ラスボスの子に転生したのでNO.1ヒーローを曇らせたいと思う 作:タメガイ連盟員
誤字報告ありがとうございます。
11月3日UA100000突破しました。ありがとうございます。
中学生生活は問題なく過ごせている、と思う。
初等部からの進学者で既にグループができあがってしまっているのではないかと危惧していたが、なんとまあ、みなさん良い人ばかりですんなり受け入れられた。みんなより小柄だからマスコット扱いされてる気もする。整ってはいるけど、かわいい系の顔立ちではないと思うんだが。早く大きくなりたい。
『魅了(弱)』によって周囲の人間は私に敵意を持ちにくくなっているからというのもある。持つとしたら元々敵意を抱いている人間なので、面識のある者が皆無なこの環境では絶大な効果があると言って良い。威力を弱めることで効果範囲を広げているので、学内の人間はだいたい対象になっているはずだ。強めに使えば無条件で私に好意を持つようになるし、最大効果なら対象は1人になるけどこちらを無二の親友だと認識させてしまえる。こうなれば、人を殺せみたいな対象の倫理観に抵触するようなことは別として、こちらの言うことを聞いてくれるようになる。
ちなみに今や“前”となったヒーロー公安委員会委員長はこれに加えて洗脳まで使っているのでどんなお願いも聞いてくれる。この状態を利用して彼がこれまで行ってきた不正行為の証拠を集めてもらっている。あ、これ病気にする前ね。集めてもらった書類やらは筒美さん(ナガンの本名)宅に預かってもらっている。すごい嫌そうな顔されたけど。自分も関わっていることだから気になるのは仕方ないことだと思うけど、そこは堪えて欲しい。この案件で頼れるの彼女だけだし。
八百万さんとはクラスが別になってしまったが、成績ツートップを同じクラスにするのはないだろうなと思っていたのでまあ、我慢しよう。来年度からは同じクラスにしてもらうけど。別のクラスだけど、八百万さんは私のことを気にしているのかよく話かけてくれる。さっき言った『魅了(弱)』は元々好意を持っている人はより好意が強くなるっぽいんだよね。なので彼女実質1ランク強めの『魅了』を受けていることになる。特に使うつもりはなかったんだが、より仲良くなれるし別にデメリットもないからまあいいか。成績ツートップがしょっちゅうつるんでるのってどうかと思うんだけど、八百万さんが既に160cm近くあるため、凸凹コンビとして扱われているっぽい。ここでもマスコット扱いか。八百万さんも私のことを若干年下扱いしてるのか、好感度が高くなっているのか、昼休みや放課後に会うと髪を梳いたりとスキンシップが結構ある。端から見ると百合なんだけど、こっちはそれどころじゃない。いやまあ、満更でもないんだけどね? 八百万さん、笑った顔も素敵だし。でも、こっちの性自認は男のままだし、性愛対象は女性なんだよ。
そう、ここが問題なんだ。着替えの時間は未だに慣れないし、女子であることに戸惑いを覚えることも少なくない。スキンケアとか、そういう話題は中学生だからまだないはずと思っていたがそうでもなかった。うん、良いとこのお嬢さんが多いからそういうのも早いんだろうね。そしてどんなケアをしているかと聞かれるとすごく困る。なにもしていないわけじゃないんだけど、私は個性でその辺全部やっちゃってるからケア用品とかよく知らないんだよ。
例えば、爆豪母なんかが確か自分の個性を利用して美肌保っていたけど、あれと同じ感じ。あれで30代後半だっていうんだから美肌効果恐るべし。ん? 筒美さんも確かそれぐらいの歳だったような? うーん、彼女にもこの辺の相談してみようかなぁ。物自体は退院して生活雑貨買いそろえたときに一緒に購入してはいるんだけど(選んだのは眠木さん)、使わずに済ませてしまっているために使い方もブランドも知らないのだ。服だって量販店でまとめて買ってるからブランドもよく知らないし、所作でも座るときに足を広げないようにするとかそういうのはまあまあできてると思うんだけど、真似でしかないからなぁ。こういうところにTS歴の短さが表れてしまっている。
普通に産まれてたらもう女の子やって12年だから慣れてるだろうけど、パパがパパで、ママが故人、取り上げたのがドクターな時点で異常極まりない産まれだからね。
勉強の方はさすが私立だけあって内容は進んでいるが、知能も強化されているから、問題はない。この辺はドクターに感謝している。お礼も兼ねて脳無に使えそうな人を連れて行ってあげてもいいだろう。ただ、社会科はちょっと面倒なところがある、特に歴史。20世紀まではいいんだけど、微妙に用語が違ったりするし、現代史、つまり個性時代からはまったくの未知なもんだから個性頼みで暗記せざるを得なかった。
こうして歴史を見ると、平成からの未来じゃなくて並行世界なんだなぁ、と実感させられる。旧時代の漫画やアニメを配信アプリで読んでみると、微妙に違うものがちらほらある。海賊とか忍者とか7つの玉を集めるやつみたいに舞台が現代日本じゃないのは変わってない感じだから気にせず読めるんだけど。しかしエンタメ業界もここ20年ぐらいが一番盛り上がってるらしいの、オールマイト効果だよなぁ。エンタメが欲しい私にとって平和の象徴様々ではあるんだけど、将来彼を傷つけることになるわけで、余生を慚愧と懺悔まみれにしちゃうの、心が痛むなぁ。
そんなわけで楽しく中学生やってるわけだけど、原作キャラについての調査も行っている。ウォーターホース、マスキュラー、八斎會の動向だ。
ウォーターホースとマスキュラーの接敵は来年になるはずだが、それがどこかでずれる可能性は0ではない。ウォーターホースの方は彼の事務所やヒーローネットワークをハッキングすれば簡単に掴める。マスキュラーの方は警察と公安の情報からだ。あいつ普段なにしてんだと思ってたんだけど、案の定地下闘技場の常連らしい。そりゃあんなのがまともな社会生活で賃金得られるわけないし、見た目も派手になりやすいので人気選手らしい。そんなわけだから住むところも主催者に提供してもらっている。地下闘技場ってガス抜き効果があるから、ヒーロー公安も監視に留めているんだよね。確かに下手に摘発して出場者がヴィランとして暴れ回るというデメリットを考えると仕方ない気がする。そういう意図をガン無視してるのがいかにもマスキュラーって感じだけど。
で、八斎會、というか壊理ちゃんなんだけど。
治崎に確保されちゃってる。
目標の1つが早速ガバっている。いや早くない? そう思って調べ直したんだ。そしたらさ、彼女原作より早く産まれてやんの。わかんねえよこれは流石に。私が目標立てて盛り上がってるときには時既に遅しだったわけで。ああ恥ずかしい! いや、別にこれ私悪くないだろ。何度でも言うけどわかんないよこんなの! まいったなぁ、他の原作キャラも生年がずれてたりするかもしれないぞこれ。まあ、ヒーロー科のみんなは全員同い年だったからここは大丈夫なんだけど。
で、どうしたものかと悩んでいるうちにも時間は過ぎている。当初の予定では、壊理ちゃんの個性発現前に個性因子を破壊することで後の悲劇を回避しようとしていた。これによって八斎會、治崎による個性消失弾の製造を阻止しようと考えていた。原作より時期が早まったとはいえ、消失弾が世に出回るのは原作の雄英1年2学期頃からだから、まだ2年程度の猶予があるはずだ。だから、今すぐ対処しなくてはいけない、ということはない。
すぐ動くことに躊躇っているのは、私一人で八斎會に勝てるかどうかわからないからだ。壊理ちゃんだけを連れ出すなら難しくないが、治崎が彼女を諦めるわけがない。治崎をなんとかしないことにはこの問題は解決しないのだ。つまり戦闘は不可避。チート野郎、じゃないな、チート美少女のくせに何をビビっているのかと思ってしまうが、地道な努力でチートと呼べる域に到達したパパやオールマイトと違って、私はポンと手に入れてしまったようなものだ。要するに中身が伴っていないのだ。
レディ・ナガンのときは積極的に戦闘をする必要がなかったからアドリブでもなんとかなった。だが、もし彼女と本気と戦うことになった場合どうなるのか?
最大射程3km。ただ到達させるだけなら通常のスナイパーライフルでも可能な距離だが当てるとなると話が違う。銃器そのものや弾丸、観測や照準に必要になる精密機器、風や重力などの環境、そして射手の腕の組み合わせの結果として標的への命中という現象が起きる。ナガンは独力でこれをやってのけるのだからとんでもない。しかも曲射で遮蔽物に隠れていても当ててくる。当然一度でも視認しないことにはできない芸当だろうけど、これができるってことは対象の未来位置を正確に予測できているわけで。ついでに直感でも当ててくる。改めてやばいなレディ・ナガン、そしてよく勝てたな原作の出久くん。
対ナガンは如何にして彼女との距離を詰めるかにかかっていると言って良い。だがそれまでにナガンは当然攻撃してくるし、原作で「2発も防がれたのは初めて」と言っているので長らく初弾で相手を仕留めてきていることがわかるように、彼女の攻撃を防ぐのは容易ではない。そして距離を詰めることができても、彼女は格闘戦もできるので簡単には行くまい。つまり、狙撃を回避・防御して3kmを踏破し、かつ接近戦にも秀でていないといけない。こんなのトップヒーローたち以外には無理だろ。オールマイト、エンデヴァー、ホークス、ベストジーニスト、ミルコ、クラストあたりはいけるんじゃないかな。
一番捻くれた戦い方をするなら『個性抹消・視線』(イレイザーヘッドのとだいたい一緒)+『千里眼』で個性を封じてしまえばいい。だいたいの相手に有効だが、じゃあ勝てるかというとそうでもない。この状態だと私は接近戦向きの個性を発動させられないからだ。肉体強化措置のおかげでプロヒーローにも引けを取らないぐらいの身体能力はあるけど、格闘技の心得はまったくないし、経験もない。最初に会ったときみたいに組み伏せられて終わりだろう。
前にも言ったけど、私には絶対的に経験が足りていないのだ。
マスキュラーは個性が単純なものだから対策を立てやすいんだけど、治崎はベテランヒーローであるサー・ナイトアイを制するほどの格闘能力があるうえにワンタッチの即死攻撃まである。その上彼の部下である八斎衆や他の組員もいる。零細とはいえ、八斎會は組織だ。対決するなら原作のようにヒーローを巻き込みたい。特にサー・ナイトアイは。組織を個人で相手取るなんてパパかオールマイトぐらいしかできないだろう。まあ、ただ潰すだけなら屋敷を地下ごと押しつぶしてしまえばいいんだけど、一応壊理ちゃん救出も目的なのでNGだ。あとあんまり派手なことをやってヒーローに目をつけられたくないし。
なのでまあ、当初の目標通り、全国各地のヴィランやチンピラ相手に経験値稼ぎ、というのを中学生活と並行してやっていくことにする。昼は女子中学生、夜は謎の怪美少女だ。身バレはしたくないので認識阻害系の個性を使ってるけど。睡眠時間が少なくなるけど、睡眠の質を上げる個性があるから問題ない。
うーん、このチート個性を日常生活を便利にするぐらいにしか使ってないな私。個性って道交法なんかと同じで警察が見ていないところでちょっと法を逸脱しても咎められないんだよね。まあ、法律を厳密に適用しちゃうと国民の大半が拘置所送りになっちゃうんだけど、法の弾力性というやつが機能しているのはなによりだと思う。しかし緑谷母のような『物を引き寄せる』程度ならともかく、ドクターの個性特異点論通りに個性が強大化し続けた場合、法が追いつかなくなるときが来る。個性の制御という意味では、パパによる支配や、治崎が唱える『超常以前に戻す』という思想はありなのだ。それ以外の部分に問題があるからNGだけど。
治崎の考えって言いたいことはわかるんだけど、地道すぎない? そりゃ壊理ちゃんの『巻き戻し』が強大なのはわかるけど、射程範囲が広いわけじゃないから、その効果を広めるには個性消失弾という形にしているのが現状だ。その材料は壊理ちゃんだし、製造設備だって秘匿しなきゃいけないから限られるし、製造できるの一日いくつよ? 組の資金源にするだけなら数が限られるのは希少性が出て値を吊り上げられるからいいかもしれないけど、これで世界を変えるとなるとどれだけ時間がかかるのやら。まあ、完成品と血清を壊理ちゃん抜きで量産できるようになれば話は別なんだろうけど。某財団みたいに世界中に散布できないと無理なんじゃないかな。
まあ、彼の理想はパパやドクター、それに私とは相容れないから潰さないといけないんだけどね。パパ亡き後天下を取るのは自分だとか言ってたからどちらにせよ潰されてた気もする。
「志村さん、志村さん、これ知ってますか?」
早くも夏休みが明け、2学期の始まりである。開始早々実力テストがあったりしたが大過なくこなしている。
「“黒外套”?」
クラスメイトが見せてきたスマホの画面には、ここ何ヶ月かで噂になっている存在について考察したサイトが映し出されている。
“黒外套”。
今年の5月半ばあたりから現れた謎の存在だ。週末、全国各地に現れてはヴィランやチンピラを襲撃しているのだという。新手のヴィジランテか、それともヒーローの極秘任務か。様々な憶測がなされているがどれも決め手に欠けている。襲撃された者、偶然目撃した者も一様に『黒外套を着ていた』としか覚えていないのだ。ヴィランの負傷や周辺の状況から使用している個性がその都度異なっていることで、事態はさらなる混迷を極めていた。複数人が関わっているのか? あるいはそう思わせて捜査を攪乱するためか? 襲撃されたヴィランはヒーロー事務所前に捕縛された状態で放置されていくため、置かれていったヒーローも警察にそのヴィランを引き渡すものの、自分の評価にならないためなんとも複雑なところらしい。
「テレビとか大手ネットニュースではまだ取り上げられてませんけど、今一番ホットな話題ですよ! 週末しか現れないから、もしかしたらヒーロー科の学生かも」
「ヒーロー科ってカリキュラムギッチギチだからそういうことやってる暇ないと思います」
「さすがヒーロー科志望、詳しいですね」
「詳しいってわけでも。カリキュラム自体は公開情報ですよ。第一、そんなことして学校にバレたら退学させられちゃいます」
「むっ、それもそうか。何者なんですかねー」
まあ、私なんだけど。週末だけにしてるのはやり過ぎると練習台がいなくなっちゃうかもしれないから。そうでなくてもヴィランって数減らしてるんだからやりすぎていなくなっては困る。そろそろヒーローもこっちを捕捉してきそうだから、対ヒーローも今後はあり得るはずだ。まあ、トップヒーローが出張ってきたら逃げるけど。
「なになに、“黒外套”の話?」
話している内に他のクラスメイトたちも集まってきた。どうも私の周りで話をするのが定番なのかよく集まってくるんだよね。これもマスコット扱いゆえか。一応130cmは越えたんだけど。
「やっぱヒーローの誰かなんじゃないの?」
「いやないでしょ、自分の功績にならないんだから」
「では、自身の功績を考慮しなくていいような、トップヒーローのいずれか、とは考えられませんか」
私が口を挟むと視線が一斉にこちらを向く。いつものことだけどなんなの本当。
「こういうクールぶってるところもかわいいんだよねー」
「ぶってねえです」
「よーしよし、かわいいねえ」
「やめんか、大型哺乳類ではないんですよ私は!」
最終的にこうしてクラスメイトたち(女子だけだが)にわちゃわちゃと頭を撫で繰り回されるのも毎度のことである。反撃できない(下手にすると私の身体能力だと大けがさせてしまう危険がある)のでされるがままである。前世でも異性との接触は多くなかったので非常に疲れる。ああ、癒やしが欲しい。
「────というのが話題になったんですが」
クラスメイトに揉みくちゃにされてしまった髪を八百万さんに梳いてもらいながら話す。時間は放課後、場所は屋内テラスだ。こうやって私たちがいちゃ、んんっ、2人で話しているときは誰も近寄ってこない。遠くから視線を感じ、時折『ありがてえ』『尊い』と言った呟きも聞こえてくる。私、他人を消費するのは好きだけど消費されるのは嫌なんだけどなぁ。
「私もその話題は聞いていますが、あまり褒められた話ではありませんわ」
ですよねー。普通に違法行為だもんね。まあ、やめないんだけど。
「かつてのヴィジランテも今やヴィランの一種ですもんね。まあ、例の“黒外套”はずいぶんと奇妙ですけど」
「いたずらに社会不安を煽っているとしか思えません。ヴィジランテは確かに違法ですが、ヒーローや警察の穴を埋めることができますし」
「正体不明ってことで面白がられていますが、目的がわからないというのは、確かに」
その、ごめんね。戦闘の練習が目的なんだ。いや、実際のところがわかったら余計不安度上がるね。どう考えてもなんかやらかす準備でしかないし。
実戦訓練も10回以上ともなると、問題点も当然見えてくる。格闘技能の不足だ。イレイザーヘッドやサー・ナイトアイに見られるように、個性以外の格闘能力が重要であることは明白だ。これから戦うことになるであろうマスキュラーだってその辺りは怠りないだろうし、戦うつもりはないけどステインだって相当なものだ。ただまあ、個性の使用を前提とした立ち回りというか、身のこなしという印象があるから、彼らの動きはあまり参考にならないんだよね。なにしろ私の個性はなんでもありだ。型にはめてしまうのはかえって選択肢を狭めてしまう。なので、空手なり柔道なりの基礎を覚えるのがいい、と結論づけた。基礎は大事だからね。流石にもうパパ絡みの伝手を使うのはまずそうなので、八百万さんに頼って近場(と言っても一駅離れているけど)の空手道場を紹介してもらえた。そこに通いつつ、実戦をやっている次第である。
「ヒーロー志望の身としては歯がゆく感じてしまいますわ」
「なにかできるようになるのはヒーロー免許の仮免取ってからですから、もう何年かは日々の学業と鍛錬に集中するしかありませんよ」
「焦りは禁物……はい、これでよろしいですわ」
髪を梳き終えて八百万さんが後ろから私の隣に移動する。
「いつもありがとうございます、八百万さん」
おや、なにやら八百万さんがなにか言いたげにもじもじしてらっしゃる。何かあるのかと促してみる。
「その、一夜を共にした仲ですし……」
「言い方!」
別荘にお邪魔したときでっかいベッドで一緒に寝ただけでしょ! なにもなかったでしょ……私はしたけど。
「名前で呼んでは頂けないでしょうか」
え、なに、私たち付き合ってるの? ってぐらいの好感度だ。『魅了』に中てられまくってるなぁ、この子。自重する気はないけど。
「え、まあ、いいですけど……えーと、百?」
「はいっ!」
うわっ、なんて眩しい笑顔なんだ。この笑顔を3年後には絶望の海溝にたたき落とすことになるんだからたまらない。
「じゃあ、私も名前で呼んでください」
「常夜さん」
あ、そこはやっぱりさん付けなのね。んんー、頑張れ表情筋。
「なんだか照れますね。まあ、でも、友達ならこれぐらい当たり前、なんですかね」
「友達なら名前で呼び合うのは普通のことだと思いますわ」
友達同士で名前を呼び合うにしても、そんなに頬を赤く染めないと思うよ。
それにしてもじっくり関係を作っていくつもりが高速展開だ。原作読んでて、悪い男にひっかからないか心配だなぁ、とか思ったけど、将来大丈夫なんだろうか。
今現在私という悪いやつにひっかかっているからあまり変わりないか。
「ところでこの後はどうされますか?」
「今日は道場です。正直この暑さだとまいっちゃいますけど、サボりはダメですし」
「私もよろしいですか?」
「よろしいも何も、や、あー、百に紹介してもらったところですし」
「そうでしたわね。それでは参りましょう」
ま、しばらくは平和にのんびり行こう。いずれ嫌でも忙しくなるんだから。
日常回でした。
クラスメイトとわちゃわちゃして、百ちゃんといちゃいちゃして、ヴィランをぼこぼこにしてるのが常夜です。
次回から本格的な戦闘が入る予定です。
実のところ壞理ちゃんに関しては「個性は消しておいた」で飛ばして、あとで問題が起きるというガバのはずだったのですが、パパが「大切なことを忘れていないかい?」と囁くので原作に先んじることになりました。
ありがとうパパ! おかげで原作開始が遠のくぜ!