ある日。テレビ局へ強引に押し入った一匹のイマジンが、電王を名指しして、「俺を止めたきゃ夏霧まで来い!」とカメラに向かって叫んだ。
これを見ていた仮面ライダー電王・野上良太郎は、イマジンの歴史改変を止めるべく、夏霧という、寂れた田舎の港町へと向かう。

現場へ向かった時、すでにイマジンは過去へと飛んでしまっており、良太郎たちもそのあとを追おうとするが、なんとイマジンと契約を結んでいたのは人間ではなく、六つの連なる地蔵たちの脇に設置された、小さな墓に備えられた勾玉。

不思議に思いながらも、勾玉にライダーチケットをかざしてみると、そこに表記された年代は安定せず、忙しなくいくつもの時を指し示す。

イマジンを放っておくこともできず、仕方もなしにチケットを通してデンライナーを走らせてみると、たどり着いた先は、ゴーストタウンと化した夏霧の町。そこで良太郎は、一人の儚げな女性と出会う……。



仮面ライダー電王と、インディーゲームクリエイターの畳部屋氏が手掛けたウォーキングシュミレーターゲームである「NOSTALGIC TRAIN」のクロスオーバー小説。
ゲームを終えて、余韻が消えないうちに書かなければ……と思い、筆をとりました。

夏霧の幻想的な雰囲気を壊すつもりは毛頭なく、電王が介入しても、あの切ないストーリーや雰囲気を表現出来たら、と思います。
  夏の霧・一度きり(其の一)
  夏の霧・一度きり(其の二)2021年10月14日(木) 19:00
  夏の霧・一度きり(其の三)2021年10月15日(金) 19:00()
  時を彷徨う少女(其の一)
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