールマイトが雄英高校の教職につきます」

 

「へぇ?」

 

 なぜわかるかは聞かれない。未来予知でも使えばわかることだと思われているのだろう。

 

「彼のそばに参りたいと思います」

 

「ああ、それはいいね。是非そうしなさい」

 

 パパの体が震え出す。

 声出さずに笑わないで欲しい。めっちゃ怖いんですけど。

 

 私が雄英のヒーロー科に入れば、オールマイトは敬愛する師匠の子にして宿敵の子を育てることになる。そら笑いたくもなる。自分のことでなければ私も一緒に笑うところだ。

 

「常夜、君は好きにするといい」

 

 好きにしろというけど、どうしよう。なにやっても背後にパパの影を感じちゃうから好き勝手はできなさそうなんだよな。

 

「次に会えるときを楽しみに待っているよ」

 

 

 

 退院する日、パパもドクターも特に見送りには来なかった。挨拶は済んでいるから必要ないということだろう。

 

 住むところは眠木さんが住んでいるワンルームマンションだ。彼女はそこから病院まで通勤しているそうなので帰宅に合わせて一緒に行くことになっている。やっぱり監視つくんじゃないか。

 

 ちなみに専属スタッフだった人たちは臨時雇用で、普段はパパやドクターの息のかかった企業や施設で働いているらしい。ひとでがほうふなのはいいことです。

 

 同じマンションでも部屋は別々だ。さすがに眠木さんもプライベートは確保したいだろうし、私もいい加減一人で過ごしたい。

 

 でも生活に必要なあれこれを教えてもらわないといけないのでしばらくの間はお世話になることになる。かつての平成よりも家事労働の負担を減らす物品は増えてるだろうけど、女の子特有の部分はまったくの無知なのでその辺りが中心になるはずだ。

 

 あと。その、女の子特有と言えば、こう、なっちゃうとお赤飯が出てくるアレがあるわけだが。前世は男だったからほぼ無縁だったんだけど、この辺の愚痴を散々聞かされた覚えがあるし、SNSでも見かけた。いざ我が身に起こるであろうと考えるとなかなかの恐怖だ。自分が子供を産めるようになるというのも理解しがたい。

 

 まだ先の話だけど、ドクターが配慮してその辺簡単に済ませられるようになってないもんだろうか。負担を軽減する薬なんかはあるんだろうけど、ないならその方がいいなー、なんて思う。そのときが来たら悩むしかないのか。

 

 そういえば、女性向け雑誌の女性ヒーロー特集で、お悩みランキングなんてのが掲載されてたけど、この問題が上位に入っていたな。いかに個性時代とは言え、この問題は容易には解決できないということか。ああ、想像するだけでつらい。私の個性創造でなんとかならないものだろうか?

 

 眠木さんが運転する車に揺られながらぼんやりと夕暮れ時の風景を眺める。具体的にどこの地域なのかはわからないが、超常時代の混乱で破壊されて再建されたところも少なくないだろうし、前世とは町並みも違っている気がする。

 

 一番の違いは広告をはじめとしてあちこちにヒーローの姿があることだ。ああ、やっぱりここはヒロアカの世界なんだと実感させられる。それから顔が犬とか猫の人がたまにいるけど、まだ慣れていない。顔に出さないようにしてはいるけど、見て驚いたりしたら失礼だよねきっと。

 

 マンションに到着すると、部屋まで案内されて鍵を渡された。鍵と言ってもカード型でこれで扉のセンサーにタッチすればいいそうだ。うーん、近未来的だ。いや、平成の頃にも似たようなものはあったけど。

 

 絶対に失くさないようにと念を押されながら解錠する。中に入ると、続けて入ってきた眠木さんから部屋の設備や家電の説明を受ける。前世とあまり変わっていないのは助かるけど、やっぱり黎明期の混乱の大きさを感じる。

 

 私には私物がまったくないので、生活必需品や衣服は明日揃えることになる。

 

 説明が終わり、眠木さんの部屋で夕食をとる。食事に関しては宅配サービスもあるし、私が望めば教えてくれるそうなのだ。自炊はそれなりにできる、はず。いやどうだろう。わからないので教えてもらうことにする。宅配サービスならバランスも取りやすいだろうけど、好き勝手食べたくなるときもあるからできた方がいい。

 

 食後、携帯端末を借りる。スマホだ。原作でも使ってるシーンがあったけど、これが携帯端末の完成系なんだろうか。アプリも見覚えのあるのだったし。まあそこはいい。

 『スーパーハッキング』の個性を発動。公的機関のデータベースにアクセスする。調べる対象は原作キャラの情報だ。今何年生なのか、どこに住んでいるのかを知りたい。

 

 ふむふむ。緑谷出久を初めとする雄英高校1年のみんなは今小学6年生のようだ。となると私もこれに合わせる必要があるから、来年度は近隣の中学校に通うことになるのか。

 

 でも原作キャラと中学時代から友達ってのはやってみたいんだよね。私が今も男だったら男子の方が仲良くなりやすいけど、女子になっている以上女子と仲良くなりたい。候補はA組B組合わせて13人。誰がいいかなー。あ、ポニーちゃんはまだ日本にいないか?

 

 眠木さんにスマホを返すと共に来年度から中学校に通いたい、でも場所は近隣以外、自分で指名したい旨を伝える。彼女は監視役でもあるが、ドクターへの連絡役でもあるからこれで通じるはずだ。

 

 ちなみに戸籍なんかは役所勤めのシンパの人が用意してくれるらしい。ホントどこにでもいるな。これまでの経歴が真っ白だからそこを含めて用意しなきゃならない。どういうシナリオになるのだろうか? ドクターが運営してる施設出身ってことになるのかな。設定上両親をはじめ家族が健在だと困るし。

 

 名前や個性もそのままというわけにはいかない。雄英でオールマイトに近づくにもそこは無難なものであることにする必要がある。

 

 なので名前は「志村常夜」、個性は『念動力』ということにした。

 

 ちょっとあからさまな気もするが、無関係な名前も駄目な気がするからこれでいい。

 

 『念動力』は最初に使ったものだし、使えればいろいろと便利で応用がきく。原作で起きる数々の事件に対応できる。

 

 他にもいろいろ確認しないといけないことがあったのでその辺を詰めて自分の部屋に戻る。

 

 たくさん喋ったので正直疲れた。今日はもう寝てしまおう。

 眠木さんが用意してくれたパジャマに着替えて備え付けのベッドに潜り込む。

 そういえば、ここも知らない天井だなぁ。

 おやすみなさい。

 

 

 

 

 

 

「しかし良かったのか。手元においておけばいろいろと使いようがあるだろうに」

 

「構わないさ。あの子が自分からオールマイトの下へ行くと言い出したのには驚かされたけどね」

 

「知能レベルは想定内だが、あそこまで自主性を持つのは確かに」

 

「ヒーローとして世に光をもたらすのも、ヴィランとして夜を支配するのも同じことさ」

 

 

 

「あの子は僕のものだからね」




眠木睡(ねむりぎ・すい)
個性:催眠
相手の顔に手をかざすことで眠らせることができる。
ドクターが運営する児童養護施設出身。元からドクターの裏向きの活動を支援するために育成されており、公的機関にいるAFOシンパとの取り次ぎをはじめとする活動をしている。
常夜のことは最初から特別な子供であると知らされている。

中学の同級生は誰がいい?(あいうえお順)

  • 芦戸三奈
  • 蛙吹梅雨
  • 麗日お茶子
  • 拳藤一佳
  • 小大唯
  • 小森希乃子
  • 塩崎茨
  • 耳郎響香
  • 取蔭切奈
  • 葉隠透
  • 八百万百
  • 柳レイ子
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