─E.G.I.S.本社─
E.G.I.S.本社に備え付けられた大画面の向こうでは、ウーラーの暴食が一向に止まらない様子が映し出されていた。
ついにセグメゲルが力尽き、その身体はウーラーの口の向こうへ消えていく。毒炎も出せなくなり、最期は自ら奈落へ飛び込んでいく姿に、外事X課の佐倉警部も思わず息を呑んだ。
「地球の為に、そこまでやってくれるのか……!」
怪獣たちが身を挺して地球が齧られる事を防いでいる様子は全国に中継されている。タイガが消えた後の怪獣一斉登場はパニックを生んだが、今ではみんながTVの前で応援している。機械怪獣はともかく、ヘルべロス達が食われる様はだいぶトラウマ与えそうだが大丈夫だろうか。
怪獣だけではない。一般市民にとってはもはや3度目となる蒼い巨人の『正義』は、一部の反宇宙人派にも胸を打たれるものがあった。彼等はTVではなく、戦闘が行われてる側でデモをしていた為、今では彼等の行動に衝撃を受けつつ眺めている。
困ったことに原作でも彼らは戦闘区域同然の場でデモをしていた。ちゃんと避難しろ。というかみんな避難してるのにそこでデモして何になると突っ込める人はいなかったらしい。
当然「今更許せるものか」「騙されない」「なんのつもりだ」と不信を露わにする地球人たちもいる。仮に本人が耳にすれば「せやな」と真顔で同意することだろう。寧ろ、多数の人々に感謝される方に困惑する。
これはトレギアが地球人にどう認識されてきたか、ということが大きい。
そもそもこの地球は宇宙人が不法侵入してきたり、オークションなどと言って街中で怪獣のデモンストレーションを始めたり地球人達がマジ切れしてしょうがない状態にあった。裏社会に至っては必ず宇宙人の影がある始末だ。MIB(メンインブラック)でも過激派が支配するレベルでやらかしていると言っていい。
そんな時やっと現れた、誰の目にもわかりやすく映る正義の巨人。地球を守ってくれる「ウルトラマン」に人々は強く感謝したし、そんなウルトラマンと明確に敵対していた蒼い巨人は敵なんだと認識していた。ちょっかいかけるように姿現しては街を壊していたし、怪獣召喚もやったし巨悪認定余裕である。
外事X課に至っては所属している宇宙人の同輩や、とっ捕まえたヴィランギルド構成員から得た情報で、蒼い巨人がトレギアという宇宙のあちこちで洒落にならない悪行を重ねるクソ野郎であることを詳細に把握している。霧崎は霧崎で裏社会で暗躍する危険人物として別項記録されている始末。
だが、地球人達はもう1つ知っている。
それは彼が、新たな姿となったタイガによって敗北、どっからみても爆死していたことだ。
平行世界の身体をスペアにして復活できるという理屈などは知らない。知る由もない。
重要なのは、彼はタイガに倒された後に、急に善行を始めたことにある。
外事X課は慎重に見守っていたが、TV越しに見ていた民衆からすれば、「一度死んで改心したのでは?」と安易に転がるのも無理のない話だ。だって悪いあいつは倒されたんだから。きっとタイガに倒されて目覚めたんだ! と人間の醜さを知るものからすれば反吐が出るような理屈が簡単に蔓延した。
極め付けは、彼の戦い方だ。タイガたちよりもわかりやすく、明確に街の保護を優先し、あげく未知の手段で戦闘区域の民衆を安全圏へ移動していることもわかっている。なにより共に戦う「ウルトラマン」を守ったこと。
誰からも嫌われて当たり前だった蒼い巨人は、少なくない人々にちょっとだけでも信じてもらえるようになった。彼らをチョロいと言ってはいけない。少なくとも捏造された映像を検証すらせず鵜呑みにしてオートボットを地球追放してディセプティコンを受け入れた初代アニメトランスフォーマー世界のアメリカ市民よりは疑い深い方である。
そして今、命がけで守っている姿が報道されている。
怪獣たちは文字通り命を捨ててウーラーの餌となり、蒼い巨人は必死にウーラーを抑え込んでいた。心に響かない人などいなかった。
こうしてTV画面を通してトレギアを応援する地球人達が大勢現れつつある中、ここE.G.I.S.本社にいる人達は動揺していた。トレギアに対する信用などは別問題。それよりも重視されるべき事実があるからだ。
今もこうして彼等が命を張り続けているのはおかしい事をE.G.I.S.のメンバーは、佐倉は知っている。
ピリカが決死の覚悟で飛び込んだのに、ウーラーは今も食べているなどあってはならない。
「何故、怪獣の動きが止まらない?」
佐倉から困惑の声が零れる。
彼がここにいるのは、佐々木カナからの連絡で、旭川ピリカが命を賭してウーラーの元へ飛び込んだ話を聞いたからだ。みんなの反対を押し切ってまで使命を果たしに行った彼女の件で、元同僚が心を痛めているのは間違いなく、心配で駆け付けた。
画面上で電撃を飲み込み続ける怪獣の動きが停止することは、ピリカの死を意味する。
それを目視した時の悲しみを少しでも支えてあげようという彼なりの計らいだった。
しかし怪獣は一向に動きを止めない。
まさか、という最悪の予想が脳裏をよぎるのも仕方がない事だった。
「ピリカ……」
「ただいま戻りました……」
「ヒロユキ、大丈夫か」
「僕は大丈夫です。ですが、ピリカさんが……」
ヒロユキもE.G.I.S.本社へと帰還するが、その表情は晴れていない。
助けられなかったという声を寸でで飲み込み、画面を見つめる。
その時、画面が歪む。
現れたのは粒子体となったはずのピリカだった。
『もう時間がないので手短に言います。私はウーラーの中です……』
◇
ピリカさんは、ウーラーの心と接触し、わかったことを話していた。
永遠に途絶えることがない飢えの苦しみから助けを求めていた事。
星々を食らい続けたことで、その星に生きた文明のエネルギー、生命の恨みや憎悪をも食べて、今のような禍々しい姿へ変わった事。
ピリカさんは、生命維持停止システムを作動できなかったわけじゃない。
このままでは、ウーラーがあまりに可哀想だから実行できなかったんだ。
驚いたのが、トレギアの狙い。今でもウーラーの暴食を止めるべく必死に戦っていたけれど、まさかウーラーの心を救いたくて行動していたなんて。ピリカさんは、トレギアとも話していて、こうしてウーラーの心に触れたことで彼の願いも確信したそうだ。
だからウーラーの飢えを、心を満たすために力を貸してほしいとピリカさんは切実に訴える。
『この子の心を満たせたら、そのあと私は、この子と一緒に……』
「全てを終わらせるってことか……」
『この子と出会えたことは奇跡なのかもしれない。私だから、この子の心をわかってあげられるんだと思う!』
ウーラーの代わりに、精一杯の想いを言葉に変えたピリカさんの通信がついに途絶える。
僕も、社長も、ホマレ先輩も、受け取った想いと願いにしばらく言葉が出せなかった。
「……」
やがて、ピリカさんが残した円柱の形をしたドライブをそっと撫でながら、社長が口を開く。
「……私は、ピリカの想いに応えたい」
「そう言うと思ったよ」
社長は続ける。
アンドロイドだったピリカさん。
彼女が奇跡的に心を宿して、地球に訪れた意味。それはウーラーの心を救う為だったのかもしれないと。
「でも、それだとピリカさんは……」
でも僕は、まだ受け止め切れない。
いくら奇跡だと、運命だと言ったって、仲間を失う理由にしていいとは僕は思えない。
だけど僕の考えは、ピリカさんの想いに応えていないのもわかっている。
僕はどうすれば……。
『ヒロユキ、ピリカの覚悟をお前が受け取れ』
「!」
『お前の覚悟を、俺が受け取ったようにな』
悩む僕に相棒から飛んできた言葉は、ひどくずるいものだった。
かつてトレギアによって闇に飲まれてしまった相棒を救う為に決めた覚悟。
確かに、自分だけが覚悟を投げ渡しておいて、受け取らないのは駄目だ。
「みんなこれをみて」
ピリカさんのドライブから、社長がウーラーのデータを引き出して画面に表示する。何気にすごいことしてませんか社長。それ別惑星のドライブなんですよね? パスワードとか大丈夫だったんですか。
社長が言うには、ウーラーの体内にある疑似ブラックホールをまずなんとかする必要があるという。
「なんとかって、え、ブラックホールを!?」
「うん」
佐倉さんが驚くのも無理はないと思う。普通は不可能だ。
だけど、今の僕たちにはまだまだ協力してくれる人たちがいる!
「なんとかなるぜ」
「どうも」
マグマ星人、マーキンド星人の2人が準備を整えて来てくれた!
◇
作戦。
まず、マグマ星人の宇宙船に備え付けられた高エネルギー照射システム『マグマウェーブ』をウーラーの餌として提供、口の向きを固定させる。エネルギーの問題は佐倉さんが手配して世界各国からマイクロウェーブ輸送することで解決。
次に、擬似ホワイトホール生成ミサイル『ヴァイスストライク』。マグマ星人の宇宙船に同乗したホマレ先輩が照準を定めて発射、ウーラーに飲み込ませ起爆することで擬似ブラックホールを中和することができる。ただしこのホワイトホールは数分間しか持続しない上に1発限りなので失敗は許されない。
そして腹を満たす手段。
「トレギアもウーラーの腹を満たしたいんだろう?今戦っているトレギアに広域放送でタイミングを伝達すればいけるか」
「いや、戦闘を見る限り相当消耗しているぞあいつ。ゴロサンダーも疲弊して鈍くなってるのがわかるし、ウーラーの腹を満たさせることができるかわからねぇ」
『戦闘区域にバリア張りながら長時間戦闘など、少なくとも地球圏だと我々では無理だな』
『活動限界ないのずるいよなあいつ』
『ああいうことする闇の陣営なんていなかったからわからなかった部分だよな……』
今戦っているトレギアは、僕の目からでも明らかに動きに精彩を欠いていた。
何度もウーラーに跳ね飛ばされてグロッキー状態だ。あ、バリアで防ごうとしたらバリアをせんべいみたいに齧り割られた。ゴロサンダーが体当たりしなければ危なかったかもしれない。
「タイガがいる!」
トレギアを心配するというちょっと前の自分だったら絶対しない事を繰り返してる自分に驚いていたら、社長がタイガの名前を挙げた。
ホマレ先輩もタイガの光線エネルギーならいけると納得の表情だ。
「しかしウルトラマンにどうやってそれを頼む!?」
言われなくてもいけますけど、どうやってタイガに伝えたって誤魔化そうかな。
そう考えていると、社長とホマレ先輩が笑顔で僕に近づいてくる。
「頼んだわよヒロユキ!」
「えっ」
えっ。
「ナ、ナンノコトダロウ……」
「お前本当とぼけんの下手だな」
「純粋というか、素直というか、馬鹿正直というか……」
えっ。えっ。ホ、ホマレ先輩まで!?
「し、知ってたんですか……?」
「「うん」」
「ずっと!?」
「「うん」」
い、いつから……。
当たり前のように言われてすごくショックだ。
ちゃんと隠せてたと思ったのに……。
「ヒロユキ」
思わず頭を抱えそうになった僕を、社長が見つめる。
「ピリカの最期の願い……叶えてやって」
「……」
まだ、わずかに逡巡する気持ちがある。
ホマレ先輩が察したように背中を強く叩いてそれを追い出した。
ピリカさんも、社長も、ホマレ先輩も僕たちを信じてくれている。なら、応えるだけだ!
「はい!!」
「え、どういうこと? (マグマ星語」
「えっ、あっ、えっ?? (マーキンド星語」
「今君たち、凄いことを、凄いさらっと言ったね??? (地球語」
◇
「Wooooolaaaaaaa」
「ゴロロロ……」
「ε-(´ω`; )」
「エネルギーは尽きずとも肉体疲労は別か……勉強になったよ」
「言ってる場合か? ゴロロ」
クッソ疲れてる!
心なしかグリムドも疲れてる!! あ、俺が疲労してるからその感情で疲れてるのか! ごめん!!
対するウーラーは疲弊知らずだ。邪神エネルギーを食わせすぎないようにと気を配っていたが、セグメゲルが倒れた今、解禁せざるを得なくなりゴロサンダーと共に攻撃という食事を加えている。
自分がこんな疲れるとは全く考えてなかった。
邪神のエネルギータンクが無尽蔵だから自分も無制限に動けると思い込んでいたらまさかの肉体疲労問題である。盲点だったなぁ、もっと検証するべきだったと反省しても時すでに遅し。
「ゴロロロ、最後の雷撃を飛ばすから少しでも休むんだな」
「ゴロサンダー……すまない、助かる」
「タイガやタイタスという最高の戦相手を用意してくれた礼だ」
アヒル顔のくせに格好いいことを口にするじゃないか。
戦神としての側面も強かったが、そうか、タイガ達との激闘はそんなに楽しいものだったか。
ところでフーマも入れてやってくれないか。あ、戦ってないなそういえば。
「ゴロゴロ! ゴロゴロゴロ! ゴロロロロロロ!!!」
これまでで最大の勢いで激しいドラミングをみせるゴロサンダー。
最大限の雷が両肩に蓄積され、溢れた電が飛び散った。
まさに雷神といった風格を見せているその隣で、流れ雷がいくつも俺に直撃している。
「いった!?」
「あ、すまん」
格好いいこと言っててこれだよ!! もうこいつと共闘なんて二度としてやるか!!
ウーラーはすっかり学習してるのか大口あけてスタンバイ状態だ。
ピリカも言っていたが、悪気があって暴れているわけではないからな。空腹に耐えられないだけで。俺達が少しでもその空腹を抑えようとしていることを理解してくれているのだろう。
「ゴロロロロ────!!!」
「Glug♪ Glug♪」
最大出力でサンダースパークが放たれた。
街に放たれれば全てを破壊しつくす神の怒り。その全てを元気よく飲み込み、癒されない空腹をわずかでも抑えようと必死なウーラー。
10秒、20秒ととんでもない持続力で穴へ落ち込む雷。だが、無尽蔵に思えた雷の力は、とうとう全て無限の胃袋に収まってしまう。
全ての雷撃を放出し、燃え尽きた様に真っ白になるゴロサンダー。
まだか、タイガ……!!
『伝達、蒼い巨人と赤い怪獣は対象より距離を取ってください』
「!!」
防災スピーカーより聞こえたこの言葉は!!
そうか、準備が整ったのか!!
わざわざ此方に連絡までしてくれるとはありがたい!! ありがとう地球人!!
「離れるぞ、ゴロサンダー」
「ゴロォ……」
「ゴロサンダー?」
己の身体を構成する力まで絞りだして放ったのだろう。ゴロサンダーの色素が抜け落ちた身体は砕けるように粒子となって消え去ってしまった。
リングは残ったが、力を取り戻すまで使うこともできないだろう。
…………助かった、ゆっくり休め。
距離を置けば、マグマウェーブが成層圏からウーラーへ向けて照射されはじめる。
高エネルギーの塊なのに周囲にあまり破壊効果を出さないあれがなんなのかよくわかっていないが、ウーラーが食いつくほどのエネルギー波であるのは確かだ。
「Glug♪ Glug♪」
そのマグマウェーブの中を突き進んでいくミサイルが1発。マグマウェーブは誘爆させないよう、しっかり中心部が空洞になっているから
あれが疑似ホワイトホールを生み出す兵器だろう。あれ、実は結構有益な『移動用兵装』だったりする。
ブラックホールの近場を航行する必要に迫られた際、あれを放ってブラックホールを一時的に無力化して安全に突破するのが本来の使用目的だ。
その使用機会の乏しさと製作費の高さから1発当たりのお値段が凄まじいものになっている。1発でもあることに感心するほどだ。
「!!」
ウーラーがミサイルを飲み込んだ!!
体内で起爆したのだろう、疑似ブラックホールが中和され、今までなかった感覚に不思議そうに首をかしげている。
いける。いけるぞ!!
高揚のままにこぶしを握る。
近くで地球人達が不思議そうにウーラーを見上げているが、これだけでも奇跡ということはわかるまい。というか避難させたのになんでわざわざ近くに来てるんだ危ないから帰れ。
ふと肩に手を置かれる。
やっとたどり着いた奇跡を前に、気付くのが遅れてしまった。
3度目の正直だな、タイガ。
「トレギア」
「ああ、わかっている」
奇跡を積み重ねてきたからこそ、ここで1歩をしくじるわけにはいかない。
「タイガ、ウーラーを、旭川ピリカを救えるな?」
「ああ!!」
「ならば良い!! 併せろ!!!」
「(`・ω・´)!」
俺と同じく気合を入れ直したグリムドから力を貰う。
両の腕に光と闇を混ぜ合わせた混沌が迸った。全てを綯交ぜにしてしまう力に、俺の願いも強く込める。
満たされてほしい、救われてほしい。
その為に、俺はこの地球に降り立ったんだ!!
「トレラアルティガイザー!!!!」
Plasma-Zero-let! Connect on!!
「ワイドタイガショットォ!!!!」
お互いの全力を込めた輝きを、全霊をもって飲み干していくウーラー。
その身体から、あの美しいオーロラのような輝きが次々と放たれる。
打ち終えた光線の全てを受け止めたウーラーが口を閉じる寸前。
「いけ!!」
「おう!!」
タイガがウーラーの口へと飛び込んだ。ピリカを救うための決死行、間に合うかどうかは賭けだが俺はタイガを信じている。
息を詰めて見守る中、ウーラーから放たれる輝きが増していく。
「Wooooolaaaaaaa……ahaha,ahahahaha!」
全てが白く染まった瞬間、ウーラーの身体がついに爆発した。
爆風と爆炎が周囲を駆け抜けた後、輝く光球が静かに空へ昇っていく。
飢餓の象徴と化した身体を脱ぎ捨てて飛び立ったそれは、本当に幸せそうで。
一際輝くと、それは美しく霧散し、輝きをそのままに大空へ広がっていった。
……これだ。
俺はこれを見たかった。塵となって消え去ったあの子の時とは違う。
間違いなく、ウーラーの心は満ち、その感謝の想いを星全体に伝えてくれている。
「暖かい……良かったな、ウーラー……」
「俺1人のパワーじゃ不可能だった」
空の輝きに見惚れていると、ウーラーがいた場所にタイガが立っている。
その手は大切そうに握られており、無事に旭川ピリカの大切なものを掴めたのだろう。
万々歳だな。
「俺とお前、ウルトラマン2人の力が、あの怪獣の心を救ったんだ」
「……」
「トレギア、今なら確信を持って言える。お前なんだろう? 光の国を離れた、父さんの友達は……」
ああ、タイガ。君は本当に優しい。
「お前がもう一度、光を守護する者として歩みたいなら……!」
だが頷けない。
俺が帰りたいのは、この光の国じゃない。
俺が歩みたい場所は、この宇宙じゃない。
そして、この宇宙でやるべきことを俺は全て終えた。
さよならの時間だ。
タイガに別れを告げるべく、しかしどう答えたものか悩んだ時。
『満足したならそろそろ消えてくれないか、私』
「!?」
俺の身体から、闇が噴き出した。
ウルトラマンタイガの物語のラスボスはトレギア、常識である。
次回、オレギアさんVSトレギア フィールド:インナースペース
片や情緒不安定、片や永続発狂。お互い打たれ弱いから急所突かれた方が負ける。
・疑似ホワイトホール生成兵器ヴァイスストライク
ブラックホールとホワイトホールの関係性は現実ではまだまだ仮説の塊だが、SFや特撮では色々答えがある。タイガ本編では中和できるという特性があることになっている。で、マグマウェーブは元来の使用意図がよくわからないが、そういう特性あるならこの兵器の利用はだいたい想像できる。というわけで、本作では宇宙航行用の安全確保アイテムとして解釈している。
・特撮やヒーロー世界の地球人達
前回も少し触れているが改めて。
現実世界に住む我々も散々デマや偏向報道、奇麗ごとに理想論と面白いくらいに騙され続けるので、ぶっちゃけあまり他所の世界に住む同種族たちを悪く言えないのだが、それにしたって「めっちゃ釣られる」のが彼らの特徴である。これまでどれだけ傷つきながら戦い抜いたヒーローだろうが勘違いした子供とかの煽動1つであっさり敵視して迫害に走ったり、ヴィラン側が民衆を煽る策謀を練れば初動成功率100%を誇る始末である。マスメディアに影響力持つ悪党は大抵これのおかげで無双する。
人類に絶望するヒーローや読者が出てくるのもしょうがない。トレギアみたいなキャラが世に現れたのは必然だろう。だが、そんな彼らだからこそもう一度信じた時のブレなさは凄まじく、それによって生み出された光は理不尽なほどに強いのだ。
・ウーラーの最期
心を救えたからこそあの最期だったというのは、トレギアが救えなかったスナークとの対比でも明確でしょう。どうせなら命も救ってほしかったとも思いましたが、それがウーラーの救いになるかというと違うんですよね。伝説になるほど宇宙を食い荒らしていたウーラーに寿命があったかはわかりませんが、恐らく無いです。満たされた歓喜を抱えて天に昇らせたのは、ウーラーが求めた長い旅路の終着点でもあったと思います。そもそも擬似ブラックホールがある限り、ね……。
死なせるのも勝手ならば生かすのも勝手だ!どれも所詮は死じゃないか!と狂乱したトレギアが騒ぎそうですが、原作では暖かな光を前にそんな皮肉を繰り出せなかったのが、全てだと思います。
・タイガがピリカを救ったのか
尺の都合という凄まじく悲しい現実の前にカットされてますが、まぁ察する程度にはピリカ救済の行動みせてますねタイガ。
あれがどうなってるかと言いますと、ピリカが「お昼寝しよっか」と、満たされ歓喜に震えるウーラーの心と一緒に眠る(システム作動する)寸前、旭川ピリカの構成する因子を素手掴みしました。
その後タイガスパーク辺りに一度格納してると思われます。トレギアとガチ戦闘してるし。
で、その因子をヒロユキ君がピリカの保有してたあの円柱型ドライブに入れたところ、ピリカの記憶と意識が復活。アンドロイドならではで実はバックアップもドライブに押し込んでいたらしい。肝心のボディがない問題は外事X課が解決してます。なんとエオマップ星と通信して「ウーラー倒せた功労者ピリカ03の代替ボディくれ」と連絡。エオマップ星人は快諾して空ボディを転送。あとは意識と記憶をインストール。こうして無事ピリカ完全復活となりました。ソースは超全集にある市野監督のインタビュー。