トレギアだけど、元の宇宙に帰りたい   作:鵺崎ミル

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シンウルトラマンえがった……



VS メルバ

 

 ゴルザとゾイガーを撃破し、デザストロが封じられてる結界である光の結晶へ駆けつけたジード、ロッソ、ブル。3人は、結界の惨状に頭を抱えていた。

 7人の変身能力を代償にして生み出した輝きは、内部から無数のひび割れが発生していた。デザストロが出てくるまで一刻も猶予がない。加えて、起点とも呼ぶべきポイントを闇が侵食しており、もはや時空の狭間へ押し戻すことも補強も不可能な状態だった。

 

「クッソー、俺達の技術と知識じゃもうどうにもできない。エックスさんがいたらなぁ、あの人補強得意そうだし」

「いや、ここまで傷ついてたらどうしようもないと思う。どうする? この場でデザストロを抑え込むか?」

「ダメだ、それだと街が大変なことになる! 壊れるのが防げないなら、せめて移動させよう!」

「山? 海?」

「海しかないよカツ兄! 3人なら運べると思う!!」

「運んだあとが怖いが、今はそれを考えている場合じゃないな。やろう!」

 

 3人のウルトラ戦士は、光の帯を両手より生み出し、結界へ何重にも巻きつける。

 そのまま、慎重に、それでいて迅速に海へと運び出していく。

 

 内原戸の思い通りに。

 

 

 

 ◇

 

 

 

 屋上にて対峙する、闇の権化と光の権化。あとイカルス星人。

 闇の権化はにやにやと嘲笑い、光の権化は歯を食いしばったまま睨んでいる。イカルス星人はなにやら喚いている。

 

「いや、いやいやいや。まさか此方が何の意図もなくこの場に居続けていたとでも? 半年間此方の感知から逃げていたとは思えない程の幼稚さだ。罠と気づかずにのこのこと現れるとはね」

「なに、確証を得ただけでも来た価値は十分あったさ」

「知っているかな。情報を得ても伝えないまま死ねば、抱え落ちと言うんだよ」

「くそったれ! てめぇなんか怖くねぇ!!」

 

 ヒカルとショウ、ついでにイカルス星人は魔法陣より出現した無数の闇の触手に囚われていた。

 最初は回避と撃退を繰り返していたのだが、内原戸が呪文を重ねると身体の動きを鈍らさせられ、そのまま捕縛されてしまったのだ。イカルス星人は特に回避もできずにとっ捕まっていた。何しに来たんだこいつは。

 

「君たちが光の戦士ということかな?変身もせずに接近するとは軽率極まる。此方にとっては大変都合が良くて助かるよ」

「大層な評価をどうも」

「大きな光は影を生むが、大きな光が消えた後に生じる闇の方がとても良い。君達2人が消えて生じる絶望は最高だろうな」

「目的はやっぱり地球の、いや宇宙の滅亡か!」

「少し違うな、強いて言えば尻ぬぐいだよ。あの愚かな蒼い巨人のね」

 

 絶対的優位にあることで、内原戸は上機嫌な様子を隠さない。あとナチュラルにイカルス星人をハブっている。

 語りたくてしょうがないといった様子で、ショウの問いにも、にこやかに答えている

 

「トレギアのことか……尻ぬぐいだと?」

「あいつのシナリオには期待していたが裏切られてね……もっと拗れて絶望を演出して、最後は双方破滅に至るようなそんな結末だと思っていたのに、何がウーラーを救いたかっただくだらない。だから、自分で演出することにしたんだ。大いなる闇ですべてが消費され消滅する素敵な結末をね」

 

 オーバーに両手を広げ、結末を想像したのか恍惚ともいうべき笑顔を浮かべる内原戸。

 トレギアの事を語る瞬間だけ、その笑顔は消えていたが。

 

「苦労したんだよ? 地球人達は脆弱であまり足しにならないうえ、数も多いくせに不自然な行方不明者が出ればすぐに捜索してくる面倒な群れだ。1万人の地球人より100人の宇宙人を贄とした方がずっといい。だから消えても困らない不法入国した宇宙人達をターゲットにして、慎重にかき集めた」

「「……」」

「テメェを殺してやる!! 許さねぇ!!」

「結果としてそこの変な奴が出てくる程度には恨まれたがね。こいつらもどうせ大いなる闇によって消え去るんだから気にする事ではないが」

「ちくしょうがああ!! そのボールぶっ飛ばしてやる!!」

「下品な宇宙人だな、地球人と大差ない。だが贄の追加は歓迎するとも。楽器は消耗品だからね」

 

 触手を捩じ切ろうと暴れるイカルス星人を鼻で嗤いつつ、内原戸はゆっくりとヒカルの前に近づいた。そのまま右手を翳し、まるで探査するかのようにその全身を確かめていく。その不気味な笑顔が、僅かに崩れた。

 

「……間違いなく光の戦士かと思ってたのだが。変身を司るであろう光のエネルギーを感じ取れないな?」

「ハッ、俺らを何も知らないのはマジっぽいな」

 

 ここぞとばかりに挑発するショウ。強気な態度と裏腹に、ヒカルが何やら調べられている際は気が気でなかったのだが。変身アイテムを奪おうとしていた魂胆を見抜いて、今では安堵すらしていた。

 2人の変身アイテムであるギンガスパークとビクトリーランサーは、今は漂白化しており力そのものはない。内原戸が気が付かないのも当然だった。

 

「ふん、今までのやり取りでお前たちが光の戦士に属するのは間違いない。単なる人間なら、人質に使うのも面白いな」

「思い付きだけで動くとロクなことにならんぞ」

「ご忠告どうも。生憎既に計画は完了している。後はお遊びに過ぎない」

 

 ショウの更なる挑発に乗ることなく、内原戸は戦場へ意識を移す。結界は順調に運び出されており、いよいよ絶対的闇の化身が君臨する時が迫ったことに興奮する。そして、とっくに爆散していると思っていたメルバが意外にも生存している事に気が付いた。

 

 正直、本命が迫っている中で今更残っていてもしょうがない存在というのが内原戸の本音である。メルバの有効活用は何かないかと軽く思考し、ふと思いつく。闇の因子が勿体ないな、と。ならば使えるようにするべきだろう。

 ショウの善意による忠告なぞ、彼は最初から聞く気はなかったのだった。

 

 

 

 ◇

 

 

 

 メルバは激怒した。

 必ず、かの邪知暴虐の召喚主とウルトラ戦士をぶちのめしてやらねばならぬと決意した。メルバには駆け引きがわからぬ。メルバは、闇の尖兵である。文明を破壊し、無辜の命を弄んで暮らしてきた。けれども、邪悪に対しては、怪獣一倍に敏感であった。

 

 ゾイガーと違い、攻撃にも使えるほど鋭利かつ巨大な被膜。鳥のように鋭い嘴も、相手を切り裂くことのみを考えた1対の巨大爪も、メルバの攻撃性の高さを表している。後はこれらの鋭利な武器たちでもって、マッハ6の猛スピードを活かし対象を散々に甚振る、トドメは両目より放つ破壊光線『メルバニックレイ』により仕留める。ゴルザやゾイガーも強力な同胞だが、攻撃力においては負けていないとメルバは思っていた。

 そこにあるのは闇の尖兵としての自負と誇りだ。輝きに繋がる全てをズタズタにして絶望を滲ませるのが己の絶対的使命である。

 

 だというのに、先に自分が絶望したくなる程理不尽な目を受けているのはどういうことだろうか。既に退場した2匹の同胞よりも今の自分は酷い目にあわされている。

 初手不意打ちを食らい、空中戦に持ち込んで報復してやろうと思えば、自分よりも数倍早い別のウルトラ戦士がしゃしゃり出てきてボッコボコにされ墜落。その後は筋肉モリモリマッチョマンの変態みたいなウルトラ戦士にファイティングポーズ決められながら顔面を殴られたのだ。許せるものではなかった。なんか召喚主も最初から捨て駒みたいに認識してるようでもはや視線すら感じない。何様のつもりだあの無貌野郎。

 

「ギャシャアアアアアア!!!」

「フン!!」

「ゲギャアアアアアアア!!?」

 

 怒りのままに大爪スラッシュクローでもって、タイタスを仕留めんとするが、拳のカウンター一発で何度目かもわからぬ吹き飛びを経験する。

 

「そろそろトドメだ!!」

「!!?」

 

 タイタスから高エネルギーの収束を感じ取り、メルバは更に怒りのアクセルをベタ踏みした。このままではなにも成せずに終わってしまう。そんな無様な真似は絶対に許せなかった。

 別に先に散った同胞を想っていたりはしない。闇に属するものとして、今まで踏みにじってきた脆弱なる存在と同じ目に合うなど認められないという邪悪な本能だ。

 

「アストロビーム!!」

「シャアアアア!!」

「なに!?」

 

 だから避けられる。

 初速で最高速度に匹敵する技巧でもって、致命的一撃を回避するメルバ。そのまま一気に上空へ舞い戻った。

 このまま飛び回っていてもフーマにより再び己が地に堕とされるのは明白。だがタイガ、タイタス、フーマはそのボディチェンジにどうしても1拍の間がある。その間を与えてはならない。

 だから、この上空にあがったのは、逃げる為ではない。

 

 相手を滅ぼす為だ。

 

「ギュオオオオオオオオオオオ!!!!」

「うおおお!?」

 

 凄まじい衝撃音が街に広がった。

 錐もみ回転しながら、全身全霊でもって急降下突撃という単純にして凶悪無比な攻撃。ゴルザの突進とゾイガーの高速軌道を両立させられるのは己だけという自負が編み出した必殺の一撃。

 

 スクリューダイブ。

 

 両腕の爪を合わせて2倍のパワー! いつもの2倍高度で4倍パワー!! そして一度もやった事がなかった回転を加えることで、タイタス!! 貴様を越える20万トン級パワーだ!! 

 声が出せるならそんなことを叫びながら、空を切り裂く闇の矢と化したメルバ。そんな意味不明な事を闇の尖兵が考えているなど知る術もないが、回避不可能であることを悟ったタイタス。正面より受けて立ったが、その勢いは余りにも強い。その剛腕でもって掴み受けて回転ごと抑え込もうとするも、衰える気配がなかった。

 

「ギュオオオオオオオオオオオオオオ!!!!」

「オオオオオオオオオッ!!!」

 

 押し切れると確信し、タイタスのカラータイマーを撃ち砕かんとするメルバ。剛力を更に高め、ねじ伏せんとするタイタス。

 そしてついに、メルバの両爪がタイタスの胴体へと到達する。

 

「!?」

「敵ながら天晴。だが賢者の腹筋は貫けない!!」

 

 回転が止まる。カラータイマーを狙っていたはずなのに、いつの間にか矢の先端たる両爪はタイタスの腹部に食い込んでいた。だがそこ止まりだ。貫けてはいない。

 両腕だけでは難しいと理解したタイタスは、その剛腕を矛先をずらす為に振るった。己が絶対的に自信を持つ、筋肉の鎧に。果たして結果は筋肉の勝利だった。

 

「フン! ハァ!!」

「ゲギャ──!!?」

 

 動きを止めた刺さってもいない矢など、もはや恐れるに値しない。タイタスの力強い拳がメルバの顔を打ち抜いた。

 地面を転がる竜にはもはや逆転の目はない。憎悪を籠めた眼で、倒せなかったウルトラ戦士を睨むばかりだ。せめて一太刀と、最後の一撃に意識を傾けたその時。

 

『まだ生きてたのか。ならお前にはやることがある』

「!?」

 

 メルバの脳内に召喚主の声が響いた。

 あれだけ諦めずにいた怪獣が、ビクリと動きを止めたことに、タイタスも訝しみ追撃を止めてしまう。

 

『ゴルザもゾイガーも、抱えていた闇の因子を滅されてしまってな。お前の因子まで消されるのは勿体ないだろう?』

「!!?」

「なんだ!?」

『おいおい!?』

『これは……!?』

 

 突如、メルバの肉体がボロボロと崩壊していく。崩れた場所から闇そのものともいうべきナニカが零れ落ち、街へと染み込んでいく。

 何が起こったかを理解しているのは、内原戸を除けばメルバだけだ。

 

 贄でもって呼び出した闇の尖兵である己を、更なる贄へと消費している。

 

「ギャシャアアアアアアアアアア!!!」

『大いなる闇の糧になるのに何をそこまで怒るのかな』

 

 これまで以上にない屈辱的扱いに怒り、断末魔のごとき咆哮をあげるも、召喚主である内原戸は嘲笑うだけだ。言っている事は理解できる。闇の尖兵である自分は、大いなる闇が世界を絶望でもって支配、消費する為にあるのだから、僅かでも役に立つならば問題はない。

 

 だがこんな扱いを受けるならば、話は別だ。ガタノゾーア本神の意思なれば、寧ろ誉とばかりにその身を差し出すが、ただ湧いて出たような別の闇に呼ばれた挙句、捨て駒にされるなど耐え難き屈辱であった。もとより仲間意識など欠片もないのだから。

 

『何を抵抗している? 大いなる闇の尖兵である貴s──』

「キュオオオオオオオオオオ!!」

 

 メルバは激怒した。

 必ず、かの邪知暴虐のクソ召喚主をぼてくりこかさねばならぬ(古代ラパ・ヌイ語)と決意した。メルバには駆け引きがわからぬ。メルバは、闇の尖兵である。か弱き命を蹂躙し、死と破壊と退廃を好んで暮らしてきた。けれども、邪悪に対しては、怪獣一倍に敏感であった。

 

 己の肉体が完全に崩壊する寸前に、メルバの両目より放たれたメルバニックレイは、容赦なく内原戸がいた屋上へと撃ち込まれたのである。

 

 ビルごと木っ端微塵に吹き飛ぶ様子を見て、メルバは満足気に肉体の全てを闇へと還すのだった。

 

 

 

 ◇

 

 

 

「くそがああああ! なんだあいつは!! 大いなる闇もロクなもんよこさねぇ!!」

 

 瓦礫の山から忌々し気に姿を現す内原戸。その口から出てくるのは、余裕を感じさせない惨めな罵倒であった。メルバの攻撃が的確に内原戸へ向かったため、彼はとっさに防御へと走らざるをえなくなった。瞬間的に守れるのは我が身だけであり、結果としてビルごと崩落することとなる。

 ビル崩落により魔法陣が崩れた為に触手が維持できず消失。せっかく捕えた3人も容易く逃がしてしまうことになり、内原戸にとってはメルバは完全な裏切者だった。先に実質裏切ったのは内原戸本人だとは露ほどにも思っていない。

 

「フー……どうせあいつらは単なる人間と雑魚宇宙人。崩落に巻き込まれて死んだに違いない。ならば今は本命の為急いだ方がマシだな。切り替えよう」

 

 結界は既に海へ到達している。後は崩壊に併せて儀式が作動するのを見届けるだけだ。メインディッシュ直前にとんだ迷惑を被ったが、いつまでも引きずっていては楽しめない。

 思考を切り替えた内原戸は闇に身を溶かし、転移を始める。その姿が完全にかき消えた後、中空に異次元の穴が開いた。

 

「プハァ」

「悪いな、助かったぜ」

「気にするな、同じ敵の敵は味方だ」

 

 異次元の穴より出てきたのはイカルス星人ベネット、ヒカル、ショウ。

 イカルス星人は四次元空間に関する技術が極めて高い種族だ。このベネットも異次元コントロール装置を保有しており、緊急避難や盗聴目的で使用していたが、今回それが活きていた。崩落で自由になった隙に、装置を起動してヒカルとショウと共に四次元空間へ避難していたのである。

 

「それでも礼を言いたい。ありがとうな」

 

 イカルス星人にはあまりいい思い出が無く、救われるのはなんとも複雑な気分なヒカルだったが、彼はより良い大人へ成長して久しく、過去のイカルス星人とは完全に割り切って礼を述べていた。過去のイカルス星人と同じく変な奴とは思っていたが。

 

「しかし、お前にとってもあいつは敵なんだな」

「ああ、仲間の仇だ。メイトリックスよりぶち殺したい野郎が出てくるなんて思いもしなかったぜ。ま、この四次元技術がなかったら対峙する前にイカれた化け物に攫われていただろうがな」

 

異次元コントロール装置を握りしめる彼の瞳には、後悔と憤怒が混じっている。

捕まっただけで力を行使できなくなる闇の使い魔からも、彼は四次元空間へと逃げていた。あまりの異常性と恐怖から、安全が確保されるまで潜んでいたが、いざ戻ってみれば、そこには憔悴しきった僅かな同僚達。闇の使い魔は多くの仲間を攫っていたのである。

彼は激昂した。心を折られて地球脱出を図る仲間達を労わりつつも、彼等に着いていくことはせず、復讐を胸に単独調査を開始したのだ。結局、内原戸が表舞台に立つまで辿り着くことはできなかったが、ようやく見つけた敵を彼は逃すつもりはない。目的も顔も知れたし、同じくヤツを追う存在を把握できただけでも値千金だと認識していた。

 

つまり単独調査そのものはほとんど身を結んでいなかったわけだが、本人は気にしていないし、ヒカルもショウもそんな実情までは知らないのでお互い協力しあえる存在に出会ったぐらいにしか考えていない。

 

「ともかく犯人の顔は割れた。俺はこの情報を一度ヴィランギルドに持ち帰る。次はぶっ殺してやるぜ」

「気を付けろよ。あいつはただものじゃない。それに宇宙ごと滅ぼす気満々のイカれた奴だ」

「ああ、あいつが相手じゃそこらの構成員だとただのカカシだからな。奴にガキでもいたら攫って誘い出すんだが……まぁいい、じゃあな」

 

 悪趣味なジョークを吐いて、イカルス星人ベネットは再び四次元空間へと姿を消した。ヒカルとショウからすれば、自分達の調査で擦りもしなかった宇宙人だったので唐突に出てきた以外の何者でもなかったのが本音だったが、彼は悪党でも味方になりうるとも感じている。少なくともメフィラスよりは信用できると考えていた。らっきょうおじさん涙目である。

 

「ショウ、街はどうだ?」

「闇の性質をもったエネルギーがだいぶ染み込んでるな。浄化したいが、変身できない今は無理だ」

 

 ヒカルの問いに、ショウは険しい表情で答える。メルバに宿っていた闇の因子は、完全に街へ染みわたってしまったようで、これがどう悪影響に繋がるのかわからないのが困り種だ。

 

「もっと聞き出せれば良かったんだけどな」

「ああ、ただの自慢したがりだったのがわかったから、誘導もしやすかっただけに惜しかった」

 

 容易く捕まってしまったが、2人は半分わざと捕まっていた。既にエックスもとい大地には伝達済であったし、変身できないだけでウルトラマンとしての力を無理矢理行使することはできた。その為、脱出チャンスは作れると、2人は焦っていなかった。もっと限界まで情報を引き出しておきたかったのが本音だったが、メルバは結果的に内原戸の失態を防ぐ結果に繋がってしまったようだ。

 内原戸本人は欠片もそんなこと思っていないようだが。

 

「こうなった以上、急いでタイガ達から力を返してもらわないと」

「……そういやタイタスはどこに?」

 

 ふと、気が付けばタイタスの姿がない。

 メルバの消滅に併せて、既に飛び立ってしまったようだ。おそらく、ジード達の元へ。

 

「不味いな」

「一度撤退するという考えを持ってくれたらいいが」

 

 デザストロだけでも、全員でかかる必要があるだけに、戦って消耗した彼等だけで果たして何とかなるだろうか。

 最悪の事態だけは避けてほしいと2人は願わずにはいられなかった。




タイタス戦にしたせいか、妙にキン肉マンネタが多かった。
次回、復活ガタノゾーア
デザストロ「あれ、俺は?」


・内原戸、語る。
暗躍大好きな奴って喋って良いんだ!ってなると滅茶苦茶舌回るよね。こいつもそういう奴です。
ずっと慎重でいた反動で、自分の策略とか暗躍を自慢したくてしょうがなくて、結果めっちゃ情報を落とすタイプ。

・メルバ頑張った。
赤き竜の面目躍如。実は大怪獣バトルやバトルブリーダーズではそこそこ上方修正されていたりする。後者では回避力がえげつないことになっているので、タイタスの技を回避させたりしました。フーマ相手だと避けられる、タイガ相手だとフォトンアースになられたらあの鎧を撃ち抜けるか怪しい、よってタイタス相手に突撃するのは正しかったが、賢者の筋肉は思った以上に硬かった。
結果的に闇の因子を消却させずばらまいたことで3匹の中では一番仕事してる。一番頑張ったのに一番可哀想な感じになったけど。

・ベネット頑張った。
マジでプロット上存在しておらず、モブ宇宙人でコマンドーネタ使った事から関連づけて出オチで出していた。当初は内原戸の残忍性出すために、ヒカルとショウの目の前で撃ち殺される役回りだった。
けど内原戸は遊ぶタイプだったので、キャラ行動により合うように動かしたら結果的に生存したどころか、ヒカルとショウを助けたり、ヴィランギルドに情報持ち帰り成功する活躍に。単独調査してたとか勝手に背景も生えてきた。メイトリックスも吃驚。

・古代ラパ・ヌイ語
ラパ・ヌイ語はイースター島で使われる言葉。古代ラパ・ヌイ語は現在もほぼ未解読の絶滅言語。初代メルバが眠っていたのもイースター島である。

・イカルス星人にはいい思い出がない
元々、顔より巨大な大耳に微妙に魚っぽい面構え、髪の毛ともみあげと顎髭と胸毛が融合したような謎の剛毛と中々インパクトある宇宙人だが、ヒカルが想起していたのは「イカカカカ」「イ~カ~イッカカカ~」「復讐してもイ~カっか?いいんか?ええのんか?」など変な笑いするうえに濃すぎる台詞をぶっ放すイカルス星人のこと。タイラント解説回に混ざったり、タイラント顕現の為に暗躍したり、人質取ったり、大分暴れていた。

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