今回、ゴース星人の台詞が大変わかりにくいですが、原作でも地球言語単独では喋れないのでご了承ください
先日、ゾリンとかいうヴィランギルドの幹部が「許さんぞトレギアアアアアア!!!」とか叫びながら連行される映像がTVで流れ、自分の偽装工作が全く効果なかった事をなんとなく悟ってしまったトレギアです。
ひょっとしてペガ星人、この宇宙にはいなかったとか? いやそんなはずはない……ヴィランギルドの調査能力をなめていたな……反省しなくては。
「だが闇堕ち俺が散々悪行やらかしているから、急にトレギアが善に目覚めたなんて扱いにはならないだろう。うん、俺の計画に不具合はないはずだ」
「(-ω-;)」
「だから言ったのにみたいなオーラを出すのやめてくれないかグリムド」
毎日食事という道楽を得ているせいだろうか、グリムドの感情表現のような訴えがバリエーション豊かになっている気がする。
だが不具合はないというのは嘘ではないぞ! そもそも俺がどう思われようが最終目的を考えれば関係ない事なのだから。
霧崎の姿を取り、目的の人物を邪神パワーで探索、特定する。
後は捕まえるだけなので今のうちに今回の話を例によって前世記憶から引っ張り出そう。今回のは俺にとって重要だ。
【21話・地球の友人】
【ゼットンが暴れた結果、母親が傷つき深い恨みを抱いた田崎オサム。彼は霧崎の心理誘導に惑わされ、E.G.I.S.に仮入社した後、CQを持ち出してしまう。CQで発見した宇宙人ゴース星人へ恨みをぶつけるオサムだったが、主人のピンチにパンドンが出現する。恨みの応酬となってしまった宇宙人と地球人の和解はなるのか、そしてトレギアの目的とは……!?】
物語のメッセージ性としては色んな問題を訴えかけるいい話だったと思うのだが、残念ながらここは現実である。
テーマ性を重んじての悪行に俺が手を染めることもない……そう、このシナリオはここにおいて既に破綻していたりする。
というのも俺全力で人命救助したのでオサム君の母親は無事なんだよね。しかも彼らはテレポーテーション救出という明らかに地球外技術で救われたような形になってたので、俺が前回行動した「良い宇宙人もいる」アピールと同じ効果を生んでいる。
オサム君はゼットンを暴れさせた宇宙人にこそ怒っているが、母親を救ってくれた宇宙人がいるとわかっているので冷静な判断をしている。
劇中では復讐心に染め上げられ、見た目露骨な宇宙人を前にしての偏見、差別意識を全開にしていた(見た目人間だった霧崎たちにはCQを向けていない辺り、かなり恣意的な描写だったと思われる)とはいえ、そんなもん知性体は大なり小なり抱く感情だ。それをどう乗り越えていくか、または受け止め、問題解決へ1歩踏み出せるかが肝要なんだ。
だからゴース星人と和解することができた彼は元々良い子なんだよね、洗脳まがいに誘導した闇堕ち俺の罪は深い。
念の為、原作トレギアが心理誘導に使ったであろう時間も一部利用してフォローもしているので、大丈夫だと思う。オサム君以外が同じことをするという運命の修正力も懸念して、グリムドの探知能力も用いて候補を選定、メンタルケアやフォローに邁進した。
多分、前世記憶におけるトレギアが前回介入しなかったのはこの心理誘導に全力尽くしたり、ウーラーの誘導方法について摸索していたからだと思う。
そう、このトレギアの目的はウーラーを地球へ誘導することだ。それにゴース星人が地球に持ち込んだ地底ミサイルを利用して地球のエーテルを刺激、宇宙にエーテルの波紋を響かせビーコンとしてウーラーに地球を気付かせるというのが戦略。
普通に力押ししてミサイル奪えばいいものをわざわざタイガたち巻き込んでゲームにしてるせいで回りくどく面倒臭い話になってるだけである。絆ぶっ壊しつつ主人守りたいだけのパンドン殺させて煽りたかったというの性格悪すぎてドン引きですわ。
まぁ、闇堕ち俺が劇中で口にしていたジグソーパズルは、確かに地球人が生んだ素晴らしい発明だと思うがね。この俺が言おう、完璧だ。
ところで疑問なんだけど、なんでゴース星人は地底ミサイルなんか持ち込んでいるんだ。口では地球が好きだとか言っていたが侵略の意志ありと疑われてもしょうがないぞ。パンドンをペット枠扱いで持ち込みといい、実はお前悪党だったりする? もし発見者がウルトラ警備隊だったら問答無用で円盤ごと木っ端みじんにされるぞ。
「そう思わないかい? なぁゴース星人」
「ちがう、これはごしんようなんだ! 」
「地底ミサイルが護身用? 地下から放てばあらゆる地上都市を妨害なく爆破できる最悪の対都市兵器だぞ」
「それは、そうだが……! 」
はい、あらすじと考察脳内に垂れ流している間に件のゴース星人はとっ捕まえてます。というか骨董市開催宣伝でひょっとこ面つけて街中走り回るとか悪目立ちしすぎである。
やりすぎたらパンドンがキレて襲ってくるとは思うが、出現したら容赦なくボコる腹積もりである。殺しはしないが。
今回はオサム君はもちろん、タイガたちにも介入させない。全部俺だけで片づけるつもりだ。
「それに君、あの革命闘士と称する連中と連絡を取っていただろう? 君も賛同者だった……違うかな」
「あれは、いかくのためだときいていた。なのに、やつらはあばれさせたんだ! おれはしらなかったんだ! 」
「君は地球が好きだからこの星で静かに暮らしていたと言う。だが怪獣に地底ミサイルは、地球の法で考えてもアウトだと思うんだ」
「……」
「パンドンは君の家族だろうから……無理は言わない。だがあの兵器は、地球における宇宙人の立場を悪くするだけだ。あれは私が処分する、いいね?」
「わ、わかった。あれはてばなす」
ほら、話せばわかるじゃないか。
あの革命を自称するテロリスト集団の計画全容を知らなかったというのを鵜呑みにできはしないし、侵略目的で地球に降り立った可能性も否定できないが、パンドンを可愛がっている点を信じれば暴れさせる気はなかったはずだ。
本音を言えばあいつらの暴走をしっかり止めてほしかったけどな。数週間遊び惚けたことを本気で後悔したんだぞあれ。
ちなみに声帯の都合、ゴース星人は地球言語を喋れない。俺はこれも結構疑問視している。喋ることができる個体を催眠で操り、代用したりしてるわけだが、こいつらの科学技術考えれば、発声装置ぐらい簡単に再現できるからだ。
つまり、態々開発する必要がないと考えているわけで、本質が他惑星を見下し侵略する宇宙人思想そのまんまにしか見えないのである。作品としては、言語の違いをわかりやすくしたかったで済むが、ここは現実だ。オサム君はもっとキレていい。
まぁ、ちゃんと処分に同意してくれてるこのゴース星人はなんだかんだ優しい方なのはわかっているつもりだ。
「しょぶんというのは、どうやって? 」
「今は地上にあるんだろう? 地底に向けて射出し影響外にて起爆させる。宇宙までもっていってもいいが、それをすると君の事が他の宇宙人にもバレるだろうからね」
「ちていに!? それはきけんだ、どんなえいきょうがあるか……!! 」
「持ちこんだ君が悪い。だが、仮に地球が捜査したとしても使用したのは私、霧崎だ。私が持ち込んだことにするさ」
本命について話すと流石に反対されるだろうから、嘘は言ってない表現を使う。
前世を思い出してからは私という一人称に違和感しか覚えないはずなのに、口に出すときはすらすら出るのだから不思議な感覚だ。
両手を広げ、互いに損はないとアピールする。この身振りも妙にしっくりくるのはなんだろうな。
「君は安寧を守りたい、私は危険物を処理したい。何も問題はないじゃないか」
「……」
「なにかあっても、責任は私が取る」
これは本音だ。劇中では上手い事エーテルのみを刺激することに成功したが、あれで星の核に致命的影響があってはならない。
ウーラーについての責任も取る気しかないので誠心誠意を込めて断言できる。
「わかった、ちていミサイルはまかせる」
「ありがとう」
◇
円盤とパンドンを隠している岩山へ向かう。
別に急いではいないので、ゴース星人とは雑談をしながらハイキングコースを歩いている。
作品の都合と言ってしまえばそれまでだが、街から離れて結構歩いてるので、全力で逃げるゴース星人をパンドンがいる近くまで追いかけ続けたオサム君相当強いな。
「もともと地球を去る気だったのかい?」
「そうだ。あいつらをしんじたおれもわるかった。もし、ひがいしゃにせめられてもべんめいしかできないだろう」
「それは……そうだろうね」
随分罪悪感に苛まされていたようだ。無理もないし気持ちもわからなくもない。
前世記憶にある劇中のゴース星人は、決して自分から強い抵抗はしなかった。罪悪感があったのは本当だろう。
ホマレの声帯を借りる為に彼を昏倒させたのは色々不味かったと思うが。
「地球から離れるから地底ミサイルは手渡さない、と言わなかったのは何故かな」
「そんなこといってみろ。いいのがれできずにおまえにころされる」
「違いない。その時は侵略の意志ありと見做すつもりだったさ」
「しんようされないのはわかっていたからな。だからてばなすのは、おれをしんじてもらうためだよ」
「わかった。全額とは言わないが、多少の補償はしよう」
「いいのか!? 」
信用されなかったらそのまま殺される危険性は自覚していたようで、地底ミサイルの所有権放棄は誠意の証に近かったようだ。誠意にはなるべく応えたいので幾ばくかの補填をすることを約束する。
地底ミサイルの相場なんて俺は知らないが、随分喜んでいるので結構高かったのかもしれない。
罪悪感に付けこんで交渉した自覚はあるから元から何かしら便宜は図るつもりでいたが、安請け合いだったかもな。
ちょっと後悔したが顔には出さず、地球の何を気に入ったのかとか、苦労したことなんかを話題に楽しんだ。
俺が地球の駄菓子を絶賛すると、彼もわかると頷いて何が美味しかったかを熱く語ってくれて大変気分がいい。やはり、話し合ってお互いを知ることが友好の1歩だな!
「それで彼は耐えきれずについに訊ねたんだ『どうして赤い洗面器を頭に乗せているのですか』とね。やがて男は答えた。『それは……』っと着いたようだね」
「ちょっとまってくれ、おとこはなんといったんだ」
「それはまた後で話そうじゃないか。さぁ、円盤を出してくれないか」
話の続きが気になる様子だが、到着したのだからさっさと仕事を済ませよう。
宇宙へ帰る前に彼と1杯楽しむのも悪くないと思っているのでその時にオチを提供しようと考える。
ゴース星人はそわそわしていたが、俺が笑顔で促したのでため息をついて円盤を遠隔操作しはじめる。
……パンドン同様、岩山の中に隠していたのは色々どうかとも思うが。まぁ円盤失うと大変だもんな。ゴース星の科学力考えるとこれそこらの円盤より高性能なのは間違いないし。
岩山が崩れ落ち、パンドンと円盤両方が姿を現した。円盤を守らせるには打ってつけだろうな。あれで結構頭も回って強いんだパンドン。
「コッコー」
「だいじょうぶだパンドン。うさんくささはひどいがこいつはおれのてきではない」
「コケー?」
パンドンは主人の隣にいる俺に警戒心マックスだが、ゴース星人が説得している。
戦闘ないのは嬉しいが、俺を前に「うさんくさい」とか「ぜったい裏があるだろうが」とか言うのはひどくない?
否定できないので苦笑いしながら説得が終わるのを待つ。
「ほら、おれがこうしていろいろいっても、かれはおこらない。それにちゃんとまってくれている」
「コッコー」
「おれたちがなにもしなければ、かれもなにもしないさ」
5分ぐらいしてようやくパンドンも納得したらしい。大人しくしている。
「一応確認しておくが、この地底ミサイルが深く進み過ぎて内核を破壊する可能性は?」
「ない。がんばんのはかいや、ちていかいじゅうをせんてでたおす、そしてちていからちじょうとしをばくはするのがしようもくてきだ。ほしをはかいするいりょくはない」
「星の破壊には至らない、それだけ聞ければ十分だ」
トレギアアイを装着し、元の姿(サイズは人間大)に戻る。蒼い闇が身を包んで悲しくも馴染み深い姿へ元通りだ。
ゴース星人は思いっきりのけぞり、パンドンも両嘴をあけっぴろげにしている。かなり驚かせてしまったようだが、影響を最小限まで抑えるのに必要なんだ。霧崎の姿では流石に制限がある。
「すまない、だがミサイルの悪影響を抑えるにはこの姿でなくては難しくてね」
「え、おまえ、トレギア!? 」
「コッコー!?」
やべ、元のトレギアの信用度全宇宙でもマイナス底辺なの忘れてた。
霧崎としては上手く交渉できたから問題ないと思い込んでたけど、霧崎=トレギアの情報知ってる前提じゃないと成り立たん、やらかした!!
自分の軽率っぷりに自己嫌悪しているが、ゴース星人たちは意外にも動揺こそすれ敵意はみせてこなかった。
「いや、だいじょうぶだ。むしろ、おまえならおれとパンドンりょうほうをころしてうばえただろうになぜだとおもっている」
「確かに私ならそこのパンドンの首を刎ね、お前を爆殺して宇宙船を奪うのは容易い。それは事実だ」
「……」
「だが私は話し合いで済むならそうするべきだと思っている」
しばし見つめ合う。数多の言葉は不要、この曇りなき眼(邪神内包してるせいで澱みまくってる模様)で信じてほしい。
「なるほど、うわさどおりではないということか。すまない」
「コッコー」
「噂の否定はしないさ。だが一面に過ぎないと言っておこう」
よかった、信じてくれた。このゴース星人ちょろすぎないか。そんなだからテロリストに騙されたのかもしれないな。
だが嫌いではない。正直ハイキングを共にした短い付き合いだけでもう彼を傷つけたくない思いが強い。
「この周辺地域が震度2程度で済む深さまで頼むよ」
「わかった」
ゴース星人が自らの円盤に思念波を用いてアクセスを開始した。
一応、万が一ゴース星人が不意に俺の方に地底ミサイル飛ばしたり、パンドンをけしかけたりしてもいいように邪神パワーの備えも万全だ!
角ばった形の円盤に備え付けられた、ドリルのついた浪漫溢れる形状のミサイル。
シンプルだがその掘削能力と爆破の威力は凄まじいものであり、かつてはこれを大量に用いた地球人皆殺し計画という最大の侵略作戦を決行したこともある。
そんなおぞましい実績ある兵器は、今、地上から地底へ向かうという逆方向へ発射された。
一瞬で地中深く潜っていくその速度は驚嘆に値する。
「あ」
「あ?」
「ごめん、せっていまちがえた。このままだと、とちゅうターンして、まちにむかう」
「おい!!?」
目標設定間違えただと!? このままだとUターンして街で起爆とかふざけんなよてめぇ!!
やっぱりこれ侵略目的じゃねぇか!! なんでデフォターゲットが街なんだよ!!!
「た、たた、たのむ! なんとかしてくれ!! 」
「コッコー!」
「ああもう!! お前後でぶん殴るからな!!!」
邪神パワー全開で急いで地底ミサイルが掘り進んでいる穴に飛び込んだ。
恐ろしい速度だが、追いつけない程ではない。
すぐに目標を確認、幸いにしてまだ軌道は地底一直線のままだ、いける!!
「グリムド、ネットワーク干渉と同じ要領で地底ミサイルの目標変換できるか!?」
「(・ω・)ゞ」
「よし頼む!!」
電子仮想空間や知性体のインナースペース、そして魔術による固有の空間……そういったものにもグリムドは遠慮なく干渉、乗り込むことができる。
別宇宙別次元へ容易く足を運べるこの能力トレラ・スラーの本質は『接続』ではなく『干渉』だ。
要するに、機械に対する干渉能力は凄まじく高い。
「(・ω・)ノ」
「うまくいったか! ありがとう!」
「(・ω・)♪」
地底ミサイルは真っすぐ地底の奥へ進んでいっているままだ。これなら……!
ん? ちょっと待て。地底ミサイルの爆風が逃げる位置ってこの掘り進んだ通路一択だよな? エーテル波導もモロに食らうよな?
「……この位置まずくない?」
「(;゚Д゚)」
「やばい脱出──」
ああ、光が、光が逆流する──!!?
◇
地響きがする。想定通りの震度、
爆炎が穴から噴き出していないということは、あの男は本当に最小限に抑えたようだ。
つまり、俺がやった事は杞憂であり、裏切りだったということか。
「……すまない、こわかったんだ」
トレギアだとわかるまでは本気でそのまま地底廃棄でいいと思っていた。
だが、彼があの蒼い悪魔だとわかってからは、強い恐怖が蛇のようにまとわりついてきた。
「用済みと殺されるのでは?」「地底ミサイルに干渉し、Uターンさせ、街を破壊するのでは?」「もっと恐ろしい狙いがあるのでは?」
そんな考えが浮かんだきり消えてくれない。また新たな業を背負わされてしまったのではないかという疑惑が俺の心を潰していく。
だから、嘘をついた。
発射後に設定を間違えたなどと言って、反応で見極めたかった。
もし動かなければ、奴の企みは街の破壊であり、俺はそれを潰せたことになる。
もし動いたならば、奴は全速力で起爆位置に向かい、地底ミサイルの火力を全身で受けることになる。運が良ければ倒せるだろう。だが爆炎は吹き出すはずだ。
最初から被害を最小限に抑える気だったなら、元から爆炎を抑える為に穴に飛び降りるかなんらかの行動を起こしていたことになる。結果は見ての通り。
恐怖と疑念のあまり、とんでもない間違いを犯してしまった。
見極めるも何も、そんな真似をすれば自分の命がないことは冷静に考えればわかることだっただろうに。
最初に一度信じたのに何故俺は裏切ってしまったんだ。無事かはわからないが、戻ってきたら俺は殺されるに違いない。
「コッコー」
パンドンが労わるように鳴いてくる。
なんとかお前だけでも生きられるようにお願いしよう。
「シェアッ!!」
ああ、奈落の孔から蒼い悪魔が飛び出してきた。
すまないパンドン、俺はここまでのようだ。
◇
あっぶねぇなぁ!!
結果的に爆風爆炎を抑えることできたからヨシ! だけどさぁ……。星の叫びたるエーテルの波紋にダメージ判定なかったことが救い。バリア素通りしたし。面白い特性だなエーテル波動。片手間に研究させてもらおう。
「(; ・`д・´)」
「おつかれグリムド、助かった」
「(*・▽・)」
グリムドに感謝の念を忘れずに送った後、なんか呆然としてるゴース星人の前に着地する。膝ついて何度も謝ってきてるんだけど気まずいからやめてくんないかな。
パンドンだけは殺さないで、とか言わないでくれ。対処直前は割とキレたけど、なんとかなったわけだし今はそんな怒ってもいないぞ?
「ゴース星人、頭を上げてくれないか」
「すまない、すまない」
「いやほら、ダブルチェックしなかった私も悪かったところあるから……」
寧ろ対処できるタイミングで言ってくれて助かったまであるわ。街が燃え上がってから言われたら最悪だぞ。
これはヒヤリハットで報告させてくださいよ長官。え、ダメ?
「地底ミサイルは無事に処理できた、それでいいじゃないか」
「ゆるしてくれるのか……おれを」
「許すとも。アフターフォローは任せろと言っただろ、責任の範疇さ」
ここまで本気で申し訳なく思っているなら、本当に今は侵略の意志無しとみていいだろう。
だからそんな露骨に怯えないでくれないか。やっぱ闇堕ち俺の信用度が低すぎるな……。
「おいパンドンからも何か言ってくれないか」
「コケコッコー」
「そうだな……ありがとうトレギア。うわさはうわさだったとやっとかくしんしたよ」
「パンドンの一言で納得されるとそれはそれで腹立つな……」
ともかくこれで問題は解決した。ウーラーも今頃察知したころだろう。
タイガに告知した方が良いのかなぁ、いや、到着してからでもいいかな?
ま、今度考えよう。
ようやく落ち着いたゴース星人の前で霧崎の姿へ変わる。あまりトレギアの姿でいすぎてタイガに感知されたらややこしくなるからな。
「このまま帰るのか?」
「ああ」
地底ミサイルの処分も終えたし、やはり地球からは離れるらしい。
劇中でもそうだったな。じゃあなんであんな姿で街にいたんだこいつは。ふんぎりつかなかっただけなんだろうか。
「ならお別れだな。お土産の用意はできてるかい? 例えば、地球人が発明したものに真空を利用して貼り付いたり流水を生み出す魔法の棒があるんだが……」
「な、そんないっぴんがあったのか!? 」
「ああ、すっぽんとかラバーカップと呼ばれているようだが、優れものだ。ゴース星に持っていくと良い」
「トレギア、きみはいいひとだ! 」
「コッコー」
お別れということで、宇宙の価値観で素晴らしい特産物を彼に次々と渡していく。
地底ミサイルの代金になるほどではないだろうが、喜んでくれているからいいことだろう。
品物1つ手渡すたびに泣いて喜ぶ彼とはしゃぐパンドンにこちらも笑顔がこぼれる。
そして地球の夕焼けがもっとも美しく夕闇を伸ばす時、地上から空へ消える流れ星を笑顔で見送った。
赤い洗面器の男のオチを話すのを完全に忘れていたが、まぁ些末事だろう。
「オチききわすれた────!! 」
「コッコー」
Q.グリムドは地底ミサイルの目標正しかった事気付かなかったの?
A.確認しないままに不正規なやり方で上書きしたので気づいていません。ゴース星人の感情読み取ってたら気づいてた。
Q.ゴース星人、裏切るなんてひどい
A.SAN削れて選択肢間違えただけです。あとトレギア相手に盲信しないだけの理性と知識があったと言える。つまり悪行三昧のトレギアが悪い。
ちなみに地上で直接トレギアを狙わなかったのは簡単な話です。爆心地にいたらパンドンはともかくゴース星人は死ぬ。