リアルが忙しかったり、色々プロット1から練り直すことになったり、ヒスイ地方に拉致られたり審神者になったりトレーナーになったりして気づけば4月という驚き。
トレギアクッキング!
唐突だが、美食家とはなんであろうか。
辞書を紐解けば、成程『贅沢で美味なるものばかりを食する者』とある。しかし、人によっては見た目のインパクトが著しい料理を求めたり、ただ珍しき味わいに惹かれて挑戦する者もいる。彼等もまた美食家ではないだろうか。と、宇宙人(ウルトラ族)視点で物申したが、実際に、明確な定義というものはないように思える。ただ、大食らいは美食家とイコールとは限らないというのは頷ける話だ。
日本では料理の味わいに精通した者、食の情報に明るい者を食通とも表現するようで、いつかこの称号を堂々と名乗れる域までたどり着いてみたい向上心もなくはない。
地球人諸君。君達はこのあらゆる『食』に満ちた星に生まれたという幸福に気付いているのかい? その天文学的幸運に気付いているのかい?
……いかん、
そう、ちょっと最近料理に嵌っている。
先日手にした地球文化資料の1つ、
美食の為にかける労力を惜しまぬのが食通ならば、成る程道理だ。膨大な時と金と運を消費して堪能してきた味わいを、自ら再現できるだろうかという好奇心。その後押しの前には凡ゆる機材、食材、参考資料を揃えて消える時間と金銭など些細な問題。
かく言う俺もその狂おしい好奇心に導かれ……ごめんなさい半分は嘘です。タロウに振る舞う手料理という願望を胸に抱いてキッチンに立ちました。
モノによっては地球人が人生の大半を費やす技術もある世界……サザエのつぼ焼きや、店での焼き肉程度しか経験のない俺にそう易々と取得できるはずもなく、極上の素材を無駄にするばかりな現状に挫折することとなる。
自らの限界を覚えた俺は、科学者らしくサポートロボットを作ることになった。足りぬ者は補えば良い。簡単な話である。度重なる機能拡張とAIアップデートの果てにこいつ1機で全部仕上がるレベルになってしまったが。今ではロボットに頭を下げて学ぶ有様で、ゴロサンダーに「馬鹿じゃねーの?」と白い目で見られたのは記憶に新しい。
しかし、それでも進歩していくのが我々知的生命体である。
今日はそんな僅かでも上達した己を自画自賛する為に、サポートロボットの補助無しで料理に挑む。
イメージするのはタロウの喜ぶ顔のみ!! いくぞ!!
まず、ネオフロンティアスペースの地球(2035年)にて入手したネオスーパーGUTSコラボ商品『アスカ記念日限定! ダイナ特選濃口醤油』を地球人サイズ換算大匙にして4、『アスカ記念日限定! ダイナソルジェントみりん』を2の割合でチルソナイト808コーティングされた鍋に投じる。
煮立ったのをみたら加熱を止める。これを『ひと煮立ち』と表現するレシピ本があったが、この用語を最初見た時はどういう定義を指すのか首を傾げたのも懐かしい。適量とかひとつまみとか、あと切り方蒸し方焼き方煮方とそれぞれ用語1つで済ませて料理初心者に対し不親切なのは勘弁願いたいものだ。大匙という表現だって、最初はレードルの大きいサイズなのかと思った程である。ゴロサンダーからは「まずそういった用語などの解説がついた初心者向けから買えよ。あ、ゴロ」と呆れられたが。
さて、過去を振り返りながらも次の工程だ。時間を無駄にしないために先に別の鍋(地球にて通販購入)に水を入れ加熱開始。各工程が終わるころに沸騰してくれると良い。
恐山に住まう古代霊獣ワゴンイチオシの、青森産名ブランドにんにくを一片すりおろし、東京新宿エリアで採れる唐辛子を粗挽きに小さじ1程の量を用いる。後はツインテールの棘1欠片(第2脳がある位置の棘が香りと食感に優れ最良である)をみじん切りにしたものを30g程。これらを混ぜ合わせ、剣輪草より抽出したオイルを少量加える。元来は金属加工に用いるオイルだが、意外と食用にも向いているのだ。
素材同士の香りがたがいに負けぬ力強さを発し、調和していくのが感じられたらひと煮立ちしたものと混ぜ合わせ、ウルトラマングレートが活躍していた地球にて購入した『琥陀羅亜玄米黒酢』を大匙にして1、スフランの葉を刻んだものも少量加える。これでソースの完成だ。
品種改良されたソリチュラの葉を地球人の一口サイズまで千切り、冷蔵庫で冷やしておいたツインテールの肉(部位はインプット細胞の裏側にある部分、柔らかくて良い。口のある頭部付近は印象と違い筋肉質で硬い肉が多いのだ)を手ごろにスライス。
期待通り、この頃にはとっくに鍋の湯が沸いているので、塩を少量投じてから肉を茹で上げる。こうする方がツインテールは旨味が引き立つのだ。茹で上がったらさっと引き上げ、続けてソリチュラの葉を湯通しする。
湯通しした葉にはアクがついているので、軽く流してから皿にツインテール肉と共に盛り付ける。
〆に先に作っておいたソースをかければ、【ウルトラマンでも作れる、よだれツインテール】の出来上がりだ!
「(・ω・)」
「ああ、冷めないうちにいただくとしよう」
ツインテールなどの素材を地球人サイズにまで整えるには大変な苦労があったが、その甲斐あって実に旨そうだ。我ながら出来栄えに才能を感じる。
後片付けは今回見守り要員だった料理ロボットに全て押し付け、手指消毒を済ませて食事タイムだ!
「いただきます」
「\(・o・)/」
「うむ……美味い」
ソースの力強い香りが食欲を引き立て、準備を整えすぎた口内へいざツインテールの肉が運ばれると期待以上の味が一気に広がる。海老に似た味わいと共に鶏肉のような噛み応え、ソースは程よく辛く、ツインテールの味を引き締めながら共に高め合っている。ソリチュラの葉は、木の葉とは思えぬほどシャキシャキとした食感があり、僅かな苦味と優しい甘味がツインテールの旨味とマリアージュしている。
これだよこれ。この食感を含めた味のコンサートを楽しみたくて組み合わせたが、期待通りで嬉しいものだ。
「しかしツインテール……生まれたてをフライが基本とも聞いていたが、追及しがいのある食材じゃないか」
怪獣リングを改良して肉だけ量産とかできたら宇宙の食糧問題解決への一助となるか? 怪獣保護団体がうるさいかもしれないが。ああ、もう食べ終わってしまう。最後の一欠片を名残惜しみつつも十全に味わい、飲み込む。うん、美味しかった。
「ごちそうさまでした」
「(・ω・)♪」
「ふぅ……行くか」
料理と食事を堪能し、後片付けはロボットに任せるという贅沢を味わい尽くした後は目を逸らしていた現実だ。
心地よかった気分が僅かに萎えるような、そんなため息を1つ零して、俺は魔法空間から移動する。
移動した先は光の国を思わせる神々しき光のクリスタルで満ちた都市空間。
この空間はグリムドの魔法空間と同じような性質を有し、加えて数多の世界も観測できる独立した世界だ。現在の俺が活動拠点にしているのも頷けるであろう性質だが、実はこういった世界、珍しくはあっても唯一性はない。所謂世界の管理者とも言うべき上位存在……宗教における神々の住まう世界なども該当するし、ウルトラマン列伝でゼロが地球人と交流する為にいた謎空間も該当する。
要は、誰も使ってなかった世界をまるごと頂戴、光の国っぽく改装したわけだが……。
「ご満足されましたか、
「皇帝言うのやめろ」
空間に降り立って早々、慇懃無礼な雰囲気をわざとらしく纏ったメフィラス星人が最敬礼をもって出迎えてきた。
これが今俺が頭を抱えている問題だ。わかりやすく言えばこうなる。
【悲報】俺、戦力拡充しすぎたかもしれない。
「しかたありませんね、では
「それもっとやめろ!! マジ恥ずかしいから!!」
「恥ずかしいとは異なことを。私が忠誠を捧げたかの皇帝も『暗黒宇宙大皇帝エンペラ星人』を自ら名乗り上げましたしアーカイブによればウルトラマンベリアルは『暗黒大皇帝カイザーダークネス』と……」
「俺はああいう中二っぽいの自分でやるのは無理なんだよ!!」
『キシャー!!』
「違っ、スネークダークネス、お前の名前を馬鹿にしたわけじゃなくてな!?」
『キシャー!!』
俺のタロウへ、一日も早く会いたいのですが、会った後間違いなく面倒ごと持ち込みそうです。許してくれ。
空想料理をもってエイプリルフールネタと言い張る勇気。
実は次章プロット再構築開始したせいでまだ序盤しか書きあがってないんですが、途中エタを恐れて何も投稿しないというのもなんなので、繋ぎ回を投稿。
オレギアさんが何やらかしたのかについては次回(4日あたり)。
・アスカ記念日
ネオフロンティアスペースの地球では知らぬ者など居ない、伝説の英雄「アスカ・シン」を讃える記念日。当の本人は今日も元気よく別世界の宇宙を飛び回っている。盆と正月ぐらいは帰った方が良いと思います。アスカ記念日限定商品なるものが実際にあの地球で売られているかは不明だが、現実の地球をみるに、当たり前のように売られていると思われます。売上はスーパーGUTSマーズ、ネオスーパーGUTSの活動資金もとい世界平和の一助の為に寄付されます。
・チルソナイト808
ワイアール星で産出される金属。チルソナイトのみだとウルトラQに出てくるガラダマの組成物になる。これで鍋をコーティングして蓋をすることで、ウルトラ念力を用いた透視でも鍋の中身が見えなくなるのである。何の意味もない?ごもっとも。
・古代霊獣ワゴン
青森のご当地怪獣。ゆるキャラたちと比べ知名度がどうにも不足しているが、怪獣なので特撮ファンなどは存在ぐらいは知っている人も多いだろう。
円谷プロ所属怪獣(芸能人みたいな表現だが)というわけではないが、ご当地怪獣たちのデザインには昭和怪獣達を思わせる造形もみられるので、知らない方は是非調べてみてほしい。
・東京新宿で採れる唐辛子
内藤とうがらしのこと。人類の限界値を更新する昨今の激辛事情とは全く違う、もはや優しいと言っても良い辛味と香りが持ち味の唐辛子。
・ツインテール
『ツインテールは海老のような味がする』『岩や泥が主食なくせに(当時は水棲でもあるとは解明されていなかった)肉が柔らかく、美味しい』などと怪獣図解入門を始めとした怪獣図鑑系書籍に記されたばっかりに、令和の時代でも圧倒的知名度を獲得した名怪獣。海老のような味はあくまで生まれたてに限るのかは不明だが、生まれたてのツインテールはグドンの大好物なのはウルトラマン倶楽部の怪獣カードにも記されている。やはり成体は雑味がするか(一部ゲームでは成体の肉は毒があるとされている)肉が固いのだと思われる。
・剣輪草
『ウルトラマンレオ』で登場。ケンドロス星固有の植物。一度開花すると花びらが鋭利かつ硬質化、ヘリコプターよろしく回転して飛び回るあげく、近くの動物へ襲い掛かる滅茶苦茶凶暴な性質を有する。植物怪獣ケンドロスとは共生関係にあるのかケンドロスがメイン武器として存分に活用している。トレギアはこいつから植物性オイルを抽出したが、見た目的にはケンドロスの方が果実っぽいので良いオイルが抽出できそう。
・スフラン
『ウルトラマン』とか『ウルトラセブン』に出てくる吸血植物。触手のように自在に蠢く太い蔓の先に1m近い巨大な葉が1枚ついているのが特徴。実はどういう形式で吸血してるのかがよくわからない。人間に巻きついて葉を擦り付けようとしていたのであの葉が皮膚を削り取って血を啜るのではといった怖い考察もあったりする。
・ソリチュラ
『ウルトラマンメビウス』に出てくる宇宙植物怪獣。降り立った星であらゆる生命体と同化し最終的には星も同化する(観測されてるだけでも犠牲になった星は約760にものぼる)クッソヤバイ侵略性植物。同化の効率を高めるために咲いた花を怪人ソリチュランへ変貌させ、高ストレスな人間を主な同化対象として狙っていた。ばらまかれる花粉は神経性麻痺を引き起こすえげつない代物。
そんな危険植物もチブルの科学力であら不思議!品種改良で食用葉を寿命を迎えるまで無限に増産できる期待の未来食品に!!チブロイド達が収獲しているので花粉毒も問題ありません!!
・やたら中二臭い異名
トレギアは劇中、中二心を馬鹿にしたような描写がある為、多分肌に合わないと思ってるタイプ(でもタロウみたいな輝きは純粋に憧れちゃう面倒臭い奴)。
こういう壮大な二つ名は高2病とかかかると辛くなるけど、中二心はもちろん、子供心にはカッケー!!ってなるから大事なやつ。毎回こういうの考えてる人は偉いと思います。創作に大事なのはC調と中二心!!