つばめちゃんは神浜の魔法少女が尊いようです   作:名無ツ草

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第四十二話 バードアイ・ビューイング……③【胡蝶の夢】

 ChapterⅤ【胡蝶の夢】

 

 

 

「さてさて、リベンジマッチと行きますよ」

 

 

 日を改め、再び霧谷ビル屋上を訪れた私たち三人。

 

 昨日と同じように結界に入ればそのまま催眠。抵抗したらしたで追い出されてしまう。ならばどうするか?

 

 

「そこで()()の出番なんだなぁ」

「香……ですか」

「『蝶夢香』。これを使って眠れば意識を保ったまま夢の中に入ることができる。そんな感じのアイテムです」

 

 

 蝶夢香。

 エーテルワイヤー、鮮血機構と同じく父が保有する魔術道具。効果はさっき説明した通り。

 

 父は前線に立つには色々と制約があるが、『道具程度なら本体のほうから持ち出せる』とどこぞの青タヌキよろしく多種多様なアーティファクトを用意してくれる。とはいえ持ち出すだけで相応の魔力を持っていかれるブツもあるからあまり頼りにし過ぎるわけにもいかないわけで。このウワサのように自力じゃちょっと対処しようのない相手にのみ借りてくるわけだ。

 

 

「それじゃ早速ぼわっと」

 

 

 魔力で火をつけるとあたりに不思議な匂いが立ち込める。甘ったるく、ちょっとすっきりしていて、かぐわしい。そんな怪しい感じの香りが鼻に吸い込まれれば、たちまちのうちに眠気がやってくる。

 

 ゆっくりと意識が沈んでから、再び浮かび上がるような感覚。

 瞬きの後に視界はビルの屋上から眼下に街を望む大空へと――

 

 

「ってうおわっ!」

「ひゃあっ!?」

「ぁわっ!」

 

 

 感じたのは浮遊感――ではなく落下する感覚。

 

 遠ざかる空。近づく地面。

 おいおいおい。一体なんで飛べていないのか。まさか夢の中で飛ぶには、意識もしっかり浮ついてないとダメなのか。上の空ってそういう意味じゃないと思いますが!

 などと考えている暇にも、体を襲う上向きの圧力は否応なしに非情な現実を知らしめてくる。

 

 

 このままじゃ墜落死直行。魔法少女なら運よく生存できるかもしれないが……仕方ない!

 

 

異形顕現!」

 

 

 瞬時に黒翼を生成して抗力と揚力を得た私は、滑空してお二人を抱えてから再度飛び上がる。

 

 

「っと、大丈夫ですか?」

「助かりました……」

「え、つばめさん、それ……?」

「秘密の奥の手です。皆には内緒ですよ」

 

 

 れんちゃんには適当に誤魔化しつつ、そのまま最初の高さまで上昇する。

 現実では日中ということもあってか、空中には件の女性以外誰もいない。どうやらこの時間まで惰眠を貪る不埒者はここの利用者の中にはいなかったらしい。適当な理由をつけて学校を休んでまで真昼間を選んで正解だった。まあ魔法少女なんてズル休みの一回二回じゃ済まないこともままあるから、ね。

 

 

「いやあ参った参った。まさか夢の中で動こうとしたらこうなるとは。でもまあ地に足をつけてちゃあ飛べないのも当然ですね」

「うまいこと言ったつもりですか」

「言葉遊びやこじつけは魔術の基本ですから。でもまあ、これで条件は同じだ」

 

 

 流石にこのままお二人を抱えたまま、というわけにもいかない。

 周囲に滞空する羽根を操作して、ある程度固めていい感じに足場を形成する。

 魔力で固着させているから踏んでも全然問題なし。この感じも懐かしい。七枝市で音子さんが不在の時は、美緒を援護するのにこうやって足場を作ってあげたものである。

 

 

「ほい、どうぞ」

「成る程、これは助かります」

「んっと、大丈夫そうですね、はい……」

 

 

 おっかなびっくりとれんちゃんも足場に乗ったところで、ようやくウワサと対峙する。

 再び空へと上がってきた私たちの姿に、ウワサの女性は目を丸くしてこちらを見た。

 純白の貫頭衣はこの空で踊るためのドレスか、あるいは地上を羨む死装束か。肩口でざっくりと揃えられた髪が静かに揺れている。

 

 そして直接見て理解した。確かにこれは幽霊ではない。

 現実に存在する、命ある何者か。魔法少女ではないだろう。その芯の魂は青白い無色の魂。だがその周りをコーティングするように別の魔力が覆いつくし、それは体全体にまで及んでいる。つまり魔法を用いて作られた肉体に、魂を詰めて形作られた存在。それがウワサだ。

 

 

 戸惑い――恐怖――敵意。

 

 

 恐らくは意識を保ったままこの場に乗り込むような慮外者はいなかったのだろう。それを実現したことであちら側には明確な困惑の表情が浮かんでいる。先ほどまでの無関心は、自分が決して傷つけられないと分かっていたから。こうして明確に自分を害しうるものが現れたことで、怯えるような感情が見えてきた。

 ゆっくりと振るえるように手を伸ばして、手折れそうなほどに細く白い指を向ける。すると風船を括りつけた人型の生き物がぞろぞろと地表から浮かぶようにして湧いてきた。つまりウワサに付きしたがう手下だろうか。こんなところまで魔女と酷似しているらしい。

 

 

「向こうもやる気のようですね」

 

 

 武器を構えるのと前後して、ウワサの手下が一斉に向かってくる。

 まずは一番先に意外にも素早い動きで近づいてきた使い魔を槍で迎撃。胴体を絶たれた使い魔はそのまま落下しながら崩れていく。これも魔女の使い魔と変わりはないようだ。それを確認しながら左右から襲ってきた使い魔をそれぞれ撃墜し、上から降りてきた個体も刺し貫く。

 しかしその隙に背後からの接近を許してしまい、気が付いた時には槍の間合いの内側に入られていた。

 しまった、と思う間、その使い魔のとった行動は背負っていた風船の一つを取り外し、私の右腕にぐるりと紐を巻き付けてくるだけだった。

 

 一体何を、と疑問に思うが、すぐにその意味に気がつく。

 それまで空中での浮遊状態を保っていた私の体に、ぐいっと上に持ち上げられるような力が作用し、次に私は上昇を始めていた。

 

 

「なっ……」

「つばめさん!?」

 

 

 徐々に高度と上げていく身体。ななかちゃん達の姿が小さくなっていく。このままでは戦線から強制的に離脱してしまう。咄嗟に翼から羽根を一つ毟り取り、黒塗りの刃物に変えて紐を切り裂く。

 直後、自分にかかっていた浮力が消失する。とりあえず翼を羽ばたかせ、元の高さまで戻る。仮にあのまま放置していた場合の末路は、空の点と化した風船の姿が物語っていた。

 

 

「ただいま~」

「あ、戻ってきました」

「気をつけてくださいね。風船をつけられたらそのまま場外落ちかと」

「直接攻撃しては来ないようですが、それはそれで厄介ですわね」

 

 

 恐らくあの風船をつけられたら最後、際限なく上昇して結界の範囲外まで追放されると見た。一体どこの大乱闘だ。私はともかく、ななかちゃんとれんちゃんが飛ばされたら復帰も大変だろう。二人は私の忠告通り、風船を取り付けられないように注意して戦い始めていた。

 

 

「さて。手口も分かったことですし、思いっきりやりますか」

 

 

 ひとつ大きく羽ばたいてから、周囲を飛び回って使い魔を殲滅する。

 異形顕現中は魔法少女の力に加え、魔女としての能力も上乗せしているような状態。そのため全体的な身体能力も向上しており、一撃で使い魔を倒していく。風船を割られた使い魔はそのまま成すすべなくビルの谷間へと落ちて見えなくなった。

 

 蹴散らす最中、心の底から衝動が湧き上がる。

 

 嗚呼、空を飛ぶのは心地がいい。

 このままどこまでも飛んでいこう。

 そうだ。こんな高さで満足できるわけがない。

 かつてない彼方へ。空の向こうへ。この街なんて言わず、この国ごと見下ろせるような高みへ。

 

 飛べる、飛べる、飛べる、飛べる、飛べる、飛べる、飛ぼう、飛ぶんだ、飛びなさい。

 

 ――飛べ!

 

 

「いや、自力で飛べるんでそういうのいいです」

 

 

 誘惑を払いのける。

 一度喰らった手に引っかかりはしない。

 というか今飛んでるのに飛ぼうとする催眠はいかがなものか。

 

 

「――、ッ――」

 

 

 信じられない、というような視線がこちらに注がれる。

 怪物に化け物を見るような目で見られるのは、なんだか奇妙な感じだった。

  

 少し力を溜め、大きく羽ばたいて急発進。

 流れる景色。思考が加速し、標的以外は意識の外へ置いていかれる。

 視界がぐるりと90度回転し、眼下の街並みへ真っ逆さま――。

 

 

「――っと、それも効きません」

 

 

 飛行ではなく落下のビジョンを植え付けてきたが、それも振り払う。

 確かにこの状態からの落下感覚はキくが、そんな感覚は飛行能力を経てからというもの慣れっこだ。何度音子さんから対地対空用攻撃の訓練をさせられたと思っている。美緒どころか父までが悪乗りで射撃に加わっての大惨事。上下から降り注ぐ弾幕を回避させられながら結局撃ち落とされたのはトラウマものである。

 とにかく、これで誘惑に意味はなくなった。直接攻撃をしてこないということは、つまりこれで相手の手札は出尽くしたということ。

 槍を振りかぶり、魔力を込める。一撃であの身体をぶった切ろうと、翼をはためかせて発進し――。

 

 

「五十鈴さん!?」

 

 

 耳に飛び込んだななかちゃんの言葉に踏みとどまる。

 方向転換して駆け付けると、うずくまって震えるれんちゃんをななかちゃんが使い魔から庇っていた。

 

 

「――ぁ、なんで、いや。生きたい、のに。なんで、落ちて」

「どうしたんですか……!」

「最初の誘惑はお互い振り払えたのですが、次の催眠で五十鈴さんが突然顔を青ざめて……とにかくグリーフシードを!」

 

 

 ……不味い。ソウルジェムが急速に濁り始めている。

 どうやらウワサによる落下の暗示は、彼女の心を揺さぶるどころか、なんらかのトラウマを刺激したようだ。とにかくこのままでは最悪の事態になる。急いでグリーフシードを取り出そうとした手に、使い魔の紐が絡まる。

 

 

「っ! この、やめさな――」

「私、もうあんな死に方、たすけて、りか、ちゃ――」

「――っ、駄目。間にあわ」

 

 

 振りほどくも虚しく、ソウルジェムは黒く濁りきり。

 ――その瞬間、れんちゃんの体から何かが抜け出した。

 

 

「え?」

 

 

 目を疑う。

 視界に映るもの。心電図の下に人の胴体の骨組みを取り付け、その根元に幽体のようなれんちゃんが佇んでいる。

 その正体が何なのか、魂を見通す私の眼は理解してしまった。

 

 

 

Renata

 

 

 溢れ出た異形が刻まれた名を指し示す。

 それは感情の写し身。

 絶望に至った根底を表す業の化身。

 本人から独立した絶望の象徴。

 

 それはすなわち魔女であり、それが意味することはつまり――。

 

 

「つばめさん、まさか五十鈴さんは……」

「…………いや、違う」

 

 

 確信をもって否定する。

 

 

 なんだこれは。

 

 魔女ではない。それはあの異形の中心に輝くれんちゃんの魂が証明していた。

 

 ではなんだろうか。私のようななり損ないでもない、けれど非常に酷似したナニカの働きを感じる。

 答えは出ない。ただ事実として、魔女と同様の穢れを凝縮した異形が、彼女の魂から()()()()()()()()()出現したのだ。

 

 

ァ、ア、アアアアアアアアアア!!!

 

 

「っ、防護――!」

 

 

 ほぼ反射的に感じた、危険な兆候。

 自分とななかちゃんを守るための防壁を張った直後、全方位に無差別に電磁波が発せられる。まともに当たれば肉体は愚か、精神すらも焼き尽くされんとする出力の暴威が半径数十メートルを蹂躙した。

 防壁越しに伝わる痺れからその威力を思い知る。周囲にいた使い魔はほぼすべてがその電気で焼き払われており、圧倒的な破壊力は空間の主であるウワサにも大きく被害を与えていた。

 

 

「っ、チャンス――!」

 

 

 疑問はあるが、絶好の機会を見逃してはならない。

 翼を羽ばたかせ急接近。一息で間合いを詰め、身もだえするウワサへ今度こそ骨喰を振り下ろした。

 

 

 ――天魔断頭(ギロチンスカイ)

 

 

 現象を纏った怪異に冥哭鳥が食らいつく。その嘴がウワサの体に食い込む寸前、外殻のような魔力が拒絶するように刃を押しとどめる。骨喰に刻まれた概念よりも、ウワサが『物語』としての質で上回っている証拠だ。やはりウワサは魔法少女の魔法で作られた存在。それもかなり純度の高い希望によって編まれた、上位権限とでも言うべき別格の魔法で――。

 

 

知、るかぁ!

 

 

 その道理を斬り捨てるべく、力の限り槍を押し込む。

 幽玄の白炎がウワサの魔力を焼ききり、その華奢な体を袈裟懸けに断ち切った。

 

 

「――――――――!!」

 

 

 声にならない断末魔を上げてウワサがボロボロと崩れていく。

 核となっていた魂が零れ落ち、彼方の方角へ流れていくのが見えた。

 

 

「――っ、はぁ……」

 

 

 風景が薄れる。

 空に宛がわれた大海はその姿を消し、私たちは元の屋上に立っていた。

 

 

「ななかちゃん、五十鈴さんは――」

「大丈夫です。気絶していますが、命に別状はなさそうです」

「ソウルジェムは……」

 

 

 ななかちゃんに介抱されているれんちゃんは安らかに寝息を立てている。彼女の青いソウルジェムは穢れ一つなく、眩い輝きを備えていた。

 

 

「先ほどのは、一体何だったのでしょう。もしや、つばめさんと同じ……?」

「さて。原理的には似ている感じはしますが……」

「――ん、ぅ」

「あ、目を覚ましますか」

「……あれ、ここは。つばめ、さん?」

「おはようございます。五十鈴さん。何があったか覚えてますか?」

「…………ええと、落ちそうな夢を見て。目の前が真っ暗になって……そこから、自分の中から別の誰かが出てくる感じがして、そのまま、勢いで、えっと、お二人を巻き込んで……」

「大体全部覚えているってことですね。それなら手間が省けます」

「あの、さっきの力って、何が……?」

「それが私もさっぱり何が何やら。ともあれウワサは倒されましたし、ひとまず調整屋に向かって悪影響がないか調べたほうがいいかもしれませんね」

 

 

 

 ◇

 

 

 

「――とまあ、夢の中での自由を経たつばめ達はウワサを撃退。これが遠因となって引き起こされていた連続自殺もまた途絶えることになる。今回の事件は、これで幕引きというわけだ」

「なんだか、随分とあっさりした解決でしたね」

「ぶっちゃけ魔女退治とほとんど変わらないからねぇ。敵の特性さえ暴いてしまえば、後はどうとでもなる。加えてつばめやななかくんの魔法はそうした厄介な部分を無視して本質を突く力だからね、一度懐に入り込んでしまえばすぐにカタがつくのは当然だよ。まあ異形顕現を切る判断をしたあたり、それなりにてこずる相手だったのだろう」

「ふーん……」

 

 

 顛末を聞きながら、ももこはクッキーを口に運ぶ。

 噂通りの事件を起こす怪物をつばめ達が倒した。

 つまり、魔法少女の力が及ぶ存在であると知れたのだ。

 この時点で彼女たちの中でウワサの評価は、概ね魔女モドキということで一致していた。

 

 

「なんだ。結局魔女と大して変わらないんだな」

「グリーフシードを落とさないみたいですし、なんだか嫌な相手ですね」

「やはり得るものがないと気が乗らないかね?」

「ああいや! 巻き込まれている人がいるなら戦いますよ。ただまあ、なんで人を巻き込むようなのが魔女以外にも出てきちゃうって思うと、僕たちの戦いがもっと激しくなっちゃうような」

「メルが言うと洒落にならないんだよなぁ……」

 

 

 わかりやすいフラグ建築である。

 

 

「ともあれ。私から話せることは以上だよ。菓子も無くなった、終わりには丁度いいだろう。というか君たち、バクバク食ったね……」

「だってここでまともなもの食えるの珍しいから……」

「あらぁ、そんなに食べると、おなかにぷよぷよのお肉がついちゃうわよぉ~?」

「魔女退治でカロリーを消費するからいいんです、行きますよももこさん!」

 

 

 メルに引きずられるようにしてももこが退室する。

 二人の気配が遠ざかったことを確認してから渡は口を開いた。

 

 

「――ま、今回伝えるべきこととしてはこの程度でいいだろう。改善点としては注意喚起やアフターケアに難あり、といったところか。次に彼女たちが来た時は、その辺りをしっかり考慮しておくことを伝えておきたまえ」

「……なんでもお見通しね」

「ここの防備を整えたのは誰だと思っている? まあ、今のところ問いただす気はないし、教会や七海くんにこの件をチクる気もない。ビジネスとして太い団体客を持つのは必須だからな。もっとも、余計な虫は追い出しておいたがね」

「いきなり変なもの取り出したと思えば、そういうことだったのねぇ」

 

 

 虫避けとして焚いていた魔香の火を消す。

 応急処置としてはこれで良し。後は次に入ってこられないように対策も考えておかなくては。

 

 

「とはいえ、向こうから用済みと斬り捨てられないようにいざという時の立ち回りは考えておくべきだ。絶対中立の看板を背に死ぬなんてバカバカしい姿を、私に見せてくれるなよ?」

「わかってるわよ。で、そのウワサの彼女さん、どうなったのかしら?」

「さてな。私がやったのは只の事実確認だけだ」

 

 

 今回の一件において、渡がメル達に語っていないことは二つ。

 

 

 一つ目は、ウワサとの戦いで五十鈴れんの身に起きた現象について。

 魔女化を覆して発現した、ドッペルと呼ばれる写し身による攻撃。異形顕現ともまた異なる穢れを用いた秘術が、現在の神浜において発動するようになっている。

 このことについて、つばめ達は知っている。ウワサを倒し、相談に訪れた彼女たちにその事実を語った張本人こそ、調整屋八雲みたまなのだから。

 

 二つ目は、そのドッペルが発現した原因は、ウワサを作成した人物と深い関わりがあること。

 さらに言えば現在キュゥべえが神浜から締め出されている原因も、街に魔女が集められていることも、この人物を含めた数名の魔法少女の仕業であり、その下には多くの魔法少女が付き従っていること。

 こちらについてはつばめ達は知らない。だがすぐに知ることになるだろう。恐らくそう日を置かずにあちら側から接触があるはずだ。何しろ娘を知る彼女がその中にいるのだから。

 

 

「さて、君の最後の望みは叶うだろうかね。幸恵くん」

 

 

 琴織渡は一人の人間に思いを馳せる。

 彼はウワサの核となっていた女性の下を、数日前に訪ねていた。




〇風船サーバーのウワサ
 アラもう聞いた? 誰から聞いた?
 風船サーバーのそのウワサ
 お空の旅へ行く人には、綺麗なカラフル風船の無料サービス!
 しっかり体に括りつけて、お空で楽しくバルーンファイト!
 でもでも貰いすぎには気をつけて。
 風船を欲しがりすぎた欲張りさんは空の彼方に飛んでっちゃうって、神浜の空ではもっぱらのウワサ。
 ドコマデモー!

〇琴織つばめ
 異形顕現状態なら基礎ステが最低でも1.5倍。
 それと羽根を利用したダガーを生み出せる。
 素の異形顕現≒ドッペルver

〇五十鈴れん
 本作初のドッペル使用者。
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