トレギアだけど、元の宇宙に帰りたい   作:鵺崎ミル

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SS書く時は色々音楽を掛けているのですが、やはり書いている場面にあったBGMが好ましいですね。バトル時はバトルBGM流すとイメージが作りやすくて良いです。うっかり苦戦時のBGM流すと露骨に苦戦しだすので選出は必要ですが。

前回のグリムレイ・ヴェロスフォトスですが、本当に言葉足らずな書き方したのでちょっと補足。問題なのは一般民衆があれ観た時のSANチェック被害であって拘束、硬直からの必殺技自体は卑怯ではないですよ。というか被害少なく倒す技そのものは皆結構所有しています。ウルトラブレスレットによる拘束、スタン→斬殺or爆殺コンボとかが有名。悪い怪獣や悪質な侵略者相手に容赦などせぬ!!
まぁ光の戦士云々言われたジャグジャグさんも同情の余地あるだけで、非が0かというと……。

そういやベリアロクさんの必殺技たちとか見た目凶悪すぎるけど、目撃した一般民衆どう受け取ったんだろうか。


VS スネークダークネス

 地球に浮かぶ島国、日本において外食は人気店、有名老舗店、チェーン店のいずれかを選べばまず外れる心配はない。その上でその日1番己の欲求に応えてくれる店を選べるかは博打だ。

 それに慣れてきた頃、人は目立たぬ店から正解を得ようと冒険心を芽生えさせる。だが隠れた名店と言うのは、単に寂れた看板だの、裏通りなどを選べば良いというものではないらしい。賑わい絶えぬ人気店や表通りで長続きしている店を越える当たりに出会えることは中々ないそうだ。だからこそ、見つけた喜び、出会えた喜び、美味の喜びは格別なのだと言う。

 

「だから、頑張れよ」

「はぁ……」

 

 以上が様々な飲食店が入っている区画にてマップと面を向かって10分にもなる俺に対し、急に話しかけてきて語り出した男の主張だ。要はその悩みは正しいと言ってくれているわけだが、結局どの店がオススメかは教えてくれないまま去っていった。厳しい先達である。

 あとお前も孤独にグルメを楽しむものかとも言われたが、全然違う。俺にはグリムドもタロウ(人形)もいるんだ。

 

 修行の合間にはより美味しい料理に出逢えそうな地球を選んで転移し、しばらく滞在しているのだが、この地球は食事の先輩みたいなオーラみたいなものを纏った地球人がちょくちょく存在感を示してくるから怖い。いや、実際に『食の先輩』ではあるのだが。

 

 ラーメンに舌鼓を打っていたら、「今のラーメン界は伝統と革新、形式と個性の両立を成した新世代ラーメンが最先端……ならば、彼が目指す『ラーメンの新たな万民の形式』とは……」と難しい言葉を呟きながらとっくに食べ終えた空の容器を見つめている地球人がいたり。

 

 寿司のネタ1つ1つに感動しながら頬を緩ませていたら、「芸術と食事の融和である飾り切りを駆使してイカの旨味や食べやすさを引き上げるのは基本……だが、これほどまでに上品なものに出逢えようとは!!」とか無駄にうるさい上に食事中だというのに拍手を打つ変な地球人がいたり。

 

 生春巻きやバインセオの食感や旨味に目を輝かせながら堪能していたら、俺が全身で感じている幸福感とはまたなんか違うっぽい、艶っぽさというか、表現を選ばず言うなれば発情でもしてるのかという表情ではふはふ食ってる妙な地球人もいた。しかもこういう変な反応しながら食ってる地球人は複数人目撃した。怖い。

 

「いかんいかん、インパクトある一期一会を振り返っている暇などない。店を選ばねば」

「\(゜ロ\)(/ロ゜)/」

 

 結局、今回は餃子をメインに扱っている店を選択した。餃子1つとっても色々種類があるもので、また悩むことになったが、焼き餃子を選択した。実に味わい深い、肉の旨味と野菜の旨味の良いとこどりとも言うべき包。衣だけでもきつね色に焼きあがった部分とそうでない部分の食感の違いがまた嬉しいし、噛めば口内に旨味の暴力が始まって実に楽しい。この小さな包に求める美味さを全て集めているとは、ウルトラカプセルの秘奥にすら負けない完成度だと言えるだろう。

 餃子に限らず、包子の類はいずれも1品としての高いレベルにあると感じている。いや、勉強になるな!! 

 

「旨いなグリムド!」

「(*・▽・)」

 

 そういえば、餃子は小籠包などと違って野菜料理であるとか変な老人が言ってたな。肉料理でも野菜料理でも構わないとは思うが、ジャンル分けの重要性はわからないでもない。考えている間にも箸は止まらない。その動きはさながらクレージーゴンだ! 

 

「おかわりだ!!」

「(*・ω・)ノ」

 

 結局、3皿分は食べてしまった。あの男の言葉ほど冒険はしなかったが、当たりを引けたのは間違いない。俺はまた一つ成長したのだ……。

 

 

 

 ◇

 

 

 

 ツイフォンから始まった激戦から早数週間。美食旅行も堪能し終えて、あれから数度戦いを重ねた。食と戦の積み重ねで成長した俺は新たな課題に直面していた。

 

 

 俺、グリムドへの依存が高すぎる。

 

 

 別にグリムドの力に頼る事自体を悪いとは考えていない。そもそもグリムドに頼らなければ肉体的にはクソ雑魚なブルー族*1なのだから。グリムドとの連携や協調を高めてよりしっかりと力を扱える事に問題はない。

 ただ、グリムドに甘えるような心理状態を生むのはよろしくないという話だ。これをグリムドに相談したのだが。

 

「(・ω・?)」

 

 と、全く理解できないという反応で終わった。元々()から単なるパワーソース扱い受けてもまるで気にしない存在である。グリムドからすれば、自分の力に呑まれず扱えるならそれで良いじゃないかという認識のようだ。

 グリムドは共に歩む存在だから語弊がある表現になるが、扱える技量や心構えがあるならば強化アイテムは使ってなんぼというのが開発者としての言い分なので賛同はする。その心構えの部分を少しでも改善したいという話なんだがな。上手く伝わらなかったようだ。

 

 確かにこのままでも間違ってはいない。だが、それでは先がない。成長していけてもグリムド完全体の出力80%相当にすら至らないだろう。グリムドと今の関係を守ったまま、グリムド完全体と同出力かそれ以上を目指すならば、これ以上依存度を高めてはダメだ。

 タロウを目指して絶望した俺が、また理想を目指すのは浅はかだとは思うが、やはり、俺自身の価値をグリムドの宿兼コントロール装置以上にするべきだろう。

 グリムドの力をより高めながら、光の戦士としても在る。この理想に辿り着いてみたい。

 そしてこの理想にはやはり俺そのものが成長し、グリムドとの絆により応えられるようあるべきだろう。

 

「というわけで、次の戦いだが。グリムドの力を抑えて戦いたい。今なら一時的であればアーリースタイル(元の姿)でも戦えるだろう?」

「(´;ω;`)」

「泣かないでくれるか。俺はお前の寄生虫になる気はないんだ」

「(/ _ ; )」

 

 グリムドの力を引き出しながらも周囲を無駄に破壊しない戦い方は身についた。ならば次はグリムドの力に頼らない弱い俺が、弱いなりに戦うべきだろう。グリムドの力を引き出すことばかりに長けて、自分の力を引き出せないなど話にならない。

 

 なのだが、そのグリムドが嫌がるのはどうしたものか。

 此方が頑なになり過ぎて拗ねられても困るし……。

 

「お互い譲れない時は、条件を出し合うものだ。グリムド、お前はどのラインまでなら許容できるんだ?」

「_φ(・_・」

 

 結局、俺がギブアップしたり命に関わるピンチになったら強制顕現保護、銀座で味わった高級ステーキで手を打った。グリムドからすれば、宿が失われる危険性が高い選択は許容しにくいのだろう。ツイフォンの時は1番弱い時選んでくれたし。

 

「ありがとうグリムド。では選出を頼む」

「(-_-)……」

 

 

 

 ◇

 

 

 

 グリムドが用意したバトルフィールドは怪獣墓場を思わせる不思議な空間だった。

 荒地のような地面はあるが、見えている星空はわずかに歪んでいる。わざわざ専用の空間を作り、そこに選出した怪獣を呼び寄せたのだと思われる。

 

「それで、俺が戦う相手がコレはどうなんだグリムド」

「(・∀・)」

 

 俺の問いに、グリムドはただ笑うだけ。背筋が凍り、脊髄が沸騰するような悍ましい笑い声だった。

 ……ひょっとして怒ってたりするのだろうか。意地でも頼らせてやろうという意思が見える。

 

「キシャアアアアアアア!!」

 

 実質アーリースタイル(グリムドアーマーを意図的に解除してるアナストロフィ)となっている俺の前に対峙しているのは、邪願獣スネークダークネス。元は人間がデザインした怪獣で、発案した人間の心の闇を()が増幅させ、誘導し、邪悪なエネルギーを以て変身顕現させた経緯を持つ。暗闇の蛇という名前を冠する割にはがっしりかつどっしりとした二足歩行型の怪獣で68mという体躯を誇る。蛇らしさと言えば、大きく裂けた口と、長く鋭い尾だろうか。尾は先端がハサミ状にもなっており、そこもまた蛇の口を意識したのかもしれない。

 左右非対称の腕を持つが、肥大化した右手はシャドウシザーズという2本の巨大なかぎ爪がついており、これを振り回したり70万トン級の破壊力を宿して叩き付けるといった技を持つ。口から破壊光線も放つし見た目通りに攻撃力がえげつない。耐久力も見た目通りな具合で、結構ボッコボコに攻撃受けても倒れずにグルーブの必殺光線を受けるまで戦闘継続していた始末だ。

 

「ガアアアアアアア!!!」

 

 だがこの個体は、人間が変身した成れの果てというわけでもなく、しかし人間と無関係というわけでもなさそうだ。

 ウルトラ念力の力を宿した瞳で本質をとらえると、その正体はなんとソフビ人形だった。

 人間に捨てられ忘れられたと感じた恨みや悲しみといった負の感情を発している辺り、それが怪獣化の原因のようだが、それにしてはずいぶんと俺を見て敵意がえぐいような。記憶にはないが、スネークダークネスの姿である以上は()が関わった案件なのかもしれない。

 

「だとすれば、トレギアとして責任を果たさないとな」

 

 怒りの咆哮がびりびりと肌を打つが、それを掃う様に構えを取る。

 このスネークダークネスから感じる圧は、少なくとも並大抵の怪獣が出せるものではない。

 もしあいつが再現した通りの力を有しているならば、俺が単体で勝てるかで言えばノーだ。だが、グリムドに頼れば勝てるとも感じてしまう……やはり良くない傾向だ、まだパワーソース扱いで少なくとも自分で動いてたあいつの方がマシなレベルだ。

 

「見ていろグリムド、俺だってウルトラマンなんだ! シェアッ!!」

 

 いくぞスネークダークネス! 

 俺だって少しは強くなったんだ!! 

 

 右爪による大振りの攻撃を避けて懐に入り込む。

 そしてトレギアパンチで胸部から腹部にかけて連打!! 悲しい程軽い音が立て続けに響く。

 本気で通じていないのだろう。スネークダークネスは、俺の連撃を意にも介さぬ様子で蹴り上げてきた。

 すぐに両腕で防ぐが吹き飛ばされる。辛うじて倒れずに持ちこたえたところをあの右手の爪が勢いよく突き出されてきた。

 

「キシャーッ!」

「グワーッ!!」

「キシャーッ!」

「グワーッ!!」

「キシャーッ!」

「グワーッ!!」

「キシャーッ!」

「グワーッ!!」

 ・

 ・

 ・

 

 

 

 俺のタロウへ。

 弱い弱いと自虐していたけど、こんな弱いとは思っていませんでした。

 青い絨毯として地面に広がる俺を見ても、笑わないでくれるか。

 

「うぐぐ……」

「グオオオオオン!!」

 

 パンチもキックも通用せず、バリアは簡単に破られて、口から放たれた光線にも回避すらまともにできず地面を転がる始末。グリムドの力を借りてないトレギア()の弱さを思い知る。

 スネークダークネスは倒れた俺を踏みつけて勝利の雄たけびをあげている。めっちゃ重いんでどいてくれ。

 

「( ・∇・)」

 

 早く頼れば? と内にて大人しくしている邪神が囁いてくる。完全に善意なのだが、なんか文字通り悪魔の誘惑みたいな感じである。

 というか早く力を貸したくてうずうずしてるのか、カラータイマーから力が溢れ出している。落ち着いてほしい。

 

「悪いなグリムド、まだやらせてくれ」

「o(`ω´ )o」

 

 こうして無様を晒しながら戦っていてわかった事がある。それは俺の本音だ。

 俺はタロウへの憧れを捨てられていなかったらしい。グリムドの力に溺れないようになんて建前だ。そんなものずっと前から戒めていた事だ。

 寧ろグリムドの力で強い自分になったからこそ、諦めていた理想を目指せるかもと考えていたんだ。愚かなウルトラマンだよ俺は。

 精神世界での殴り合いの時にあれだけ格好つけてたのに、一歩間違えれば()と同じ過ちに進んでいたかもしれなかったわけだ。グリムドにはつくづく申し訳ない事をしてしまったな。

 

 だが、この愚かさに気付ける自分だから、愚かなままでも光の戦士になれる。

 

「ターッ!!」

「!?」

 

 一瞬緩んだ隙を突いて転がって脱出する。

 その勢いを利用して再び立ち上がる。

 

「キシャアアアアアアア!!」

「ハァッ!!」

 

 吠え猛りながら突進してくるスネークダークネスを全身を駆使して受け流す。

 読んでいたとばかりにハサミのついた尾が俺の身体を捉えようとしてくるが、問題ない。

 それも読んでいた!! 

 

「シェアッ!!!」

「ギャシャー!?」

 

 飛ぶ斬撃技であるトレラテムノーを放つ要領で斬撃の力を手に宿し、そのままハサミの中心部へ打ち付けるように振るう。

 強靭な尾は縦に割かれ、初めて負った大ダメージにスネークダークネスが悲鳴を上げる。

 あの技はパンドンを斬り刻むほどの技だが相応のエネルギーを込めなければならない。弱い俺の力だけでは放ったところで弾かれるが、腕の力も合わせればこのとおりだ! 

 

 パワーもフィジカルも弱い俺でも、自然と身に着けた技術や鍛え上げた技術があれば、遥かな格上だろうが一矢報いることはできる!! 

 

「(; ・`д・´)」

「まだだ、いくぞスネークダークネス!!」

「!?」

 

 今なお卑下している自分にも、自信という炎が僅かにでも宿った事を自覚する。

 だからだろうか。光の力が、ウルトラマンとしての力が、ずっと引き出しやすくなっているのを感じる。

 

 ……いける! 

 

 再びスネークダークネスの頑強な体へ拳を打ち込む。

 情けない音を立てていたはずのそれは、一転、力強い衝撃音と共にわずかながらダメージすら与えている。

 

 

「グオオオオオオ!!」

「セヤァッ!!」

 

 拳から得意な手刀へ切り替える、己の光エネルギーを両の手に宿しながら切り裂くように打ち付けていく。今度はウルトラスラッシュを纏うようにイメージすると驚くほどしっくりと噛み合った。

 堅い鱗のような表皮が容易く削られていく。奴にとっては擦り傷程度のダメージだろうが、通るのと通らないのでは大違いだ。

 ギーストロン戦でもこのように戦っていたならば、もっと有利に戦えたかもしれない。

 

「キシャーッ!!」

「イヤーッ!!!」

 

 口から放たれた強力な破壊光線を、全身全霊を込めたバリアで防ぐ。

 タロウならば片腕だけで造作もなく弾いただろうなと一瞬考える。だが、過程は違えど結果を同じにしてみせる!! 

 

「うおおおおおおおおお!!」

「!?」

 

 地面を踏み抜き、砕けそうなバリアを力で保持して、ついに俺は耐え抜いた。

 先程とは違った結果にスネークダークネスが動揺する。今だ!! 

 

 二度目の全身全霊。見ていてくれNo.6!! これが、俺の、全力だ!! 

 

 

「トレラシウム光線!!」

 

 眩い輝きがスネークダークネスの巨体へ直撃し、その硬い表皮と反応して激しい爆炎と煙を発生させる。

 必殺技未満の威力と嘆いていた技だが、今のは間違いなく、過去最高の威力があった。

 タロウが俺の力を導いてくれたのだろうか。

 

「グルルルルルル……」

「……」

 

 まぁうん。倒せていれば格好はついたが。

 煙が晴れた先には、腹部が大きく傷ついてはいるものの、唸り声をあげて睨むスネークダークネスの姿があった。

 

 全力を出し尽くした俺にはもう奮起する力も残っていない。最後の最後でグリムドに頼る結果になりそうだと思わず自嘲していると。

 

「グオオオオオン……」

 

 健在と思われたスネークダークネスの身体がゆっくりと倒れこんだ。

 地響きを感じながらも一瞬、目の前の光景が願望による幻覚かなにかと思ってしまう。

 まさか、倒したのか? 俺が? 

 

「(;一_一)」

「そうか……勝ったのか、俺は」

 

 グリムドが心底不服だと言わんばかりの感情を乗せて伝えてきたことには、スネークダークネスは生きてはいるがもはや戦闘継続は不可能らしい。

 元々人形だったのと、体を維持していた怨念が序盤の蹂躙で少なからず消化していた故に、耐久力が完全ではなかったようだ。

 このまま放置していれば、やがて傷から怨念のエネルギーが抜けてただの人形に戻るだろう。

 

 この空間に残された人形が持ち主の元へ帰るとも思えない。グリムドが連れてきた時点で怪獣だったわけだし。

 なら、光の戦士として俺が為すべき選択は1つだ。

 

「……なぁスネークダークネス」

「……?」

「一緒に来ないか。お前が玩具の人形として、持ち主の元へ帰りたいなら必ず送り届ける。だが戻る気がないならば、俺が持ち主になろう」

「……」

 

 スネークダークネスは無言だったが、僅かに頷いた。

 そして勢いよく傷から怨念のエネルギーを噴出させ、その身を縮めていく。

 エネルギーはスネークダークネスの力を宿した怪獣リングとなり、ボディは元の人形へと変化した。

 なるほど、これがお前の答えと願いか。

 

「人形の方はボロボロだから、直してから送り届けるとしよう。持ち主のいる世界はわかるか?」

『グォウ』

「わかった。これからよろしくな、スネークダークネス」

「( #゚Д゚)」

「うお!?」

 

 スネークダークネスの願いを聞き入れ、新たな仲間を歓迎していると、我慢の限界とばかりに、グリムドアーマーが強制的に俺の身体へ纏わりついた。

 確かに、目的だった戦いも終わったのだからいつまでも無理して引っ込めさせるわけにもいかなかったな。配慮が足りなかったすまないグリムド。

 

「さ、ウルトラ科学力で一瞬で直せるわけだし、まずは持ち主……そうた君というのか? その子のいる世界へ行こう」

「(・ω・)ノ」

『♪』

『ゴロ』

「ん!?」

 

 思念波が1つ多くてびっくりしたが、くすんだ色となっていたゴロサンダーリングが輝かしい姿を取り戻していた。

 どうやらたった今、彼も回復したらしい。よかったよかった。

 手元を離れていても、持ち主と人形の縁は上手くビーコンとなったようで、無事にそうた君の住む地球がある世界へゲートも繋がった。やはり元の世界へ戻る為にはビーコンの有無は大きいのだと勉強になったな! 

 ……俺の場合、世界との縁が一度完全に途切れているから縁を利用した帰還転移上手くいかないんだよな。タイガの方なら問題ないんだが。ビーコン候補になりそうなの元の世界にないだろうか。私物や俺のタロウへの友情パワーよりは強くないといけないのがきついな。此方から選定できる機械を作る方が早いかもしれない。

 うん、研究の方向性も決まって今回はいい結果になった! 気持ちよくタロウグッズと眠ることができそうだ! 

 

 

 

 

 

 

『ゴロロ……トレギア、寝てた間の事聞かせてくれるか』

「ああ、もちろんだ。ウーラーはお前のおかげでうまくいったぞ」

『ゴロッゴロロッ、それは良かったな』

「そうだ、せっかく目覚めてくれたなら次はお前にお願いしようかな」

『ゴロ?』

「特訓相手さ」

*1
(ただし何事にも例外はいる。ウルトラマンヒカリとか)




○月×日16時ごろ
小学男子生徒の前にかけより
「君の玩具だよね、大事にしなきゃだめだよ」などと発言して人形を渡す事案が発生。
人形は本当に男子生徒のもので、かつて失くしてしまったものとのこと。
付近住民は不審者に気を付けてください。
不審者は身長180㎝程、痩せ型の20代男性。黒と白のツートンカラーで構成された衣服。

・美食溢れる地球
ラーメン馬鹿達がいたり、ソログルメ堪能する者たちがいたり、どっかで審査員やってる奴がいたり、メシウマ反応が大げさな人種がいたりする世界線。オレギアさんは流石にそこまで察していなかったが、グリムドはイメージ描写も受け取っていたため、「なんでごはん食べるだけで脳内で全裸になったり変なリアクションしてるんだこいつら」と引いていた。後に現実でも全裸リアクションする奴をみかけて「ワカラナイ セイメイトハナニカ(邪神語」となった。

・スネークダークネス(元人形)
元ネタはウルフェス2019。作者は直接観に行った(隙自己語)。
この『そうた君の人形』回は思ったよりもシリアスな展開や内容に加えて、熱いバトルがあったのが特徴(誰が言ったかウルトラマン版トイストーリー)。ベリアル陛下がすごく美味しい登場と戦いするので銀河帝国臣民は必見。
劇中のスネークダークネスソフビ人形はベッド下の奥底に転がったまま忘れ去られ玩具箱にすら仕舞われない悲劇(こいつDX版ででかい上2000円以上するのに)を有しており、深い悲しみを抱いていたところをトレギアが利用している。
DVDではカットされていたが、作者が観に行った回では舞台終了後にトレギアが元の人形になって転がってるスネークダークネスを思い切り踏みつけるというとんでもない行動をしていた。こいつ本当後味悪くする天才である。
なのでその時あの人形が抱いたであろう悔しさと恨みを少しでも晴らしてもらうべく、オレギアさんをフルボッコしてもらいました。
トレギアの覚醒した光の力をその身に受けたことで、あのトレギアではないと悟る。怪獣としての力をリングにして、持ち主の元へ帰りたいという願いを叶えてもらった。

・オレギアさん、修行成功
ウルトラ族には適性があるのは事実だし、トレギアは宇宙警備隊に入れる程戦いの才能と力はなかった。だがそれは成長しないことを意味しない。
ウルトラマンは光の戦士であり、その心の輝きが更なる力を解放する。オレギアさんは殻を一つ破れたのだ。頭が良過ぎて闇堕ちするようなタイプなので、この心の輝きを強くすることにここまで時間がかかった。

・グリムド過保護
見返り要求する事を最近ようやく覚えたレベルで尽くすタイプ。感想欄ではすっかりヒロイン扱いである。マスコットの皮被った邪神というポジションで書いているはずなのにどうしてこうなった。
オレギアは絆を結べている認識こそあれ、向こうの価値観からみて住居保持のつもりだと解釈しているが、グリムドはオレギアを原初の混沌と対話交流できる知的生命体として無二の存在と認識している。本当にヒロイン化して恋に目覚めたらヤンデレ不可避だが、邪神なのでそこまで情動が進化する事はない。怪獣少女に万が一変じた場合を除いては。

・オレギアさんの現戦力(怪獣リング)
ゴロサンダー(回復完了) ゼットン 他マイナー怪獣数体 スネークダークネス NEW!
ちなみに怪獣リング状態の怪獣意識は基本眠っているか構築されてない状態ですが、半覚醒状態ならば意思疎通ができるものとしています。
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