トレギアだけど、元の宇宙に帰りたい   作:鵺崎ミル

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久々に一人称視点です。
じゃないとグリムド見えにくいし、オレギアの一人称生じにくいし(取り繕って『私』も多い為)。


タロウがいる。ガタノゾーアがいる。そしてトレギアがそこへ向かう。

 

 

 

「ううむ、ガタノゾーアがテンカイをゼットンシャッターごと即破壊、か。地球も一気に危機的状況、と。増援を検討だな」

「邪神怖いですね、ホラーですね」

「( ´・ω・)」

「グリムド凹むからそういうのあんま言わないでくれるか?」

「すみません」

 

 オムニバースにある玉座にて、俺はずっと事態を見守っていた。メフィラスから送られてくるデータを即時解析して、現地兵器にアップデートを施す役割があったのも事実だが、本音は介入タイミングを図る為である。

 

 だが、よほどのことが無ければ、趨勢が決まるまで向かう気はない。

 

 今のような事態であっても俺は直接動かない。増援も、あくまでロボット怪獣の追加に留める。

 タイガ達はもちろん、メフィラス達を信頼しているのもあるが、運命による軌道修正を警戒しての判断だ。しつこいようだが俺が正史におけるタロウと同じ闇堕ちするなど洒落にならない。メフィラスが自ら暗躍している理由も流石に察している。俺に万一のことがあればこの世界も滅ぶからな。

 まったく、少しは信用してほしいものだ。俺は俺のタロウに会うまで死ぬ気など毛頭──。

 

『タァーッ!!』

「(。Д。#)バオオオオオン!!」

「  」

 

 まってなんでタロウが? 俺呼んでないのに。どうして? なんで? え? 

 これまずいのでは? タロウだぞ? ああ、相変わらず素敵な輝きだ流石太陽。

 いやだから正史だとグリムドに闇堕ちさせられるからまずいって。いかねば。

 いやだぞタロウが一時的でも闇堕ちなどいやだだめだあってはならない。メフィラスがいる? いやタロウの隣にいるのは俺だから他に譲る気なんてないから。

 

 そうだよ。

 

俺 が い く し か な い。

 

「(; ・`д・´)」

 

 玉座を蹴り捨てるように立ち上がる。事は一刻を争う。タロウ! タロウタロウタロウ!! 俺が行くから間違っても闇堕ちしてくれるな!! 

 

「出陣する!! 俺のタロウじゃなくてもタロウだぞ!! 邪神に触手プレイなどさせてたまるか!!」

「陛下御乱心! 者どもであえであえ! 混沌皇帝陛下を抑えつけろ!!」

「突撃させたら俺たち全員メフィラスに殺されるぞ!!」

「メカゴモラを出せ!! ガッツ星人は分身して拘束ビームだ!! ヒッポリトも行け!! ブロンズ像にしても構わん!! 陛下を止めろ!!」

 

 俺の行動を制止しようとわらわらと配下のオムニバーシアン達が立ちふさがる。ここ玉座だぞ!? 俺一応お前らに皇帝扱いされてんだぞ!? 不敬ってレベルじゃなくない!? 

 つうか俺の判断が正しいだろタロウだぞ!? 邪魔してんじゃねぇよ!! 

 

「お前ら離せ!! タロウが! タロウが俺を待っているんだ────!!」

「どうかご自愛ください!! 陛下とてあの場に行くリスクは重々ご理解いただけていたではありませぬか!!」

 

 しがみつくグロテス星人*1を蹴り飛ばし、上空にカプセル投下させる気満々のヒッポリト星人にげんこつを叩き込む。

 

「痛い!!」

「陛下お許しを!!」

「ぐおおお!?」

「ガッツに続け!! 気絶するまで攻撃を仕掛けろ!!」

「後で土下座しますごめんなさい今はくたばってください陛下ァ!!」

「グワーッ!?」

 

 ガッツ星人が複数個体に分身し、一斉に光線技を放ってきた! それに続くように他のオムニバーシアン達も光線を放ってくる! 

 滅茶苦茶痛いんだけどこれ拘束ビームじゃなくてただの破壊光線じゃないか!! 手段選ばないつもりか許さねぇ!! 

 

「トレラアルディガ!!」

「ちょっ!? ぎゃあああああ!!」

「ガッツー!! みんなー!!?」

 

 ガッツ星人たちへ容赦なくトレラアルディガをぶっ放し牽制する。あちこちから放たれた光線全部直撃したせいで身体の節々が痛いが、気にせず転移に繋げる魔法空間への道を繋げる……繋げ……!? 

 

「なに……!?」

 

 次元に穴が開かない……だと!? 

 

 動揺していると、瞬く間にオムニバーシアン達が俺を取り囲む。やめろ、そんな懇願するように俺を見るな。今はタロウが最優先だ。

 流石にただ囲んでるだけの部下に攻撃を加えるほど理性吹き飛ばしてもいないので(ある程度理性吹っ飛んでる自覚はある)、視線の牽制だけでなんとか再試行を繰り返す。が、ダメだ。どういうことだ。

 

 そんななか、煤塗れのガッツ星人達の中からメカゴモラが進み出てくる。

 

『そこまでです、混沌皇帝陛下。サロメ星の偉大な科学力を持ってすれば……陛下の次元跳躍手段を封じることもできるのですよ』

 

 メカゴモラより音声が響いた。声の主はオムニバーシアンの研究部門主任、サロメ星人ヘロディアだ。

 なるほど、この次元封鎖の犯人はDr.ヘロディアだったか。確かに次元に纏わる研究をしていた彼女なら不可能ではない。って映像も遮断されてるじゃないか!!タロウがどうなってるかわからんぞこれ!!なんてことしやがる!!

 怒鳴り散らしたいところだが、まずは次元封鎖解除の為、説得を試みるべきか。

 

「……やるじゃないかDr.ヘロディア。まさか私の次元跳躍にすら干渉するほどだったとはな」

『元々私はダークロプスゼロのディメンションコアの研究で多次元宇宙の自由転移、侵略を計画していました。そして今も次元に関する研究を陛下に認めていただいているのです。当然の成果ですよ』

「私が認めた研究で、私の意志を妨害するのはどうかと思うが?」

『罰は如何様にも。ダークロプスゼロの叛逆で全てが頓挫し、失意のまま死に絶えるはずだった私を陛下が救ってくださった恩義は忘れていません。最高の研究環境を用意してくれたことも。ですが、いえ、だからこそ、陛下の暴挙は全力で阻止させていただきます』

 

 彼女の声からは強い意思を感じる。説得無理っぽいなこれ。

 

 彼女の言葉通り、彼女はかつてベリアル銀河帝国軍の試作器であるダークロプスゼロを偶然鹵獲。この機体を研究、改造することで次元干渉技術を獲得した。そしてあらゆる宇宙にサロメ製ロボット兵器『ニセウルトラ兄弟』を送り込んで支配下におくという壮大な計画を実行に移していたのだが……最終的に地球のレイオニクス達により阻止。その際、ダークロプスゼロが自律思考を取り戻し暴れだした為、彼女の基地はニセウルトラ兄弟の作成プラントごと崩壊。あげく「脆弱な命とやらでやっと活動できてるような奴が俺従えるとかないわーwww(要約」と煽られた挙句高所より落下させられ死亡している。

 

 そんな彼女をわざわざ並行同位体にして助けた理由は、次元研究が俺の役に立ちそうだったからだ。

 元の宇宙へ帰るため、きっと役に立つと信じていた。

 

 なのにまさかこのような裏切りをみせるとはな!! 何が「恩義あるからこそ阻止する」だ!! こうしてる間にもタロウがピンチになるかもしれないのに!! 

 

『前回の失敗と宇宙消滅の危機から、私は崩壊する次元の修復、固定に対する研究を進めました。その集大成がこれですよ! 今この場に限りこの次元は歪み1つ許さない強固な現実性を帯びている! 通常の現実強度を1とするならば、今この場は現実強度365!! サロメの科学力は宇宙一!!』

「おい、それ喋って良いやつなのか?」

『何故? 私の研究成果を示してこそでしょう? これはデモンストレーションにもなるのだから!』

「……」

 

 ガッツ星人が横からツッコミ入れているがヘロディアは気づいていないようだ。周囲はなにか察したようだがもう遅い。

 ……なるほど、現実強度の強化が転移阻害の原因か。

 通常の現実より約365倍強固にしてあるだけ、ね。ならば解決策は簡単だ。俺が科学者であることを失念しているようだなヘロディアよ。

 

『さぁ陛下、大人しく玉座にお戻りください。そう御心を砕かれずとも、貴方様の親友であるタロウはサロメの科学力でもってしても再現できなかった唯一のウルトラ兄弟。現地にいるニュージェネ戦士達やメフィラス様が必ず邪神を撃ち滅ぼしてくださいます』

「……」

 

 この場を脱する唯一の方法を選択することを固めた時、ヘロディアの宥めるような言葉が僅かに俺を逡巡させた。

 ……そうだな。その通りかもしれない。

 Dr.ヘロディアの言葉は正しいと頭の片隅で理解した。

 

 だがな……俺はトレギアだ。タロウ無しでは存在できないウルトラマンだ。その俺が、タロウの危機を知り動かない事は自我の否定を意味する。

 それにな、このやり方は初めて試すんだ。やると決めたからには好奇心が疼いてもう止められない。

 

「ふふふふふ……はっはっはっはっは!!」

『!?』

 

 思わず高笑いしてしまうが、許してほしい。

 タロウの事もあるが、俺はトレギア、狂おしい好奇心。やっちゃいけないことはやってみたくなる主義なんだ!! 

 

「そうだったな。確かにゾフィーすら再現していたニセウルトラ兄弟にタロウはいなかった。やはりタロウは素晴らしい太陽だ。だが、その太陽あっての私なのだよ、Dr.ヘロディア」

『……あの、諦めるとか自重するという選択肢は』

「ない!! Dr.ヘロディア、今からお前の自信を再度打ち砕くことになるが許してくれよ?」

 

 いつも使う移動方法を完全に封鎖されるとは思わなかった。

 しかし、あくまで負担なしの移動が不可能になっただけだ。

 

「現実強度か。確かにこの概念に注目したのは評価に値する。ウルトラの科学力でも研究途中の分野だったからな。だが、邪神グリムドの権能に、そのような概念は通用しない」

「(*・▽・)」

『ちょっと!? 陛下それはずるいでしょう!?』

 

 メカゴモラが慌てて俺の身体を抑え込みにかかるが、既にグリムドは行動に移している。

 俺以外の全てを弾く力場を形成し、メカゴモラどころかオムニバーシアン達全員を弾き出した。

 

「グリムド!! 『門』を開け!!」

「(`・ω・´)」

『陛下……!?』

 

 グリムドの権能を用いての、強引な門による移動を実行する。

 吹き飛んだ部下達が青ざめているが、すまないな。タロウが闇堕ちする可能性など俺は耐えられない。長男でも耐えられない。

 タロウへの深き愛と、好奇心の後押し! そう、この行動は正義なんだ!! 

 

 補強されていた故だろうが、次元そのものが振動を起こしている。

 やがて何かが砕けるような音と共にヘロディアの悲鳴が聞こえた。恐らく次元強度を高めていた装置が稼働限界を迎えたか計測データが吹き飛んだのだろう。本当に申し訳ない。

 

 ついに混沌の力で強引に歪んだ『扉』が俺の前に現れる。

 躊躇なく開けば、その扉の先は視界に入れるだけで正気を削るような、何もかもが歪んで混ざった空間があった。俺の背中にいたケットル星人*2が泡を吹いて倒れた。精神抵抗に失敗したらしい。ごめん。

 

「ちょ、陛下!? それ絶対ヤバイ転移ですよね!!? それ御身無事で済む奴なんですか!!?」

「無傷ではいられないが、グリムドの力で全身を保護して軽減する。この深淵に入口と出口、距離の概念を強引に敷くわけだから消耗もあるだろう。タイガがいる宇宙への距離との計算上、まぁ全身の表皮が溶ける程度で済むはずだ」

「あんた馬鹿だろ!!?」

 

 うるせぇ!! こうしてる間にもタロウはガタノゾーアと戦っているんだぞ!! 

 生存は問題ないからいけるいける!! 

 ヒッポリト星人の罵声も無視して俺は歪んだ世界へ飛び込んだ。

 

『ひどい! 頑張って作ったのに!! ちゃんと世界の安定の為の研究だったのに!!』

「ヘロディアガチ泣きしてるんだけど。陛下さぁ……」

「メフィラス様に説教してもらおう。身体あちこち痛ぇ……」

 

 扉が閉じる瞬間、流石に罪悪感覚える内容が聞こえたが清算は終わってから受け付ける事にする。

 今はタロウが最優先だ!! 許せ!! 

 

 

 

 

 

 

「行ってしまわれた……気絶狙いの攻撃が裏目に出たなぁ。万全とは言えない状態で皇帝遠征させるとか俺ら後でメフィラスに殺されるな」

「ま、まぁ消耗前提の移動手段選んだから同じってことで……」

「子供でも使わんぞそんな言い訳。かといって転移を許すわけにもいかなかったし、力づくしかなかった。結果がこのざまだが」

「ところでタロウの救援で赴くとか言いながら、傷だらけの消耗状態で向かうのどうなの?」

「普通は足手まといになるのがオチな気がするけど、まぁ陛下だし」

「一応回復手段はあるはずだから……最悪グリムド様がなんとかするでしょう」

「……いや、それで済ませたら俺達ただの無能で終わるぞ!! ヘロディア!! 次元固定はもう解除されているか!?」

『ぐすっ……ええ、陛下のせいで装置は木っ端微塵です最悪です。装置壊れた時点で通常転移は可能だったのにあのまま危険な転移するなんて……中断不可能だったのかもしれないけど、だとしたら本当に考え無しよ!! 陛下のアホ!!』

「愚痴は後で聞くから、俺達も通常転移で陛下に続くぞ!! オムニバーシアン軍団、出動だ!!」

『あ、少しだけ待って。今あの場に時空間転移手段用いると出現ポイントにシャドウミストが出迎えて即死するってレギオノイド達から情報来てる』

「「「「はぁ!?」」」」

『グリムド様が憑いてる陛下は問題ないでしょうけど、私達は致命的ね。対抗処置を施してから転移します。サロメの科学力が邪神に負け続けるなんて認めないから!!』

 

 

 

 ◇

 

 

 

 位置関係の全てが不明瞭。五感の全てが信用できない深淵の道を俺は漂う。漂っている気がする。

 今はグリムドが俺の肉体を可能な限り保護しながら全てを先導している状態なので、まだマシだが、生身で放り出されれば回転でもしなければ大変な目に合うだろう。

 

 ここは魔法空間でもなければ、異次元空間でもない。

 

 ここはあらゆる世界の深淵だ。

 

 ある世界の魔術概念では虚数空間。ある世界では『あらゆる場に繋がり、あらゆる場と繋がっていない場所』、ある世界では裏世界(バックルーム)とも呼称される。

 

「(・ω・)」

「聞こえるか、トレギア」

 

 あまり観察すると、妙に魂頑丈な俺ですら摩耗しかねないからほどほどにしているが、なかなか興味深いな。

 異次元空間であれば割と馴染み深いものなのだが、そんな世界でも存在する『法則』という概念そのものがまともに機能していないようだ。グリムドあってとはいえ、面白い。

 

「( ´・ω・)」

「ふむ、駄目か。我らとも会話できる可能性があるとみて、深淵の通過に賛同したのだが」

 

 ん? 何か言ったかグリムド。

 今会話と言ったか? 思念に関してはいつもよりわかりやすくすら思うぞ。

 ……なるほど、あらゆる法則が不安定ということは、より接続しやすい環境という事か? 

 

「(*・▽・)」

「おや、僅かながら聴こえているのか? それは……うん、喜ばしい」

 

 喜んでいるようだが、正確な言語とまで理解はできていないぞ。

 概ねの意味合いは伝わってくるが。

 

「(*^▽^)」

「構わない。ああ、嬉しいな。以前は大失敗をしてしまったが故に。そうか、擬人化態に拘らなければこの程度の深度でもいいのか……だがせっかく造形を整えたのだから、諦めるには惜しいな」

 

 随分と喜んでいるのは構わないが、ちょっと引っ掛かるように感じるぞ。

 なんか前にやらかしたのかお前。そういや、そんなことあった気がするな。記憶がごっそり削れてたあれか。

 

「(・ω・)ノ」

「トレギアよ。我が永遠の使徒(ゆうじん)にして伴侶よ。其方の望み……其方が太陽と呼称する存在を求める事を、我らは歓迎する。其方に限らず、あらゆるトレギアがあの太陽に向ける情動は面白い。故に、我らは変わらず在るつもりであった」

 

 ……うん? 

 更に引っ掛かりを覚えるような単語で受信した気がするが。やはり接続しやすくなったといっても定義の帳尻合わせがうまくいってないのだろう。まぁそこはいい。重要なのは、俺がタロウに執着することをグリムドは気にしないどころか楽しんでいるという事だろう。今更懸念を覚えたわけでもないが、グリムドから直接承諾を得たのは好ましい。

 だが、グリムドにとって懸念要素があるようにも感じるな。なんだ? 

 

「(;´・ω・)」

「気掛かりがあってな。これより対峙する◾️◾️◾️◾️◾️◾️……ああ、知的生命体はガタノゾーアと呼称しているのだったか。我らの総意は、其方にアレと戦わせたくはないのだ」

 

 今のははっきりと分かったぞ。ガタノゾーアと戦わせたくない? 何故だ? 

 

「(・ω・)ノ」

「成しうる限り、彼等光の戦士に戦闘を委ねてもらいたい。其方が絡むと、アレは其方に興味を抱くかもしれないだろう? 我らと共に在る唯一無二の生命なのだから」

 

 なるほど、確かに。

 俺は邪神グリムドと共に在る状態を維持し続けているウルトラマン。

 ガタノゾーアからすれば、かなりの異形として映ると同時に、意識を向けるに十分であると。

 それは厄介かもしれない。ただ殺しにかかるものなら簡単だが、何をしてくるかわからなくなる。

 

「(´・ω・)」

「然り。アレに其方が意識を向けるのは、我らは好ましくないのだ。知的生命体の抱く情動基準により沿った表現としては……そうだ、浮気はしないでくれ、辛い」

 

 ……なんて? 

 今俺の認識がゆがめられていなければ、浮気とかいう情報単語が捻じ込まれた気がするのだが。

 

「(・ω・)?」

「? 定義は間違っていないはずだが。我らの使徒(ゆうじん)たる其方が、我らより別たれたるモノに意識を向けるのは浮気と呼称する不徳であろう」

 

 ……。

 なんか久々に『文化が致命的にすれ違ってる系異星交流』並の認識の違いを覚えたが、突っ込むのはやめにする。

 必死に思考を回すことで意識を逸らしていたが、正直きつい。じわじわと溶かされているような激痛が酷い。

 

「(`・ω・´)」

「心配するな、そろそろ辿り着くぞ。我らは共に在る。お前の情動に応えてみせよう。存分に太陽を救うと良い」

 

 おお、ありがとうグリムド。

 そうだタロウ、タロウの為にならこんな痛みなど!! 

 

 扉がみえてきた! 

 

 いまいくぞ、タロオオオオオオオオ!! 

 

 

 

 

 

 

「タロオオオオオオオオ!!!」

「(`・ω・´)」

「えっ、トレギア!?」

「(。A。)!?」

 

 扉から零れ落ちるように、海面にべちょりといった感じだがなんとか降り立つ。

 てか全身痛ってぇ!! あちこち焼けた様に爛れてるんだけど!? でもタロウ見たら痛くない!! いける!! 

 

「トレギア、その姿は……!?」

「やぁタロウ。姿? ああ、傷は気にしないでくれ。急いだだけだすぐ治す」

「いや、傷もだがそのマント……」

 

 マント? 

 

 あっ。

 

 やっべぇ、混沌皇帝正装(闇堕ちトレギア+マント)のまんまだったわ俺!! 

 いや違うんです闇堕ちっぽいけど闇堕ちはしてないんです信じてくれタロウ!!!!

 

 

*1
(「帰ってきたウルトラマン第43話:魔神、月に咆える」に出てきた宇宙人。なんか両手が銃器になっているが、グローブっぽいのであくまで武装。人質作戦と暗殺作戦でMAT壊滅を目論んだ侵略宇宙人で、神社に祀られていた像にグロテスセルを注ぎ込んで魔神怪獣コダイゴンにしてジャックと戦った。最終的に縦真っ二つにされて死亡。コダイゴンも元の石像に戻った。グロテスセルは後にメビウスでも再登場する)

*2
(ウルトラマンレオ第11話「泥まみれ男ひとり」にて登場した宇宙人。銀髪と赤いグラサンみたいな目が特徴で、アトミックランスという槍を自在に扱って戦う。本編中では特に言及されていないが長寿種族であり、それゆえ超少子化と老衰個体多数という滅亡危機に晒されている。その1個体が地球に襲来した理由は、似たような事情を持っていたワイルド星人と同じく生命エネルギー確保による延命……ではなく「嫉妬からの侵略」。地球人みんな若くて繁栄してずるい!! 殺してやる!! という情状酌量の余地皆無な理由で地球滅亡を目論んだ。老衰してるという割には普通に強い)




この作品の読者様がたには周知の事実ですが、このトレギアはアホです。
そんで転移側の話書いただけで5000字突破したんで区切ります。展開が進まないなぁ!?

・オレギア視点のガタノゾーアが顔文字状態
カオスグリッターによる精神と魂保護、そしてグリムドが体内に巣食ってる影響で、他の邪神達への認識がこんな具合に軽減されています。
内原戸含む他視点では正気を削ってくる巨大鳴き声強調されているけど、オレギアからすると「なんか法螺貝吹いた音に似てるな」レベルまで減衰。

・オムニバーシアン達、必死の抵抗。
光線技はやりすぎである。それだけ、ガタノゾーアと相対する危険性を理解していて、オムニバーシアン達にとってのトレギアは玉座で大人しくしていてほしい存在でもある。
元の宇宙へ帰るという目的にのみ執着しているので、願いが叶った後もオムニバーシアンという組織維持してくれるなら、生きてる限り安寧が約束されているトップ。リスクがある場所になんかそれこそ叛逆罪認定受けてでも阻止したい(こっちの実情わかってくれてるから死刑はないと踏んでいるのもある)。

・ニセウルトラ兄弟にタロウは存在しない。
公式設定。ウルトラホーンとウルトラ心臓が再現不可能。
本当タロウ、色々おかしい。

・トレギアは狂おしい好奇心を抑えられない。
公式設定。幼少期から「入るな!」と書かれた場所は入ってしまう問題児である。
タロウ関係で冷静でないところに好奇心が顔出したらもう理性はブレーキを踏まない。
ちなみにこの行動原理はオレギアではなく、トレギアであっても同じ(今回みたいな場合は、タロウが自分以外のクズが原因で曇る可能性に耐えられない理由から。好奇心から深淵も平気で乗り込む。死んでも気にしない)になります。タロウいないだけで光の国から価値を見出せなくなったり、SAN0になってもタロウの事だけは忘れられず心にへばりついてた男だからしょうがない。

・【朗報?】グリムド、より深いコミュニケーションに初成功。
深淵を潜り抜けるルート道中限定。場所と、トレギアを保護する目的で、全身に浸食していた為うまくいった。
番外の擬人化計画で用いられた口調でのトークですが、外見イメージは邪神魔獣グリムドのままです。
内容はガタノゾーアに浮気しないでねという牽制。邪神の価値観はわからない。

・オレギア、マント装備のままだった。
しかも仮面付けた闇堕ちスタイル。ただしタロウからすると、タイガ本編1話で闇堕ちしきったトレギアと戦っているため、その仮面そのものは驚いてない。
でも親友(並行同位体)が、怨嗟宿ったようなボイスと共に、傷だらけでめっちゃ仰々しいマントも羽織ってきたら流石に動揺する。
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