そしてこういうの考察しすぎると、怪獣の人的被害が強く意識されて、特撮の素晴らしい破壊描写が一層ひどい惨劇として目に映ってしまう模様。
怪獣が跋扈し、災害として君臨する地球。
その強大な力はもはや怪獣自身の責任能力すら越えた現象であり、悪意の有無など関係なく人間社会で育まれる日常を蹂躙し、嘲るように積み重ね広げた営みを破壊する。
それでも人々は逞しく、再び立ち上がり日常を取り戻す。否、
当時闇への好奇心に傾いたのは、光の事を知り尽くしたと傲慢にも思ったのかもしれない。だから、あの日地球のアーカイブを開いた時、戦争や環境破壊といった闇ばかり見つめて地球の光を見ようとすらしなかった……タロウが熱く地球で得た経験と感動を語ってくれていたのに、理解すら放棄していては心に響くはずもない。
俺は強く反省している。彼らの為にできることはしてあげたい。ウーラーの為だけに巻き込んでしまっている贖罪だけではない、感動からくる衝動だ。
前世の記憶からの親近感でもない、本当に、俺は地球人に敬意を抱いている。
怪獣災害にも負けずに営業を再開し、訪れた民に安寧と感動、期待を打ち込む朗らかな店内。優しく、それでいて主張しすぎずに落ち着きを与える音楽。店員は人を選ばぬ歓迎の笑顔と共に、相手の歩幅に併せて案内する配慮の精神。メニューを選ぶ間にそっと置かれるコップや手拭きのサービスも嬉しい。写真と名前だけでも心を躍らせてくれるメニューから、この領域の主イチオシを選択。そわそわとしながらも期待は高鳴り、口内は想像上のそれだけで受け入れを万全にしている。待ち望んだ希望の輝き──長年の品種改良の成果を最大限に活かす収獲と保存が成された逸品の数々をふんだんに使用、素材の魅力を決して損なわず、しかしそれだけと思われないように計算しつくされた配置、磨き上げられ一片の曇りすらない容器は素材から来る期待を十全に受け止め昇華している。
そう、地球人は、フルーツパフェは素晴らしい!!
「ああ、地球は、地球人は素晴らしい……!!」
俺は地球人の忍耐と不屈の精神に感動しているのだ。
断じて、今食べているシャインマスカットをふんだんにつかったとかいうウルトラフルーツパフェで情が傾いているわけではない……!!
「なんという美味! なんという研鑽! タロウ……! 俺のフルコースのデザート……決まりだ!!」
「(;・∀・)」
「いやうん。美食1点が滅茶苦茶後押ししてきているのは否定しないですはい」
なんか体内の邪神がちょっと呆れた感じで見つめてきてる気がするのでちょっと正直になろう。
セブンが過労死するまで地球の為に戦い続けたの、食事要素も絶対無視できない割合が占めていると思うんだ。
マジで美味しいです。本来3名ぐらいで食べる奴らしいけど、パクパクいけてしまう。
1口1口をたっぷりと堪能し、感謝しながら食事を終えた。これらすべてのもてなしひっくるめてのお値段にしては安く感じてしまう。色を付けたいが、このお店はそういうのはお断りらしい。残念だ。
今度タロウと一緒に食べることを決意しながら、前世記憶からシナリオを引っ張り出す。これを終わらせないと元の宇宙に帰るという本命へ移れないからな。
【20話・砂のお城】
【E.G.I.S.に外事X課より護衛依頼。対象は東都大学工学部の元宮サチコ。彼女は幼少期に宇宙人の友人がおり、離れ離れになった彼を探す意味も込めて地球人と宇宙人の判別装置「CQ」を開発していた。当然こんなものが邪魔になるヴィランギルドは彼女を狙う。そして彼女を狙う凶弾をとっさに守った謎の青年の正体は……!?】
はい、前世記憶から引っ張り出したウルトラマンタイガ20話あらすじがこんな具合だ。
宇宙人判別装置、地球人と宇宙人の友情、ヴィランギルドの悪行、必要だから開発しただけですぐに判別装置が不要となる未来を望む外事X課とE.G.I.S.……大変濃いお話である。宇宙人判別装置は劇中懸念されていた通り、差別助長や新たな騒乱になる危険性を秘めているのだが、ヴィランギルド所属の宇宙人らは各企業に潜入しては技術盗難だの横領だのやらかしているので必須な実情がある。一部悪党のせいで全員が損をする、嫌な社会だが、悲しいかな宇宙共通の問題だ。
ちなみにこの話ではヴィランギルドはサチコ暗殺だけでなく、超獣アリブンタに破壊活動させて株価操作する最低最悪な金儲けをしていた。
そしてこの話、なんとトレギアが介入していない。次の話では盛大に介入するんだけど、実は次の話は俺のせいでとっくに破綻してたりする。まぁこれについてはまた後日という事で。
結論から言えば、俺は今回のシナリオは最低限しか動く気はない。
先日佐々木カナの言葉で奮起したのは事実だが、それはあくまでも闇堕ちトレギア介入部分に関すること。
この話を放置しても何も問題ない。サチコはかつての友人ミスティと再会できるし、街に根をはっていたヴィランギルド幹部ゼットン星人ゾリンもこの話で捕まってヴィランギルド勢力はかなり沈静化するのだ。
介入した結果、サチコとミスティの再会が潰されたりミスティが命を失うオチになったりロクな事にならない気もするので放置がいい。なんでもかんでも関われば良い結果になるなんてありえない話なのだから。
「( ・ω・)?」
「では何をしているか? 簡単だ、エネクロン社の被害軽減だよ」
新エネルギー産業メインの電力会社。今回における最大の被害者と言って良い。
物語ではさらっと流されているが、連日の被害と最後のアリブンタ大暴れからみてもよく倒産しなかったなと言えるレベルで大打撃を受けている。まぁこの辺なんとかなってしまうのが怪獣世界の基本ではあるのだが。
地下ケーブルが破損したり、配電施設に備蓄施設まで崩壊が立て続けに起きるというのはいくら災害に強い体制していようが傾くだろう。宇宙人案件には手厚いフォロー入っているのは間違いないが。
だが、あえて未然に防ぐことはしない。俺がやることはアフターフォローと反宇宙人思想に対する軽減行為だ。
ヴィランギルドがあれだけ暴れているのに、地球の為に動いている宇宙人が少なすぎるとみられるから問題が根深くなる。外事X課やE.G.I.S.は宇宙人であることを承知で重用したりしているが、表沙汰にしないことでその功績が目立たないのはよろしくない。無論、複雑な事情や政策方針あってのことなのも重々承知だ。
「( ・ω・)??」
「ふむ、わかりにくかったか。つまり、個人で動く宇宙人が善意で動いたという奇跡をわかりやすく示すのさ」
シナリオとしては『エネクロン社の被害を宇宙人の仕業とみて懸念した宇宙人が超技術で助けた』といったような具合だな。
フルーツパフェの向こう側にタロウがいることを幻視する勢いで地球人評価がうなぎ登りになっている俺としては、少しでも地球が良い未来へ進んでくれたらいいなと思っている。だからこの地球の問題は少し手を入れたいんだ。
無論、革命闘士達が暗躍してた際にウルトラ戦士としての心構えをわざわざ持ち出したように、文明への基本スタンスを投げ捨てる気はさらさらない。だが、切っ掛けぐらいは良いのではと思い直している。文明監視員あたりがキレそうな自覚はありますはい。ウルトラマンマックスに殴られたら首から上が消えてなくなりそうで怖い。
「ただ、今の段階でトレギアがやったとバレると今後に色々差し支えるし、ヴィランギルドが手を引いて半端に終わる可能性もある。なので、別の宇宙人が個人的にやったと判断される技術で助ける形になる。グリムドの力は使えないな」
「Σ( ̄ロ ̄lll)」
ウルトラ戦士達は基本、偽装工作が不得手というか自分たちがやるという発想にないので、こういうことするのは更にバレにくいだろう。ただでさえ隠蔽も嘘も下手な連中ばかりなので思いついてもやらないのが正確かもしれない。光の国の科学力は万能だから、あまり他に頼ることしないからな……。
「ペダン星人はヴィランギルド所属が大半だし、面倒だな……そうだ、ペガ星人の技術にしよう」
アルファ・ケンタウリ第13惑星の誇り高い宇宙人で、他星人との交流も控え気味な文化だから足もつくまい。発電施設倒壊事故発生直後に、この宇宙人の復興技術で「良い宇宙人」アピールをするとしよう……。
◇
ここはヴィランギルド幹部、ゼットン星人ゾリンの一室。
いつもは外事X課に尻尾を掴まれることを恐れて公園でさりげなく計画について話し合う決まりだが、緊急事態の為こうして幹部の部屋に集合していた。
重苦しい雰囲気の中、本題となる内容がTVに移る。
『本日午後2時ごろ、エネクロン社の発電施設が倒壊しましたが、それがわずか10分で修繕されるという事件が発生しました。大規模な停電も発生しましたが、修繕された施設が運用に問題ないと調査、判断され次第、復旧する模様です……』
TVから流れてくる映像。防犯カメラでは崩れ落ちる施設が怪しい輝きから巻き戻すように戻っていく不可解な様子が撮られていた。
室内は一層重苦しくなり、息を詰まらせる構成員も出始めた。
プレッシャーを放っている幹部、ゾリンは人間態の擬態すら解いて怒りに声を震わせる。
「どういうことだね」
「工作員がまだ近くにいた為、探らせました。我々の知る技術ではありませんでした。ただ、施設の腐食した金属修繕にアルファ・ケンタウリ星系産の宇宙金属が確認されました」
「馬鹿な、あそこの採掘はペガ星人が取り仕切っているはずだ。円盤に使用することはあっても地球の一施設修繕に使うほど安い感覚で使っていいものではないぞ」
とんでもない修復技術だけでも驚愕するのに、アルファ・ケンタウリ星系産金属が使用されていたことで全員が少なからず動揺する。報告したペダン星人自身も信じられない様子だ。
「もし安く使える立場だとするならば、ペガ星人本人かと……」
「もっとありえない話だ。奴らは気圧が極めて低い環境下でなければ生きていけない。地球環境では宇宙服無しには即死する。そして奴らの宇宙船が地球に来た経歴など過去にあったか? 密航にしても、ヴィランギルドの目をかいくぐれるのか?」
「で、ではこれは一体……」
ペガ星人である可能性を否定されれば、完全に未知の宇宙人が犯人ということになる。
それも、ゾリンが温めてきた計画を把握しきっている相手という事実に、もはや動揺と困惑を全員が抑えられないでいた。
だが、ゾリン本人だけは確信をもって犯人を断定する。
「事情を知るものからすればすぐ理解できる矛盾で自己の存在をチラつかせるなど、トレギアしかいないだろう……我々を揶揄っているのだ、ふざけた真似を……!!」
トレギアはあらゆる宇宙でちょっかいをかける厄災として認知されており、ヴィランギルドにとっても遭遇即撤退が基本指針となっているほどの劇物だった。
ゾリンにとっても、同胞が主催したオークションを無残に潰されたりと受けた被害は一度や二度ではない。暗躍を好む割には、最終的には自己を示さねば気が済まない劇場型犯罪者に近い思考回路だとも分析していた。だから、今回の犯人はトレギアなのだと彼は断言したのだ。
「トレギア……引きますか」
「馬鹿を言え、ここで引いたら長年の準備が水の泡だ。CQ完成も阻止せねばならない。おい、マブゼに伝えろ。前から欲しがっていた材料をくれてやるからトレギアを潰せとな。いい加減目障りだったんだ」
「かしこまりました」
トレギアと直接相対しても勝ち目は薄い。しかし、それは純粋な火力の問題だとゾリンは考えている。
宇宙最高の頭脳を自称するチブル星人がベリアル因子の研究を進めている。彼の研究を後押しさせ、かの最強最悪のウルトラマンを蘇らせ、手駒にすることができればトレギアだろうが敵ではないと試算した。成功した暁には、主導権を奪ってマブゼは排除するべきとまで皮算用を進めていたが。
「これ以上泥を塗られてたまるものか。地球は我々のものだ!」
この数日後、外事X課を甘く見過ぎたのかあっさり全員逮捕されることになるのだが、トレギアへの憎悪へ燃える彼らはそんな可能性つゆほども考えていないのであった。
◇
「貴重なアルファ・ケンタウリ星系金属を多用したが、あれでペガ星人の仕業だと断定してくれるだろう。いやぁ我ながら完璧な偽装工作だったな。ついでに地球人にも復興技術のきっかけを得られるように痕跡を残しておいた。解明には苦労するだろうが、モノにした暁には、対怪獣復興体制も盤石になるはずだ」
母星ならまだしも、他惑星環境下では円盤内の異常が死に直結するペガ星人は施設修繕技術が極めて高い。ふふふ、一研究者としてこの技術は是非とも確保しておきたくて苦労して手に入れた過去があるのだよ。過去に環境に合わないくせして地球侵略目論んだバカが種族内で出て、それをセブンに討滅されたことがある。そこを交渉材料に使ったのも懐かしい思い出だ。セブンが最後まで母星に帰るよう警告した経緯も伝わっていたからな、大分容易だった。
ペガ星人も善行が地球で広まって悪い気はしないはずだ。非常に良いことをした。
「(^▽^;)」
なんだ、何故かグリムドから呆れたような雰囲気を感じるぞ。俺、なにかやっちゃいました?
……あー、宇宙人印象改善行為はまだしも技術提供も同然の真似は光の国の基本方針に反しているなこれ。確かに、文明監視員辺りが観たら言い訳できないやらかしかも。怪獣危機や侵略者への防衛には力を貸しても、文明発展や復興には手を貸さず見守ることを是としている。俺のやっている事は運命をなぞって生じる被害への罪悪感を軽減させようとしてる偽善行為に等しいと言われても反論はできない。だが、他惑星の技術解明そのものは悪ではないぞ。それに解明努力は必須だし、俺はきっかけを与えただけに過ぎない。だから査問会議はやめてくれ長官!!
「(・_・;)」
あれ? そういうことじゃない? じゃあもしかして未来に地球人とペガ星人が技術盗難疑惑で争う可能性のことだろうか。その時は真犯人として俺の名前を出すしかないだろうが、そんな話はずっと先の事だろう。ウーラー助けた後の善行バレなら気にしないさ。はっはっは。
「(一_一;)」
グリムドから感じる呆れのようなものは減るどころか増した気がするが今日の俺は機嫌がいいから気にしない。
この後、アリブンタをタイガ達が撃破した後も滅茶苦茶修繕した。
やっぱり良いことって気持ちいい!! タイガの活躍も見れて気持ちいい!! 今日はいい夢みれそうだ、タロウと冒険する夢また見たいな!!
【悲報】ニセウルトラマンベリアル 強化確定
Q.トレギアのやってる事、明らかにウルトラマンの文明や技術不干渉方針に抵触してるけどええんか?
A.よくない。破壊された施設を直すことや生命救助はまだ問題ないが(勿論やり過ぎると所謂依存懸念問題に繋がるから、怪獣退治迄に留める方が実はお互いに良いとする考えもある)、意図的に他星技術解析チャンス残すのはギルティ。悪影響まで理解に至っておきながら楽観視してるのでバレたら普通に怒られる。この「ちょっと干渉する」というニャル様じみた行動については闇堕ちして干渉しまくってる方の影響思いっきり受けてる。当初は暗躍棚上げしてしっかり基本方針守る気だったのがその証拠。フルーツパフェのせいじゃないよ、多分。
Q.地球人は異星の科学力解析できるの?
A.特撮世界における地球人達の解析能力エグいからいける。だいたい1組織に10人ぐらいいる天才と、1時代に1人の超天才がやってのける。
Q.このトレギアなんか頭悪くない?
A.わかりきってることですが、このトレギアさんはアホです。勉強はちゃんとして、天才的頭脳もあるのにケアレスミスや問題の読み間違いで絶対に満点取れないタイプのアホです。加えて前世記憶&原作トレギア記憶の浸食抵抗にも相当意識割いているので深読み思考が無自覚なまま取れてません。
実は原作トレギアも割と考え足りてないポカやらかしたり、好奇心に逆らえない上に頭良すぎて独りで考え込んで鬱になっちゃうタイプなんでこれでもマシな方。勝手にSAN0になってしまうネガティブ部分をアホのビンタで塗り替えたらこうなります。タロウへの愛は増えても減ることないので原作通りです。ヤンデレおじさんです。
Q.ペガ星人、そんな技術あるの?
A.すまん独自設定や。宇宙船が割と頑強だったのとマイナー宇宙人話題にしたくて選びました。
基本的に侵略宇宙人を容赦なくぶち殺すセブンが説得を試みたとか、地球環境下では生きられないくせに侵略企てたとか地味にネタあるペガ星人ですが、そのせいかセブンで初登場したきり、掘り下げないまま出番がありません。侵略の仕方が暗殺やら催眠尖兵やら悪辣だったり語る要素多いんですが。