トレギアだけど、元の宇宙に帰りたい   作:鵺崎ミル

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GW中お仕事で全然筆もソシャゲも進まなかった悲哀。
でもツブイマのギャラファイ先行配信の内容が滅茶苦茶良かったのでまた頑張れます。
オレギアよりもえぐい戦力集めしてるタルタロスェ。オムニバーシアンの戦力もうちょっと弾けても良かったかもしれない。


ジーっとしてても、染めあげろ!タイガ!!

 

 ─銀河クワトロマーケット前─

 

「やばい、美味しくて止まらない」

「そうだろうねぇ。ですが、らっきょうの食べ過ぎはかえって良くありません、気をつけなさい」

「はい!」

「薤白さん、商品郵送終わりました……君は」

「あらら、良いタイミングなのか悪いタイミングなのか……」

 

 らっきょうの魅力にすっかりハマった新たな犠牲者であるヒロユキ。

 そこに、一見どこにでもいるような青年2人がやってきた。私服だったが銀河クワトロマーケットの店員らしく、業務より戻ってきたところのようだ。

 だが、そんな2人はヒロユキを見るなり足を止める。片や真面目に、片や苦笑を浮かべ、その様子にヒロユキもらっきょうから意識を切り替えることになる。

 

「えっと……どちらさまで」

「俺は湊カツミ。ウルトラマンロッソだ」

「俺は湊イサミ。カツ兄の弟。ウルトラマンブルやってまーす」

「!?」

 

 第一声からぶっとんだ紹介に、流石のヒロユキも面食らう。

 混乱から冗談か何かと一瞬考えるも、疑惑の言葉を述べる前にタイガ達から保証が入った。

 

『間違いない、ヒロユキ。彼らはウルトラマンだ』

『ロッソとブル……兄弟戦士なのは知っていたが、人間態は初めて見る』

『俺と同じ、惑星O-50で力を得た光の戦士達だ*1

「そうなんだ……えっと……」

 

 3人の言葉にはかなり驚かされたが、事実として飲み込めば、今度はこの老人を目の前に正体を明かして大丈夫なのかという疑問がわく。ヒロユキの視線がらっきょう売りに向いたことで、湊カツミは笑顔をみせ頷いた。

 

「この人はウルトラマンではないが協力者だよ。資金繰りの一環で始めたこの銀河クワトロマーケットを手伝ってくれている」

「社長は一応カツ兄です。らっきょうさんは、なんだろ? 出資者?」

「らっきょう売りです」

「アッハイ」

 

 どうやら癖のある協力者らしい。というか愛称がらっきょうさんってどれだけらっきょうに拘ってるんだろうか。呆れるヒロユキだったが、話がそのままらっきょうへ逸れそうになっていることに気付き、再度意識を切り替える。

 

「お2人がどういう事情でここにいるのか話を伺っても?」

「ああ、もちろん。君達の協力も必要なんだ」

「ここでおおっぴらに話すのもあれだから、少し人目のないとこ移動しよっか。らっきょうさん後よろしく」

「わかりました」

「……あっ、ベリアルの力持ってる怪しい奴がいたんですがひょっとしてそいつのことですか!?」

「ベリアル? ……あー、それ違う。それ仲間」

「仲間!?」

「うん、多分それウルトラマンジード」

『すまんヒロユキ、2人がいるなら彼はジードだと思う』

「ちょっ、タイガ? ウルトラマンの力より先にベリアルの力先に感じ取ったの!?」

『いやだってむしろベリアルそのものみたいな力だったし……』

『そもそもベリアルも一応ウルトラマンだろう』

 

 

 

 ◇

 

 

 

「……というわけで、今俺達は変身能力を失っている状態だ」

「そんなことが……」

 

 流石に場所を移し、人気がない裏手の方でヒロユキは2人から経緯と実情を聞かされる。宇宙人失踪事件については、直接関わっているかの断定はできないが、デザストロ封印後に失踪事件が発生という流れである以上、切って捨てるわけにもいかないというのが彼等の結論だ。デザストロを招来した黒幕そのものの場合、どういう手段をとるか未知数だったのもあり、今まで潜伏していたのだと言う。

 

「迂闊にE.G.I.S.に接触して、目を付けられる危険性の方が高かったからな。偶発的接触か、事態が動いての接触ということでまとまったんだ」

「目を付けられる、ですか」

「いやだってタイガ達がそこにいるのはバレバレでしょ? ヴィランギルドにも君が変身するってわかってたらしいし」

「えっ」

 

 さらっと初耳な事に目を丸くするが、イサミは気にした様子もなく続ける。

 

「デザストロを封印した俺達が狙われるのは言うまでもなかったからね。変身能力取り戻すためだけに早期接触して、特定されるのは良くなかったんだよ。実際、不意打ちで攫われたら終わるし」

「とはいえ、半年……長かった。よく今の今までバレなかったと思う」

「大変だったよね、カツ兄。オーブ達は慣れてるっぽかったけど」

「本当大変だった。この地球、ドンシャインが放送されてないのも辛かった」

「……!?」

 

 ナチュラルに会話に混ざる不審者。ヒロユキの目はもうまん丸だ。

 

「あ、初めまして。僕は朝倉リク。ウルトラマンジード、やってます」

「アッハイ、ヒロユキデス」

「どこ行ってたのさ」

「ごめん、女の子が風船を……」

 

 慣れているのか、初めから気づいていたのか、イサミは気にした様子もなくリクへ話しかけているが、ヒロユキからすると情報をわっと浴びせた上に不意打ちはやめてくれとしか思えなかった。

 凄まじい棒読み対応してしまう程、余裕がなくなっているのを感じる。助けてホマレ先輩!! 

 

『そこで頼られない俺達である』

『是非もないな』

『そっち側だしな……』

 

 ヒロユキの切なる願いはトライスクワッドの面々を地味に凹ませていたが、彼は無視した。自覚あるならもう少し気遣ってほしいものである。

 だが、ヒロユキ以上に無情なのは現実であった。

 

「「「!!」」」

「!!」

 

 全員が表情を変え同じ方向を向く。

 視界には異常は映らない。だが視線の向こうで、なにか粘つくような悪意が、街全体の空気を変えるように広がりだしていた。

 

 

 

 ◇

 

 

 

 見晴らしが良さそうなビルの屋上。

 とりあえず感覚で選びはしたが、使い魔達の残滓により汚染した街を一望できたことで内原戸のテンションは一気に高まることとなる。

 彼は生き生きと、先程雑に消費した宇宙人達の血肉と怨念を用い、脆弱な精神の持ち主であれば見るだけで狂気に陥る冒涜的魔法陣を描きあげた。

 陣より一歩外に出た後、彼は陣を形成する古代宇宙文字を呪文として読み上げ、大空へ向かって声を張り上げる。

 

「大いなる闇よ!! 偉大なる貴女の為に、我は饗宴の舞台を整えました!!」

 

「ですが、御身の降臨に必要な糧は、忌々しい結界により今なお運び出せませぬ!!」

 

「それ故、この贖罪と絶望の贄でもって、主賓招来の一助を授けていただきたく!!」

 

 魔法陣が妖しく輝く。蠢くような闇が、ざわざわぞわぞわと陣より這い出る。

 その闇に対し、内原戸は最敬礼を以て出迎えた。

 

「流石は大いなる闇。そうです、貴女様の触手……闇の尖兵でもって障害の全てを排しましょう!!」

 

 内原戸の狂気的な笑い声と共に、這い出た闇は3本の触手を成す。

 それらは獲物を探すように蠢きながら伸び続け、やがて何かを見据えるように動きを止めると、街の上空へ、その先端が突き刺さるように伸び切った。

 

 何かが砕ける、嫌な音が街へ響く。

 

 やがて虚空より、何かを封じた光の結晶が街へ引き摺り下ろされた。

 3本の触手は結界を捕えたまま魔法陣から根元を切り離し、その姿を巨大な怪獣へと変質させていく。

 

「さぁゴルザ、メルバ、ゾイガー!! その結界を存分に痛めつけると良い!!」

「「「■■■■■■■■■───!!!」」」

 

 闇より生じた怪獣達は内原戸の命令通りに、破壊のそぶりを見せながら結界へと攻撃を開始した。

 

「うっかりすぐ壊さないようにしろよ? 壊れるべき場所は海でなくてはならないのだから」

 

 

 

 ◇

 

 

 

 唐突に街中へ光の結晶が落下したかと思うと、それを明らかに破壊しようとしている3体の怪獣が出現し、街は一瞬でパニックに陥った。

 少しでも危険領域から離れようと逃げ惑う人々とは真逆、ウルトラ戦士達は、冒涜的恐怖にも動じず彼らを睨む。

 

「カツ兄、時間切れみたいだ。あんな直接的手段に移るってことは向こうはもう準備終わってるよあれ」

「みたいだな……ヒロユキ君」

「はい?」

「君が預かっている、俺達の力を返してくれ」

 

 恐らく彼等の変身アイテムであろう、漂白化したアイテムを突き付けられ、ヒロユキは面食らうが、そういえば彼らは変身能力を喪失したと言っていたことを思い出す。

 そして力を取り戻す鍵が自分にあることも彼らは説明してくれていた。リクだけは最後に混ざっただけだが。

 

『ヒロユキ、タイガスパークだ』

「あ、そうか!」

 

 彼等の力。つまりその力を宿したブレスレットだ。

 タイガスパークへ意識を向け、3人に力の返却を念じる。すると、ロッソレット、ブルレット、ジードレットがそれぞれ漂白化していた変身アイテムへと宿っていく。

 湊兄弟の持つルーブジャイロ、リクの持つジードライザーがその色彩と輝きを取り戻した。

 

「よし、行くぞ!」

 

 カツミが代表して行動することに、ヒロユキは僅かながらに対抗心を覚える。

 そもそもなし崩し的にあれこれ話を進められているが、この地球はこの地球に住む皆と協力してくれる宇宙人、そしてなにより自分達トライスクワッドが守ってきたものだ。自負と自信、なにより使命感故に、あまり好き勝手しないでほしいといった稚気が芽生えるのも当然といえる。

 顔に出やすい彼は、あからさまにムッとした様子でカツミよりも1歩前に出る。

 

「僕とタイガなら……」

 

 自分達だけでもやれる。そう言おうとして。

 

「あ、ヒロユキ君」

「なんですかッ……!?」

「その考えで動いて良い結果生んだことなんて一度もないよ」

 

 トラウマの塊が宿っているような目をしたリクに、真顔で実体験を感じさせまくる言葉を置かれ、ストップさせられた。

 

「あ、なんかすみません」

「わかってくれてよかった^^」

「え、イサミ、あれ怖くない?」

「言いたいことわかるけど目の前のことに集中しようか! 皆でやるよ!!」

 

 イサミが場を取り直すことで、3人も意識を切り替える。

 4人は一列に並び、各々ウルトラマンへと至るキーワードを叫んだ。

 

「行くぞ、タイガ!!」『おう!』

「「俺色に染めあげろ! ルーブ!!」」

「ジーッとしてても、ドーにもならねぇ!!」

 

 

 

Come on!! 

 

「光の勇者、タイガ!!」

 

キュイイイイイイイン! 

 

キュピコーン! 

 

『ハアアアアアアアア!!』

「BUDDY GO!!」

 

Ultraman Taiga!! 

 

 

 

「セレクト! クリスタル!」

 

キュピン! 

 

カチャン! 

 

ウルトラマンタロウ!!

 

「纏うは火! 紅蓮の炎!!」

 

ギュイン! ギュイイン!! ギュイイイイイイン!!!  

 

Ultraman Rosso Flame!! 

 

 

 

「セレクト! クリスタル!」

 

キュピン! 

 

カチャン! 

 

ウルトラマンギンガ!!

 

「纏うは水! 紺碧の海!!」

 

ギュイン! ギュイイン!! ギュイイイイイイン!!!  

 

Ultraman Blu Aqua!! 

 

 

融合(ユー、ゴー)!」

 

ガシャン! 

 

『シェアッ!!』

 

「アイ、ゴー!」

 

ガシャン! 

 

『ハァアッ!!』

 

「ヒア、ウィー、ゴー!!」

 

ギュイン! ドクン! ドクン!! 

 

Fusion Rise!!

 

「決めるぜ! 覚悟!! ジイィィィド!!!!」

 

ウルトラマン ウルトラマンベリアル!!

 

Ultraman Geed Primitive!! 

 

 

 

 ウルトラマンタイガ、ウルトラマンロッソ、ウルトラマンブル、ウルトラマンジード。4人のウルトラ戦士が力強く街へ降り立つ。

 

 敵の襲来に気付いた闇の尖兵たちは結界の破壊をあっさり中断し、彼等へ堂々と対峙した。

 

「グルウルルオオオオオ!!!」

「キイイイヤアアアアアア!!!」

「ギュキョオオオオオオオ!!!」

 

大地を揺るがすもの

超古代怪獣ゴルザ

 

空を切り裂くもの

超古代竜メルバ

 

地を焼き払う悪しき翼

超古代尖兵怪獣ゾイガー

 

 邪悪なる敵意を前にして、ウルトラ戦士達は気を引き締める。

 

「この街でデザストロが復活したら大変な被害になる!! なんとしても止めるぞ!!」

「わかった、俺に任せとけ!!」

「え、ちょ」

「テヤァッ!!」

「ゲギャー!!?」

 

 ロッソの言葉を受け取ると同時に吶喊をしかけるタイガ。虚しく手を伸ばすロッソ。格好良く対峙したのに、タイガの飛び蹴りをモロにくらってぶっ倒れるメルバ。目を瞬かせるゴルザとゾイガー。忠告本当に理解したのか心配になるジード。オーバーに首と手を振って呆れを表現するブル。

 そしてやっと釣れた敵対者を目の当たりにして、屋上で1人興奮しはしゃぐ内原戸。

 

 かくして闇と光の戦いのゴングが鳴り響いた。

*1
(間違ってはいないが、今のロッソとブル、あとウルトラウーマングリージョは力を引き継いだという意味で2代目であり、直接力の継承をしたのは初代達のみ)




超古代怪獣ガルラ「あの内原戸さん、自分の出番……」
内原戸「え、お前誰?」

・超古代怪獣達
超古代に暴れたとされる怪獣たちは大体『超古代』が肩書につくが、ゴルザ、メルバ、ゾイガー達は邪神ガタノゾーアがけしかけた闇の尖兵である。あと上記で出番がない事嘆いてるガルラとかいうのも該当する。
共通点は、ガタノゾーアの貝殻、あるいは甲殻とも言うべき穴の開いた岩石質の部位を一部纏っていること。ガルラとかいうのはなんか全身に纏っていたが。ゴルザもメルバもちょくちょく再登場しており、ゾイガーに至ってはガタノゾーアの尖兵という立ち位置を前面に押し出した登場などでインパクトが強く、この3種は割と知名度あるのだが、ガルラはやった事が怪獣のくせに陰湿だったのもあってか妙に知名度が低い。

・ドンシャイン
『特撮ヒーロー 爆裂戦記ドンシャイン』の主人公。
宇宙精霊アストローニアにより、キラメキパワー(戦隊ヒーローキラメイジャーのキラメイストーンとは無関係)を与えられた戦士。相対する敵役は銀河大盗賊団ヌスットリア。徒手空拳はもちろん、輝光剣シャインブレーダーを使った剣技も魅力的。必殺技はエクスカリバー!!キラメキエクスプロージョン。
リクが育った地球では大人気のヒーロー番組であり、何度か再放送され、Blu-ray化もされている。劇場版は必見らしいので、皆も世界移動して観に行こう!!

・リク君のトラウマ
劇場版ジード参照。簡単に言うと、ヒーローとしての使命感&重圧で全力空回りやらかした結果、ゼロとオーブが死にかけ、敵の侵略を前に無力な時間(変身リキャストが20時間だった。)を味わわされまくったあげく、最終的に目の前で劇場版ヒロインが死んだ。

次回やっと戦闘に入れそうです……。
あれこれ書いてたら1万字使っても戦闘シーン突入どころか召喚シーンまで入らなかったのでかなりカットしました。劇場版でE.G.I.S.メンバー達の出番と役割が半端で終わった理由がよくわかる。構成が間延びしすぎてしまう……!!
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