ウーラーの体重、50万トンですってよ。
しかも外宇宙から地球ピンポイントで狙って落下してんですよ。
スカイドンの時といい、特撮世界の地球はとっても頑丈である。
理不尽な転移と融合に巻き込まれ、早くも数ヶ月の時が経った。
最速で元の宇宙へ帰るという狂おしい程の望郷の念を抑え、こうして地球に身を置いていたのも全てはウーラーの為。あの憐れな擬似生命体に、満腹の喜びを与える為に俺はいる。
俺のエゴに巻き込んでしまった地球、地球人、宇宙人、そしてこの宇宙のタイガたちには本当に申し訳ないが、元来の運命よりはマシな道へ突き進めたという言い訳だけはさせて欲しい。この偽善ないと心折れそうだったし。
だが、それも今回で終わる。俺はついにここまで辿り着いたのだ。
【24話・私はピリカ】
【ついに宇宙爆蝕怪獣ウーラーが地球に落下した。ウーラーの地球襲来を察知したピリカはE.G.I.S.を離れ、アンドロイドピリカ03としての使命『ウーラーと生命リンクし自ら命を絶つことで、ウーラーも滅ぼす』事を強く自覚する。アンドロイドピリカとしては無駄なバグである思い出や感情を消去しろという電子頭脳からの指令に抵抗するピリカ。霧崎は葛藤するピリカを嘲笑うも、逆に言い返され、寧ろ彼女の決意を固める結果に終わる。海に落ちたウーラーを誘導する為、霧崎はギャラクトロンMark2を召喚、街で暴れさせる。タイガはギャラクトロンと戦うが、餌として召喚されたギャラクトロンは地中に引きずり込まれ、無惨に食い荒らされる。地上に出てきたウーラーは、タイガの光エネルギーすら食い尽くし敗北へ追いやった。このままでは地球も食い尽くされる。ピリカは、みんなの決断は……!?】
【25話・バディ ステディ ゴー!!】
【マグマ星人とマーキンド星人がいるヴィランギルドアジトに乗り込み、脳波コントロール装置を利用して、心を保ったままピリカはデータ体となってウーラーの中へ入る。しかしウーラーの生命機能は停止しないままだった。その真意、彼女が最後の力を振り絞って伝えた内容は「満たされないウーラーの心を救ってほしい」というものだった。心があるからこそ気づけた奇跡を叶えたいが、地球側にはそれを満たせる手段がなかった。そこに名乗りを上げるのはヴィランギルドのマグマ星人、マーキンド星人。「ここは共同戦線といこうじゃねぇか」地球人と宇宙人、そしてウルトラマンの共同作戦が実行された! だが全てを嘲笑うトレギアがタイガの邪魔をする。果たしてウーラーを救えるのか!? ピリカ、地球の運命は!?】
「いよいよこの回まで辿り着いたわけだな。感慨深いものがある」
「( ・ω・)ノシ」
「箸を止めるなって? しょうがないな……うん、美味い」
「( ・∀・)♪」
サザエのつぼ焼きに舌鼓を打ちながら、前世記憶から引っ張り出したあらすじを眺める。
この話通りにいけばウーラーの永久飢餓は解消され、心安らかに眠りへつく事だろう。満たされないまま命を終える事だけは絶対に避けたい。
結局死なせる事に違いはないのかもしれないが、ウーラーにとっての終着点は満たされる事だからな……個人的には生かしたいのだが、それは俺の勝手な感傷だ。スナークを重ね合わせているに過ぎない。現実問題として、体内の擬似ブラックホール問題を恒久的に解決することができない限り、満たされた瞬間に眠る事がウーラーにとっての最良なんだよな。
で、ウーラーを救うために必要なキーは「ピリカが心を保ったままウーラーに接続する」「タイガがウーラーに光エネルギーの味を覚えさせる」「ウーラーの餌を用意する」「擬似ホワイトホール発生装置をウーラーの体内に撃ち込む」「擬似ホワイトホールが効いている間にウーラーの腹を満たす」以上だ。うん、1つしくじればアウトなの酷いな。
タイガの光エネルギーの味を覚えさせる、という部分に関しては俺の推察も入っている。劇中、タイガは初戦、次戦共にウーラーに光エネルギーを食い尽くされて変身解除に追い込まれているのだ。その後、タイガの光線には期待するように口を開けているのであれは自分の飢えを満たせる可能性に縋っていたと思われる。原作トレギアは明らかに邪魔してあげく蹴り飛ばしていたので、嫌われて当然である。
「まぁこの原作と違って俺は最初から協力体制なのでかなりスムーズにいくはずだ」
ちなみに原作通りに事を運ばせると、街に結構な被害が生じる。ウーラーは地殻を食い荒らすため、日本沈没よろしく街が次々と陥没していくのだ。これを軽減するのが、俺の役割になるだろう。
落下してしばらくは活動開始しないのは、まだ眠っているからだろう。餌に気付いた時点で動き出すはずだ。だから原作ではギャラクトロンという高エネルギーを餌に活動開始を早めさせたとみる。
街には上陸させたくないのだが、海底の地殻を食い荒らされる方が影響やばいし海中戦は色んな意味で地獄かつ詰み要素なので上陸させるしかない。地球人のみんなすまん、アフターフォローは頑張ります。
「(・ω・)!」
「来たか、ウーラー。ようこそ地球へ」
まるで助けを求めるような唸り声が宙より地上へ響き渡った。
直後、海上に巨大な隕石が衝突する。
落下の衝撃は港はおろか内陸部の街にまで届き、地球が死を感じたかのように悲鳴を上げる。
棚上げするけど本当滅亡危機に晒される惑星だな地球。
そして俺は。
「(;´・ω・)」
「~~~ッッ!!」
衝撃に耐えきれず、派手に転んで頭を打ち付けていた。あまりの痛みに悶絶している。
ウーラーの落下ポイントは東京湾岸地区で確定だったから、海の見える位置から眺めようと思ったらこのざまである。七輪も倒れるし最悪だ!
後始末大変だし、目がちかちかするし、涙も出てきたがこんなことではへこたれないぞ!
「ピリカはもう動いているはず……まずは彼女と接触するぞ」
いそいそと片付けながら決意を固める。
闇堕ち俺みたいな煽りはしないぞ! もうあのRPはこりごりだ!!
◇
佐々木カナが外事X課所属時代に、よりにもよってゴミ捨て場に落下したアンドロイドピリカ03を見つけ、助け、名と心を与えた。それが旭川ピリカだ。
心を与えたというのは語弊がある言い回しだが、感情がインプットされてなかったはずのアンドロイドに感情や思い出といったきっかけを与えたのは紛れもない事実なので、そう評価させてもらう。元から心を宿せていた特異個体かどうかはエオマップ星の科学者に直接聞かないとわからないけどな。
彼女はすぐに見つかった。
なにをするでもなく、ウーラーの落下ポイントから生じているオーロラを眺めている。
ウーラーは伝説上の怪獣とまで言われるほど永きにわたって星を食い荒らしてきた怪獣なだけあって、誕生経緯はもちろん、その食事習性や特徴まで明らかになっている。
発展した文明から廃棄された集積物から生じた疑似生命体であること、最初に地殻から食べて最後に内核を食らうということや、体内に疑似ブラックホールがある為、決して腹が満たされない性質があること。加えて、あのオーロラあるところにウーラーがいるということもわかっている。映像資料にもなっているのでタイガも光の国で学んだ事だろう。
そして討滅手段も用意されている。時期は不明だが、エオマップ星の科学者が怪獣の生命活動を停止するデバイスを開発、それを搭載したアンドロイドを宇宙へばらまいた。あらすじにも書かれていた通り、アンドロイドごとウーラーを殺すシステムだ。機械人形1体で星を食らう怪獣を殺せるなら儲けものという考えは否定できないし合理的とまで言えるだろう。
「……」
しかし、こうしてぼんやりとウーラーが放っているオーロラを見つめている彼女を見ると、残酷な手段だと改めて感じる。
ただの機械にすればまだ良かったのだろうが、効率性とデバイスの生命リンクが確実に作動する為にアンドロイドが要求されたのだろう。ウーラーのコアと接続し、自らの生命維持システムを停止し道連れにする流れなので、心を宿せるほど高性能なアンドロイドが最大の妥協点だったと推察できる。これ以下では作動できないし、これ以上だと専用に調整された有機生命体になってしまう。
同じ科学者として擁護しておくが、エオマップ星の科学者は相応に苦悩したと考えられる。
ウーラーを目視した時点で強制的に思い出や心を削除して使命遂行するプログラムを導入していない。推奨指令こそ出すが、実行はアンドロイド本人に委ねているのだ。非情になり切れなかった証拠と言える。
「できない。今の私は旭川ピリカだよ……」
記憶初期化命令が電子頭脳内に響き渡っているのだろう。拒否の姿勢を口に出している。
同時に、自分に課せられた使命の重さも強く理解している葛藤が伺える。
ここで闇堕ち俺がピリカを派手に煽ったり嘲笑ったり「この世界には光も闇もない、全ては虚無だ!」とかつて邪神を求めたあの破滅願望を隠そうともしなくなるわけだが、それが彼女の決意を逆に固める結果になっている。
いややらんよ? 最悪発破かけるためにやらざるを得ないとは思ってるけど。
「星の終わりを告げるオーロラだ。美しいものだな」
声をあげると、初めてピリカは此方に気付いたように振り向いた。
困惑を浮かべた後、すぐに敵意へと塗り替えられる。なんでそんな睨むの。闇堕ち俺みたいに脳天に電撃流したりしなかったし、今回が実質初邂逅のはずでは。敵意抱かれるのは俺がもっと説明してからの予定だったんだけど。
「ウーラーを知っている……貴方が呼んだのね」
あ、なるほど。
飲み込みが早いのは流石アンドロイドということか。
ウーラーを呼び寄せた元凶と見抜いてるなら、そら怒るわ。ごめん恨まれる要素しかなかった。
「ああ、私が呼び寄せた」
だが計画に支障はない。
ここから、色々頑張って練り上げた理由付けの開始だ……!!
嘘は言ってない話術の力を見よ!!
「なんで、こんなこと」
「旭川ピリカ、お前に気付いてこの計画は始まった……。星を幾つ食い潰しても腹が満ちることのない憐れな怪獣……その終わらない業を止めることができる存在がここにいた。君だ」
「!!」
開幕嘘スレスレの事を口にするウルトラマンがいるらしい。俺ですごめんなさい。
でも嘘じゃないんですよ、原作でトレギアが方針変えたのはピリカの正体に気付いたからなんで。
「エオマップ星が宇宙中にばらまいたアンドロイドの数は私も知らないが、君の性能や開発費用を思えば100体前後だろう? 伝説に語られるまでに星々を食らいつくしてきたウーラーが未だに食い尽くせぬ広大な宇宙……そこにばらまかれた解決策はたったの100体……わかるかい?」
「私以外のアンドロイドを探し出すより、私のいる場所にウーラーを呼びこむ方が確実だったってことね」
「そういうことだ」
これも嘘じゃない。
本音を言えば、心を宿してウーラーの心に気付けるアンドロイドとなると旭川ピリカしかいない可能性がある。だからピリカのいる場所以外にウーラーは落とせない。俺が介入しなければ救えないとはそういうことだ。
「ウーラーは無事に地球に着いた……無論このまま放置していれば奴は地球を食い尽くしてしまう。だが、君が使命を果たせば地球はもちろん、未来の星々も救われる」
「……」
「だというのに、君は何故まだ使命を実行しないのかが気になっている。私は最高の御膳立てをしたと思うんだが」
ちょっと闇堕ち俺っぽい言い回しだが、俺の狙いが『ウーラーの生命活動を停止させる為』という認識を持ってもらう為には必要な言い方だ。
嫌がっている中で強制2択叩きつけたあげく「はよ」と促してるの我ながら最低だけどごめんなさい。「感謝しろよ最高の死に場所を用意したぞ」とか原作みたいな煽りされるよりマシと思って!! 俺が君の心情を把握してるのはおかしいからそこは悟ってない振りしないと駄目なんだ!!
ピリカは俺をじっと見据える。その目から、この後罵声や批難が飛ぶのが予想できる。完全に想定内だ。使命を投げ出すのか?と論戦で戦いながらも上手く説得誘導してみせよう。
「私はもうピリカ03じゃない、旭川ピリカ」
「うん」
「……」
「……」
「あの……」
「え、なに!? 今の私が何か返すべきだったか!?」
旭川ピリカと言われてもそうだねとしか返せないんですけど。あ、使命を果たす気がないって意味? いやいやいや、それならこんなところに彼女はいない。いやそうか、俺があくまで自分をただの機械人形と見做していると指摘したつもりだったのか!! ごめんちょっと説得用台本意識しすぎてそれは頭回ってなかったよ!!
「ふふっ」
NGカット食らったようなテンパリ具合出したせいか笑われてしまった。
素で動揺したとはいえ失礼じゃないかこのアンドロイド。
「おいなんで笑った」
「ううん、私が勘違いしてたのかなって」
「なにを」
「貴方、タイガと……ヒロ君と争ってる人でしょ」
思わず目を見開く。流石に驚いた。
ヒロユキ君が正体バレしてることにではない。言っちゃ悪いが彼は隠し事が下手すぎる。割と早期にバレてたし、ホマレなどはさっさと認められるようにボロを出させようとすらしていた。みんな気を使ってヒロユキ君から告白するまで待っていただけだ。優しい。
驚いたのは、俺をトレギアだと気づいていたのに、今まで向けてきていた敵意を霧散させたことにだ。
流石に俺がうろたえた姿見て肩の力抜けたとかそんな安直な信じ方はしてないよな?
だとしたら佐々木カナといい、お人好しがすぎるぞ。逆に心配になるわ。
ともかく、バレているなら余計に嘘は言えないな。オーロラの方へ目を向け、ピリカの指摘を認める。闇堕ち俺のせいであって俺のせいではないんだとか言ったら滅茶苦茶胡散臭いし。
「否定はしない。私は確かにタイガを始め、君たちE.G.I.S.にも危害を加えた存在だ」
「そんな貴方がわざわざウーラーを呼びよせる意味……地球を犠牲にするか、私を犠牲にするかでヒロ君たちを苦しめるつもりだったんじゃないかなって」
「……」
まぁ普通そう思うわな。実際、そんな意図が強くあったと思われる。
後味悪くするの大好きだからな闇堕ち俺。確か、「目的なんてないさ。ただその方が面白そうだからやったんだ。すべては虚無に還って意味などないのだから! 壊れる瞬間こそが美しい(要約」とかほざいてたはず。
前世記憶で映像確認してげんなりする。永続発狂してるからと言い訳したいけど、本当この俺ってどうしようもねぇな。
「そんな悲しそうな顔しないでほしいんだけど……。貴方の目的はそうじゃないってことなのはわかったから」
「顔に出したつもりはないんだが……エオマップ星のアンドロイドは表層心理でも読み取る機能がついているのか?」
「言ったでしょ、私は旭川ピリカ。これは私が心を得たからできること」
「む、すまない」
さて、どうしよう。今のやり取りのせいで想定してた台本が吹っ飛んだんだけど。こういう時、闇堕ち俺の話術経験が無いのが痛い。
上手に焚き付けて、心を宿したままでもできる選択肢があることを促すAプラン。
闇堕ち俺が考えてた内容を指摘されるような言動で振舞い、敵視されて、「あなたの思い通りになんかさせない」と言われるBプラン。
全部ゲロってしまうのはプランから外したつもりなんだけど、話の流れ的に……多少は話した方がいいのだろうか。
よし、アドリブでいってみよう。やれるやれるやってみせる。
「貴方の目的はなに?」
「現状、苦しませてしまうことになるので君が疑ったものが答えでも良いと思うが……確信してるようだから少しだけ話そう。最初に語った部分がそのまま本音だ。ウーラーを飢えの苦しみから解放することだよ。無論、地球を食わせる気はない」
「……飢えの苦しみ?どういう事?」
「今は分からなくても良い」
ウーラーに心がある事を、今はまだ誰も知らないんだったな。教えてもいいが、あえて流す。直接触れ合ってこそ生じる願いだと思うからだ……嘘ですシナリオ崩壊怖いからですごめんなさい。
思わせぶりにまたオーロラへ目を向けておこう。ほら、なんか伏線っぽい!
「……これは私1人ではできない」
たっぷり間を作ってからオーロラから目を逸らし、ピリカへ向き直る。すごくクサいムーヴだし、事実意図した行動だが、これはまぎれもない本音だ。
殺すだけなら、グリムドの力でもって可能かもしれない。だがそれは、スナークと同じ目にあわせてしまうだけだ。
狂乱して光の国を出奔した俺が、有機廃棄物から生み出した疑似生命体スナーク。あれは、星間連盟が大量に廃棄したゴミを吸収し続けてやがて巨大な怪獣へと変貌し、理性すら失って暴れ出した。当時クソザコだった俺では止めることはできず、説得も通じず、結局スナークを生み出した際に万が一の為にと組み込んでおいたバグを作動させた。
本当に思い返したくない、トラウマだ。俺の孤独を癒してくれた可愛いスナークが、断末魔をあげながらもがき苦しみ、変異と縮小を繰り返した果てに1輪の花と化して最後はチリとなったのだ。救いもなにもあったものじゃない。
駄目だ、あの悲鳴を思い出したら泣いちゃうんだよ。ここで泣きだすとかマジでただの情緒不安定不審者になってしまうので耐える。
「タイガの力、地球人の力、宇宙人の力……そして君の力がいる」
今度はピリカが目を見開いた。
結局、使命を果たせと促しているわけだからショックかもしれないが、本当に君の力は必要なんだ。
ウーラーの心は、永続飢餓と、食われた星々やそこに生きていたものたちの負の感情によって常に苦しんでいる。それをわずかな間でも傍で癒せるのはピリカしかいない。あれ無しでは、素直に腹を満たせるかもわからない。
「旭川ピリカ、君は君のままで成せる事があるのを知っているはずだ。今全てを初期化しなくてもできる方法に君は気づいている。違うか?」
「ええ」
「酷な事を言っているのはわかっているが、そのまま実行してくれ。下手な希望は言えないが、君に心を宿させた皆を信じればいいさ」
語った言葉は少ないが、真摯な思いは込めたつもりだ。それでもピリカはしばらく逡巡した様子を見せてくる。
しかし、やがて決意が固まったように力強く頷いてくれた。ありがとう。
「あなたはどうするの?」
「ウーラーがあの位置のままだと色々問題がある。餌を使って呼び出して……持久戦かな」
「持久戦?」
「ちょっとタイガに頑張ってもらう必要があるけど、そこは信じてほしい。可能な限り、地球は守るさ」
「わかった」
……鵜呑みにしすぎじゃない?
あの、俺、トレギアだよ? 散々悪徳行為を地球で見せたし、タイガ闇堕ちさせてはしゃいでた様子って確かE.G.I.S.側も見てたよね? 言ってて腹立ってきたわ、闇堕ち俺一発殴りてぇ。
ともかく、そんな俺を信じるのが早すぎる気がする。
「私が言うのもなんだが、信じすぎでは?」
「ちゃんと疑ったうえで、信じたよ」
つい問い質してしまったが、返ってきたのはまた困惑するものだった。
疑ったら止まらないレベルでやらかしたと思うんですが、闇堕ち俺。
「こないだ街とタイガを守った分だけ信じてるだけだよ」
……なるほど。
ニセウルトラマンベリアルとの戦いは、信用底辺だったトレギアに僅かながらの回復を与えたらしい。チョロいと呆れるべきなのか、俺が私ではない事を悟っているのか……。信用の積み上げがいかに難しいかを知っている身としては、心底有難い話だ。
あと俺が俺としてやってのけたことが良い結果をうめてたってことだよね! ちょっと喜びのタロウダンスしてもいいですか!!
「貴方すぐ顔に出るのね。そんな子供みたいに喜ばれるとは思わなかったかな」
「馬鹿な、私はそこまでわかりやすい宇宙人ではないぞ」
「はいはい。じゃ、行ってきます」
そんなわかりやすいか俺?
首を捻りながらも、歩き出した旭川ピリカを見送る。ヴィランギルドへ赴くのだろう。怪獣を操る脳波コントロール装置を使って、旭川ピリカとしての心と思い出を維持したまま、ウーラーのコアへデータ体として向かうつもりだ。
色々ぐだついた気もするが、これで俺も次の段階へ進められる。
「怪獣リング怪獣リング……ギャラクトロンMarkⅡか。起動しよう、グリムド頼む」
「(`・ω・´)」
リングに力が集約する。
ギャラクトロンへの命令は、暴れる素振りをみせてタイガをおびき出し、体内の高エネルギー炉でウーラーもおびき出す事だ。
神秘的な魔法陣が宙に浮かぶ。そこから転送されるように出現した竜頭の巨大ロボット。
「アア~~~」
ギャラクトロンの降臨だ。
さぁ、軽い朝食は用意した。目覚めろ宇宙爆蝕怪獣ウーラー!!
・エオマップ星のアンドロイド数
総数は実は不明。めっちゃ数ばら撒き続けて数万体いる可能性もありますが、本作では100体前後にしています。まぁ宇宙全域の広さを思えば100体も数万体も変わらない。あんま無数にばら撒きすぎるとエオマップ星の侵略行為とか言いだして侵略してくる宇宙人とか出そうだし。地球人が外宇宙に探査機飛ばしただけでキレて地球に来る宇宙人や生命体いた程度には、みんな敏感。
話戻しまして、タイタスの映像付き解説の光のみで勘定すると下手すると50にも満たないレベルですが、ピリカ03から製造番号99まであると勝手に解釈しました。ウーラーの居場所がわからぬままにばら撒いたと思いますが、宇宙で100体前後のアンドロイドがウーラーに偶発的に遭遇できる可能性って絶望的に低いです。予想ポイント狙ったぐらいはしたはずですが、決まれば儲け程度で考えていたと思います。エオマップ星からすれば母星に落っこちてきた時に確殺できるで十分と言えば十分。仮にピリカのみに生じたバグだとしても、特攻用アンドロイドがここまで人間的な成長を有するほど高性能なのは、使命叶わなかったアンドロイドに使命以外の未来を与える為だったんじゃないかなー。
ちなみにタイガ超全集だと、ピリカ03は感情を持つバグが発生し、破棄され地球に来たなんて書かれてたりするがそれは劇中描写と矛盾するので、これは採用していません。市野監督のインタビュー読む限りでもエオマップ星はかなり良心的ですし。というか破棄ってなんやねん、宇宙へ放逐するなら他個体と同じ扱いだろうに。
・【朗報】トレギアさん、ちゃんと活動みられてた。
流石にギーストロンとニセウルトラマンベリアルでの人々強制避難や建物保護バリアは直接見られてるし撮られている。これまでがこれまでなので信用最底辺からちょっとあがった程度だが、ここの地球人たちは良くも悪くもチョロいのでその「ちょっと」が大切だったりする。一度認識されれば、ゼットンやゴロサンダーが暴れた時もトレギアの仕事だと推察は及ぶ。もっと言えば、タイガに一度ぶっ殺されてる場面あるので、生まれ変わった説ぐらいは飛ぶ。
ウーラー呼び寄せた元凶だと露見したらあっさり最底辺に戻ると思うが、ピリカはオレギアさんの目から、本音を悟っている。データ化してウーラーの心に触れたら確信するので拡散の心配はない。一般市民視点では、ウーラーが故意に来たか偶然かわからないのでバレないよ!
ちなみに一番周囲から評価受けてたのは、死にたくない一心で頑張った時のバリア。はた目からだとタイガの為に命張ってるようにしか見えない。