キノコのほうしを目指して   作:野傘

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注意!
当作品には独自展開、独自解釈、設定捏造、キャラ崩壊が多分に含まれています。
上記の要素が苦手な方はご注意ください。
















「人の目の 届かぬ 遥かな地の底には 美しい ほうせきたちの国が あるという」
――ホウエン神話断章『大地の女王』より


国境の長いトンネルを抜けると「ほうせきの国」であった

 長い。

 

 「ほうせきの国」に続くトンネルを往く最中、吾輩はそう思った。

 「ほうせきの国」を目指して出立してどれだけたったのか。現在吾輩はお転婆姫の後に付いて地下深くトンネルを下り続けていた。

 ただこのトンネル、只管に長い。しかもただ長いだけでなく、狭い。人間ではとても入ることが出来ないほどに。さらに内部がやたらと曲がりくねっており、方向感覚が掴み難い。正味、お転婆姫の案内が無ければ吾輩は確実に散々彷徨った挙句、この地にて果てていただろう。その在り方はどこか前世にてよく聞き及んだ迷宮(ダンジョン)を想起させた。

 

 延々と続く殺風景なトンネルの景色に飽きてきた吾輩。前方にて迷いなく歩みを進めるお転婆姫に「ほうせきの国」まで如何ほどかと聞けば、あと半分ほどだとか。

 やれやれ今しばらくこの景色が続くというのか。げんなりとした口調で吾輩が呟くと、それを聞きつけたお転婆姫は何やら意味ありげな含み笑いをしている。一体どうしたのかと問えば、もうすぐ面白いものが見られるという。

 はて、面白いものとは一体何なのだろうか?

 お転婆姫はその問いには答えず、ただついて来れば分かると言うのみ。まあ、いずれ分かるか。と、吾輩は先に進むお転婆姫の後に付いて、殺風景なトンネルを歩くのであった。

 

 さらにトンネルを少し進んだところで、お転婆姫が立ち止まって前方を指差した。見てみろというお転婆姫の言葉に従った吾輩は、そこで前方より光が漏れているのを見つける。

 何と、こんな地下深くに光とは。

 先のトンネルにある光源といえば、時折生えている"ひかりごけ"か光るキノコの類い程度で、光量もたかが知れていた。だが、前方より漏れる光は明らかにそれらと一線を隔している。一体なにがあるのやらと逸る気持ちのままに、速足で前方の光源へと辿り着いた吾輩は見えた景色に思わず、おおと声を漏らした。

 吾輩の眼前に広がる風景。それは光輝く地底湖であった。恐ろしく澄んだ水を満々に湛えた広大な湖が、自ずから光を発し周囲を照らしている。

 絶景かな。正しく自然が生み出した神秘の光景そのもの。日の光届かぬ地底に自ら輝く湖とは。

 ふと吾輩は、一体いかなる絡繰で湖が光り輝いているのか気になった。そこで地底湖の底を覗き見て、すぐにその種を理解した。湖を照らす光源の正体、それは湖底より無数に突き出した結晶体。これら無数の結晶が光を放つことによりこの地底湖全体を照らしているのである。

 圧巻の景色に見とれていた吾輩を、お転婆姫がチョイチョイと引っ張る。曰く、そろそろ先に進もうとのこと。吾輩としてはもう少しこの景色を堪能していたかったのだが、案内人がいうのならば仕方がない。素晴らしき風景を惜しみつつ、吾輩は彼女の後に続いて近くの横穴へと潜っていくのであった。

 

―――

 

 ディアンシー(お転婆姫)キノココ("吾輩")が立ち去り、常の静けさを取り戻した輝きの地底湖。しかし、その静けさはしばらくして再び破られることになった。

 

――ウィィ!

 

 入り口から覗く宝石眼と耳障りな鳴き声。瞬間、数十体のヤミラミがワラワラと地底湖へと侵入してきた。ヤミラミたちはその鋭い爪を洞窟の壁に食い込ませて這い回り、"ターゲット"の痕跡を探す。

 

――ウィ!? ウィィィィィ!

 

 その内の一体が洞窟の床に僅かに残された、極上の宝石の痕跡を見つけ出す。人間にとっては観測など不可能なそれを、ヤミラミたちは本能的陶酔感で以って感じ取ることが出来た。

 溢れそうになる唾液を抑えながら、ヤミラミは痕跡が付近の横穴の一つに続いていくことを確認、情報共有のため仲間たちを呼び集める。

 彼の声で集まるヤミラミたち。なるほど確かに陶酔を誘う宝石の痕跡は地底湖の横穴の一つに続いている。ならばこのことを"リーダー"に報告して、次の指示を貰わなくては。

 そう考えたヤミラミたちは、自分たちの背後にピッタリと付いてくる"持ち主不明"の影に向かって鳴き声を上げた。

 

 ヤミラミの声に反応するように、影よりボウ、と赤い光が浮かぶ。揺らめく赤い光は周囲の影ごと浮かび上がり、徐々徐々にその輪郭をハッキリとさせていく。

 光は単眼に、影は肉体に。

 そうして、影があった場所にいつしか一匹のポケモンが姿を表していた。

 2mを超える人型の長身に、赤い単眼が浮かぶ被り物のような頭部と長い腕。下半身はさながら亡霊(ゴースト)の如くか細く揺らめき、樽のような胴には顔の様にも見える紋様があった。

 その名は"てづかみポケモン"ヨノワール。ヤミラミ部隊を率いるリーダーである。

 普段は影に潜み、ヤミラミ部隊の後を付いて行くヨノワールが実体化した。それはヤミラミ部隊に新たな指示が下されることを意味する。

 影なる異空間より三次元空間へと姿を現したヨノワール。そのアンテナに主人からの指示が届く。追跡を続行せよ、と。それを受けてヨノワールは指示通り、ヤミラミ部隊へ更なる追跡の続行を命ずる。

 リーダーからの新たな命令にヤミラミたちは耳障りな鳴き声を上げると、ディアンシー(ターゲット)の追跡を再開する。痕跡を追ってヤミラミ部隊が横穴に侵入していくのを確認した後、ヨノワールは再び影へと潜航するのであった。

 

―――

 

「凄い! 凄いぞ! 本当に地中深くにこんな大空洞が存在するなんて!」

「見てみろ! 湖の底、『地脈結晶』があんなに! ……おい! ちゃんとデータ記録しているか!?」

「勿論です!! バッチリキッチリしっかり取ってますよ!!」

 

 『石の洞窟』奥深く、マグマ団の前線基地は興奮と熱気に満ち溢れていた。それも当然、前線のヤミラミ部隊より送られてきた映像はマグマ団にとって極めて重要な発見であったからだ。

 昔、とある学者が発した仮説。ホウエンの地下には巨大な空洞が存在し、そこには惑星の核より湧き上がる莫大な"自然エネルギー"を内包した未知なる『世界』が存在する、というもの。

 発表と同時に一笑に付されたその論文は、しかし数十年の月日を経た後マグマ団によって"再発見"され、彼らの目的・陸を拡げる超古代ポケモンへの手がかりとして調査が進められてきた。

 通称、『地脈世界』。ホウエン地方で極まれに発見される、何の属性(タイプ)も持たないプレーンな力を保有する特殊な石、『地脈結晶』からそう仮称された世界は、正しく前人未到の新世界(フロンティア)

 次世代のエネルギー源として注目され、しかしその希少性故にほとんど研究が進まなかった『地脈結晶』がこれほど大量に存在している場所の発見は、まさに人類社会にとって巨大な利益を齎す大発見であった。

 

 しかしそれはあくまでも副次的なもの。彼らの本当の目標(ターゲット)は別にある。

 

「…………ァハハ♪…………。…………あった…………本当に…………『地脈世界』…………! …………眠る場所…………超古代ポケモン(グラードン)の…………!!」

 "たいりくポケモン"グラードン。超古代ポケモンと称される存在の一柱。遥か原始の時代に片割れたるカイオーガと争い、死闘の果て地中深く眠りについたという伝説のポケモン。マグマ団が自らの理想のために追い求める存在である。

 神話の最後にて語られる地中深くにて眠りについたという記述。そこから逆算される、地底深くにはグラードンが移動し眠るだけの広大な空間が存在するという仮説。そしてそれは今まさに目の前で証明された。

 ならばメインターゲットもこの地にこそある筈だ。

「…………メインターゲット……………最後のキー……………プロジェクト・AZOTHの……………! ある………ここに……『紅い貴石』……導く……ボクたちを……………超古代ポケモン(グラードン)へ!」

 

 ふと、データ観測を行っていた団員の一人が声を発する。

「ヤミラミ部隊の生体データに変化有り。どうやらディアンシー(ターゲット)の痕跡を発見したようです」

「…………分かった……………。……………命令して……………『追跡続行』……………」

「ハッ。ヨノワール(ヤミラミ部隊指揮官)に伝達、『追跡ヲ続行セヨ』」

 カガリからの命令を復唱し、団員が手元の機械を操作する。するとヤミラミ部隊の視界がヨノワールに注がれ、そして再度ディアンシー(ターゲット)追跡に移った。

 

 ヤミラミが再度追跡に移ったのを確認し、命令を下した団員の男は手元の装置を見つめる。

 

(……ホムラ様が作られた()()()()()()()()()()()()()()機械。そしてトレーナーからの直接指示なく動くポケモンたちか……)

 

 こちらが直接指示を下さずとも動き出したヤミラミたちを見て改めて感慨深く思う団員。

 遠隔からポケモンに指示をだす技術は遥か昔から研究されてきたものであるが、今なお達成が困難とされている。その最大の理由は遠隔での指示をポケモンが理解出来ないという点だ。

 訓練によってある程度の指示は可能なのだが、やはり直接的にする場合とでは精度に雲泥の差が出る。テレパシーを使用可能なエスパータイプのポケモンや、電気信号を理解可能な一部のでんきタイプのポケモンたちに対する遠隔指示は比較的うまく行くのだが、全てのポケモンに対する遠隔指示可能な技術というのは未だ確立されていないのが現状だった。

 そこでホムラは発想を逆転させた。全てのポケモンに遠隔から指示を出すのが困難ならば、遠隔指示が可能なポケモンを司令塔として他のポケモンにこちらの指示を伝えさせればいい、と。幸いポケモンは他種同士のコミュニケーション、特に同タイプ間のコミュニケーションにおいてかなりの精度での意志伝達が可能であることが証明されている。そうした発想の元作り出されたのがこの機械だった。

 

 『紅い貴石』を捜索する今ミッションにて、捜索役として選定されたのがヤミラミだった。ヤミラミは宝石を主食とする生態を持つため、宝石を探知する能力に優れている。元々洞窟に生息するため、光の届かぬ地底での活動も十二分に可能。小柄な体躯は人間では入り込めない狭い隙間も探索することが出来る。何よりホウエン地方に一般的に生息するポケモンのため、数を揃えることにコストが掛からないのも魅力だった。

 『紅い貴石』捜索では当初から人間が立ち入れない環境での活動も想定されていた。そのためヤミラミたちについてはトレーナーによる直接的な指示ではなく、司令役のポケモンを通じ遠隔で指示を送ることが決定された。そこで司令塔として白羽の矢が立ったのがヨノワールだ。

 ヨノワールは頭部のアンテナを通じた電波コミュニケーションを行うことが分かっており、遠隔指示装置での指示が可能なポケモンの一種だ。さらにヤミラミと同じゴーストタイプのポケモンであり、部隊内でのコミュニケーション精度も問題はない。そして最終進化形態というだけあって戦闘能力も高く、外敵などの不足の事態に対する対応能力も優れていると、まさに部隊運用の指揮官として打って付けであった。

 こうした経緯で組織されたのが『紅い貴石』捜索用のポケモン部隊、通称ヤミラミ部隊であった。幾つかの地点での試験運用を終え、この『石の洞窟』・『地脈世界』捜索任務で初めて実戦投入されたヤミラミ部隊(探検隊)は、今まさに人の立ち入れぬ地の底(ダンジョン)にて十分にその性能を発揮していた。

 

―――

 

 輝きの地底湖を離れ、さらにトンネルを潜っていく吾輩たち。吾輩は先の美しい景色を見た後で、再びあの殺風景なトンネルの風景を見なければならんのかと若干気落ちしていたが、生憎それは杞憂に終わる。

 地底湖を過ぎてしばらくの後、周囲の景色が一変したからである。

 そこは四方八方より伸びる無数の結晶によって埋め尽くされた結晶洞窟。結晶は先の地底湖のソレと同様の性質を持つのか仄かに光を放っており、洞窟内は地上より遠く離れた地底にも関わらず真昼の如く明るかった。

 先の地底湖にも勝るとも劣らぬ絶景を前に吾輩の目はこれ以上なく光輝いていた。

 

 そこから先の道程はまさに絶景の連続であった。

 地下水脈より流れ落ちる雄大な滝。人の背丈ほどもある光輝くキノコの林。何処かへ流れゆく岩漿(マグマ)の大河。太古の昔に死に絶えたポケモンたちの死骸が変じた輝く無数の宝石たち。

 目に映る物全てが新鮮でかつ驚愕すべきものばかりであり、前半の殺風景な景色とは何だったのかと、吾輩は心の底からこれらの風景を楽しんだ。

 だが楽しい時間というのはあっという間に過ぎるもの。キラキラと輝く結晶をまじまじと見つめていた吾輩に、もう間もなく「ほうせきの国」に到着するとお転婆姫から声が掛かった。

 何ともう着いたのか。あと半分と地底湖にて言われた時より、全くと言ってよい程時間の経過を感じなかった。驚く吾輩にお転婆姫はしたり顔で、道中楽しんだようで何よりだと言った。そしてさらに今まで見た景色よりも「ほうせきの国」の景色の方が凄いという。

 先の景色は全て絶景、それらを押し並べて凌駕すると豪語したお転婆姫。吾輩はその発言を聞いて俄然楽しみになって来た。そうして一体如何なる景色が見られるのかとワクワクしながら、長い長いトンネルを抜けたそこは――正しく「ほうせきの国」であった。

 

 その景色、絢爛にして玲瓏。

 地中深くにぽっかりと空いた広大な空洞。底面から天井、そしてそれを支える柱に至る構造物の全てが無数の光り輝く結晶によって覆われている。

 結晶の色は刻一刻と移り変わり、見る者を決して飽きさせることは無い。

 特に目を惹いたのは空間の中心地、一際巨大な紅い結晶。天井と底面より伸びる結晶によって支えられたそれは、広大なる地下空間全てを照らし出すような強い光を放ち、さながら王宮か玉座の如く「ほうせきの国」の中心に堂々と鎮座していた。

 

 何という美しさか。「世界で最も美しい」と豪語するのも頷ける。この景色を見るためならば、例え全財産はたいたとて惜しくはあるまい。前世にて聞き及びしアガルタ(地底の理想郷)も、この景色を前にしては形無しよ。いやむしろ「ほうせきの国(ここ)」こそがアガルタ(地底の理想郷)か。

 

 目の前の景色にただただ圧倒される吾輩を見て、お転婆姫はこれでもかとばかりに胸を張り、どうだ見たかすごいだろうとこれ以上無きしたり顔。常の吾輩であれば若干イラついたであろうその顔も、これを前にしたならば一切気にならぬ。

 吾輩は素直にお転婆姫へ、この素晴らしい景色への称賛とそれを見せてくれたことへの礼を言う。

 お転婆姫の胸がますます張られ、顔のしたり具合もますます強くなった。敢えて擬音で表すならば、ドドドドドヤァァァァァァ、といった具合である。

 

 故郷の賞賛を受け気分が良くなったのか、ならばもっと間近にて見せてやろうとお転婆姫が申し出る。なんとこの煌びやか国を内側より見れるのか。吾輩はありがたく申し出を受け、お転婆姫の後に付いて「ほうせきの国」内部へと足を踏み入れた。

 

 光り輝く大地に降り立ち、お転婆姫の案内にて「ほうせきの国」内部を見て回る吾輩。ふむ、「国」とはいうが人工的な家屋や施設といったものは見られない。あるものは全て天然自然のもののみ。いや、この地に人工的(そのようなもの)など寧ろ無粋か。在るが儘であるが故にこの地は美しいのだ。

 ふと、吾輩は底面より伸びる巨大な結晶の柱に近づきその表面に触れてみた。鉱石の持つ熱くもなく冷たくもない無機質な質感。しかしその内部にはどこか躍動するエネルギーを感じた。

 

 む?

 

 結晶内部にて閃くエネルギーにどこか引っ掛かるものを覚えた吾輩は、意識を集中させ更にこのエネルギーを探ってみる。

 感じ取ったのは吾輩たちにとってとても馴染み深い感覚。そう、これは吾輩たち"くさ"タイプのポケモンが日常的に吸い上げている……。

 そこで吾輩は気が付いた。成る程、内部にて躍動し、結晶を光輝かせているものの正体は"自然エネルギー"か。

 

 "自然エネルギー"とは大地や大気、水など生命体を除いた遍く全てに存在するエネルギーである。"「自然」エネルギー"の名が示す通り、自然界では極々ありふれた力で普段は意識されることは無いが、ポケモン・人間などを含む生命体はこれを吸収することで生体エネルギーを精製しているため、生命体にとって欠かすことが出来ないものだ。

 吾輩たち"くさ"タイプのポケモンは保有するタイプの関係上、極めて"自然"に近い存在。"わざ"の使用時などこの"自然エネルギー"を意識することも多い。故に吾輩はこの結晶内の力の正体に気がつく事が出来た言う訳だ。

 

 そして、その内包するエネルギーの莫大さにも。

 

 結晶内部に感じ取った馴染み深い"自然エネルギー"。しかしその量は馴染み深いものではなかった。 

 吾輩をしてその心胆を寒からしめる、あまりにも莫大な力。"自然エネルギー"は生態系の維持に無くてはならぬものだが、同時にあまりに過剰な"自然エネルギー"は大規模な自然災害を呼ぶ。以前、トウカの森が大嵐に襲われる直前、猛り狂う"自然エネルギー"の奔流に驚き大急ぎで安全な場所に避難したことを覚えておる。

 ――吾輩の見立てが正しければこの空洞内に存在する"自然エネルギー"の総量は先の嵐など鼻で笑えるほど。もし仮にこの地にある全ての"自然エネルギー"が一度に流出したならば、それは星を滅ぼす大災厄となるだろう。

 吾輩はそんな未来が訪れることの無いよう心中にて祈った。

 

 さて、お転婆姫と共に「ほうせきの国」を見回っていた吾輩たちであったが、そこでふと気が付く。はて、先ほどより吾輩たち以外の生物の姿が見当たらぬ。「()」というからには住人がいて然るべき筈、にも拘らず「ほうせきの国」にには全くといって良いほど人気(ポケモン気)がない。疑問に思った吾輩がお転婆姫に問うてみるが、彼女も常であれば多くの民が居る筈なのにと不思議そうに首を捻るばかり。どうやら煌びやかなる地下の王国は常ならぬ静けさに包まれているようであった。

 が、その静けさはすぐさま破られることとなる。突如として空洞内に響く喧噪。ガヤガヤとしたそれはどこか焦りの感情が含まれているように思える。喧噪は徐々に近づいて来ているようだ。吾輩は何が起こっても対応できるよう、お転婆姫を背にして身構えた。やがてガヤガヤとした音が一際大きくなり、次の瞬間、空洞内に空いた横穴から沢山のポケモンが飛び込んできた。

 飛び込んできたポケモンたちは全て同じ種族で、大きさは吾輩(キノココ)より一回り小さい程度。岩塊より宝石を突き出したその姿はどことなくお転婆姫の下半身に似ている気がするが、お転婆姫とは違い金剛石のような青みがかった色合いであった。

 宝石の原石そのものといった彼らの風体を見て吾輩は直感する。なるほど彼らが「ほうせきの国」の住人、お転婆姫の言うところの「民」たちか。ならば吾輩もお転婆姫に倣い、彼らのことを「ほうせきの民」と呼ぼう。

 吾輩が内心そんなことを考えている間にも、「ほうせきの民」たちは次々と空洞内に飛び込んでくる。原因はすぐに分かった。飛び込んできた民たちの最後尾、その後ろにギラギラと輝く宝石の瞳が迫っていたからだ。

 「ほうせきの国」より漏れ出た光に照らされて、姿を現したのは"くらやみポケモン"ヤミラミ。なるほど、宝石を主食とする彼奴ら(ヤミラミ)にとって、宝石そのものと言ってよい「ほうせきの民」たちはまさしく恰好の獲物という訳か。

 しかしこれは困ったことになった。折角の「ほうせきの国」観光も、住人が襲われている状態では碌にできまい。さて、どうすべきか。

 ――食う、食われるは自然の掟。単なる同情心で以ってこれに介入することは自然界を生きる者として控えるべきであろう。

 ――だが、仮にこのまま「ほうせきの民」たちが襲われるのを放置した場合、吾輩が「ほうせきの国」より帰る際に道案内をしてくれるものが居なくなってしまうやもしれぬ。それは困る。確かにこの地下空洞は魅力的な場所だが、吾輩はまだ地上にてやるべきことがある。何よりこの地(地下空間)は吾輩が本来生きる場所ではない。この地の住人の助力なくば冗談抜きで死にかねぬ。ならばここは自らの命を守るため、彼らに積極的に助力すべきであろう。

 と、刹那の間にそう思考した吾輩は襲い来るヤミラミ達の爪から「ほうせきの民」らを救い出すべく足の力を込めた。が、どうやら吾輩の助力は不要であったようだ。

 ヤミラミの邪悪な爪が最後尾にいた「ほうせきの民」の肉体に届かんとするその瞬間、バチィ! という音とともに爪が紅い膜のようなものに阻まれる。紅い膜はさらにヤミラミの全身を包み込み、まるで弾力あるゴムのようにその体を「ほうせきの国(地下空洞)」外へと弾き出した。

 

 ――ウィイイイーー!?

 

 通路へと弾き飛ばされたヤミラミは一体何が起こったのかと言わんばかりに目を瞬かせ、再度洞窟内に侵入しようと試みる。が、結果は一緒だった。ならばとお次は複数体で試してみるが、やはり侵入することは出来ず、しかも今度は仕置きとばかりに紅い膜から光を浴びせられ、黒焦げとなって戦闘不能となっていた。

 仲間たちが戦闘不能となったことに恐れをなしたのか、横穴の奥深くへと逃げていくヤミラミたち。「ほうせきの民」らはその様子を見ながら喜ぶようにピョンピョンと跳ねておった。

 

 ふむ。天敵を自らの本拠地に連れ込むのはどうかと思ったが、どうやら何かしらの防衛機構があるからこその選択だったらしい。吾輩は存在そのものがファンシーなこの「ほうせきの国」が外敵より身を守る術を持ち合わせていたことに感心した。

 

 ピョンピョン跳ね回る「ほうせきの民」らに吾輩は取り敢えず「大丈夫か」と声を掛ける。その声で吾輩たちの存在に気が付いたのか、「ほうせきの民」らはこちらに振り向き、何やら興奮した様子で向かってくる。

 むむ、これは侵入者と勘違いでもされたか、と身構えるが、彼らはそんな吾輩など目もくれず、背後に佇むお転婆姫目掛けて殺到していく。

 あっという間に大勢の「ほうせきの民」に取り囲まれるお転婆姫。「ほうせきの民」は口々に彼女の無事を確認し、怪我一つないことを知ると安堵の表情を浮かべ、そして次々に歓喜のジャンプを披露していた。

 

 お転婆姫が民に囲われ騒がしくしている一方、吾輩は一人蚊帳の外にて集団の様子をぼんやり眺めていた。

 まあ、お転婆姫もコッソリ抜け出したと言っておったし、「ほうせきの民」(彼ら)も随分と心配したのだろう。水を差す訳にもいくまい。

 ……しかし、ああやって仲間たちに取り囲まれる姿を見ていると、故郷(『トウカのもり』)同胞(キノココ)らを思い出す。彼らは息災であろうか。同胞たちと別れてそれほど期間を経ている訳ではないが気にはなる。まあ、大丈夫か。群れにはキノガッサとなった者もおるし、何より故郷(『トウカのもり』)同胞(キノココ)らのホームグランド。ちょっとやそっとでは危機など訪れまい。今日も今日とて腐葉土を貪り食っているであろう。

 遠く離れた故郷を思い感傷に浸る吾輩。そんな吾輩の元に気が付けば大勢の「ほうせきの民」がやって来ていた。「ほうせきの民」は吾輩を取り囲み口々に感謝の言葉を伝えて来る。どうやらお転婆姫が事の顛末を話したらしい。見れば彼女はお付きの者であろう数匹の「ほうせきの民」に囲まれてお説教を受けているようだ。分かり易く涙目になってプルプルしていた。

 そこで吾輩の視線に気が付いたお転婆姫が助けを求めるようにアイコンタクトを送って来るが、当然無視だ。お転婆姫はショックを受けているようだが当然である。彼女がお付きの者の目を盗んで抜け出した挙句、危険な目にあったのは事実。しっかり叱られて反省するがよい。

 ガミガミと叱られるお転婆姫から視線を外すと、そこには苦笑いを浮かべた「ほうせきの民」の姿。どうやら姫のお転婆ぶりはこの国では周知の事実らしい。姫がご迷惑をおかけしたようで申し訳ないと、丁重な謝罪を貰った。

 

 何、気にすることはない。お転婆姫を助けたのは吾輩の意思によるもの。迷惑なぞとは思っておらん。それに彼女を助けたお蔭でこのような素晴らしい景色を見ることができたのだ。むしろ感謝せねばなるまいて。

 

 そう言って笑い飛ばしてやれば、「ほうせきの民」も同じように笑みを浮かべる。吾輩と彼らとの間に和やかな空気が流れた。と、よい雰囲気となったところで吾輩は気になっていたことを聞いてみることにした。

 

 先ほどはヤミラミたちより大慌てで逃げておったが、一体如何なる理由であのような事態となったのか?

 

 吾輩の質問に「ほうせきの民」は快く答えてくれた。曰く、数日前にお転婆姫の姿が見えなくなったことに気が付き、「民」総出で探しに出たのだとか。しかし探せど探せど見つからず、一度体制を整えるため国に戻ることになったという。その途中、この近辺では見かけることが無かったヤミラミ(天敵)たちの大群に遭遇し、命からがら逃げることとなったのだとか。

 そこで吾輩はふと、先の事態でヤミラミが紅い膜のようなものに弾き飛ばされていたことを思い出し、そのことも「ほうせきの民」に聞いてみた。

 彼らの回答によると、アレは「ほうせきの国」の護り、悪しき心を持つ者を弾く聖なる結界なのだとか。何でも「ほうせきの国」に仇為す者から国を護るため先代の女王が貼ったもので、女王の死後は『大地の玉座』――国中央に座する紅い結晶のことだ――に遺された女王の遺志によって保たれているのだという。あの結界がある限りこの国へ天敵が侵入することはなく、『大地の玉座』ある限りこの国は不滅らしい。

 ふむ、他所者である吾輩に対して彼らが警戒心を抱かないのはこれが原因か。もし吾輩に悪しき心有らばあの結界に弾かれてこの国には入れない、この国に入ることが出来た時点で吾輩が「ほうせきの国」に仇為すことは無いと判断できる、と。いやはやこのような結界が存在するとは驚きである。"ひかりのかべ"や"リフレクター"といった超常の防壁が実在する世界とはいえ、悪意あるもののみをピンポイントで弾く結界などというものを作りだした先代の女王に感心すると同時に、吾輩はもし仮に結界が無くなることがあらば彼らは一体どうするのだろうと思った。

 

 気になった吾輩はさらに「ほうせきの民」に質問をしようとして、しかし聞くことは出来なかった。お付きの者に連れられてお転婆姫がやって来たからだ。

 お付きの者たちに大分絞られたのだろう、お転婆姫はグズグズと泣き腫らした顔をしていた。彼女はお付きの者に促され、改めて吾輩に命を助けられた礼を言う。同時にお付きの者たちも姫を助けたことに対する礼と迷惑を掛けたことへの謝罪を述べ、深々と頭を……いやさ、全身を下げた。

 

 深々と頭を――「ほうせきの民」たちは全身を――下げる彼女らに対し、吾輩はこう言った。

 

 丁重なる気遣い痛みいる。しかし、姫を助けたのは吾輩の意思によるもの、迷惑を掛けられたとは微塵も思わん。それに助けた礼は既に姫より頂いておる。故、これ以上の謝意は無用にて。

 

 吾輩の言葉で下げていた頭――全身――を上げるお転婆姫とお付きの者たち。お付きの者の一匹――他の「ほうせきの民」に比べ髭の長い御仁――は深いため息を吐きながら、姫のお転婆ぶりには困ったもの、これよりはますます気を引き締めて見張らねばならぬ、と呟いた。御仁の言葉に他のお付きの者たちもそうだそうだと頷く。お転婆姫はガーンと言わんばかりの表情でショックを受けていた。

 

 ――ふむ。

 

 吾輩はお付きの者たちに、何故そこまで頑なにお転婆姫を外に出そうとせぬのかと問うてみた。彼ら曰く、お転婆姫はまだ未熟。自身の身を守る能力もないため国外に出すのは危険。出るとしてももっと成長してからだ、ということであった。

 

 なるほどなるほど、お転婆姫を外に出せぬのは彼女が未だ未熟であるからと、自身の身を守る能力が無い以上天敵たちが蔓延る外の世界に出す訳にはいかんということか。

 ――つまり裏を返せばお転婆姫が未熟で無ければ、自らの身を守る能力を持ったのならば彼女が外に出ることを認める、と。そういうことだな?

 

 という吾輩の返しに、うぐと言葉を詰まらせる髭の御仁。

 

 いたずらに厳しくしたところで、納得しなければ子供というものは反発するものよ。そして見る限りお転婆姫は自らの処遇に納得しているようには思えん。いずれ隙を見つけて再び脱走しようとするであろうな。――次に脱走した際、吾輩のようなものが再び現れるのかは分からんが。

 

 そう、もし仮に彼女が再び抜け出し危機に陥ったとて、その際に彼女を助ける者が再び現れるのかは分からんのだ。今回はたまたま吾輩が存在したからよかったものの、一歩間違えればそのまま命を落としていたのやも知れぬ。仮に命を落とすことが無くとも、悪意ある人間に攫われれば一生望まぬ場所での生活を強いられることもあり得るのだ。

 故にこそ吾輩は提案する。

 

 其方らが教えてやればよいのだ。彼女(お転婆姫)に身を守る術を――戦い方(バトル)を。

 

 彼女が自由を得た上で自身の身を守る最も簡単な方法。それは彼女自身が危険を退けられるほどに強くなることだ。未熟なのが心配ならば成長させてやればよい。自らの身を守る能力がないというならば身につけさせてやればよい。彼女が力を身につければお付きの者たちとて文句は無かろうし、何よりお転婆姫自身の安全にも繋がる。彼女も自らの自由のためならば努力を惜しむまいて。

 

 吾輩の言葉を受けて、何やら額を突き合わせるお付きの者たち。お転婆姫は我が意を得たりと言わんばかりにうんうんと頷いておった。……全く調子のよい奴である。

 

 とはいえ他所者に過ぎぬ吾輩が言えるのはここまでであろう。お転婆姫の処遇についてはあくまで「ほうせきの国」内部の問題。これ以上の干渉は筋違いであろうて。

 この提案も元々は「ほうせきの国」に帰っては叱られると青い顔をしていたお転婆姫に、多少のフォローは入れてやると約束した故に行ったものだ。

 それに吾輩自身も彼女が心配であったという理由もある。最も弱く情けないポケモン(コイキング)とて多少の攻撃手段は持ち合わせているのだ、天敵を目の前にしながらそれに抵抗する術を持たぬというのはあまりにも憐れであろう。

 

 と、吾輩がそのようなことをつらつらと考えている内にお付きの者たちの話合いも終わったようだ。お付きの者たちの一匹――かの髭の長い御仁だ――が吾輩の元へやって来る。

 

 して吾輩の提案は如何であったか? 何々、吾輩の提案は御尤もである、しかし自分たち「ほうせきの民」はあまり戦闘(バトル)が得意では無く、さらにここ最近は戦闘(バトル)そのものもほとんど行っていないため自分たちが姫に戦闘(バトル)を教えることも難しい。そこで天敵を打倒して姫を救った存在であり、さらに外の世界の戦闘(バトル)にも詳しいという吾輩に姫を鍛えて欲しい、と。

 ふむふむなるほど………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………は?

 

―――

 

 『石の洞窟』内・マグマ団前線基地。

 『地脈世界』発見により基地内に満ちていた興奮と熱気は現在、ジリジリとした苛立と焦燥へと変化していた。

 

「…………またダメ…………」

 

 原因は彼女、指揮官であるカガリが全身から不機嫌なオーラをこれでもかとまき散らしているためであった。彼女が苛ついている理由は二つ。

 一つは結晶洞窟に侵入して以降、急激にヤミラミ部隊との通信状況が悪くなり、思うようにデータが取れなくなったこと。

 そしてもう一つはまさに今目の前で起こっていることだ。

 スクリーンに映されるヤミラミ部隊より送られてきたノイズ混じりの映像。そこに映っていたのはディアンシー(ターゲット)の潜伏すると思われる空洞に侵入しようとして、紅い膜に阻まれるヤミラミの姿。ヤミラミは反撃のように放たれた紅い光を浴びて、全身を黒焦げにした後動かなくなる。続けて鳴った音声がヤミラミに取り付けておいたセンサーの機能が停止したことを伝えた。

 先ほどからずっとこの調子だ。

 目の前の空洞にディアンシー(ターゲット)がいる可能性が高いにも関わらず、幾らやってもあの紅い膜によって阻まれ侵入することが出来ないのだ。ヤミラミが弾かれるのならばヨノワールはどうかと試してみたものの結果は失敗。さらに反撃の光線を浴び、流石に一撃で"ひんし"となることはなかったものの、手痛いダメージを負ったのだ。

 

「…………何…………アレ…………? …………まだ…………? …………結果…………解析の…………」

「申し訳ありません。解析を進めてはいるのですが、何分通信状態が悪いためデータの取得がうまくいかず……」

「…………そう」

 

 そう言って黙り込むカガリ。まき散らされるオーラがさらに強まった。側に控えていた団員の男は冷や汗を垂らし、頼むから早く解析終わってくれと心中にて祈る。果たして彼の祈りが通じたのか数分後、解析結果が出たという報告がカガリの元に齎された。

 

「…………それで…………?」

「ハッ、ご報告します。件の"紅い膜"ですが、アレはどうやら"トリックルーム"や"ワンダールーム"のような範囲内に特定の法則を押し付ける力場であることが分かりました。範囲は空洞内の全て。発生源は空洞中央部の『地脈結晶』と考えられます。――それとこの力場ですが、どうやら高密度の"フェアリータイプ"のエネルギーを帯びているようです」

「…………"フェアリータイプ"…………。…………そう…………分かった…………」

 

 報告を聞き何やら考え込む様子のカガリ。小首を傾げ、茫漠とした視線を虚空に彷徨わせる。

 そうしてしばらく考えた後、カガリは再び口を開いた。

 

「…………使おう…………()()…………。…………持って行ってるんでしょ…………?」

()()……? と、言いますと()()()()()()のことですか? 確かに部隊にはボールを携帯させておりますが……」

「…………うん…………"フェアリータイプ"のエネルギー…………出来るでしょ…………突破…………()()なら…………」

「はあ……。確かに()()()()()()ならば恐らく可能とは思われますが……。ということはあの結晶は」

「…………壊す……出来ないように……展開……紅い膜…………」

「――宜しいので?」

「…………うん…………。…………『紅い貴石』…………発している…………エネルギー…………"ほのお"と"じめん"…………。…………じゃない…………"フェアリー"…………。…………問題ない…………」

「了解しました」

 

 カガリからの命を受け、団員は手元の機械を操作しヨノワール(ヤミラミ部隊指揮官)へと指示を送った。

 

 

 「ほうせきの国」へと続く横穴の一つ。

 ヨノワール(ヤミラミ部隊指揮官)は主人より次なる指示を受信する。彼は受信した内容通りに、ヤミラミ部隊の一匹が携帯していた荷物を探って目的のものを取り出した。

 それはとあるポケモンが収められたモンスターボール。ヨノワールはボールに内のポケモンに向け主人からの指示を伝達する。果たしてボールは了承したと言わんばかりにガタガタと震えた。

 指示が伝達されたことを確認したヨノワールはボールを地へと放る。開閉スイッチが押され、中から地響きと共にポケモンが飛び出すと同時に空洞中を揺らしながら壁面へと潜航していく。

 

 「目標(ターゲット)空洞中央部の結晶(『大地の玉座』)命令(オーダー):『蹂躙セヨ』」

 

 与えられた命令に従い、彼は空洞中央部を目指し潜航する。()()()()()()()()()()()()()()()




ヤミラミ部隊の元ネタは『探検隊』シリーズのあの方々です。


以下拙作独自用語など


・『地脈結晶』
 ホウエン地方で極まれに発見される石の一種。進化の石と同等の性質を持つが、内包するエネルギーは特定の「属性(タイプ)」を持たないプレーンなもの。保有するエネルギーの性質を容易く変化させることができるため次世代のエネルギー源になるのでは注目を集めたが、その希少性故に研究はほとんど進んでいない。
 イメージはリメイク版『目覚めの祠』最深部にあるあの結晶。

・『地脈世界』
 ホウエン地方の地下に存在する巨大空洞に付けられた名称。命名者はマグマ団。数十年前にとある学者が発表した論文にて仮想的にその存在が示唆された。
 発表された直後は学会にて一笑に付され忘れ去られたものの、数十年後にマグマ団によって再発見。超古代ポケモンの手がかりを求めた彼らの調査により、その存在が証明されることとなった。
 内部には星の内核より湧き上がる莫大な"自然エネルギー"を基盤とした独自の生態系が存在すると目されている。





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