そして予約投稿日時間違えるガバァ……!
あらゆる知的生命体が有する無意識に繋がる深淵、その最奥。
通常の生命体であれば迷い込めば最期、存在そのものが霧散し溶け込む無明の
そこで、邪神と邪神が言の葉を交わしていた。
知的生命体が有する言語と概念、思考と全く異なるその対話は本来理解することすら不可能であり、真に理解したならば良くて正気を失うことだろう。
ただ、『無』を無理矢理認識して生じたのがグリーザの外見であるように。
対話をしている事実のみで、知的生命体が脆弱な魂を損ねない程度に解釈することは不可能ではない。
そのような形式で翻訳すれば、邪神同士のコミュニケーションは以下のようになる。決して、この通りに語っているわけではない。
『あのさぁ、こっちはあの変なのに御呼ばれしたわけよ。滅ぼしてもいいってお墨付き貰ったようなものじゃない? なのに散々トラウマ抉って強制排除って酷いと思わないの?』
『だが我らの存在を貴様は最初から察知していたはずだ。あの贄は我らの混沌を触媒に召喚されたものであろう、貴様が気付いていないとは言わせぬ。【在る】事が肝要である我らにとって【在った】足跡を汚さんとした貴様の末路としては妥当だ』
『うん、気付いてたけど。グリムド達が星なんてものに拘るとは思わないでしょ。残り香あっても別にいいかなって、えへへ』
『今からでも“光”と交信が叶うなれば、そのまま突き出してやりたい気分だ。これが不快という情動か』
『待ってごめんて。完全消滅匂わすのはガチすぎて怖いよ。でも愚痴ぐらい言わせてよ! あの憎たらしい光の戦士の時と違って怨念1つ残せず肉体消滅したんだよ!? 次に物質次元へお出かけできるの、時間の概念に従う限り何千万年かかるかわかんないんだよ!?』
『貴様の肉体はあらゆる宇宙にて怪獣として君臨しているはずだが?』
『ええ君臨してますね! 怪獣墓場でぷかぷか浮いてる廃棄物とか、ただの一怪獣としてあっさりスパークドールズ化した奴とか、群れで暮らしてちょくちょく狩の対象になってる奴とかね!! あんなんそのまま依代にできるわけないでしょうが!!』
『貴様の肉体には違いないだろうに、意味が分からない』
『これだから宿にしか興味がない存在主義者は!! ■の神格に耐えうる肉体ともなると、名と身体が同じってだけじゃダメなの!! 気持ち悪い支援者とかに相応の儀式手順を踏んでもらうとか、文明が退廃して相当量の闇が満ちているとか、色々必要なの!! 膨大な闇で肉体だけ蘇ったなんてこともあったけど、■は蘇れなくて、結局そいつは【怪獣】止まり……はぁつら』
『そんなに苦労するならば、何故あの案内人を処分した? 貴様を呼び起こせる触媒と手腕を持っていたであろう』
『え、やだ。イカれた子は嫌いじゃないけど頭悪い子は嫌いなの。だいたい名前のセンスが好きじゃない。この■■■■■■が無貌のあいつを模したような奴に使役されたみたいな解釈を人間どもにされたら不快感で触手が縺れる』
『……では大人しく深淵から呼びかけ続ける事だな。深淵を覗く知的生命体が不憫ではあるが』
『えー……グリムド達が今使ってる宿は駄目? 今回あいつに一番邪魔されたんだから、ちょっと命1個ぐらい要求しても……』
<<(◎)>>
『ごめん、ごめんなさい。そんなに執着してる宿とは思わなかったの』
『我らが永遠を誓った
『対立は必至だからお互いしっかり戦おうとは言われたし納得して楽しんだけどさー……ところで正直、知的生命体が邪神と呼ばれる存在相手に永遠なんて誓うのか疑問なんだけど……グリムド達が一方的に通達してない?』
『なにをいう。我ら相手にともに食事をとり、ともに感情を共有し、ともに力を併せたのだぞ。我ら相手にこうも尽くしたならば、これは知的生命体のいう結婚に該当するはずだ』
『うわ、引くわ。これだから無意識以外まともに文明観察していない箱入り邪神は……』
『?』
『……教えたところで開き直りそうだし、■の邪魔してくれたあいつに助け船送るのも癪だからこのままでいっか。じゃあ■はちょっと横になりますね。滅ぼしがいある文明見つけたら起こして』
『何をもって滅ぼしがいがある類なのか我らには基準がわからないのだが……おやすみ■■■■■■。数十億年ぶりの邂逅は新鮮であったぞ』
片方の邪神は眠りにつき、片方の邪神は静かに意識を浮上させていく。
眩い光が迎えるような錯覚と共に、邪神が五感でもって認識したのは。
「本当どこのトレギアも変わらんな! 口だけ反省している素振りが完全に同じだぞ!」
「ぐっ……流石タロウ、よく見抜くじゃないか。てかそんな癖私にあったのか!? 初耳なんだけど!?」
「ない。だが間抜けは見つかったようだな」
「き、汚いぞタロウ!!?」
「(; ・`д・´)」
正座したまま赤き巨人に只管説教を受けている
この宿主のおかげで、呆れる、という情動にすっかり馴染んだ自覚を持った邪神は、とりあえず見なかった事にして微睡む道を選択した。
◇
世界を包もうとした闇は、光によって祓われた。
ガタノゾーアがもたらした暗雲や絶望の闇は、邪神の消滅と共にまるで虚構であったかのように一瞬で消え去り、人々は勝利を噛み締め歓喜に湧いた。
そんな美しい大勝利の後。
レイガから変身解除して元に戻ったウルトラ戦士達はヒロユキ君に称賛と激励の言葉を送った後、次々と元の世界へ帰っていく。俺への追及が1つ2つあるものと思っていたが、一瞥して御礼を言われたぐらいだった。あっさりしたものだ……と思っていたら飛び立つギンガ達に混ざらず、ロッソが複雑そうな顔をしたままこちらに近づいてくる。ブルとグリージョは彼の後ろから着いてきている形だ。
「なぁトレギア。この怪獣だけど」
「キシャー?」
ああ、当然の疑問だろう。スネークダークネスについて訊ねてきた。
話題にあがった当人は別に面識らしい面識を持っていなかった為(というか忘れていそう。ジードにもタイガにも無反応だし)、首を傾げている。
「大丈夫だ、中身に人間はいない。正体はソフビ人形だ。ある世界線にてお前たちと敵対していた方のトレギアが怪獣化させて最後は捨てた(というか踏みつけた)割と不憫な奴でな、私が回収している」
「キシャー」
「このように、普段は穏やかだぞ」
「そうか……そうかぁ」
安心したような呆れているような、分かりにくい表情でロッソが呟く。
この子の創造主とも言うべき君の友人にはよろしく言ってくれ。
「ほら。カツ兄イサ兄帰りますよ!」
「そうだな」
「帰ろ帰ろ。おっと、その前に俺からも1つ」
グリージョに促されて頷くロッソに代わって今度はブルが手をあげてきた。いちいちコミカルな挙動をとるウルトラマンだな。
「あー、トレギア……さん? らっきょうさんは貴方の部下で良かったのかな?」
「? 一応そうだが。今回の事件を知って、彼を先遣役にしていた」
「そっか、ありがとう。彼には本当に助けられたからさ。あと……今すぐ土下座したほうがいいと思うよ?」
「えっ」
どういうこと!?
此方の疑問に応えることなく、ロッソ、ブル、グリージョも飛び立っていった。「今夜はすき焼きだぞー」じゃなくてな!?
なぜそんなに急ぐ!?
だがすぐにその答えは用意される。
邪神の圧に負けない程の重圧が俺の背筋を凍らせたからだ。
「さて、トレギア……説明してもらおうか」
「助かったけど、それはそれこれはこれだぞ!」
「テレパシー簡略は禁止させてもらう」
「あと1発殴らせて♪」
振り返れば、腕を組んだタロウと、僅かに怒気を滲ませているタイガ達。
「陛下。釈明の用意はできていますか?」
『タロウを救いたいが為に、メフィラスの計画も、私の研究も破壊した不始末は正しく処理されるべきだと思います』
「言いたいこと山ほどあるんでお覚悟を」
「観念しとけ。あ、ゴロ」
「ゼットーン……」
「ヌガーヌガー」
「モガーモガー」
タロウの比ではないほど怒りを露わにしているメフィラス達オムニバーシアン。
……なるほど? ギンガたちがあっさり帰ったのこれか。巻き込まれるの回避したな!? 薄情な奴らだ!!
彼らの覇気とも言うべきオーラに若干威圧され、後ろへ1歩さがる。なんとか説得できないかなぁこれ!?
「スゥー……いや、ほら。時間の都合もあるから次の機会にしないか? タロウは知っているだろう? 私は残業はしない主義なんだ」
「トレギアらしい言い草だな。心配ならばこうしよう」
タロウが周囲を包むように長距離移動用宇宙船*1が展開される。
用意が良いことだなやばい本当に怒ってるどうしようこれ。
……グ、グリムド。上手いこと逃げるから転移を。
「( )タダイマデンワニデルコトガデキマセン」
「!?」
あれ!? グリムドさん!? なにその音信不通モード!!?
「トレギア」
「……す、すいませんでしたぁ!!」
万事休す。俺は素直に土下座した。
◇
タロウ、タイガ、タイタス、フーマには無茶な真似をした事や並行世界探索を続けるうちに戦力拡大した事、組織を作っていた事をがみがみと叱られ。
メフィラスには皇帝たるもの云々、結果的に最良であっただけで行動本質は軽率極まる愚行であると、くどくどと叱られ。
Dr.ヘロディアには自分達を先に送る命令を出さず、あげく研究成果を1つ破壊してしまった行為は絶対補償してもらうとぐちぐちと叱られ。
ゴロサンダーには無思慮な間抜けだと罵倒された挙句ゴロン棒で頭をごつごつと殴られ。
ゼットン他には「そうだそうだ」と野次を飛ばされた。
そして今はまたタロウが俺にまた反省するようにとうるさく言ってきている。
グリムドが留守電対応から戻ったと思ったら速攻でカラータイマー奥に引っ込んだので相変わらず味方がいない。
「……そろそろ勘弁してくれないか? 体感10年は正座している気がするのだが」
なんか足痺れてきたんだけど。ウルトラマンなのに。
だがタロウは厳しい顔で首を振る。厳しいなぁ教官どの!!
「光の国だとベリアルに次ぐ犯罪適用するべきかで審議発生するのだが?」
う、
いや待て待て、別世界で新組織立ち上げるのはウルトラマンゼロもやっていただろう!?
そう反論するも、タロウは納得したようなそうでないような難しい顔のままだ。
「あれはセブン兄さんが相当苦労して宇宙警備隊下部組織として事後承諾をなんとか通したとも聞いているがな……まぁその線でいけば説得材料にはなるだろう」
そうなのか。宇宙警備隊、地味にその辺アバウトだからなぁ。
「だが、ゼロが立ち上げたウルティメイトフォースゼロは宇宙平和に貢献している確かな実績がある。トレギアの作ったオムニバーシアンの理念は理解したが……無闇な介入行為や、並行同位体を多数生み出した件は厳しいのではないか?」
宇宙平和への貢献実績に関しては、しっかりまとめてある。
確かに元を糺せば、只管元の宇宙に帰りたいが為にやらかした行為だが……。今回の介入でも確信した。
オムニバーシアンはしっかりと役割を担って活動することができる。並行同位体量産は……倫理的解釈次第な部分はあるんだよな。
そこは要審議が避けられない自覚はある。だが彼らを見捨てる事は決してしない。
「なるほど、備えと正当化を目的とした介入組織だったか……実績開示はできるのか?」
「無論だ。組織理念と設立後の介入記録は開示可能情報として纏めてある」
そう説明し、更に付け加える。
「私が得た知識からしても、彼等は今後必要なんだよ。新たな脅威があるからな」
そう、異なる未来を歩んだウルトラマンとも言うべき究極生命体、アブソリューティアン。
絶滅戦争にせよ和平にせよ、あれへの備えはいくらしてあっても過剰ということはないだろう。
元の宇宙に帰った時、そしてこの世界線にまた訪れる時。絶対に力になれるはずなんだ。
「ちなみに介入しなかった際の想定等は?」
「ある。寧ろそれを検討して介入を決めている。今回も、介入しなかったらガタノゾーアによる被害はさらに拡大していただろう。メフィラス達の善行として認めてもらいたいものだな」
「当然だ。彼等には感謝しているさ」
「流石はNo.6。過去の所業を理解した上で、正しく評価できるお前の理念は眩しいばかりだ」
「? 普通の事だろう、お前に褒められる程のものではない。ああ、それと……脅威の名前を知っても大丈夫か?」
「情報は渡すが今は内に秘めておいてくれ。今から開示対策などすれば対象が何をするかわからん」
ふむ、こうして話すと色々伝達するべきことや課題が見えてくるな。
タロウの雰囲気も心なしかちょっと柔らかくなってるように思う。俺のタロウへの説明という予行練習にもなっていい。
だからそろそろ正座やめてもいいかな? あ、だめ?
◇
「全員がタコ殴りにする勢いで愚痴や罵倒をしていたのに、気がつけばタロウと陛下の話し合いになってるな」
「しかもあれ、糾弾しているようで陛下が他並行世界や元の宇宙で【光の国にこう説明すれば大丈夫か否か】を確認してますよ。やはり甘いですね」
並行世界による違いは明確と言えど、絆は絆ということですか。笑い声すら零れるようになってきた2人の様子に思わずため息が零れますが、安堵の実感が伴っています。ミッションを無事完了、反省点は多くありますが実りある成果でもあります。終わり良ければ総て良しですね。
正座したまま朗らかな雰囲気を見せている混沌皇帝陛下と、いつの間にか座り込んで雑談に興じているウルトラマンタロウ。
そして、血に濡れたように赤く染まっているトレギアキーホルダー。
タロウへ渡そうと取り出したタイガが異変に気付いて摘んだまま怯えていますが、それただの嫉妬だと思うので放置していていいですよ。
陛下のタロウに対する執着心、どうやら他の
「うわぁ、これ血じゃないか!?」「怪奇現象だな」『ちょっと研究してみたいわね』などとバカ騒ぎしてる面々とは1歩離れます。
そろそろこちらも撤収準備をかけねばならないのだからヘロディアも食いつかないように。
そういえば。
「ああ、思い出しました。今回陛下の独断行動を許してしまった皆さんはしっかり処分をくだしますので」
私の一言で、増援として来たオムニバーシアン達が固まりました。良い表情です。
やはり人が絶望に歪む顔は面白くて心が躍りますね。
「あの……メフィラス。俺ら頑張ったじゃん」
「ええ、最後のゾイガー掃討劇は見事な働きでした。陛下の呼びかけに応えた事も、シャドウミスト対策を万全にした事も評価に値します」
『メフィラス様? 信賞必罰に基づくのであれば、私達功罪打消しでお咎めなしじゃないかなーって……』
「百の功は一の罪によって失われるものです。私が仕えていたエンペラ星人先帝陛下など、たった1度失敗しただけで数万年仕え続けた私を処刑しましたよ」
どんどん青ざめていく面子。実に良い絵です。ヘロディアなど、メカゴモラ越しなのに声の震えで感情が手に取るようにわかって面白い。
もっと追い詰めてみたくなりますが、ウルトラ戦士がいる手前、苛めるのはこのぐらいにしておきますか。
「安心しなさい、我らの仕える陛下はかの先帝ほど苛烈ではありませんよ。喪失したレギオノイド達の補填活動に従事してもらう程度です」
「ベリアルにバレた時点でぶっ殺される危険出張ですねわかります。きっつ……」
「バレなければいいじゃないですか」
『簡単に言わないで!? ベリアル銀河帝国軍の科学力怖いのよマジで!!?』
喚く彼らに笑顔で激励し、話が一区切りついたことを示します。
ようやく落ち着いたタイガが、此方を伺っていましたからね。何か訊ねたい様子ですが、さて。ニュージェネ達のような敵意はないので心配はしていませんが。
「今更だけどさ、トレギアなんで皇帝とか名乗ってるんだ? 正直ガラじゃないだろ」
ああ、彼らからすれば確かに気になる部分ですか。
「だいたい私のせいですね。名乗らせていますし、皇帝としての振舞いも求めています。これを譲る気はありません。カオスデスポテース様としての顔も持っていただきます」
「なんで?」
「そもそもウルトラマントレギアという存在は陛下が例外であって基本、様々な宇宙で災厄の火種を作る暗躍宇宙人です。トレギアの名前を知るものは、それに仕える我々に強い不信を抱くでしょう。事実、ウルトラマンギンガを始めとした彼らは陛下を信じられていなかったのでは?」
職場において趣味というものは、実益を両立してこそ我を通しやすくなるというもの。
オムニバーシアンのトップはあくまでも混沌皇帝カオスデスポテースの名前で通用するべきなのです。
私の言葉は、悲しい程説得力があったようでタイガ達は腕を組んで頷きました。おいたわしや陛下。
「あー……俺たちはともかく、基本トレギアが首領の組織とか信用されるわけないな」
「そうでしょうとも。だからギンガ達と初邂逅時はカオスデスポテース様の部下と名乗ったのです」
「それにしたってカオスはないだろうカオスは。名前からして疑われる類ではないか」
「カオス以外にありませんよ。世の中は善悪秩序のみではありません。混沌もあります。自ら光も闇も許容し、悪である過去を認めながら善の道を歩むという理念がオムニバーシアンの骨子。中庸とまでは申しませんが、混沌そのものであるのは事実です。そもそもトップがグリムド様を抱えるトレギア様ですからね」
最も、あまり善に偏った名称は不愉快だったのもありますが。
場合によっては、介入世界であえて悪を演じることもありましょう。どちらにも偏れる名前は大切なのですよ。
さて……。
「陛下、我々もそろそろ帰還しましょう」
「む、すまんなメフィラス」
向こうも区切りのよさそうな雰囲気だったので声を掛けます。
というか、お互い話の切り上げ時がわからなくなっていた節があったので、介入しなかったら延々としゃべっていたことでしょう。
本当に仲がよろしいようで。
……参考にはなったのでは? ねぇ、この世界のトレギア。
…………ふむ、思念波を送っても返事はなし。怪奇現象を引き起こしていたのである程度目覚めてはいると思ったのですがね。
或いは、狸寝入りを決め込んだか。私にとっては陛下の並行同位体ですので、一応気にはかけているのですよ? 拾った命をどうかお大事に。幸福をお祈りしています。
◇
ガタノゾーアを倒し、タロウ達に説教されまくり、談笑して再びこの玉座に戻った俺は、オムニバーシアンのトップとしての日常を送っている。
今はある探査結果を心待ちにしているところだ。
あれからタイガの世界基準で1ヵ月ほど経っている。
俺と彼らの別れの挨拶など別に特筆することでもない、「また会おう」と嬉しい約束を交わして一足先にあの宇宙から離れた。
ヒロユキ君とトライスクワッドの別れに、俺は邪魔なだけだからな。そこは空気を読むさ。あの
なんかどっかの異常存在みたくなってた
それからのパラレルアースだが、メフィラスによって面白い報告書があがってきていた。
まず、復興が順調であること。そして地球人、宇宙人、ウルトラマンが一つになって世界の危機に立ち向かった偉大なる記念日だとして、早くも超大国が主導になって動いているらしい。まぁ、いいんじゃないかな。宇宙人と共に生きていく未来がより近づくと思う。
外事X課に残された兵器は、『グローザムが残していた遺書』により外事X課が所有する事となった。
回収しても良かったのだが、この先地球に残る抑止力としてわかりやすい力はあっても良いだろう。
当然だが、悪用はできない。シャドーは多少の自律プログラムがあるし、同時に役割が地球に生きる人類保護を主命に置いている都合、人類間抗争や無益な破壊行為は実行できない。万が一暴走したら即自爆してリングに戻され初期化する。Dr.ヘロディアがその辺念入りに調整済だ。ダークロプスゼロにより頓挫した事が余程トラウマだったようで、他にもロック機能があると口にしていた。自然コントロールマシンも同様だ。流石はサロメの科学力だな。
ちなみに、ヒロユキ君がウルトラマンに変身していた経験を活かして、シャドー操作選抜員に対して講義をしているともある。頼もしいなぁ。
ヴィランギルドは内原戸によって主要宇宙人の多くが生贄とされてしまったのもあり壊滅状態。
だが、地球人が宇宙人を暖かく受け入れる風潮が形成されつつあることを機に、イカルス星人が残った構成員を纏め上げ、再構築。宇宙人の生活を互いに守っていく相互扶助団体として健全化再出発するのだそうだ。
佐々木カナによる尽力もあったようで、流石は守護天使といったところか。ところでなんでイカルス星人だったのだろうか。幹部はゼットン星人じゃなかったか?
パラレルアースでのらっきょう販売実績についての報告書は雑に流し読みして済ませた。
これを後回しにしただけ、メフィラスも成長しているのだろう。成長?
「陛下」
脳内で疑問符を浮かべていると、そのメフィラスが声をかけてきた。
その目は静かに輝いており、彼が高揚していることが理解できる。
つられて俺も期待が高まる。先程から待っていた探査結果。ついに来たのだろうか。
そんな俺の感情に、彼は最高の返事でもって応えてくれた。
「陛下の
闇によって模られたかのような牢獄。
妖しく光る魔法陣の紋様が光源となり、囚われた者をわずかに照らしている。
彼はそこで目を覚ました。
「う……これは……石化が解けっ、ぐああああ!?」
大いなる闇によって処断されたはずの肉体。
石化し、放り捨てられ、砕け散っていてもおかしくなかった内原戸は、命を失うことなく意識を取り戻していた。
だが、砕け散らなかっただけで、破損は大きかった。
四肢の内、右手と左足は全く機能していない程であり、体の節々がひび割れたような裂傷が走っている。最低限の治療を施されているのか、傷は止血だけされているという状態だった。
無事だった左手と右足は見るからに頑強な枷でもって抑えられており、のたうち回ることを許さない。
激痛と共に自身の状態を把握した内原戸は、囚われたのだと理解し、脱走の手段を模索する。だが、莫大な魔力はもはやそこらの宇宙人の保有魔力と大差ない程に落ち込み、タブレットを失った為に、転移による逃走術式すら組み上げられない。
それでも枷だけでも外そうと必死に体をゆすったり、破壊の魔術でもって攻撃するが、檻も、枷もびくともしなかった。
そんな騒ぎを立てれば、当然内原戸を閉じ込めた存在も気が付く。
足音が響き、やがてもがく彼の下に大耳の宇宙人が顔を晒した。
「おー、ようやく目を覚ましやがったか。マグマの奴に借りたマグマチックチェーンはどうだ? 気に入ったか?」
「!? お前あの時の!? 死んだはずでは!?」
「残念だったなぁ、
万感の想いを籠めたのか、満足気に笑うイカルス星人。
愕然とする内原戸に、彼は口端をつりあげたまま語る。
「邪神がウルトラ戦士によって討伐された後な、お前の砕けた石像があるって報告あってすぐ回収させてもらったよ。雑にくっつけた後、宇宙人仲間皆に聞いて回ったんだ。『どうにか戻せないか』ってな」
「!?」
「いやぁ、宇宙は広いもんだな。邪神が消えた今なら解除も可能だって事で、ババルウが残した魔術やらヒッポリトの技術やらを使ってお前の肉体は無事復活したわけだ。感謝しろよ?」
感謝しろと言われても内原戸はまったく喜べない。邪神の末路などどうでもいい。
この男の目が殺意に溢れている事に気が付いたからには動悸が収まらない。
「俺の仲間達の仇を取るってんだ。意識がないまま終わらせたんじゃ、裁きにならねぇだろ。死刑ってのは、当人に通達されてこそだと思わねぇか? 報復は、お前が起きてからって決めてたんだ」
「……待て、待ってくれ!?」
制止の声も、命乞いも彼の大耳には一切入らない。
ベネットの名を持つ彼の耳には、目の前の男に奪われた仲間達の声だけが響く。
その内容が、復讐を切望しているものであることは間違いなかった。
「じゃあ、
やがて牢獄から絶叫が響き渡る。
蒼い巨人に代わり、宇宙を搔き乱そうとした男の結末は、彼が楽しんだ
次回、最終回(2度目)。
・邪神と邪神の会話
あくまで翻訳結果です(予防線、逃げの一手)。
載せずにガタノゾーア消滅扱いでも良かったんですけど、会話描写作らないのもなんか勿体ないと感じてしまい……。
・ガタノゾーア、深淵にて眠りにつく。
ウルトラ世界においても、隙あらば蘇ったりしてるのが邪神達ですが、その解釈の1つが大本は死んでいないというものがあります。
せっかくなのでグリムドとガタノゾーアでちょっと会話させたかったのもあり、今回それを採用して、邪神ガタノゾーアの本体ともいうべき存在は一応健在という解釈。ただし事実上永眠。ガタノゾーア第二形態の時にも解説しましたが、ステージとかでも再登場しているんですよガタノゾーア。ただし『怪獣』扱い。実質邪神そのものだと解釈してもいいのですが、グリッターティガでもデモンゾーアという後始末(2戦目)を残してしまうほどだった存在が、2戦目で今度こそ完全消滅した存在が、簡単に蘇るのはなんか違う。呼ばれている通り、格が『怪獣』まで落ちているからと解釈。なのであれは厳密には本体ではない『怪獣体は端末説』を採用しました。
・オレギア、全力説教を受ける。
当然。ニュージェネ達は巻き添え喰いそうだったのと、オレギアへ言いたいことはタロウ達が全部言ってくれる確信があったのでさっさと退散しました。
邪神倒したいい気分のままさっさと帰りたいからな!!ぐだぐだ座談会に参加する気力はない!!byギンガ達
・タロウ、なんだかんだ心配してる。
説教かましながらも、それとなくオレギアが上手く立ち回れるようアドバイスや検討している。そういうところだぞ。
・トレギア、血涙。
意識はない設定、なんだけど作者の用意した設定無視して喚きだした。
多分、光の国ついたあたりで復活してタロウに抱擁されて失血昏倒する。
・パラレルアースのこれから。
説教枠に文字数使い過ぎてry でもまぁ、タイガ劇場版の〆は本編の台詞丸写しにしかなりませんからね。さっくり飛ばしました。
このパラレルアースは、より宇宙人との共生が進んだ星になるでしょう。シャドー他の兵器が逆に不安要素になりますが、Dr.ヘロディアを信じろ。
・内原戸の末路
予想はされていたと思います。まぁベネットネタを使った以上は、ねぇ?
あえてあのまま語らない選択肢もありましたが(〆がオレギアの最重要情報の方がしっくりきた意味でも)。やはり相応の報いはしっかり受けていただきました。一応、表現は抑えました。四肢の奴とか。