みちのくKanon―20thAnnIversary.veR―   作:衛地朱丸

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変更点等は下記の通りです。
旧作該当話:第壱拾弐話「統率者としての資質」
作中時間軸:平成11年1月11日(月)
新規シーン:・校舎の中心でアイを叫んだ野獣
変更シーン:・名雪にツッコむのをモブ生徒から美汐に
      ・久瀬の名前を政行から浩史に
      ・斉藤とのやり取りが若干汚い
      ・げんしけんの会長を副團長から團長に
      ・げんしけんのメンバーをオリキャラから美汐と鈴香に


第十四話:会長と團長

「祐一、ちょっと赤レンガまでいいか?」

 始業式が終了し教室に入ろうとすると、潤が声をかけてきた。

「今からか? もう次の授業の時間じゃないか」

「始業式が早めに終わったから、あと20分~30分は大丈夫だ」

「そうか。ところで『赤レンガ』って何だ?」

「昇降口前の中庭の通称だ」

「とにかくそこに行けばいいんだな?」

「ああ」

「了解」

 そうして俺は潤と共に赤レンガへと向かって行った。

「ぐわっ!」

 言われるがままに赤レンガに向かうや否や、突然潤が殴りかかってきた。

「すまんな、転校生。ワシゃぁお前を殴らないかん。殴っとかな気がすまん」

「おい、ジュン、止めなって!」

「離せ斉藤! コイツのせいでワシの妹は……!!」

 居合わせた斉藤が必死に潤を押さえ込もうとするが、潤は俺の胸倉を掴んでもう一発殴ろうと拳を構えた。

「やめて、北川くん!」

 そんな時だった。どこからか現れた名雪が俺たちに向かって叫び出した。

「北川くん! その手を離して!! いったい祐一が何をしたって言うのっ!?」

「いやっ、何って言われても……」

「俺たちは芝居をしているだけだけど……?」

「えっ!?」

「水瀬先輩。チルドレン先輩たちは、エヴァンゲリオンの1シーンを再現しているんですよ」

 俺たちのやり取りに野次馬根性が沸いてか、いつの間にやら教室棟の廊下に人が群がっていた。その中に交じっていた美汐が、名雪に種明かしをする。

 実のところ、昨日電話で潤と打ち合わせをしていたのだ。このあと俺が「僕だって、好きで乗っているわけじゃないんだ」とサードチルドレンの台詞を言う予定だったのだが、名雪が割り込んだことにより発せられなかった。。

「完全再現とはいきませんでしたが、三学期の初日から素晴らしいものを見せていただきました。おめでとう!」

 そうして美汐は、TV最終回のように拍手をし、他の野次馬も続く。

「ありがとう!」

 

父に、ありがとう

 

母に、さようなら

 

そして、全ての子供達(チルドレン)

 

おめでと……

「う~~。芝居なら芝居って先に言ってよ~~」

 ノリで物語が終局に向かいそうになったが、名雪が顔を真っ赤にしてツッコんで来た。

「こういうのは何の予告もなしにやるから面白いんだよ」

と、名雪に理解を求めようとしたが、名雪は最後まで腑に落ちない顔をしていた。

 

 

「まったく! 始業式早々何をやっているんだお前たちは!!」

 赤レンガでのデモンストレーションが中途半端に終劇した後、俺たちは石橋先生に職員室に呼ばれ、こっぴどく叱られた。

「あの、一応今回の件に関しては、顧問の幸村先生にも生徒会にも許可は取ったんですけど」

 潤は今回のデモンストレーションは部活動の一環だと石橋先生に弁明する。

「たとえ部活動の一環としてもだ、時と場所を選べ! まったく、お前たちは小学生か」

「まあまあ、いいじゃないですか、石橋先生」

 そんな時だった。石橋先生と俺らの間に一人の生徒が割って入った。その生徒はメガネをかけたいかにも優等生な面構えの男だった。

「この度のショーは、生徒会長である僕に、現代視覚文化研究会会長自らが許可を申し出たものです。生徒会の認可も受けずにあのようなショーを披露したなら確かに問題でしょうが、生徒会長のお墨付きなら何の問題もないでしょう」

「まったく、どいつもこいつも……。わかった、今回のことは不問にしておく。だが、二度とこんな軽率な行動には出るなよ!」

 煮え切らない表情で、石橋先生は俺たちの前から立ち去った。

「何のつもりだ“三代目”。オレらに貸しでも作ろうってか!?」

「僕は別に君に貸しを作るつもりは毛頭ないよ北川君。僕が用があるのは君だよ」

 そう言い、自ら生徒会長と名乗った男は俺に近づいてきた。

「初めまして、相沢祐一君。僕は光ヶ丘高等学校の生徒会長である久瀬浩史(くぜひろし)だ」

 久瀬と名乗る男は自分から進んで自己紹介をし、俺に手を差し伸べてきた。

「こちらこそ初めまして」

 いきなり手を差し伸べられたことに途惑ったが、俺は礼儀として自分も手を差し出した。

「先程のショー、君という人間を全校生徒に知らしめる手段としては、非常に有効なものだったよ」

「はぁ。それはどうも」

「生徒会長水瀬春名のご子息として、僕は君に期待している。ぜひとも生徒会に入ってくれたまえ」

 ああ、成程。何故この久瀬という男が初対面の俺に親しげなのかよく理解できた。久瀬は俺を母さんの子として見ている人間の一人ということか。

「では、よい返事を待っているよ相沢君」

 そんな台詞を残しながら、久瀬は職員室を後にした。久瀬は俺に対して好意を抱いてはいるようだが、その姿勢は最後まで人を見下す高圧的なものだった。

「まったく、いい気分がしないな」

 俺は職員室から教室へと戻る最中、そんな愚痴を二人に吐きながら歩いていた。

「三代目は優秀な自分が愚民どもを統率しなければならないなんて思っている、シロッコタイプの生徒会長だからな」

「さっきから三代目三代目って、何で久瀬のことを三代目って呼んでいるんだ?」

 俺は潤が久瀬のことを三代目と呼んでいることに疑問を持ち、潤に訊ねてみた。

「何だ、苗字で気付かないのか? あいつは参議院議員久瀬素夫(もとお)の息子だぜ」

「成程。だから“三代目”か」

 潤の説明で俺は納得がいった。参議院議員久瀬素夫は、この水瀬市はおろか、県南部の勢力を倉田党首と二分する力を持つ政治家だ。

 久瀬議員の父は官僚出身で内閣官房長官や民自党副総裁を歴任した久瀬悦三郎(えつさぶろう)氏だ。

 また、佐祐理さんの祖父である倉田佐重喜(さえき)氏も衆議院議員を務めていた。つまり、佐祐理さんも久瀬も同じ二世議員の子ということになる。潤は久瀬が二世議員の子であることから、皮肉の意味を込めて“三代目”と呼んでいるのだろう。

 素夫氏と一雄氏は、かつて“水瀬戦争”と呼ばれた衆議院の議席を巡る政争を繰り広げた政治家同士だ。一時は協議の結果素夫氏が参議院に下ることで和解したが、ここ数年は互いに距離を置いた関係になっていると、父さんから聞いたことがある。

 もしかしたなら久瀬は、数十年後繰り広げられるであろう佐祐理さんとの三世議員対決に際し、自分が優位な立場に立つことまで目論んで、俺に声をかけたのかもしれない。

 いずれにせよ、俺は生徒会なんかに入る気はまったくない。ただでさえ母さんの子として見ている人間がいるというのに、生徒会なんかに入ったら悪化の一途を辿るだけだ。

 俺はこの学校では何の役職にも就かず、平穏に一生徒として学園生活を送ると、心の中で呟いた。

 

 

「潤、学食はどこにあるんだ?」

 4時間目終了後、昼食を持参しなかったので訊ねた。

「学食か? 学食は、体育館隣りの旧60周年記念館に……」

『Flying The Sky♪ た~~かく羽ばたけ♪ 大空~~をどこまでも♪ シャイニング・フィンガー!!』

 話の途中、潤の胸元から携帯の着メロ音が聞こえてきた。メロディを聞く限りではGガンのOP曲だ。

「はい、こちらスカル4!」

『スカル3よりスカル4へ! 状況は予想通り局地戦と化している! 一刻も早く向かわねば目標をロストしてしまうぞ!!』

「了解! 祐一、学食に急ぐぜ! 戦況は風雲、急を告げ、窮めて我らに不利なり!!」

「ようするに混んでいるってことか?」

「それもあるが、今日から発売される新作パンが売り切れそうなんだよ! 走るぞ祐一! プルプルプルプルプル~~♪」

「だぁぁ~~! 自分をバルキリーに見立てるのはいいとして、男がその台詞を言うのはやめろ~~っ!!」

 妙に甲高い声でエルピー=プルの物まねをしようとする潤を、俺は必死で制した。頼むから俺のプルのイメージを壊す行為は勘弁してくれ。

「しゃぁねえな~~。じゃあ、オラオラ~~、死神様のお通りだぁぁぁ~~!!」

「い、いや、その台詞は台詞で妙にリアリティがあるんだが……」

 ともかく俺は戦闘機のように走り出す潤の後を追い、学食に急いだ。

 

 

「ぜは、ぜは……。時既に遅しか……」

 学食に着くと、そこは既に多くの生徒が詰めかけていて、座れる余裕はなかった。潤は目的の新作パンが既に売り切れていたことに、息を切らしながら悔しがっていた。

「遅いぞ、北川」

 そんな潤の前に斉藤が現れた。

「まさかこんなに混んでいるとはな。やっぱりみんな新作パンに群がったか……」

「当たり前だろうが。買いたきゃ俺みたいに2階から飛び降りてでも買いに行かなきゃな」

「オレはお前ほど身体鍛えてねぇよ!」

「ちょっと待て! 2階から飛び降りたって!?」

 4時間目が終わった途端斉藤の姿が見えなくなったと思ったら、そんなことしていたのか。しかし、2階から飛び降りるなんて正気の沙汰じゃない。

「週……何回とか、そういうのはある?」

「シュー……うーん……何回っていう感じじゃないな。せいぜい欲しいパンをどうしても買いたい時くらいだな」

「なんだそれは……たまげたなぁ」

「俺は常人と身体の鍛え方が違うからな」

 身体の鍛え方が違うって。事ある度に2階から飛び降りても平気な身体なんて、そう簡単に鍛えられるものじゃないと思うが。

「まあ、気落ちすんなって。ちゃんとお前の分も買っておいたからよ」

「サンキュー、斉藤」

「その代わり席は確保できなかったけどな」

「やれやれ。教室で食うのもあれだし、“げんしけん”で食うか……」

「なんだ“げんしけん”って?」

「三代目が朝言ってた『現代視覚文化研究会』の愛称だ」

「ああ。具体的にはどういう集まりなんだ?」

「早い話、漫画、アニメ、ゲームを含めたあらゆるヲタク文化を研究する会だ。團長が従来の漫研じゃヲタク文化のすべてを把握仕切れないって、漫研を改めたんだよ」

「團長ってのは、應援團のか?」

「ああ。團長が会長兼ねてるってことで基本的に應援團のたまり場みたいになってるんだけど、お前が行っても何の問題もないぜ」

「分かった。お言葉に甘えさせてもらうぜ」

 学食は見た通り座れるところがなさそうだし、げんしけん自体にも興味があったので、俺は学食でパンを買って潤たちについていくことにした。

 

 

「着いたぜ。ここにげんしけんがある」

 潤たちに案内された場所。そこは校舎の端のテニスコートとプールに挟まれた、築40年は経過していると見えるボロボロの建物だった。潤曰く、この建物は文化部長屋という通称で呼ばれている部室棟とのことだ。

「この文化部長屋には、げんしけん、軽音楽部、演劇部、そして我らが應援團の團室がある」

「文化部長屋っていう割にはずいぶんとサークルが少ないな。應援團は文化部じゃないし」

「建物自体が古いからな。吹奏楽部以外の文化部はみんな校舎内の教室を活動場所にしている。ま、ボロイとはいえ部室があるだけマシだぜ」

 潤の話によれば、げんしけんはこの長屋の手前から2番目の部屋らしい。俺は潤たちに誘われるがままにげんしけんの中へと入っていった。

「……でな、この間制服買いに行ったらよぉ、これがまたピッタリと合うんだよ~~。もうその制服姿が可愛くってさ~~。写真見る?」

「いえ、私は遠慮しておきます」

「えっと、私も……」

 げんしけんの中に入ると、美汐と鈴香ちゃんが苦笑しながら男の話を聞いていた。軽快な喋りで自慢話をする男は丸刈りでボロボロの学ランを着ていた。格好からして、この男も應援團なんだろう。

「ち~っすっ」

「おっ、北川に斉藤、いいところに来たな。実はお前等に伝えなきゃならない重大発表があってな」

「重大発表ってなんスか、團長?」

「團長? この人が?」

「ああ、そうだ」

 應援團の團長というイメージから、俺はもっと硬派で威厳がある人が團長かと思っていたけど。まあ、ヲタサークルの会長務めるくらいだから、ある意味イメージ通りか。

「ん? 一人見かけない顔の奴がいるな? 同じ2年のようだが」

「ああ。朝一芝居打った転校生っスよ、團長」

「おお、あん時の。今日は朝から面白いものを見せてもらったな。名前は何て言うんだ?」

「相沢祐一です。よろしくお願いします、團長さん」

「相沢か。俺は宮沢和人(みやざわかずと)だ。俺のことは團長なり宮沢なり和人なり、兄貴なり兄者なり兄上なり好きに呼んでくれ。間違っても『お兄様』とか『にいや』とか『兄チャマ』とか呼ぶなよ。男に呼ばれても気色悪りぃだけだからな」

 初対面の俺に好きに呼んで構わないなんて、ずいぶんと心が広い人だと思った。でもなんで、そんなに兄の呼称に拘っているのだろう?

「で、重大発表ってなんスか、團長?」

「ああ、聞いてくれ、北川に斉藤、それに相沢……」

 単に昼食を取りに来ただけなのだが、いつの間にか團長の重大発表を聞く羽目になった。

「実はな……。今度俺の妹が中学生になるんだよ~~。それでな、この間中学の制服買いに行ったんだけど、これがまたピッタリと合うんだよ~~。もうその制服姿が可愛くってさ~~。あまりの可愛さに記念写真撮ったんだけどさ、その写り栄えも最高って感じでさ~~。写真見る? 見る~~?」

 團長の言う重大発表とは、何てことはない、自分の妹が中学生になる話題だった。しかし、自分の妹が進学するだけだって言うのに、親じゃあるまいし、ここまで大げさにはしゃぐ必要があるのだろうか。何か俺たちが来る前も同じ話題で盛り上がっていたようだし。

「これで念願叶って有紀寧(ゆきね)と並んで制服姿で街中歩けるぜ! 一緒に並んで歩いたらよ、どっから見てもアツアツのカップルにしか見えないぜ。な、お前もそう思うよな、相沢?」

「いやまあ、ははっ……」

 そんな仮定の話を振られても困るんだけど。俺はとりあえず作り笑いをしながら相槌を打った。

「にしても、美汐ちゃんと鈴香ちゃんも、げんしけんのメンバー?」

「ええ。私は専任ですが、鈴香くんは陸上部と兼任です」

 そういや初対面の時、名雪が後輩だって言ってたな。

「げんしけんのメンバーは全部で何人だ?」

「こ↑こ↓にいるメンバーと、あと一年生が一人。もっとも、休学中でゲシュペンストメンバーですが」

 休学中? 何かしらの理由で不登校児になるのは珍しくないが、プライバシーに関わる問題だし、深くは聞かないでおこう。

 

 

「和人、和人はいるかっ……」

 昼食を取り終え、げんしけんにある漫画を拝借して読書に夢中になっていると、突然部室のドアを開け、團長の名を呼ぶ声が聞こえた。

 ドアの方に目を向けると、そこには見た目がいかにも不良そうな男が悲痛な表情で立ち尽くしていた。背格好からして應援團だろうか。しかし、特にバンカラ服という感じではないので、恐らく他校の生徒なのだろう。

「なんだぁ、田嶋(たじま)ぁ。またヘマ犯したのか?」

「ああ! やっちゃいけねぇって思ってるのに、またケンカしちまった! おまえに何度もやめたほうがいいって言われてるのに、つい手が出ちまう。ホント、俺はどうしようもねぇ人間だぜ……。もう生きてける自信ねぇよ……」

「やれやれ。相変わらず血の気が多いなお前は。ケンカの原因はなんだ?」

「ああ、実は……」

 その後團長は突然現れた田嶋という男の話を聞き、時には叱責し、時には激励の言葉を送っていた。

「すまねぇ、和人。またお前に元気付けられちまった。いつも迷惑ばかりかけて、本当に申しわけねぇ……」

「なぁに、迷惑なんかじゃねぇよ。相談があったらまた来な。いつでも話聞いてやるからよ。気を付けて学校に戻れよ、田嶋」

「ああ。ありがとな、和人」

 そうして田嶋という男は團長に深々と頭を下げてげんしけんを後にした。

「まったく、アイツの血の気の多さには困ったもんだぜ。ま、俺も應援團なる前はアイツ以上に血の気が多かったからな、ハハッ」

「それよりもいいんスか、團長。田嶋に妹さんの話をしなくて」

「うおっ、しまった! 話聞くのに夢中になってて、田嶋に有紀寧の制服姿の話するの忘れてた! お~い、待ってくれ、田嶋~~。実は今度俺の妹が……」

 潤に妹のことを指摘され、團長は急いで田嶋の後を追った。

「しかし、今のは何なんだ潤」

「ああ。『團長の人生相談室』だ」

 潤の話によれば、今の田嶋のように團長を慕ってこの場所に訪れる他校の生徒は多いらしい。それも訪れる生徒のほとんどは、俗に言う不良生徒とのことらしい。

 生徒会長の久瀬は他校の不良生徒生徒が校内に不法侵入することを快く思っていないようだが、学校の方は團長の行為が他校の不良生徒の更生に役立っているのなら仕方ないと、黙認状態だという。

「分かるか祐一? 今の團長の姿勢こそが、應援團の團長たる理由なんだよ」

「えっ?」

「團長の応援は校内行事の応援に留まらない。今のように他校の生徒が相手でも上から物を言うんじゃなくて、同じ視線に立って気軽に応援する。そんな心の広い男なんだよ、團長は」

 俺は潤の話を聞き、團長こそ人の上に立つ資質を持った男だと思った。自分は人の上に立つ者だという意識を持って人に接する久瀬のような人間は、人の上に立つ資質を持つ男ではない。

 何故なら、単に偉ぶるだけならば誰にだってやる気になればできることだ。自分は他人より優れている、特別だと思っている人間は世に多く、そんな人間が地位や権力を得れば、人を見下すに決まっている。

 けど、團長は違う。彼は偉ぶった素振りをまったく見せず、他校の生徒や初対面の俺にでさえ、まるで昔からの友達と語り合うかのような姿勢で接していた。

 誰が相手でも決して偉ぶることなく、それでいて叱責や激励の言葉を送れる。そういう人間こそが統率者のあるべき姿だと、俺は思った。




げんしけんって、今となっては古いネタだと思いつつも、逆に懐かしネタになるかなと思って、そのまま残してあります。
久瀬の名前は、いかにも政治家っぽいのから、声優のにしましたね。久瀬の声優は、やっぱ神谷さんですよ、ええ。
舞の登場まで残り3話ですが、次回に名前だけ出ます。作中における立ち位置も若干変わってますのでお楽しみに。
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