来週トリガーにウーラー亜種みたいなの出てますが、ウーラーの新情報とか出ませんよね?そうなら嬉しい一方、プロット修正レベルのネタとか来ると困ってしまうジレンマ……
─ヒロユキのインナースペース─
俺、タイタス、フーマは定期的に会議を行っている。
ヒロユキに聞かせられない、または話しにくい部分を含んでいることもあるので話す場所はインナースペースで3人だけだ。ヒロユキには申し訳ないけどな……。
だけど今日の議題だけはあいつには迂闊に聞かせられない。十分巻き込んでしまっているが、ヒロユキが怒りと悲しみに囚われる姿はもう見たくないんだ。話すときは俺たちが意見を統一してからでもいい。
そう、議題はここ最近のトレギアの話だ。
ヒロユキすらターゲットに巻き込んだと宣戦布告こそしてきたが……妙なところであいつらしくない感じを受ける。民衆と仲間の2択を強制するやり方はあいつらしい厭な手口だったが、死者は出ていないし、あの人の感情を逆なでする煽りが弱かった。フォローしてくるとか意味不明で逆に怖かった。その後はホマレを銃撃したぐらいで、信じられない程介入が弱い。ゴロサンダーはリング化したからあいつの仕業な気もするけど。
「どう思う?」
「トレギアだぞ? なんか企んでるはずだ」
「そうだな。だが違和感がある」
皆言葉少なだが、それだけでお互いの言いたいこと、考えている事がわかる。
俺はトレギアに何か変化が起きている事について訊ね、フーマはトレギアの悪辣さは変わっていないと判断していて、タイタスはその上でトレギアらしくない部分を認めている。
お互いの考えがわかったところで、話を進める。
「最近、怪獣と戦った際の街への被害が少ないよな? 俺たちも気を付けているけど」
俺たちと怪獣が暴れると街の被害はひどいものになる。
もちろん、俺たちもむやみやたらに被害が拡大するような戦い方は避けているし、ウルトラマンとして守る戦い方でもって倒すべきだと考えている。それにしても被害が少ない。
怪獣だって俺たちが止める前に散々暴れる。その被害すら、かなり抑えられている。
「トレギアが守っているとでも?」
「……だと思う」
「他に良い宇宙人がいる可能性の方が高いんじゃねーのか?」
フーマの意見は尤もだし、俺も最初はそう考えた。ゼットンの方は、その可能性でいいかもしれない。
あのバット星人たちの考えに反対した宇宙人だっていたはずなんだから。でも、ゴロサンダーの時は違うと断言できる。
「……ゴロサンダーを倒した時、確かに奴の気配があった」
「ああ、それは私にもわかった。トライストリウムと叫ぶ声が聞こえたが、あれはトレギアだろう」
「ゴロサンダーがあんだけ派手に爆発したのに、周囲の建物はガラス1つ割れなかったってよ。世間は俺たちのおかげってことになってるけどさ」
爆発時の影響だけじゃない。ゴロサンダーがまき散らした雷撃被害も微少なんだ。いったいどれほど街全体に気を配って、あの雷撃を防ぐだけのバリアを張れるんだ? 今の地球で、トレギア以外にそれができる宇宙人が本当にいるのか?
「俺は直接戦ったからわかったんだけどさ。爆発の煙でほとんど見えなかったけど……一番近い建物を守った時のエネルギー、あれはトレギアのものだったんだ」
「なんだと?」
「どういうことだ、やっぱりタイガの言う通りトレギアに何かあったのか!?」
「何があったか……わからない。でも、信じたくなる行動ではあるんだ」
トレギアのやり口が変わったきっかけ、あるとすれば俺たちが初めてトライストリウムに変身した時。
錯乱したように暴れるあいつを倒した時だろうか。あの時、トレギアに何か変化が起きた?
「今度はそうやって俺たちを騙して貶める算段かもしれねぇぜ」
「それもありえる話だ。奴は絆の破壊を好む」
「それを言われると反論できない。けど……」
あれだけ光を拒絶し、絆を嫌悪する様子を見せていた男だ。時間をかけて、策謀を進めていくというフーマやタイタスの推察に否定を挟むことはできない。わざわざ遅効性の毒のように俺に闇を蝕ませた*1からな。
それでも、方向性が大分違うというか……。
「タイガの言いたいことはわかるぞ。やつが好む策謀は絆を試すような煽動と、情報を秘匿して心の罠に嵌める暗躍が基本だ。そして力押しする際は、他の強大な怪獣や闇をけしかける事を好んでいる。この善行のような行動は策謀としては毛色が違うな」
「お、おう……タイタスが言葉にしてくれて助かった。そういうことなんだよ」
「タイガお前なぁ……」
しょうがないだろ! 俺はまだ直感的なものを言葉に変えるのはそこまで上手くないんだ!
だけど、フーマも俺の言う違和感については納得してくれたようだ。
「あの時のヒロユキには気を使って言えなかったけどさ、あの一撃はホマレを殺すものではなかった」
「……いつか絶対にトレギアとはまた相対する。だからその時、聞こう」
「ああ」
結局は本人に追及しない事には確証も何も得られない。罠だと言うなら全力で迎え撃つ。俺たちの絆は負けない!
でも、罠じゃないなら、俺たちはどうすればいいんだろうか。
父さんが言っていた言葉がふと思い出される。このタイガスパークのこと。
『かつて、友と一緒に作った。仲間との絆を深めるものだ』
怪獣リングがタイガスパークを介して発動することといい、俺に執着する一方で父さんを見ていた事といい、トレギアはもしかすると……。
◇
温泉は素晴らしいなぁ!!
全身がぽかぽかと心地よいままに、ふっかふかのバスタオルで身体を拭く幸せよ!
しかもこのタオルは前世記憶を元に俺が手ずから作り上げたウルトラマンタロウバスタオルだ!! 俺のタロウが、俺の身体を拭き上げてくれると考えると不思議とぞくぞくしてしまう。許せ友よ、未だお前に会えない悲しみを少しでも癒したいだけで他意はないんだ。ああタロウ……!!
「(;´・ω・)」
「パパー、あの人へん」
「あっちをみるんじゃない」
脱衣所から遠巻きに変質者を見るような眼で睨まれているのは何故だろうか。宇宙人だとバレたのか? 地球人の排斥意識は根深いのかもしれないな、俺の姿はどこからみても地球人だというのに。
仕方がない。ここは完璧な地球人ムーヴで違和感を拭い去るとしよう。温泉からあがったあとの地球人が取るべき礼儀作法はアーカイブで得ているんだ。
まずピット星で大人気なボディオイルでさっと保湿した後、ヘアドライタオル(タロウの笑顔刺繍)で吸水だ。地球人の髪というのは意外と傷みやすいらしいからな。
そして成分が我が髪と体質に問題ない事を確認したら備え付けの化粧水と乳液を使用、温泉側が自信をもって提供しているものはなるべく使ってみたい。美容効果が丁寧に書かれた可愛らしいポップの気配りが嬉しい。綿棒で両耳の水滴も拭き取り……ここで我慢できなくなったので自動販売機で牛乳を手に入れ腰に手を当て一気飲み。うまい!!
改めてゆっくりヘアケアした後にカーミラ星でも大人気なトリートメントでそっと保湿、最後はドライヤーで完璧だ。ちなみに俺は冷風〆がお気に入りである。
どうだ地球人たちよ、もはや俺を宇宙人とは思うまい。訝しむ目線が消えたのがその証拠。勝ったな……。
「あんちゃん」
「?」
「顔と髪に拘るのもいいけどさ、着替えてからやってくんねぇか」
「え、着替えてからやるもんなの」
「いやここあんちゃんの家じゃないんだからさ……」
「(((・ω・)))」
「あ゛~~~~~」
マッサージチェアというのもバカにできないものだな。光の国における治療施設は固い床みたいなカプセルタイプが大半だし新鮮だ。身体が丈夫というのも考え物だ、こういう素晴らしい設備を生み出す発想に結び付かないのだから。肉体が脆弱であることは、決して悪いことではないのだと痛感するな……先の肌や髪のケア作法も面白かった。脆弱でなければ生じない文化だ。
光の国にもないことはないのだが、赤子を除けば元から超頑丈な肉体故に、自然要因で表皮が老化するということがない。加えてその気になれば自分たちの能力だけでいくらでも美容効果高められるレディたちばかりだから馴染み薄いんだよ。ま、俺はそれを完璧にこなせたわけだが! 見ているかNo.6! 俺は地球に馴染めているぞ!!
「まぁ、おっさんに指摘されたのは要反省だがな……」
完璧だったのだが、腰巻きタオルだけでやってはいけなかったらしい。馴染めているつもりだが、まだまだ地球文化に疎いな。前世地球人なのに。
ふと、この前世記憶が本当に地球人なのかちょっと疑問を抱いてしまったが、そろそろ恒例のあらすじ確認といこうか。
マッサージチェアを堪能したまま、TVに目を向ける。
『怪獣災害速報……世田原湾に怪獣が出現しました。10分後には市街地に到着する模様です』
映像に映るのはオイル怪獣タッコング。球体の身体にタコの吸盤が無数についており、申し訳程度の手足と頭、長い尻尾がついている中々ユニークな姿の怪獣だ。イメージしにくい人はポケモンのゴローニャを思い出せばいい。あれにタコの吸盤模様で塗り替えて尻尾つけたのがタッコングだ。
【22話・タッコングは謎だ】
【ある夜、世田原湾にタッコングが出現し、市街地に向かって歩き始めた。ヒロユキはタイガへ変身して迎え撃つが、防戦に徹したタッコングの前に時間切れに終わり、上陸を許してしまう。タッコングは沿岸施設の重油こそ食い荒らしたが、しばらく進んだ後に眠りだした。政府側の調査では興奮状態にあるわけでもなく周囲は困惑に包まれる。ヒロユキは何か目的があるのではと考えるも答えは出ない。そこへ謎の少年シンジがヒロユキの前に現れた。彼は言う。「タッコングを助けておくれよってばさ、このままだと大地の怒りギーストロンが暴れるんだ」】
はい、俺無関係です。
この話では、海の化身タッコングと大地の怒りギーストロンが登場する。人類が大地を汚して、それを清める為に怒りのままに暴れようとするギーストロンと、それを抑えようとするタッコングというわけだ。
人類に警鐘を鳴らす存在として描かれているタッコングとギーストロンだが、まぁ地球人=悪って話なわけでもない。言ってしまえば生存競争の一環だ。星も生きているのだから。
すごく雑に言ってしまえば、表皮が痒く感じたら掻きたくなる心理に近い。気が狂うほどの痒みや、表皮が壊死するレベルだと洒落にならないので本気で治療するだろうが、無視できる程度の痒みなら案外その程度で済ませてしまいがちだ。だからその程度で済むように、気を付けておかないと諸共に滅ぶぞという話である。正しく警鐘だな。
ところで、よくこの手の怪獣とか地球意思自称する輩とかは「環境破壊する人類おこだよ! (意訳」と破壊活動に勤しむが、街中で暴れるのはともかく街と共存してる自然も破壊してるの凄まじく矛盾を孕んでる気がするんだがなんなんだろうな。汚染された大地を浄化して崇められつつ人類から妥協を迫るとか、強行策にしても森の拡大を急速浸食させて街を飲み込むとかやらんのかな。
まぁこういうのは考察を楽しんでも答えはでないというか、それを向こうに伝えても逆ギレされるだけなので煽りにしかならなかったりするしいいか。
タッコングはギーストロンを封印してたわけだが老いてしまったことでその維持が困難になったと劇中では説明されていた。しかしこのタッコング、相当個体値が高かったのか長く生きてる分経験値稼いでたのか中々の強豪怪獣となっている。怪獣としてはオーソドックスな姿のアーストロンを両腕を刃のような棘で武装してレーザー攻撃まで身に着けたギーストロン相手に大健闘しているほどだった。
だからそんなタッコングが老いたからといって急に封印が解けて暴れ出すのもなんか違和感がある。劇中でのシンジ少年によればあれでも弱体化してたのは間違いないっぽいが……もしかしてだが、ギーストロンが我慢の限界迎えて暴れ出した原因、先日の地底ミサイルのせいなのでは?
「(;・∀・)」
「やばい、なんかそれ以外考えられない。エーテル刺激って地球ぶん殴ったようなものだし……」
ただでさえ地下核実験やら地下水汚染やらで似たような事やらかしている人類だ、地球が地底ミサイルも人類のせいと勘違いしてギーストロン覚醒させたとしてもなんらおかしくない。
しまった、シナリオ通りだとか喜んでたが、その影響を深く考えてなかったのはよくないぞ!! 責任を取らなければ!!
「だがどうする……? いつものようにタイガに任せアフターフォローに徹するのが最善だろうが……」
タッコングもいる乱戦状態に加え、ギーストロンはマグマを活性化させる電磁波を展開するのでそのアフターフォローをするとなると、絶対バレる。隠しながら行動するにはあの怪獣の力は恐らく強すぎる。自重しろと指示を出せたゴロサンダーの時とはわけが違うぞ。
……佐々木カナの言葉を思い出す。そうだ、1つでも多くの命を救う為に行動するんだ俺。
「既にウーラーが降り立つ条件は整っているんだ。次回の話がうまく動けばタイガと共闘できるぞやったーとか思っていたが、そうする気なら今回動いたっていいはずだ」
「(-ω・)/」
「すまないグリムド、力を貸してくれるか」
「(*・▽・)」
「でもギーストロン襲撃は明日だ、気合入れる為に今日はステーキといこう!」
「(・ω・)♪」
日々のストレス発散(タロウ成分の代替行為)は大切だ。それができなくて闇堕ちしかけたからな俺は!!
◇
─タッコング上陸した翌日─
昨日現れた怪獣の上陸を阻止できなかった僕は、呑気に鼻提灯を膨らませている怪獣を遠くから眺めていた。
あの怪獣が何を考えているのかわからない。上陸した理由もわからない。答えが出ないまま、やきもきしていた時、「タッコングを助けておくれよ!」と不思議な少年に声をかけられた。
半ば強引にお願いされたし、ギーストロンが出てくるとかタッコングはそのために来たとか言っている意味がよく呑み込めなかったが、少年……シンジ君は僕の中にいるタイガたちのことを看破し、協力をお願いしていることはわかった。
立ったまま話すのもなんだし、近くの座れる場所に座って改めて話を聞く。
あの怪獣、タッコングというらしいけど、シンジ君はどこまで知っているんだろう。
「タッコングのこと……何か知ってるの?」
「タッコングは年寄りなんだ! もうギーストロンの攻撃に耐えられないかもしれない」
うん、話がちょっと飛んだかな。会話のキャッチボールが妙にずれているというか、結論を先に話しちゃう子なのかも。
ギーストロンという怪獣については最初に話を聞かされた。大地の遣いで、人類の行動に怒っているという。
タッコングは、ギーストロンに勝てないかもしれないから手伝ってほしいということなのかな。
昨夜、タッコングの上陸を阻止しようとして失敗したから「そこそこ強かったよ」と言ったら「全然歯が立たなかったじゃないか」と直球で返された。ちょっと凹む。
「タッコングは強い、けどギーストロンはもっと強いんだ!」
ギーストロンは大地を汚されたことによる怒りで人類に報復するつもりだとシンジ君は言う。
報復とは攻撃のことかな? と訊けば当たり前じゃないかと怒られてしまった。
「いいから来ておくれよ! タッコングを助けておくれよ!!」
そう言って走り出してしまうシンジくんを慌てて追いかける。少年なのにすごい速さだ。
「シンジ君待って!?」
声をかけてもシンジ君は止まらない。人混みをひょいひょいと避けながらも一切減速しないで走る動きはちょっと人間ではないように感じてしまう。
異質と感じたら直ぐに『別物』のレッテルを嵌めたがる自分を叱咤する。そういう考え方では駄目なんだ!!
しばらく走っていると、彼はようやく足を止まってくれた。
けど、どこか呆然としているような、残念がっているようなそんな雰囲気だ。
「……来ちゃった」
大地が震える。怒りの表れを示すような揺れと同時に、激しく土が吹きあがった。
そこから敵意をむき出しにした怪獣が現れる。以前戦ったデマーガよりもはるかに狂暴そうな姿だ。
街のど真ん中に現れたから大変だ! このままじゃ大きな被害が……!!?
まずい、近くを飛んだヘリを狙っている!! 背中が赤熱して、角に強いエネルギーが集約していく。駄目だ、間に合わない。
そう思った時。
『はぁ!?』
『なんだと!?』
『ナンデ!?』
「トレギアッ!?」
怪獣、ギーストロンが角に集約したエネルギーを放出する寸前。
そいつの頭を蹴り飛ばしてヘリを守ったのは、僕たちでもなく、未だ眠っているタッコングでもなく、僕たちを執拗に狙い続ける仇敵、トレギアだった。
「タァーッ!!」
「グルゥアアアアアアア!!!」
あいつが、どうして!?
僕もタイガたちも、僕たちに助けを求めたシンジ君ですらも、鼻提灯を弾いてようやく起きたタッコングも、絶句していた。
◇
「ふふははははは!!」
「キシャアアアアアアア!!!」
決まった、しっかり決まった!!
タロウ、俺やれたよ!! 変身直後のスワローキック!!
今すごい心臓バクバクしている。邪神パワーの恩恵でこの貧弱なブルー族の肉体でも多少の格闘戦ができる程度にはパワーアップしているということだ。まぁ、いくらブーストされていると言っても元が元だから耐久力はそれほどでもないが。だから無限残機の加護なんだろうな……そのせいで今このざまだと思うとなんかまた腹立ってきたわ。
「(´・ω・)」
「悪いのはアレだから、気に病むなグリムド」
「( ;∀;)」
ギーストロンの斬撃を纏うようなパンチをいなし、カウンターのように手刀を打ち込む。
少しよろけたところに首筋へ連撃チョップを叩き込むが、あまり効いている感じはしない。硬いな。
反撃で挟むように両拳が迫ってくるがバックステッポゥ! して回避。生じた隙を狙ってハイキック……避けられた!?
「ぐはっ!?」
「キシャアアアアアアア!!!」
回避に併せて尻尾による足払いだとぉ!? こいつ戦い慣れて……痛い!!? 踏みつけやめれ!!
追い打ちにレーザー!? 待って待っておいやめろ馬鹿……!!
「タコタコー!!」
「ギアッ!?」
「タッコング!?」
危うく直撃を受けるところだったが、タッコングが大ジャンプ突進しかけて助けてくれた。おおマジか。
俺てっきり共倒れ狙って静観すると思ってたわ。闇堕ち俺の事把握してただろうし。
「トレギア!」
「げぇっタイガ!?」
変身してくるの早くない!? 予定では華麗にギーストロンを追い詰めて、途中参戦したタイガに煽りムーヴかませば誤魔化せると思ってたんだけど!? トレギアが出たら様子見すると思ってたのに!! ヒロユキ君とかは絶対変身嫌がったでしょ!! どうやって説得したん!!?
しかもピンチ場面見られてておじさん恥ずかしいんだけど!!
慌てて立ち上がり、土埃を払う。ギーストロンとタッコングは怪獣ファイトしてんな。お、タッコングの体当たりが顎にクリーンヒットしてる。やるやん。
「トレギア、お前! 何が目的だ!?」
「何が目的……?」
ごめん、予定とはちょっとだけ違うんで適切な言い訳がとっさに思い浮かばないんだが……誤魔化そう。
「ふん、タイガ。私に意識を向けて光の戦士としての使命は捨てるつもりかな?」
「なんだと!?」
「みろ、タッコングが押されている。やはり老い過ぎているのだ。あれが負け、ギーストロンがマグマを活性化させれば地上は崩壊するんだぞ」
「!!」
劇中でも言われてるけど、やっぱり優位なのはギーストロンだなぁ。むしろあれを今まで抑え込んでたわけだからあのタッコング全盛期はえぐいぐらい強かったんだろうな。
さて、『話は後だ』誤魔化しムーヴの〆だ! タッコングも倒れ込んで猶予がない。
「やることは私と話す事か? 怪獣を倒す事か?」
「……! 後で問い詰めてやるから逃げるなよ!!」
タイガ君いい子! 乗ってくれてありがとう!!
「トレラケイルポス!!」
「ゲギャッ!?」
指先より邪神パワーを込めた破壊電磁波で、タッコングを切り裂こうとするギーストロンを撃ち抜く。
怯んだ隙に突撃して飛び蹴り2連撃だ!!
「タコタコターコ」
「先の礼だタッコング。私は貸し借りは作りたくない主義でね」
物語ではタッコングは無事だったが、俺がこうも派手に介入したのもあって保証ができない。守護らねばならぬ。
突進してくるギーストロンをかるくいなす。勢い余った分に併せるように膝蹴りを顎へ叩き込んだ。再びレーザーを放とうとしてきたので懐に潜り込み、再び顎へアッパーカットのように掌底を叩き込む。
あの巨体が一瞬宙に浮く。身体を捻りながら更に顎へ裏拳だ。これで3連発、顎へ強力な一撃を加えたはずだが……昏倒した様子がない。こいつ首全部骨とかなんじゃあるまいな?
「グルゥアアアアアアア!!!!」
昏倒するどころか効いてないのか!?
ギーストロンが怒り狂ったように殴りかかってきたので蹴りで返しつつ距離を取る。
少し離れたが、今度は突進してこずに両の手を合わせエネルギーを集中、それを斬撃にして飛ばしてきた。芸達者な怪獣だな本当! 直撃はまずいとわかる、防がねば。
「イスキュロス・イーバ……なっ!?」
「(>_<)」
カーブした!? バリア避けるとかずる……痛いッ!!!?
めちゃくちゃ痛いんですけど!!?
「シェアッ!!」
「ギャオオオオオオオオ!!!!!」
思わず膝をついてしまったが、ギーストロンの追撃をタイガが防いでいる。やだ嬉しい。
そんなことされたらタロウ思い出して胸がときめくからやめて。って、タイガの攻撃撥ね退けて斬りつけやがった!? 俺のタロウの息子になにしてくれとんじゃクソ怪獣!!
気合を入れて立ち上がり、再びトレラケイルポスを撃ち放つ。結構な威力あるはずだが、あいつにはスタンぐらいにしかなってないぞ。手強いな。
「はなれろタイガ」
「うわっ! 助けてやったのに!」
怯んでいたタイガを案じているのをバレないように、肩を掴んで押しのけるように後方へ追いやる。すまんな、あまり露骨に味方ムーヴすると支障ありそうで怖いんだ。だが内なる感情は本物だ。
怒りのままにギーストロンを蹴る。蹴る! 蹴る!! トリプルキックだ!!
おどれ人の大事な甥っ子も同然の子になにしてくれとんじゃ。え? 闇堕ち俺が一番ひどいことしてる? ごもっともです!!
「タッコング、挟撃作戦だ!!」
なんかどっかから少年の声が届いてきた。シンジ君か。
タッコングが言われるままに保護色を用いて姿を消す。なるほどね。
「イリュージョンなら得意分野だ、助けよう」
「ギアッ!?」
ギーストロンの察知能力を惑わすように、かく乱攻撃をしかける。
空気を読んだようにタイガも加わってギーストロンの意識が完全に此方を向いた。
隙だらけな背中へ向けて、タッコングが口から火炎放射をぶっ放す!!
いや効くんかそれ。
「キシャアアアアアアア!!!」
効いとらんやんけ!!
鬱陶しいとばかりにギーストロンが先程のめっちゃ痛い斬撃をタッコングへ飛ばした。
まずいと思ったが、なんとタッコングは炎を吐きながら、超回転してファイアーシールドを展開、斬撃をはじき返した。
「「「!!?」」」
「タコタコー」
俺もタイガもギーストロンも仰天していると、タッコングはそのまま炎を纏ってギーストロンを跳ね飛ばす。これが本命の攻撃だったようで、あの堅かった怪獣が強く吹き飛び倒れ込んだ。
「タイガ、決めるぞ」
「ああわかってる!!」
大きく怯んだ時にこそ、必殺技を撃ち込める。
拘束ベルトで隠されたカラータイマーに宿る邪神の力を引き出し、両腕へ纏わせる。
邪神グリムドよ、原初の混沌よ、光も闇も許容する力よ、俺に眼前の敵を討伐する破壊の矢をもたらせ!
「トレラアルティガイザー!!」
「ストリウムブラスター!!」
蒼い闇が作り出した渦、その奥に輝く5つの紅き闇より放つ邪神の殺意。それが破壊の奔流となってギーストロンへ放たれる。
そして図らずも隣でタロウのように輝くタイガのストリウムが併さり、凄まじい一撃となって大地の怒りを消し飛ばした。
わずかに耐えることすら許されず、一瞬でその全身が砕かれ、爆炎爆風と共に肉片が散らばっていく。
当然悪影響たる爆風被害は邪神アフターフォローによって最小限に抑えている。飛び散った肉片が直撃して凹み傷できた車とかはごめんなさい。そこまで気が回れませんでした。
「タコタコー!」
「……」
「……」
強敵は打ち倒した。
はしゃぐタッコングを横目に、タイガから敵意と困惑がにじみ出る。俺も誤魔化したくて真似するように敵意をにじませる。そうでもしないとタイガと共闘できた喜びでどうにかなってしまいそうなんで。
勝ったうえに内なる心は狂喜乱舞してるというのに、空気がじわじわ悪くなっていく。
「トレギア、お前……」
「タコタコー」
「うおっ!?」
勝ったんだぜ喜べよとタッコングが俺とタイガの肩を叩いた。その体型と腕で頑張ったなおい。
だがお互い、タッコングに救われた。タッコングを間に挟み、それぞれタッコングを介すように勝利のハイタッチを交わす。
そしてタイガに話しかけられる前に、トレラ・スラーで転移逃走を決める。
手を伸ばされるがこの転移発動はとても速いのだ。残念だったなタイガ!! おじさんは今感情制御が難しいので会話するわけにはいかないんだ!!
「あ、トレギア!!」
「タイガ、地球の危機はまだ終わっていないぞ」
せめてウーラー襲来が迫っている事をちらっと示しておく。
次のウルトラビッグマッチでまた会いましょう。
◇
夕焼けが溶け込む海に消えるタッコングと、シンジ君を笑顔で見送る。
人類がやりすぎないように監視してよと言われても、タイガたちも困った事だろう。僕も地球環境を考えるという、小さなことから始めていく事ぐらいだ。
『ヒロユキ、すぐに動いてくれてありがとな』
タッコングが完全に見えなくなってから、タイガが僕にお礼を口にする。ちょっと気まずそうなのは、やっぱりトレギアを助けるようなタイミングでの変身を頼んできたからだろう。
僕はあの時、トレギアの狙いがわかるまで様子見するべきじゃないかと迷ったのは事実だ。でも、わからないからこそ、放置して街の皆が苦しむことになったらと思えば、動かないことは絶対にやってはいけなかった。だからタイガが言うまでもなく、僕は変身した。お礼を言われる事じゃないんだよ、相棒。
それに、確信できることがある。
「タイガ、トレギアだけどさ……街の人を守ったよね?」
『ああ、間違いない』
僕やタイガを付け狙い、仲間を傷つけようとする絶対に許せない存在。それがまるで人類を守るように動いたことは今でも納得はいってない。怪獣の爆風から、周囲の建物を薄く蒼いバリアで保護するように守っていたのは僕の目にも映った。
『初めてトライストリウムに変身して奴を一度倒した時からだ。今までのトレギアとは何かが違っている』
「タイガの言うことはわかるよ。だけど……」
社長を狙い、ホマレ先輩を襲ったことからは悪意以外の何も感じられない。
ただ、何故か菓子折りくれたりと挙動が一貫していないのもわかる。挑発だと思ってたけど、今なら本当にお詫びの意味があったのではとすら思えてくる。ホマレ先輩の退院祝いとして、匿名で宇宙人が好むジュースやお茶(マンダリンジュースと眼兎龍茶)が箱詰めで送られたけど、あれもひょっとしたらトレギアだったのかも。ホマレ先輩が関わった宇宙人なら匿名はおかしいって先輩も言ってたし。
だから余計にわからない。あいつは本当に僕らの知るあのトレギアだったのだろうか。
『ああ、わかってる。俺も今回それを問い詰めるつもりだったんだが……結局逃げられた』
『次こそはぶん殴って無理矢理話させようぜ!』
『まず肉体言語は大事だろうな!』
「そうだね、わからないことばかりだけど。次こそは」
トレギアは消える前、地球の危機は終わっていないと告げた。シンジ君も同じように、空を見上げて地球の危機を口にした。
きっとそれが、トレギアの変貌に関わっていると僕は思う。
「帰ろっか」
『ああ!』
例え全てがトレギアの罠だとしても、僕たちは負けないと決意を固め、E.G.I.S.に帰った。
書類仕事ほったらかしにしてどこに行ってたんだと滅茶苦茶怒られた。
タイトルでしかネタにされていないが、タッコングの遣いみたいなポジだったシンジ君は本当に謎。タコ足あったし、タッコングが寿命迎えたら次代のタッコングになるのかもしれない。ノンマルトの使者みたいに墓とか水死したとか情報なかった分、亡霊も確証ないんですよシンジ君。
・【朗報】オレギアさん、やっとまともに戦う。
トレギアの戦闘能力はその大半が邪神の恩恵であることは割と有名ですが、トレギア自身が完全に雑魚というわけではありません。
ブルー族だなんだと言っても、M78星雲人であることに変わりはなく、宇宙警備隊試験に落ちたのも実はギリギリ不合格という辺りで、血の滲む特訓は重ねていました。合格に至らなかったのは身体能力1点のみだったのかも。平行同位体トレギアはタルタルソースの恩恵受けて大暴れしてるし、戦闘センス自体はあったんじゃないかなぁ。
原作トレギアもゼロと殴り合える程度の格闘能力はありますが、やはり基本は相手に本領を発揮させないムーヴや、回避&カウンターをメインなように思います。暗躍も相当長いので、それによる経験成長もあるでしょう。そんな闇堕ちトレギアの経験値を一切継承してない本作トレギアがゼロと殴り合えば1分後にうつ伏KOされることでしょう。トレギア絨毯の完成である。
・【悲報】オレギアさん、ボロがでまくってる。
最初中途半端にシナリオに忠実なRPしようと頑張ってたせいで、余計混乱の元になっている模様。
後から善行隠さない真似するぐらいなら最初から味方ムーヴ決めつつシナリオ調整した方が色々な意味で楽だったとは気づかないし、気付いたら後悔でタロウフィギュア弄り始める。
・タイガ、トレギアの変質を確信し、揺れる。
温室育ちの根が優しすぎるウルトラマン。タイガはウーラー戦後にトレギアに「お前がどれだけ否定しようと、お前はウルトラマン」と説得しようとした程に超が付く善人です。
若すぎる故か策謀に乗せられやすい単純さはありますが、決して馬鹿ではない上、相談できる仲間もいるので違和感を口に出せばしっかり考察できる。だから最初から土下座する勢いで心を入れ替えたとか言い出して後は行動で示せば割とあっさり信じてくれたと思われる。疑い続けたり試すのはフーマやタイタスの役割。
あ、次回は11月5日に更新予定です。