タイガのカラータイマーが鳴っている。
つまり残り僅かな時間でニセベリアルとペダニウムゼットンを倒さなくてはならない。
焦りが全身を支配する勢いで駆け巡った。こんなプレッシャーをウルトラ戦士たちが日常的に受けている事が信じられない思いだ。というかゼロはまだなのか!?
ゼロ──!! 早く来てくれ────!! タロウ──!! 助けて────!!!
「フン! オラァ!!」
「ウワァッ!?」
まずいまずいまずいまずい!!
ニセベリアルにタイガが押されている。援護したくても、ペダニウムゼットンが許してくれない。
俺のやり口を学習したようで、安易にワープを使わず、距離を置いて火球を乱打してくる。初手のあれで仕留められなかったのはあまりに痛手だった。火球1つ1つが内包している威力は邪神の加護あっても恐ろしいものであり、直撃を許すわけにも街へ落とすわけにもいかず迎撃を強いられている。
もしペダニウムゼットンに突撃すればタイガを救援に向かえず、放置すれば火球乱打がタイガと俺を纏めて襲ってくる。前者が正解か!? でもタイガが心配だ!! どうするどうするどうすれば!!?
「(`^´)」
「! そうだなグリムド、焦れば勝てない」
グリムドの叱咤に我に返る。これだから落第するんだ、落ち着け俺。
闇堕ち俺も、敗北要因がだいたい動揺だぞ。落ち着くんだ。
俺の本領は、トレギアの得意技は何かを忘れてはならない。絡手、策だろう!
俺はタロウのようにはなれない。だが、タロウとは違う形で同じ結果は生み出せるはずだ!!
「タイガ!」
ペダニウムゼットンに背を向け、声をかけながらタイガへ向かって走る。
両腕に邪神エネルギーを集束。蒼い闇がまとわりつき、誰の目にも攻撃をしかける腹積りだと見えるだろう。
「ハッ!」
「ぐっ!?」
ニセベリアルは此方を嘲笑うとタイガの首を掴み、強引に俺の前へ突き出した。盾代わりなのだろう、最善手には違いない。俺が攻撃を躊躇してもしないでも、ペダニウムゼットンが最大火力を打ち込もうとしているのだ。誕生して間もないくせに実に息のあった挙動をしてくれる。
読み通りで助かる!!
「
「!?」
邪神の力をタイガへ向けて撃ち放つ。あわせるようにベリアルがタイガを突き飛ばした。元より盾として突き出された体勢、避けられるわけもなくタイガは邪神の力に覆われ、蒼い闇に全身を飲まれた。一拍遅れて、俺もその闇に飛び込む。
闇が消える。後に残るは膨れ上がった火球を俺の背に向けて放ったつもりのペダニウムゼットンと、高笑いをしていたニセベリアルだけ。
「!?」
「!!?」
「グオワアアアアア!!!」
「ゼットーン!?」
激しく燃え上がるニセベリアルと、まさかの事態に混乱したように腕を振り回すペダニウムゼットン。
最大火力の一撃は放つ際にペダニウムゼットン自身にもダメージを与えていたのか、激しいショートもみられる。
隙だらけもいいところに、俺が必殺光線を撃ち放った。
「トレラアルティガイザー!!」
背中から邪神の破壊光線を受けて無事に済むものなどいない。
元来のシナリオに現れなかったイレギュラーは、木っ端微塵に爆散した。
俺が放ったのは確かに邪神の力だ。だが、その用途は転移。トレラ・スラーだ。便利な転移技であると同時に次元の穴へ放り込むような悪用もできるこの性質を活かし、タイガを射線上から安全圏へテレポートしたのだ。併せて自分も飛び込めばダブルテレポートで避難完了である。
転移先はわざとラグを生むようにペダニウムゼットンの背後にすれば、完璧だ。ところでタイガが隣でめっちゃ睨んでるけど、なんで?
時間もないし、スルーで構わないか……。
「さぁタイガ、一気に決めるぞ!」
「……ああ!」
ニセベリアルがようやくまとわりついた炎を振り払う。ぶすぶすと焼き焦げているのがわかる。寧ろあれで死んでいないのにびっくりだが、あと一歩のところなのは間違いないだろう。
炎が消えて、視界が晴れた先の光景に絶望するがいい!
トライストリウムと化したタイガの必殺光線だ!
「トレラアルディガ!!」
「トライストリウムバースト!!」
「スゥ──……ハアアアアァァァァァァ!!!!」
ニセベリアルも光線技で迎え撃ってくる。だがな、2対1だ。
ペダニウムゼットンの方に最大火力を打ち込んだ都合、俺の第二射はトレラアルディガにせざるを得なかったが、タイガと合わされば十分すぎる火力差と言える。
お前にもはや勝ち目はない! 俺とタイガの絆の力を前に破れるが良い!!
光線を放ちながら勝利を強く確信する。だがじりじりと追い詰めるはずの衝突線が進まない。
疑問を覚え、光線で見えにくい中、ニセベリアルを見る。デスシウム光線と思われる光線を放ちながら、奴の口が開いていた。
紫電を纏うような黒い靄を、勢いよく吸い込んでいる。なんだあれは。
「ハアアアアアアアアアァァァァァァァ!!!!!」
ニセベリアルの光線威力が跳ね上がった!? な、なんで!?
まさかチブル星人が生きて……違う! あの靄はペダニウムゼットンに使われた因子か!! 倒した仲間の残滓食らってパワーアップとか知らないぞ!! ずるい!!!
「馬鹿な……!!」
あろうことか、俺とトライストリウムの合体光線と完全に拮抗した。中間で激しくぶつかり続けたエネルギーは、やがて行き場を求めるように膨れ上がる。
膨れ上がってからは一瞬だった。空気を入れ過ぎた風船と同じように、限界を超えると同時に爆発した。
これまでで最大の爆風が吹き荒れ、俺とタイガは耐えられずに膝をつく。だが、ニセベリアルは耐え抜いた。街に施していたバリアが砕け散る程拡散したエネルギー波を全身に受けたというのに、奴は光線を放った体勢のまま耐えている。
それは、単体のタフさに関して言えば、俺やタイガを上回っている事を意味する。
信じられない。あの火球をモロに受けたダメージがいつの間にか消えている。あのバナナのようなトサカと爪が赤黒く変わっている。
まさか、魂が備わっていないだけの本物のベリアルになったとでも言うのか。そんなのありか。
「ハァ~……」
首をゴキゴキと鳴らしながら、静かに此方を見つめるベリアル。
数が増えただけのイレギュラーだと思っていたが、見誤った。俺はニセベリアルを強化したベリアル因子の一部を用いてペダニウムゼットンを生み出したと考えていた。だが違ったんだ。チブル星人は【強化分とは別に、2体目を用意できるほどのベリアル因子を保有していた】。単純に、原作よりも多くあったのだ。
推測に過ぎないが、この戦いに併せて因子が更に活性化し、このような結果になったのだろう。運命を改変しようとした跳ねっかえりと解釈してもひどい嫌がらせだ。
「本物のベリアルが蘇ったというのか!?」
「いや……魂は入っていない。だが、強さは本物と言ってもいいレベルだろうな。想定外だ」
ベリアルが光輪を出す。あまりの巨大さに絶句する。
前世記憶がウルトラマンオーブトリニティのトリニティウム光輪をフラッシュバックさせてきた。
あんなもんと同威力だったら防ぎようがないぞ!!
「トレギア!?」
立ち上がり、タイガの前に陣取る。邪神のエネルギータンク性能には感謝しかない。光線を断ち切る力に長けている可能性を考えると、最大出力でバリアを展開するしかないだろう。
トライストリウムのトライブレードなら上手く弾けるのではないかと思うが、タイガは未だに膝をついている。やはり限界だ。
ここは、俺がふんばるべきだ!!
「邪神グリムドよ、私に光も闇も飲み込む混沌の守りを!!」
「( `・ω・´)ノ】】】」
「ウオラァッッ!!!!」
地面を激しく削りながら、俺よりも巨大な八つ裂き光輪が迫ってくる。
両手を突き出し、何重にも備えた邪神バリアを急速展開。衝撃に負けぬよう、力をもって抑え込む。
金属が削れる音を幾倍に跳ね上げた不快な衝撃音がけたたましく響く。邪神グリムドの力を最大出力で絞り出して作ったバリアなのに、全く衰えを見せない光輪に恐れを抱いた。こんなものが当たったら確実に死ぬ!!!
「(;` ・д・´)ノ】】」
「うおおおおおおおおお!!!」
1枚、また1枚と削られる感覚が恐怖をあおっていく。
俺が死んだらどうなるんだ。邪神の加護で新たな俺が犠牲者となって復活するのはわかる。だが、この肉体を失った俺は俺でいられるのか。新たな俺と融合して、俺は正気を保てるのか。嫌だ死にたくない。俺は帰らなくてはならないんだ俺の帰りを待つ俺のタロウの為にも!! この身体を失ったら俺は死ぬと思え!!
死の恐怖を自覚しつつ、それを糧にするようにバリアへ力を籠める。
「トレギア、なんで俺達をそこまで……!?」
タイガがなんか言ってるけどごめん割と自分の為に今全力出してる!!!
もちろんお前を守らないとタロウにも顔向けできないし、ウーラーも救えないしで守らない理由なんてないんだけどね!!!
7割ぐらいは死にたくない一心で全力出してます!!!
「(;;` ・д・´)ノ】」
「グゥッッ……!!」
まずい、破られる。
なんてやつだウルトラマンベリアル。魂無き状態で邪神グリムドの力をも上回ると言うのか。
全力を尽くしているというのに、光輪の勢いは僅かに衰えた程度で俺ごと断ち切ろうと最後の1枚を削りだした。
もはや死そのものより、俺のタロウに会えなくなる可能性に何よりも強く恐怖したその時。
巨大な光輪が、幾枚もの刃で横から殴られ、トドメとばかりにエメラルド色の光線が直撃し砕け散った。
「!?」
「今のは!!?」
「だらしないぜ、タイガ!!」
力強い声が響く。
ようやく立ち上がったタイガ、渾身の一撃が砕かれ動揺するベリアル、今にも腰が抜けて座り込みそうな俺が、声のする方へ顔を向ける。
飛び回ったスラッガーたちが収まった地点より荒れ狂う虹色の輝き。
地面より生じる美しい光の渦。その中心点から覇気溢れるウルトラ戦士の身体がゆっくりと伸びてきた。
腕組みをした状態で地面よりせりあがり、やがてその全身が露になる。
ウルトラマンゼロがついに現れたのだ。
……。
…………。
そんな登場の仕方ある???
「ったく、妙な気配がしたと思ったら趣味の悪いことを考える奴もいたもんだ」
絶句する俺達の感情がわかってないのか、ゼロは下手すると俺よりも動揺しているベリアルを軽く睨む。
「ゼ、ゼロ! なんでここに!?」
「久しぶりだなタイガ!! ほらよ!」
ベリアルを視線で牽制しつつ、ゼロがカラータイマーから光球を生み出した。
そこはかとなく口に放り込んだら美味しそうな雰囲気を感じるそれは、素早くタイガのカラータイマーへ溶け込み消えていく。枯渇寸前に点滅を繰り返していたタイガのカラータイマーが再び青く輝いた。
なにそれ便利だなおい。光エネルギーの回復技まで覚えてるのかあいつ?タロウだってできるだろうけどなんかずるいし腹立つわ!
「ウオオオオアアアアアアアアアァァァ!!!!」
怒り狂うように吠えるベリアル。
ゼロとの因縁があるのは俺も光の国に帰還した際、アーカイブで把握していたが、因子にまで刷り込まれるレベルなのか。
「ジードがせっかく成仏させたってのに、余計なことしやがって……で、お前トレギアだったか? なんでタイガ守ってた?」
「フン……守ったのはお前だろうに」
そういえば闇堕ちな俺ともゼロはすれ違っても戦闘したことはないのだったか。
タイガを守ったとか言われても実質守れてなかった俺からすれば凄まじく落ち込む言葉の刃だからやめてほしい。
色々言いたい感情をぐっと抑え込み、必要最低限の言葉で返す。ベリアルは健在なのだから、軽口叩き合う余裕などない。
「? まぁいいさ、いくぞタイガ!!」
「ああ!!」
敵意と怒りを爆発させているベリアルに、ゼロとタイガが吶喊した。
その間に俺は、街に向かってバリアを貼り直す。バリアを破砕するほどの爆発でダメージを負った建物たちや、地面を深くえぐりまくった光輪の痕があまりにも痛々しいが、この国の復興パワーを信じることにする。
ゼロとタイガは随分息の合ったように、ベリアル相手に互角の戦いを演出していた。
蹴りと爪撃を巧みに駆使して暴れるベリアルに対し、タイガはトライブレードで爪撃を弾きつつ、強く振るって牽制。そこにゼロがゼロスラッガーやキックを打ち込む。苛立ったように、ベリアルが範囲攻撃ばりに両の爪を振るって飛ぶ斬撃を何本も生み出すが、ゼロスラッガーを両手に持ったゼロがなんと全て弾き落とした。なんなんだあいつ。
「セヤァッ!」
「クッ!」
「ゼロツインシュート!!」
「グオッ!?」
タイガがベリアルを強く蹴り飛ばし、怯んだ隙を突いたゼロが光線技を放った。ゼロスラッガーをカラータイマーに装着し放つ、ブレストファイヤー、もといゼロツインシュートがベリアルに直撃する。凄まじい威力だったように思うが、それでもベリアルは倒れない。あいつのタフさ頭おかしい。
「タイガ、今のお前なら、俺の力も使いこなせるはずだ!!」
「!!」
「俺の力を込めたブレスレットだ!」
ゼロがタイガへまた何かを投げる。同じようにカラータイマーへ吸い込まれたそれは、タイガの新たな力になるものだった。
いいなぁ、俺も何かタイガにあげたい。でも怪獣リングは前科ありすぎたせいか、あんま使ってくれないんだよね。ゴロサンダーリングは1回使ってくれたけど。
てかさぼってたらいかんな。支援に動こう。
◇
「これが、ゼロのブレスレットか……!」
左手に装着されたプラズマゼロレットから感じるすさまじい力にヒロユキが唸る。
だが、ゼロが俺を信じてくれて渡してくれた力だ。今の俺達ならいける!!
Come on!!
Plasma-Zero-let! Connect on!!
「タイガ ダイナマイトシュートォ!!!!」
プラズマゼロレットを介して跳ね上がった光のエネルギーを、全身を使って射出する。
ゼロツインシュートとウルトラダイナマイトの威力が融合したような凄まじい一撃だ。
威力を察したあのベリアルは逃走を試みたが、トレギアが邪魔をする。
いつの間にか接近してベリアルの身体を掴み、射線上へ強引に突き出したのだ。
「グアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァッッ!!!!!」
あれだけタフだったベリアルも、光線の全てを受け止め切れずについに爆発する。ベリアルを爆散させてなお余りあるエネルギーは上空へどこまでも伸びていくほどだった。本当に、ゼロの力はとんでもない……!!
「これが、プラズマゼロレットの力……」
「俺たちの力が、200万%共鳴したのさ」
誇らしげに頷くゼロだけど、200万%共鳴ってなんだ……?
というかトレギアは大丈夫なんだろうか。敵であるはずなのについ心配してしまう。今回、明らかに助けられたのもあるからおかしなことではない、よな?
「フー……」
トレギアは無事だった。爆発で生じた埃を鬱陶し気に掃っている。
よかった。あれで巻き込まれて死んでいたら、いくらなんでも気分が良くない。
「タイガ、やっぱりトレギアはお前を助けたのか?」
「ええ……でもどうしてかわかりません」
「そうか、丁度いい。聞いてみようぜ」
え、軽っ。
止める間もなく、ゼロはトレギアへ歩み寄っていった。
トレギアはそんなゼロを睨むように見ている。
「よぉ、タイガが世話になったようだな。お前の狙いはなんだ?」
「……」
俺が言えたことじゃないけど直球すぎないか!?
「そうだな……私には私の狙いがあっただけだ」
「狙いね……命を懸けてまでタイガを守るほどのことか?」
「ああそうさ。その価値がタイガにはある。それはそうと、ゼロ。私もお前に言いたいことがあったんだ」
「あん?」
聞き逃せない部分だ。トレギアがトレギア自身の命を懸けてまで俺を守る必要があったってなんだ?
だが、考えてみれば奴は俺の命を奪ったことはない……いや12年前のアレは本気で殺されたと思ったけど、でもあれもやつの計画の内だったことも今ではわかる。トライスクワッドがこの地球で一堂に会するなんて奴の作意なしには起き得ないことは理解している。
俺を闇に堕とそうとした事は、俺の命を奪うことではなかったとも言える……俺は奴にとってなんなんだ?
もっと踏み込んで聞くしかない。そう思っていると、トレギアは不意にゼロの肩に手を置いた。
次の瞬間。
「主役遅れてくるにも程があるわ!!! タイガに何かあったらどうするんだお前!!! あぁ!?」
うわ殴った! 思いっきり殴った!!
あまりにも不意打ちだったのだろう、ゼロがモロに食らって膝をついている。
いきなり激昂したトレギアはそんなゼロに向かって指をさしながら荒れ狂っていた。
「な、なにするんだ! 間に合っただろ!?」
「やかましいわ!! 地面からぬるぬる出てくる演出で遊ぶぐらいならもっと早く来やがれ!!!」
「いやあれは、単にワープ場所間違えたというか」
「セブンも風来坊気取って遅れて駆けつけた事あるけどその真似か? いい親子だなぁおい!!」
「おいこら、親父を出汁にするなら喧嘩買うぞ」
「おーおー買ったらどうだ? たかだか12年と思うかもしれないが、地球人感覚でタロウの息子12年放っておくってのがどれだけ罪深いことか教えてやるわ!!」
「いやそれ元凶お前だろうが!!!」
「きこえませーん!! 元凶だろうが捜索できてないお前らが悪いわ!! 次元転移私並に自由なお前が見つけられないのが意味わからん!!」
「いくらなんでも責任転嫁すぎるだろ!!?」
トレギアが、おかしい。絶対おかしい。
あいつにいったい何があったんだ。
『絶対にトレギアじゃないんだけどトレギア、なんだよな?』
『二言目にはタイガの安全について言及しているが何故なんだ』
タイタスやフーマも大混乱だ。
ただ、俺に執着していたことは、ひょっとしたらという答えはある。
やっぱりあいつ、父さんの友人だったんじゃないだろうか。
結局、俺が変身限界迎えるまで2人は言い争いと取っ組み合いを続け、ゼロにげんこつを食らったトレギアは「バーカバーカ!!」と今どきの子供でも言わないような捨て台詞と共に消えていった。情緒不安定すぎて割と引いてる。父さん、アレ本当に父さんの友人なのか……?
◇
「ヒロユキ、トレギアはベリアルより何を考えているかわからない食えない奴だ、気を付けろ」
「よくわかってます」
「あ、はい」
ひりひりするおでこを抑えながら、こっそりとゼロとヒロユキ君たちの会話を聞く。
くそぅ本気で殴りやがったなゼロめ……。あまりのストレスでつい素全力でやってしまったことへの反省はしている。
本当に危なかったからな……もっと早く来てくれれば俺もあんな死の恐怖味わわなくて済んだのに。
まぁ、俺が死んだ後助けても良かったろうにあそこで助けてくれたことから、なんだかんだ善人だよねゼロ。
タロウには負けるがな!!!
「タイガ! 協力してくれる仲間を守れ! そして、必ず勝つんだ!」
『はい!』
「ベリアル因子……あれの他にもデビルスプリンターってのもあるんだが、それらを利用して、悪さをする奴がいる。俺はそれを探しに行く。ここはタイガ、いや、お前たちに任せるぜ!」
『『『「はい!」』』』
次元の穴をあけ、そこを通って消えていくゼロ。
タイガ達を信じていると言えば聞こえはいいけど、ウーラーもうすぐ来るんですが。
作品としてはゲスト出演ポジだったのかもしれないが、ここは現実なんだからもうちょっと滞在してほしかった。
なにせ、ウーラーをちゃんと救えるのかは断定できないのだから。
イレギュラーが起きていた以上は、俺も最善を尽くさねば悲劇が成り立ってしまうことだろう。
決意を新たに空を見上げる。
「タロウ……全部上手くいったら、帰るからな」
Q.なんでトレギア、コピーベリアルに出力負けしてんの?
A.邪神グリムド本人がやってるならともかく、トレギアを通して出すなら当然最大出力は絞られます。というか原作でも光線撃ち負けたりしてるんで、出力限界は明確にあります。チートラマン達が色々おかしいだけ。
もっと言えば町を守るためのバリアに少なくない力割いてたせいで出力落ちてます。街の保護全力は「そういう技術あるならやるべき」なのも事実ですが、それで負けたら地球は壊滅するのだからある程度は割り切って戦いに全力出した方が良い。ちゃんと避難努力を怠らない人々を信じているし、その星の救助組織や対怪獣組織を軽視しない。だから信じて戦える。オレギアさんはもうちょっと地球人信じましょう、だいたいのウルトラマンはその辺わかって戦ってる(無論、守るべきものを見捨てて戦う真似は絶対にしないし、戦場に逃げ遅れた子供などいたら全力で庇って大ピンチに陥るのも常。ゾフィーに至ってはそれが原因で死んだ。光の国と地球を往復して消耗してる直後に病院を守りながらバードン倒せとか無理ゲーである)。
・ニセベリアルさん頑張る。
一応、劇中でも知性皆無な代わりに戦闘力は本物同然、らしいです。実際、戦闘センスはとても高い強敵です。光線技も強かったし。
それでももっと強く描写してもええやろ!!で、劇中ベリアル本人が散々見せつけたあの謎のタフさを再現させました。引き換えにペダニウムゼットンをもっと活躍させられなかったのは反省点。
・ゼロが今回使った回復技
ウルトラの父とかがカラータイマーから光エネルギーを分け与えウルトラ戦士を復活させたりしてるので、やろうと思えばゼロもできるでしょう……ごめん、裏設定的にはゼロの力ではありません。仲良くなった女の子からもらったアメちゃんです。
別名グリージョチアチャージ。ウルトラ戦士たちのいる前線にヒーラー1人いるだけでえげつないことがよくわかる回復性能。