トレギアだけど、元の宇宙に帰りたい   作:鵺崎ミル

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全力でタイトルバレしていくスタイル


決着!レイガ降臨!!

 

 内原戸は困惑していた。

 

 

 何故、自分が大いなる闇の触手に囚われているのか。

 

 

 内原戸は動揺していた。

 

 

 何故、自分の力が吸われるように失われていくのか。

 

 

 内原戸は当惑していた。

 

 

 何故、大いなる闇が自分に敵意を向けているのか。

 

 

 内原戸は混迷していた。

 

 

 何故。何故!? 何故!!? 

 

 

「大いなる闇ッ……何をッ……手を出す相手を間違えて……ッッ!?」

 

 内原戸はここで致命的な失敗を選択してしまう。

 憤る邪神に対し、弁明や謝罪より先に、糾弾の言葉を吐こうとした。それは、今彼ができる選択肢でも最悪に近い。

 神の結論を留めるのであれば、慈悲と理由を乞うべきだった。

 

 故に、邪神の結論は変わらず、もはや不愉快なだけである彼の全身を締め上げ黙らせた。

 当人にとっては、あまりに唐突な邪神の裏切りである。主催者として失態を重ねた際は、破滅を恐れた。だが、その時は結局何もなかったじゃないか。敵が出揃った今、自分を攻撃する意味がわからない。

 

 締め上げられながらも、理不尽に見舞われているのは己だと、内原戸は怒りさえ混じらせガタノゾーアを睨んだ。

 

──バァオオオオォォォォォン……

 

 ガタノゾーアはそんな内原戸を嘲笑う。

 もしあの時狙われたならば、逃げ出しただけだろうと。内原戸がメルバの攻撃にも、この戦闘フィールドにも、こうして触手に万力で締め付けられても生存できている理由を邪神は知っている。

 

「……!!?」

 

 締め上げられた内原戸の懐から、何かが邪悪なオーラを纏って離れる。それはガタノゾーアの外殻より創り上げられた、真円を成す『鏡』。かつてこれを海底山脈より引き揚げた潜水調査船*1のクルーは『皿』と仮称し、内原戸本人は『タブレット』と呼称した。

 

 事実、それは現生人類の知らない深淵の魔術を操る触媒にもなり、ガタノゾーア自身を呼び起こす切っ掛けの1つにもなる。縁にある文字が読めてしまったが最期、脆弱な者は深淵に囚われるが、内原戸にとってはなんら問題ない文字であり、思うが儘利用してきた神具でもあった。

 

 それを取り上げられるということは、より強固に働いていた防護魔術の全てが失われることを意味する。

 ガタノゾーアの口蓋の奥へと消えた『タブレット』。彼を守ってきた防御呪文も、保険として用意していた転移魔法も、既に機能しなくなっていた。ようやく己の末路を悟った内原戸は絶望の色を浮かべる。命乞いなど邪神に通じるわけもない。

 

「……ッッ!!!」

 

 なんのことはない、散々他者を利用し、使い潰し、悪辣に振る舞ってきた存在に順番が回ってきただけ。

 それでもなんとか助かろうと、恥も外聞も捨ててウルトラ戦士達へ助けを求める為に叫ぼうとする。無論、そんなものガタノゾーアが許すわけもない。

 

──バァオオォォォン……

 

 丁寧に極小のレーザーでもって撃ち抜かれ、内原戸の肉体が石化していく。

 抵抗すらできず、あっさり物言わぬ石像と化したそれを、ガタノゾーアはもはや用はないとばかりに街へ向かって放り捨てた。

 

 

 

 ◇

 

 

 

「(。▽。)バオオオオオオン!」

「あの邪神、召喚者を殺しやがった!」

「哀れな男だったな」

 

 割と冷静に、間抜けな案内人の死を流すウルトラ戦士達。冷たいようだが、彼等は救えない者を救うほど傲慢ではない。

 というか、事が済んだら処☆刑は確定事項*2である。更生、改心、和解の機会があるならばともかく、基本的には現行犯抹殺する戦士が大半だ。

 

「……」

「(・ω・)?」

「いや……ある意味あいつも運命の犠牲者と思ってな」

 

 あっさり捨てられた内原戸を、俺はどこか憐れんでいた。

 ヤツがああいう末路になる事はわかっていたからだ。タイガ劇場版(正史)における黒幕……トレギア()は、タロウがグリムドから脱した事で絶望し自らグリムドと完全同化する。結果肉体は耐えきれず完全に消滅するのだ。

 その役割をわざわざ担ったなら、このタイミングで退場する運命に囚われる。知っていればひっくり返せただろうに。

 

 それにしても、ガタノゾーアは奴の肉体を食らうこともせず、砕いて海に還すこともせず、陸地へ投げ捨てて朽ち果てる結末を選んだのだな。

 光を通さぬ石の眼からでも地球の終焉を見届けさせる慈悲とみるか、徹底的な拒絶とみるか。

 

「(。▽。)♪ バオオオオオオン!」

 

 拒絶ですねこれは。内原戸掴んだ触手自切してエンガチョしとる。

 

 って!? 

 

「危ない!!」

「( `・ω・´)ノ】】】」

「(。▽。 )バオオオオオオン!!」

 

 グリムドと共に在るおかげか、ガタノゾーアの意図にいち早く察することができた。

 あのアホ始末する間に攻撃準備も整えてやがった油断も隙もねぇぞこいつ!! 

 笑いまくる膝に鞭を打って前に飛び出し、今出せる全力でバリアを貼る。

 

「(。▽。 )バオオオオオオン!!」

「ウオオオオオオオオオオ!!?」

「トレギアッ!!」

 

 暗雲と触手から全方位雷撃だと!!? 

 そんな技知らんぞ!! 

 タロウも続いてバリアで防いでくれなかったら普通に押し負けていた。だがなんとか防ぎきって彼等を守る。

 揃って早々に潰されてなるものか!! 

 

「……ぐふっ」

「(;´・ω・)」

 

 雷撃が終わると同時に、今度こそ膝をつく。

 なんとか防ぎきった。きっつい……!! 

 

「無茶するなトレギア!」

「無茶されたくなければ、ガタノゾーアの前で隙を晒すなウルトラ戦士達!!」

 

 きついなかで、声を張り上げる。

 同じ事されたら今度は庇うことすらできんぞ!! 

 

「(。▽。)バオオオオオオオオン(すきをさらしたのはおまえだよ)

「!!?」

 

 やばっ!? 

 

 気づいても体が動かない。水面下から伸びた触手が瞬く間に俺を捕えてガタノゾーアの眼前まで引っ張り上げる。

 ああくそ、最初から狙いは俺かよ!! 

 

「トレギア!!」

「(#`・ω・´)」

「(。▽。 )♪ バオオオオオオン!」

 

 器用に首だけ締め上げて掴み上げやがる……ッ!! 

 グリムドが怒って俺の身体から破壊電磁波をまき散らしているが、ガタノゾーアは痛痒の素振りすらみせない。

 そのまま、俺の身体を盾にするようにタロウ達へ突きつけた。

 

「トレギアは私が助ける!! お前たちはガタノゾーアを!!」

「はい!!」

 

 無論、それで足を止めるような軟弱な戦士達ではない。

 というかギンガビクトリーに至ってはちゃっかり殴れるなら殴ろうぐらいに考えてそうな目してて怖いんだけど。

 

「(。▽。)バオオオオオオオオン!!」

 

 ウルトラ戦士達が飛び回り、ガタノゾーアの触手がそれを撃ち落とさんと猛威を振るう。

 時折雷撃やシャドウミストをばら撒いているが、今のニュージェネ達はなんとか対応できているようだ。

 その高速移動と牽制技は囚われている俺では追いきれないほど。本当に頼もしい。あとお荷物でごめん。

 

「タロウカッター!!」

 

 ガタノゾーアの対応力に僅かな隙が生じたのをみて、タロウが切断技でもって俺を触手から解放した。

 

「守ると言った矢先にすまない、トレギア。大丈夫か?」

「いや、助かった……」

 

 最悪食われると思ったからな。

 闇の力を増幅する為に俺(というかグリムド)を襲うぐらいのことは想定していた。

 しかし、結局は俺をただ盾をして使っただけ……。

 

 

 ……いや、違う。

 ニュージェネ達をばらつかせたかったのか!! 

 ガタノゾーアの隙を作らせる為だけにニュージェネ達は距離を取りながらも高速軌道で攪乱する手段をとり、結果として包囲の形を取った。

 奴にとって一番ダメージが発生し得たのは個々の一斉攻撃よりも一極集中の合体光線なのは間違いない。それを避けたかった? 

 

 

 ……その光線を撃たれる可能性がある一番大きな隙を晒しても間に合うようにしたかった? 

 

 

「ああくそ、思考が追い付いてもどうしようもないな」

「(。▽。)バオオオオオオオオン!!」

 

 ウルトラ戦士達へ警告を促す前に、ガタノゾーアの全身から闇が吹き出した。

 ガタノゾーアから感じられる圧が瞬間的に増幅する。

 

 間違いない。己を強化する気だ。

 更なる強化形態、本気を出す為にわざわざこんな手を打ったのか。万が一を警戒して。

 

 ……遊びを捨ててやがる。

 どれだけあの最強の光(グリッターティガ)の再来警戒しているんだくそったれ!! 

 

 

「させるか!! トライストリウムバースト!! 

 

「ベータスパークブラスター!!」

 

「クレセントファイナルジード!!」

 

 

 察したタイガ達がそれぞれ光線技を放つが、既に段階始めという最大の隙を回避した今のガタノゾーアには通用していない。

 巻貝のような外殻に収まっていた首が長く、長く伸びる。ハサミはより鋭利に。触手は更に本数を伸ばし、強靭化しているのがわかる。

 そしてただでさえ巨大であった体躯が、更に大きく、強大なものへと変質していく。

 

 完全に見上げるほどの巨躯となった邪神が、俺達を見下し咆哮する。

 

 

──バァオオオオオオオオオオォォォォォン!! 

 

 

邪神

ガタノゾーア

第二形態

 

 

 ……まさかタロウと俺が対峙してた時ですら本気じゃなかったとはなぁ。

 俺は知らんぞこんな形態!!? デモンゾーアなら知ってるけど!! 

 

 

「「ウルトラフュージョンシュート!!」」

 

「トリニティウム光輪!!」

 

「「「グルービング光線!!!」」」

 

──バァオオオオオオオオオオオオォォォォォン!! 

 

「「な!? ぐあっ!?」」

「ぐぅッ!?」

「「「いった──!?」」」

 

 ギンガビクトリー、オーブトリニティ、グルーブの必殺光線を重ねた極大合体光線。

 今のガタノゾーアにはそれすら通用しない。大爆発を起こしながらも、その身には傷一つできておらず、逆にカウンター気味に振るわれた触手と貫通レーザーで最強の戦士達を容易く海面へ叩きつけた。

 一瞬石化を恐れたが、流石は最強形態。各々大量のエネルギー消費(カラータイマー点滅)を代償に防ぐことはできたらしい。

 いや早いって!! これつまり個々で戦う限り俺達に勝ち目がないレベルの戦力差ってことだろ!!? 

 

 ……よしレイガだな!! レイガじゃなきゃ勝てんわこんなの!! 

 

──バァオオオオオオオオオオォォォォォン!! 

 

「負けるわけにはいかない! 俺は、俺達は、一歩も引かない!!」

「よく言ったタイガ!!」

「父さん!」

 

 勝ち誇るガタノゾーアを前にしても毅然と立ち向かうタイガの隣に、タロウが立つ。

 

「戦士達よ、皆のエネルギーをタイガのウルトラホーンに集めるのだ!!」

「!!」

 

 流石タロウ!! 最適解だ!! 

 だがガタノゾーアがその選択を許すわけがない。

 タロウは単独で盾になるつもりだろうが、恐らく今のガタノゾーアだと阻止される可能性がある……!! 

 なんとか力になりたいが……ぐぅ、グリムドの力を引き出す余力がない……!! 非力な己が恨めしい!! 

 

──バァオオオオオオオオオオォォォォォン!! 

 

 タイガの元へニュージェネ達が集まるのを見たガタノゾーアが怒りの咆哮をあげる。

 やはり気付いている!! 

 

「息子たちの邪魔はさせん!!」

 

 全てを貫く闇の一撃を、タロウが全力をもって防ぐ。俺が受けた貫通レーザーとは数段上の威力を持つ概念攻撃を無力化しながら防ぎきってるの流石タロウとしか言えないが、やはり手が足りない。レーザーを放ち続けながら、ガタノゾーアの触手が散開する。

 また全方位攻撃を仕掛ける気だ!! クソ、まずいまずいまずい!! 

 

『いやお前なんの為に、ここまで俺達温存してたんだよ。結構空気読んで黙ってたと思うんだが? あ、ゴロ』

『キャシャー!!』

「!!」

 

 ……!! 

 そうだった!! 

 

『おいコラ』

『キシャー!!』

「いや忘れてたわけじゃなくて……ともかく頼む!!」

 

 想定済みだったが、余裕なくして失念してただけだと言い訳しながら怪獣リングを解き放つ。

 同時にタロウはおろか、タイガ達をも狙った雷撃と触手の嵐が放たれる。

 前面からの攻撃はそれでも巨大バリアで防ぎきるタロウだったが(流石タロウ!)、バリア外へ回り込んだ攻撃は防げない。

 

「ゴンロロロォ!!」

「キシャ────!!」

 

 だがウルトラ戦士達は傷つかない。怪獣リングから顕現した雷神と邪願獣がタロウ達に迫っていた雷撃を悉くはじき返した。

 よくやった!! ゴロサンダー! スネークダークネス! まさか邪神の攻撃に対応できるとは!! 最悪肉壁で終わると思ってた!! 

 

「んん!?」

「気にするなタロウ!! 仲間だ!!」

「そうか!!」

 

 突然出現した増援に驚くタロウだが俺の短い言葉で納得してくれる。ありがたいが信頼が重いな。

 

──バァオオオオオオオオオオォォォォォン!! 

 

 怒り猛るガタノゾーアだが、俺を放置しきったのがいけないのだよ。俺は確かにもうお荷物だが、俺が揃えたカードはまだまだあるんだ! 

 

「「「……」」」

「……」

「キャシャー?」

 

 タイガへ力を託す中、グルーブとジードが俺とスネークダークネスをめっちゃジト目で観てくるけど気にしない。

 ちゃうねん、このスネークダークネスはカツミ君の友人が変身した本人とかじゃなくてあくまでソフビ人形が元になった奴でね? 

 

──バァオオオオオオオオオオォォォォォン!!! 

 

「「「ギャシャアアアアアアア!!」」

「「「グオオオオオオオオオン!!」」

「「「シャギャアアアアアアアア!!!」」」

 

「おっと、ゾイガー集団ときたか」

 

 ガタノゾーアの外殻の穴。今や直径数十mにもなるだろうそこから、無数のゾイガーが出現する。

 更なる手数で阻止する算段らしい。だがな! まだ怪獣リングはあるんだぞ!! 

 

「!!」

 

 人質作戦のつもりか!! 

 ゾイガー達の半数が方々に散っていく。

 タイガ達への動揺を誘う狙いなのは明白だ。だが、放置すればゾイガーの群れが世界中を焼き尽くし、仮にガタノゾーアを倒してもこの地球は荒廃するだろう。

 

「これはまずいぞトレギア!」

「安心しろタロウ、タイガ!! これなら手はある!!」

 

 カードはまだまだあると言ったぞガタノゾーア!! 

 いけるか? Dr.ヘロディア!! 

 

『はい陛下!! シャドウミスト対策完了済です!』

「よろしい! オムニバーシアン!! 地球を守れ!!!」

「( `・ω・´)」

 

『『『『『混沌皇帝陛下万歳!!』』』』』

 

──バァオオオオオオオォォォォン!!? 

 

 飛び立つゾイガー達の前にシャドウミストの阻害すら弾いて配下たちが転移する。対策は打ってくれていると信じていたが、大したものだ。

 

「これがガッツの分身殺法だ!!」

「ハンドカノン!!」

「ギュルルルルルル!!」

『メカゴモラ、フルバーストォ!!』

 

 ガッツ星人がゾイガー達を無数の分身で困惑させ、グロテス星人がそこを逃がさずバルカン攻撃で撃ち落としていく。

 動きの鈍った個体をヒッポリト星人やシグナリオン*3が仕留めていき、メカゴモラがなんか滅茶苦茶重武装背負って全方位一斉射撃とかいう浪漫技を披露していた。

 

 撃ち漏らしも当然逃がさない。

 

「巨大化は嫌な思い出しかないがしょうがない!!」

「ゼアーッ!!」

「ゲギャアアアアアア!!?」

 

 街へ飛んだゾイガーはザラブとウルトラマンシャドーによって撃墜。

 あいつベムスター使役がメインだったはずなのになかなかやるじゃないか。

 

「この場に残るゾイガーも片づけてしまえ!! いけ、ゼットン!! ブラックギラス! レッドギラス!」

「ピポポポポポ」

「ヌガーヌガー」

「モガーモガー」

 

 残る怪獣リングを起動。

 出現したゼットンが火球を連続発射して、ゾイガー達を残らず撃墜。ブラックギラスとレッドギラスはそんなゼットンを囃し立て喝采している。

 いや働けよ。

 

「トレギアお前どれだけの……!?」

「うん、絶対怒ると思うけど言い訳は後でさせてほしい!!」

 

 流石にタロウからツッコミが飛んできた。

 すまん、やり過ぎている自覚はある!! でも向こうだって手段選んでないから!! 

 

──バァオオオオオオオォォォォン!!! 

 

 ガタノゾーアの咆哮に僅かながら焦りが混じっている。

 タイガ達はタロウが完全に守り抜き、その側面をゴロサンダーとスネークダークネスが支えている。

 無数のゾイガー達は誕生して早々に海域を脱することすら叶わず海の底へ沈む末路を辿っている。

 

 きっとこのままであれば、やがてガタノゾーア側が押し切ってくるだろう。

 雷撃も闇の一撃も、オムニバーシアン達では1分も持てば良い方だ。

 だが稼ぎたかったのは僅かな時間。その分ならば彼等はしっかり機能するのだ。

 

 レイガまでの時間を稼ぐだけじゃない。

 

 この戦い、お前が自ら演出狙いで中継させてたの忘れてやしないか? 

 

 ギンガビクトリーたちがタイガのウルトラホーンに光となって吸い込まれていく中、さらに世界中から希望の光がタイガへ降り注いだ。

 

 

 

 ◇

 

 

 

 ─避難所─

 

「頑張れウルトラマン!!」

「宇宙人達も頑張ってくれ!!」

「地球の為に必死になってる彼等になにかできないのか!?」

『あります』

「「「!?」」」

『希望を捨てず、ただ祈ってください。それが、光を高める最大の力なのです』

「ただ祈る……そんなことで?」

『祈りを馬鹿にするものではありません。貴方も応援されて力が漲ったことがあるでしょう? 光とは、希望を未来へ繋げる力。祈りはとても大きいのです』

「わかった! 本当にそれが少しでも彼等の為になるなら!」

「ところで、あんた誰」

『らっきょう売りです』

「「「???」」」

 

 

 

 ─外事X課本部─

 

「佐倉さん、この光は!? 人々から……!?」

「わからないが……暖かい光だ。ウーラーの輝きを思い出すよ。なるほど希望を捨てるな、か」

「グローザムさんはこれを知ってて……」

「さぁな。俺はオカルトは信じない方なんだが。けれど俺達も、ウルトラマンに希望を、光を届けよう」

 

 

 

 ─E.G.I.S.─

 

「すごい……!」

「世界中から、輝きが……!」

『あの光、ヒロユキんとこに向かってるんだろ? じゃあ俺達も送らないとな!』

『レッドギラス!! ブラックギラス!! もうちっと頑張ってくれよ!! なんでゼットンの腰巾着してるんだよ!』

『マグマうるせぇ!!』

『俺はタイガ達よりレッドギラス達の為に祈る!!』

『えぇ……いやまぁあいつらも味方なんだろうしいいけど』

「なに? マグマ君とあの怪獣に何の接点が???」

 

 

 

 ─ヴィランギルドアジト─

 

「あいつら他の宇宙から来たのか。けっ正義面しやがって」

「でも、格好いいっすね」

「ほら貴方達も、ちょっとは気張りなさい!!」

「おう、そこの姉ちゃんの言う通りだ!! この際地球人も宇宙人もウルトラマンもねぇだろ!!」

「ベネット……そうだな!!」

「10万ドル無くたってポンと祈ってやるよ感謝しろよウルトラマンども!!」

 

 

 

 ◇

 

 

 

 インナースペースにいるヒロユキの手元には、ウルトラアイやウルトラゼロアイを彷彿とさせる新たな変身アイテム、ニュージェネレーションアイがあった。

 フレームは赤、青、黄がメインで彩られ、中心部は銀、赤、黒。そしてカラータイマーを思わせる青い宝玉が輝いている。

 

「……ものすごいパワーだ」

 

 ニュージェネレーションヒーローズの力が集約されたそれは、持つだけでも強大なエネルギーが秘められている事が伝わってくる。

 手の震えが止まらない。だが、この力を前に逡巡している場合ではない。

 全力でガタノゾーアの猛攻を防ぐタロウや、トレギアがいつの間にやら増やしていた手勢が稼いでいる時間は一瞬でも無駄にできない。

 

「よし!!」

 

 ヒロユキは想いを込め、ニュージェネレーションアイを身に着ける。

 

 瞬間、爆発的な輝きが宝玉より放たれ、新たな光の戦士が誕生した。

 

 

「ショオラッ!」

「テヤァッ!」

「イィィーッ! サ──ッ!」

「シュアァッ!」

「デアッ!」

ハァッ! 

「ハアァッ!!」

 

 

 

Ultraman Reiga

 

 

 

 眩い輝きに包まれ、1人のウルトラ戦士が海上に降り立つ。

 11人のウルトラ戦士が極限まで力を引き出した上で合体する究極のウルトラ戦士。

 

 それがウルトラマンレイガである。

 

 

──バァオオオオオオオォォォォン!!! 

 

 

 ガタノゾーアの憤怒と憎悪が綯交ぜとなって咆哮となって現れる。

 あれだけ警戒していた、あの時の奇跡が、再び目の前に君臨したことが許せない。

 だがあの時とは違うとばかりに、ガタノゾーアは全方位雷撃を再度撃ち放つ。

 

「うおわぁ!?」

「ゴロ────!!?」

「キシャ──!?」

「ピポポポポポ!!?」

 

 耐えていたゴロサンダー達を容易く吹き飛ばし、レイガまでの障害を排除。

 即座に闇を凝縮、目標を消し飛ばすべく、己の湧き出る憎悪も込める。

 

 

 一閃。

 

 一閃。

 

 一閃。

 

 

 伸ばした頭、両の鋏より計3発の貫通レーザーがレイガに向かって飛ぶ。

 

 

「ハァッ!!!」

 

 

 絶対の破壊力を持つレーザーが、レイガの突き出した片腕で容易く弾かれる。

 グリムドの力を用いていたトレギアですら、ウルトラマンタロウですら、ここまで簡単に対処していない。増してや今のガタノゾーアが放ったものを。

 闇による概念攻撃が、ただ存在するだけで完全に無効化されていた。

 

──バァオオオオオオオォォォォォォォン!!!? 

 

 邪神に本来存在し得ないはずの感情が芽生える。

 目の前にいる脅威が、あの輝きの戦士(グリッターティガ)と重なって仕方がない。

 

 レイガは、打ち払った己の腕がなんら痛みを伴っていない事、己の力を静かに実感すると1歩ずつ歩みを進めていく。

 タロウとトレギア、その他宇宙人や怪獣はレイガを感嘆の感情で見守っていた。

 

 

 ガタノゾーアが触手を振るう。

 

 歩む一瞬で断ち切られる。

 

 ガタノゾーアがシャドウミストをばらまく。

 

 触れるより先に輝きのみで消失する。

 

 ガタノゾーアが雷撃をばら撒く。

 

 その全てを誘引した上で再び片手で無力化する。

 

 

「フッ! デヤアアアアッッ!!」

 

 

 反撃とばかりにレイガが吶喊し、その拳に黄金の輝きを纏わせる。

 ガタノゾーアはもはや必死な勢いで触手による防護壁を形成するが、容易く破られ、勢いがついたまま伸びた首の根本に直撃する。

 

──バァオオオオオオオォォォォォン!? 

 

 数百メートルの巨体が浮き上がり、後ろへ吹き飛ばされた。

 ガタノゾーアは想起せずにはいられない。あの理不尽極まる奇跡の一撃を。

 かつて、かの世界にて倒れ込んだ後の我が身に何が起こったかを。

 

──バァオオオオオオオオオオオォォォォォォォン!!! 

 

 第二形態になったことで伸びていた尾を使い、完全に倒れ込むことを防ぐも、完全な隙となった事に邪神は焦燥感を初めて抱いた。

 己ならば、こんな隙は見逃さない。滅亡を遊戯として扱うほど知性が高いがゆえに、その知力が避けられない未来を自身へ突きつけてしまう。

 

「今だヒロユキ! 今こそニュージェネレーションレットを使う時だ!!」

 

『ああ!!』

 

 ウルトラマンレイガの時にだけ使える特別なブレスレット、ニュージェネレーションレットがヒロユキの左腕に出現する。

 

『これで終わりだ!! 僕とウルトラマンの光で、邪悪な闇を撃ち砕く!!!』

 

 

 

Come on!! 

 

 

New Generation-let! Connect on!!  

 

 

「レイガ アルティメットブラスタ────!!!!」

 

 

 この宇宙に生きる者たちの、全ての光と輝きが込められた極光。

 それが絶大な破壊光線となって、レイガの腕から発射された。

 

 

──バァオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォン!!!!! 

 

 

 迫る輝きを前に、3度目の敗北を悟り、ガタノゾーアは怨嗟の咆哮をあげる。

 

 無論それで止まるはずもなく、極光が邪神の中心部を撃ち抜き、全ての闇を光へ還した。

 

 

 

 

 

 

 

*1
(7500mまで探査できるすぐれもの、名を『りゅうぐう』。この時の調査は深度1000m程であり小笠原の沖合某所である。海底地表に規則性ある穴が並んで開いている事を訝しむ様子が描写されており、終盤におよそ人間が作り出したものではない都市とその地下に旧支配者が眠っている事が書かれている。つまり、内原戸がタブレットを回収した世界では、ガタノゾーアは東京湾からそう遠くない場所で眠っているわけである。試される国日本。あるいは寝相が悪すぎてニュージーランド沖からゴロゴロ寝転がったのかもしれない)

*2
(この手の話で一番容赦ないのがウルトラマンジャック。逃げる相手の背中へスペシウム光線! 人間サイズの宇宙人に向かってハンドビームで爆殺! 実行犯、円盤、母星含めて粉砕!!)

*3
(ウルトラマンA第50話『東京大混乱! 狂った信号』に登場。レボール星の守護神怪獣。分類としては超獣だけど。3原色の球体が大量について肉体構成されていて、ちょっと不気味。レボール星人が地球侵略の際に連れてきて何故か信号機に憑りつき操作、関東交通網に大打撃を与えながら光線で人々を次々殺害していくえぐい侵略攻撃をしかけてきた。レボール星人が激しい銃撃戦の末に討ち死にした為、怪獣態となって暴れ出すがエースによって速やかに駆除された。)




騒ぐだけ騒いで、好き放題やった奴だーれだ?ってやったら内原戸とガタノゾーアとオレギアの3人になると思います。闇の陣営はこういうことする(オレギアは違うはずなのに)。


・内原戸、お役目御免。
おつかれさまでした。でも次回予告とかではガタノゾーア第二形態とかレイガに注目されてナレに一言も言ってもらえないレベルの扱い。
初期プロットではダークリングとタブレットを併用して、無限の魔力と闇呪文を駆使する予定だった。
ただ、どっちにしろガタノゾーアに回収される結末は決まっていたため「ダークリングについてオーブに反応させるテンポ」の有無で判断。
ダークリングはなかったことになった。ジャグジャグが顔出してきそうだったのもある。

・全方位雷撃
ウルトラヒーローズEXPO2022で披露した新技。
文字通り一網打尽にする威力があった。例によって例の如く、技名は不明。

・ガタノゾーア第二形態
元々予算の都合でお披露目されなかったとされている形態で、ティガが石化した後にこうなる予定だったらしい。
元の造形が完璧すぎるのもあってか、見た目の変化はより醜悪になったぐらいだが、本作ではグリムド完全体級の強さとして描写している。
上記のEXPO2022でサプライズ君臨したのだが、やはり邪神たる本体はもう滅されている扱いなのか、あるいは単に降臨していなかったのか、あくまでカルミラの闇によって召喚された『怪獣』扱いである。それでもラスボス枠やっただけ偉い。ステージ上ではめっちゃ機敏に動いてウルトラ戦士たちを弾いたりひき逃げアタックしていた。


・ガタノゾーア(チート)VSオレギア(チート)VSレイガ(チート)
みんなやりたい放題。お互い持てる手札を全部晒したらこういうことになる。
ちなみにオレギアが最初から全員繰り出していたらどうなってたかというとガタノゾーアが各個撃破するだけです。
数の暴力も、強敵の前ではタイミングを選ばないとレギオノイドの群れと同じ末路にしかならない。

・グリッター(希望の光)発動。
一部メフィラスが露骨に誘導かけていますが、元から発動条件は整ってます。絶望的状況で諦めず、そしてウルトラマンが、宇宙人達が頑張っているのを観たら、ウーラーの輝きを知っている人類はきっと正しい想いを彼等に願い、届ける事でしょう。そしてそれは間違いなく大きな力となる。
グリムドの時は発動できません。グリムド空間で完全に遮断されていましたし、地球人もまともに観戦できてない。


・ウルトラマンレイガ
グリッターバフかけてますが、実はそんなん関係なく普通に勝てるぐらいに強い。
見た目は大怪獣バトルの主人公、レイが変身したレイモンに似た角とギンガやエックスっぽい角の計3本角を有したタイガの面影を残すウルトラ戦士。
ボディは赤、銀、黒で彩られ、要所要所でギンガを思わせる水晶の輝き、胸元と肩には金色の装飾がある。全身像を見ると意外と黒の割合が高い。
タイガ劇場版では、完全体グリムド相手の攻撃を完全無効化したあげく(一見片腕で防いでるだけなのだが、レイガプロテクションという防御技らしい)、グリムド最大出力で放たれたグリムレイに打ち勝った。
こんなのにさらにグリッターバフがかかっている為、ガタノゾーア第二形態と言えど勝ち目はない。

ガタノゾーア「(; ̄;)ちょっと待ってよそれってチートなんじゃない!?」

・あっさり決着
繰り返しますがレイガやグリッターティガ(最終回の)がそれだけやばいんです。
ティガ本編でも最後の一撃受けたら拍子抜けなほど一瞬で掻き消えますからねガタノゾーア。
元々タロウにオレギアが力を託す共闘場面も入れていましたが(ダークナイトモードとか作っていたように、光の側面もバフ要因で出すつもりではあった)、タロウが強くて、わざわざ差し込む必要がなかった……。ま、まぁそれはさすがにアクセサリートレギアに譲るという事で(描写機会ないでしょうけど)。
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