ChapterⅨ【真紅の記憶】
羊の魔女が鎧を纏い、人型の怪物と化した。
たったそれだけで戦況は変わった。
隷属騎士となり、上級魔女にまで階級を引き上げられた魔女はそれまでとは格が違った。
鉤爪となった腕で働きクマのウワサの身体を掴んで真っ二つに引きちぎる。
それは膂力に任せた一方的なもの。完全に両者の力関係が逆転し、捕食者と被食者の関係が決定したことを意味していた。
「SHIIIIIII!!」
響き渡る異形の哄笑。
直後、並外れた威力で大地を蹴る。
瞬きの間に、異形の人型は黒羽根の眼前で鉤爪を振りかぶる。
「――ァァァァアアアアア!!!」
それを上から踏みつけ、蹴り飛ばしたのは、二足の車輪を履いた魔法少女。
「いいわミユ! そのまま引き剥がして!!」
「――は、い!!」
上司の声にコンマ一秒で従い、さらに滑るように接近し、追撃。豪雨の如き蹴りの連打で隷属騎士を叩きのめす。
必至の形相でローラーブレードを駆る魔法少女――遊狩ミユリに指示を下すのは羽根の教導官である神楽燦。
燦はミユリの猛攻によって大地に倒れた隷属騎士にその両手の銃口を向け、そして容赦なく引き金を引く。
秒間にして30発。宴のような専用弾ではないが、魔法少女の固有武装として放たれる弾丸はその鎧を打ち据え、削り、中身の肉体を蹂躙する。
「SHIII…………」
「はぁ、はぁ……」
ばらばらに砕け散った魔女が風に消えていく様子を見届けながら、燦は砲身が焼け付くほどの回転に肩で息をする。
これで都合三体目の討伐。圧倒の戦果ではあるが、他の羽根たちを護りながらのこの状況。自分はおろかミユリに相当の負担を強いており、大事な妹分の身体には治癒の追い付かない生傷が無数に刻まれている。
それでも戦場は未だ休まらない。
更なる隷属騎士が同胞の断末魔を聞きつけたかのように接近する。そこにミユリも滑るような高速軌道で側面から襲い掛かって交戦を開始する。
遊狩ミユリの固有魔法は『体感時間の圧縮』。オートコントロールじみた超反応を実現するこの魔法とローラーブレードによる高速軌道を合わせた轢殺戦法はウズメも認めるもの。さらには宴からもマニューバ軌道を活用した移動術のノウハウを叩き込まれており、その成果と燦の的確な指示と援護射撃が組み合わさって多くの魔女の首級を挙げてきた。
しかし今、羊の魔女が簒奪騎士によって眷属化したことで状況が変わった。
それまでは容易に引き裂けたはずの肉体が堅い装甲に覆われ、内部へ攻撃を通すのに倍以上の手数を必要とした。
特殊な能力はない単純なステータスの強化。故にこそ、それがもたらす差は絶対的。そこに連戦の疲労で精彩を欠いてしまえば、この結果は必然。
「ッ!!」
「SHIII!!」
ガチン、と甲冑に弾かれる足輪。角度が悪く、その表面を滑るように動いたことでミユリの体勢が崩れる。その伸びきった脚を、鉤爪が掴んだ。
「ぐぁ……ぎ……」
「ミユ! このっ……離しなさいっ!」
堅い鎧に押し込まれた腕で脚が締め上げられ、骨がミシミシと軋みを上げる。
体感時間の圧縮もこうして動きを封じられれば意味がない。
燦はガトリングを向けるが、この状態で掃射すればミユリをも巻き添えにしてしまう。
宙づりとなり身動きを封じられたミユリ。隷属騎士は獲物を狩る高揚に牙を剥きだしにして涎を垂らし、その頸目掛けて空いた爪を振るわんとする。
――血刃ノ伍
――轆轤首狩り
風を斬る様に飛来した紅の斧が、肩口から先を斬り飛ばす。
次いで振るった一撃で眷属の首を飛ばしたのは、黒い髪を靡かせた真紅の剣士。
投げ出されたミユリが尻もちをつき、正気に戻った眼でウズメを見上げた。
「ひゃうっ! ウズメしゃま……?」
「無事なようですね。遊狩」
「ウズメ様!」
「神楽、羽根達に撤退指揮を。この化生どもは私が掃討します」
「……分かりました」
燦が頷くと、沙羅ウズメは次なる眷属を斬り捨てていく。
槍で貫き、槌で潰し、そして刀で両断する。
自分たちが苦戦した相手を何事も無く倒していく勇姿を見ながら、燦は無力感に歯噛みする。
敵の首魁が倒されていないのにウズメがここに来た。それはつまり自分たちを助けるために彼女が戦線を離脱してきたということ。
それだけの信頼があの五人にあるのだろうが、それ以上に敬愛する彼女の足を引っ張る結果となってしまったことには悔しさと罪悪感を覚えてしまう。
「燦様……」
「ぼさっとしている暇はないわ。ミユリ、向こうの子たちをホテルまで退避させて。こっちは私が引き受けるわ」
「は、はいですぅ!」
思考を切り替え、燦は撤退戦を指揮するべく足を踏み出した。
――そうして、世界が塗り替わる。
「なに……?」
極彩色であったウワサの空が、まっさらに漂白される。
度重なる異常に羽根たちは困惑するまま。
「これは……!」
ウズメは伝えられていた切り札の正体に僅かに驚愕。
「はは……とんだ隠し玉もあったものだ」
計器から伝わる事実に宴は戦慄した。
「嘘っ、あの魔力って……!」
「これは……!」
マギウスすらもそれに動揺を隠せない。
「GRRRR!?」
そして、暴れていた魔女たちは自分たちを襲う死の風に怯え、悲鳴を上げた。
「魔女の動きが鈍くなった……?」
「よくわからないけど、今のうちに!!」
先ほどの結界よりも異質な空気の変化。
死の気配に怯える魔女たちは抵抗もできずに血刃の錆となって次第にその数を減らしていく。
その隙に白羽根は黒羽根を率いてホテルの玄関まで走る。
「はぐむん……」
「痛ぅ……ごめんね、時雨ちゃん」
激しさを増した魔女の攻撃を捌き入れずに深手を負ったはぐむに肩を貸しながら、時雨は戦場を振り返る。
最前線。この異常事態を引き起こしたど真ん中。あの騎士が放つ悍ましいまでの穢れと酷似しながらも澄み切った魔力の波動を放つ張本人を時雨は見る。
青白き炎を纏いし槍を突き立て、濡羽色の翼を大きく広げて立つ姿。限りなく魔女に近く、しかし畏怖の念すら覚えるその在り様に、彼女の名を思わず口にしていた。
「夜鴉さん……」
◇
白冥峡谷。
琴織つばめが『虚無』の絶望より覚醒した渇望真理は、端的にいえば冥界を顕現させる呪いだ。
つばめが抱き、魔法少女となる事で叶えた願いは『父親の復活』。
それはすなわち『喪失』への恐れと表裏一体の希望であり、そこから具象化した固有魔法もまた生と死の境に干渉する力だった。
『幽界眼』と語られる魔法はつばめが音子より伝えられた魔眼の知識に当て嵌めたもの。その実体は幽世を認識することで干渉可能とする埒外の力。■■の血統、時と次元を隔てた魔導の王が手繰る力の一端が、固有魔法という形で覚醒したものだ。
つばめにとって幸運だったのは、彼女がこの魔法を習熟するにあたって二人の師に恵まれたこと。
一人目は歴戦の魔法少女にして自らも伝説の錬金術師に師事する『鉄の英雄』、紺染音子。
二人目は自らの願いを切っ掛けに始祖の分体としての側面を目覚めさせた己が父親、■■■■・■■■■こと琴織渡。
この二人の薫陶を受けて魔法を鍛え続け、数多の戦いを乗り越えたつばめは、その力で絶望の淵から人の形を保って生還するという偉業を成し遂げ、それによって真理を語る資格を獲得した。
そうして今、己が持つ真理をカタチとしたつばめは、この場においてあらゆる死を統べる冥界の大鴉として君臨する。
彼女の意に反して動く死者……すなわち魔女とそれに連なる存在は許されない。
使い魔であれば霧散し、並の魔女ならば抵抗もできずにあちら側の世界へと引きずり込まれる。
「"ぬううううう!!"」
命を彼方に吹き飛ばさんとする冥府の風と、直に魂を苛まんとする青白き炎。
世界そのものから拒絶の意志をぶつけられているに等しき状況。簒奪騎士は咆哮と共に自らの魔力を放出して身を護る。
いかに渇望真理が最上位魔女の力といえども、成って日の浅いつばめよりも眷属として永い時を生きてきた簒奪騎士のほうが存在強度が高い。ゆえに問答無用で滅ぼすという結果には至らなかったが、それでもやすり掛けで身体を削られ続けるかのような重圧を与え続けることには成功した。
これまで難攻不落を誇った騎士が、明確に苦悶の声を上げる。
その瞬間を好機として、双剣の魔法少女が躍りかかる。
第二ラウンドの幕開けは、比較的に動揺が薄かった彼女が先手を取った。
渇望真理という特級の神秘を前に動じなかった、というよりは元から興味が無かったと言った方が正しいか。
いかなる手段を用いたとしても、姉分が委ねたならそれが全て。
であればこれ以上隠し玉のない自分は敵を葬る役目に徹するのみ。
たったそれだけの愚直な信頼。狂信にも等しい敬愛こそが、双樹
「"ッ!!"」
「どうした! 自慢の鎧が剥がれてしまえば形無しか!!」
火炎が爆ぜ、吹雪が舞う。
威勢の良い攻撃とは裏腹に、簒奪騎士は依然として揺るがぬ頑健さで切り返す。
一撃必殺の剛剣を前に、双樹
自分では及ばないことなど分かっている。このまま続ければいずれ押し負けるとも。二重の束縛を与え、驚異的だった渇望真理も無効にした上でなおこの騎士は剣士として自分を上回っている。
それでも、自分が引き下がる理由にはならない。
それは何のためか。マギウスによる魔法少女の解放か? それとも後ろで見守る羽根たちの命か?
否、否、断じて否。
魔法少女狩りの
その辻斬り行為で悪名を轟かせていた時から、双樹
双樹
変わったことはただ一つ。
その興味の向く先のみ。
生命の輝きを宿す数多の星々から、一等の輝きを放つ紅色の星に。
そう、自分たちは始めから、あの輝きを追いかけているだけなのだから――。
◇
双樹
物心ついた時から――否。それこそ産声を上げた時から彼女たちはお互いの存在を認識していた。
ひとつの身体にふたつのこころ。
二重人格――解離性同一性障害と現代では名付けられた症状。
本来であれば未熟な精神に過負荷が与えられることで発症するそれを、双樹
果たしてソレを正しく二重人格と呼んでいいものか。しかしソレとコレを医学的に区別する術がない以上、結果として彼女たちは同じ枠に当て嵌められる。
はたして。生まれた時から常にあったもの。当人にとって当たり前でしかないものが、他人からは異常なのだと認識できるわけもなく。
かくして、双樹あやせは齢五つという若さにて早々に孤立した。
それでも問題は無かった。
誰にも見えない姉妹であっても、決して触れられない存在であっても、互いは決して離れないものであることを知っていた。
何より、しかしそんな異常を抱えた娘であっても、娘たちを母は慈しみ、愛していたから。
子供であれば無条件に与えられる温もりだけは、
だから決して寂しくなどなかった。世界の冷たさを感じることなど無かった。
それだけで良かった。
それだけで幸せだった。
その幸せが、いともたやすく崩れ去るものだとも知らずに。
きっかけは何だっただろうか?
異常を抱えていた娘たちへの不満か。あるいは周囲との軋轢だったか。
とにかく、母親はその異常性を受け入れるには心が耐えきれず。
今度こそ、彼女たちは独りぼっちとなってしまった。
姉妹、双子、家族――隣人。
触れられなくてもそこにいる?
何を言っているのか。
温もりを失ってしまったことに少女は悲鳴を上げようとした。
そこに。
『やあ。双樹あやせ。双樹ルカ』
『キミたちのどんな願いでも叶えてあげる』
『だから、僕と契約して魔法少女になってほしいんだ』
宇宙からの収穫者は、希望を叶えるに足る熱量を持った二つの魂を捕捉していた。
地獄にたらされた蜘蛛の糸。
見えない釣り針がついたそれに、ふたりは迷わず飛びついた。
願うことなどたったひとつ。
ないものねだりとでも言えるだろう。
それでも、彼女たちは決して自分から離れないものを永遠にしたかった。
『"わたしは――
『――わかった。その願いを叶えるよ』
『でも不思議なことだね』
『キミたちは互いの存在を証明できているのに、物理的な証拠が欲しいと願うなんて』
かくして願いは聞き届けられた。
顔を挙げた少女の前に、望んだ片割れの姿は無い。
その代わりに、赤と桃。
二つの宝石がそれぞれの掌に納まっていた。
『――そっか。そこにいた
掌から伝わる石の冷たさ。
目に焼き付く宝石の輝き。
鼓動のように明滅するその光からは、確かに温もりが感じられた。
なんと滑稽なことだろう。
手元に納まる程度の大きさ。
たった21グラム程度の石ころに、自分たちが望んだもののすべてが詰まっていたのだから。
『ふふ。ステキだね、ルカ』
『ええ。綺麗ですね、あやせ』
知ってしまえば後は早かった。
自分たちが求めていたものは、集められる。
ならばそれをしない理由がどこにあるだろうか。
そうして
手ごろな魔法少女を見繕い、襲ってはジェムを奪い去る。
綺麗なものは箱にしまって、穢れたものは放り捨てて。
ソウルジェムの真実を知る以上、それは自覚的な殺人も同然だったのだが、そんなことは些細な事。
この世界でたった一人、その価値を理解してくれる
それだけで良かった。
それだけで幸せだったのだ。
――あの、紅色の輝きに出逢うまでは。
◇
その日、
温泉で賑わう観光街。
多くの人が行き交うそこには魔女が現れる。
魔女がいるなら、それを倒す魔法少女もいる。
ならそこに居合わせてその子のジェムを貰う。
戦って流れた汗は、温泉に入って気持ちよく流せばいい。
そしてさっぱりした気分の中で、新しく加えたジェムと一緒にコレクションを眺めるのだ。
「ふふ」
そんな旅行計画を思い描きながら人の歩みに目を配る。
すれ違う中に同じぐらいの女の子がいたら指に注目。
魔法少女は変身していない時、ソウルジェムは指輪やネックレスなんかのアクセサリーに変化させて身に着ける。魔法少女を見分ける手段としては一番わかりやすい。
そうして一時間ぐらいぶらぶらとしてみたけど、中々お目にかかれない。
仕方ないからその辺の喫茶店にでも寄って一度休憩でもしてみようかなと思った時。
――ドクン。 と心臓が高鳴った。
赤身がかった黒い髪と漆黒の瞳。
紅い着物。紅い影。
まるで血に染まった、花畑のよう。
女の子の私でもつい綺麗だと振り返ってしまうほどの美貌。
大和撫子を絵にかいたような女性が、私の隣を通り過ぎる。
その指にある輝きを、私たちは見逃さなかった。
「……ルカ、見た?」
『ええ。なんという輝きでしょう』
「そうだよね。我慢できる?」
『おや、あやせはそのような惨いことを仰るのですか?』
「――まさか」
私たちは同じ結論に到達した。
――あれがほしい。
いままで色んな宝石を集めてきたけど、あんなものははじめてみた。
まるで血のように鮮やかな真紅。目が眩みそうな命の色。一点の曇りもない、完全無欠の輝き。
あんなに、あんなにきれいなものがあったなんて!
こんな素敵な気持ちは、あの時初めてお互いを並べた時以来だった。
速足で、しかし気取られぬように後を追う。
あの美しい人はこちらに気づいた素振りも無い。
襲撃は容易く成功するだろう。
でも、十分に距離は取る。
ここは人が多すぎる。
別にそれはそれで構わないぐらいに興奮してるが、『舞台を整えましょう』とルカが冷やしてくれるおかげでまだ冷静を保っていられる。本当は誰よりも熱いのに、私のことを思って冷静で務めてくれるルカが大好きだ。
着物の女性はやがて人気のない道に進んでいく。
あまりに迷いなく進んでいくから一瞬見失いそうになったけど、私には彼女がどこに行ったのか手に取るようにわかった。だって、あんなに綺麗な癖に血の匂いが染み付いているんだもん。どれだけ離れていってもわかっちゃうよ。
やがて路地裏の突き当りで、そのうつくしいひとは立ち止まった。
――これは、誘われたかな?
でもいいや、それならそれで。
だって、もう待ちきれないから。
「こんにちは、お姉さん。早速だけどあなたの名前を――」
興奮に息を荒げながら声をかける。
振り返った着物の貴女。
艶やかな髪が揺れる様を見て、もう我慢できないと私たちは二つの剣を持って跳びかかって――。
――その人は、どこにもいなかった。
「――あれ?」
疑問を口にした瞬間、視界に赤いものが溢れ出した。
がくんと身体から力が抜けていく。
からんと剣が落っこちる。
ぐらりと傾いた視界には紅い色の広がる地面が写って。
べしゃりと音を立てて、私は倒れ伏していた。
「――あ」
血の匂いがむせ返る。
身体の芯は驚くように熱く、末端から急速に冷えていく。
なんで? どうして? なに?
疑問に思うと同時に、思い出したかのように痛みがやってくる。
――そこで私は、自分の体を袈裟懸けに斬られたことに、ようやく気が付いた。
「……反射的に斬り捨ててしまいましたが、追いはぎの類でしたか。これに懲りたら、今後このような真似は辞めることを勧めます」
やってしまった。と自分の後ろから凛とした声が響く。
何事かひとしきり喋ってから、足音が遠ざかる。
「――ま、って」
そうして彼女は、私に一瞥もくれずに消えた。
――しばらく、少女は血だまりに沈んでいた。
溢れ出る血液が全身を染め上げようかと言うところでパキリ。と、傷口が凍り付く。
だくだくと身体から赤い命が流れていくのを止める。身体にこびり付いた血液を凍らせて剥がしとる。
「よもや、このような結末になるとは……」
その言葉は先ほどの軽快な様子から一変し、どこか時代がかった口調で落ち着いている。
彼女の名前は双樹ルカ。
あやせに代わって今の肉体の主導権を握った、もう一つの人格にして姉妹。
ルカは己の凍結の魔法で傷口を塞ぎながら、先ほどの魔法少女について思いを馳せる。
変身する間すら惜しいとばかりに動いた判断力。
先に動いた自分たちよりも攻撃を届かせる反射神経。
自分たちの眼では追い付けないほどの瞬発力。
地に伏すまで斬られたことに気づかせないほどの腕前。
そして何より、魔法を使わずに炎と氷の両方を一撃で切り裂いた、あの太刀筋。
どれをとっても、自分よりすべてが上だった。
まさに、剣豪と呼ぶにふさわしい――。
「綺麗な石が、手を切るほどに尖っていたことに気が付かなかったこちらの落ち度。今回は一度出直すとしましょうかあやせ。……あやせ?」
『……あは』
ルカは立ち上がり、片割れに呼び掛けながら一度拠点に戻ろうとして――あやせの返事がないことを訝しんだ。
困惑する
双樹ルカの足は止まっていた。
血が抜けたばかりだというのに脈拍が跳ね上がる。
冷えた頭が火照っていく。
ぐるん。と、ルカは肉体の主導権をあやせに奪われた。
『あやせ!? 一体何を!?』
「なに。なに。なに? 何この感覚、何この感情!?
こんなに痛くて苦しくて冷たくて熱くて、でも嬉しいのはなんで!? 気持ちいいのはどうして!?
わからない。わからない。わからない!!
何の抵抗もできなかった。
不意を打ったのに、さも当然のように対応された。
先に仕掛けたのに、かすり傷ひとつなく反撃された。
最初から二人がかりだったのに、知った事かと払われた。
変身すらしてない相手に、問答無用で斬り伏せられた。
これまでに積み重ねてきた、戦いの記憶が否定された。
敗北だった。屈辱だった。天晴だった。快感だった。
――■■だった。
「――あ、わかっちゃった」
あの一瞬の交錯は、双樹あやせという人間を根本から揺さぶって、そして。
『あやせ、あやせ!』
「――駄目。駄目。駄目。もうだめ。もうダメ。こんな気持ち抑えられない。だって、だって、あんなにきれいなものを見せられたら、もう他の宝石なんかじゃ満足できない!!」
ルカが呼びかけるが、恍惚に身を震わせるあやせには届かない。
彼女はこれまでに集めた宝石を思い出す。どれもこれも綺麗で色とりどりの命の輝きを放っていた魂の宝石。何一つとして同じもののない、素晴らしい少女たち。
それを集めることが一番楽しくて仕方がなかった筈の私たちの趣味。たった二人だけで共有する、私たちだけの世界。
――でも、それもおしまいだ。
だって、だって。
「こんなにトキメいたのなんて、生まれて初めて」
――
全部壊れてしまった。
大事なものも。
これまでの人生も。
あの一撃で綺麗に真っ二つ。
跡形もないほどに。それこそ泣いてしまいたくなるほどに。それでも笑ってしまうほどに。
私の心はどうしようもなく、完膚なきまでのずたずたに、真っ赤な色に染め上げられてしまったのだ。
私の脳裏にあるのはあの紅い人影だけ。 麗しき背中が焼き付いている。
会いたい。逢いたい。あいたい。アイタイ。
あの髪を触ってみたい。あの瞳を見つめてみたい。見てもらいたい。あの声で囁いてほしい。罵ってほしい。あの手で触ってほしい。撫でてほしい。
いや、そんなものは無くてもいい。
今はタダ、あの紅い輝きをもう一度――!
『……だから、待ちなさいあやせ!』
「あうち!」
足のコントロールをルカに奪われ、あやせは顔面から地面に倒れる。
「痛い! 何するのルカ!?」
『少し冷静になりなさい。あなた、私に何も言わずあの方を追いかけようとしたでしょう』
「だってだって! あんなにトキメイちゃったら追いかけるしかないじゃん!!」
『確かにその通り。だからと言って逃げられたすぐ後にまた追いかけても結果は同じです。またそっけなく斬られたいのですか?』
「それも悪くないけど……じゃあ、どうするの?」
『まず追跡も待ち伏せも止めましょう。こういうのは一度礼儀正しく、菓子折りでも持って挨拶に行くべきかと』
「……普通だ」
『普通に行くべきです!』
当たり前のことなのだが、自分たちの
「でも確かにルカのいう通り。じゃあまずはお菓子を買いに行こう。着物を着ていたから和菓子がいいかな?」
『それはあなたが好きなだけでしょう。ああいう方は意外にも洋菓子のほうが好きかもしれませんよ』
「それもそっか。じゃあケーキを買いに行こう!」
「ところで、反対しないの?」
『何がですか?』
「だって、トキメキを感じてるのは私だけで、ルカはあの人をスキくないんでしょ?」
『確かに、いかに分かてぬ身体、代え難き片割れとはいえ、あなたと私ではものの感じ方は違います。当然、あの方に抱いた感情も』
「じゃあ、なんで」
『決まっています。貴方が彼女にトキメキを感じたように、
――私は、彼女の剣に惹かれたのです』
「……なあんだ。やっぱりルカもおんなじじゃん」
『違います。あやせの慕情と私のコレは違うものです。違う方がいいのです』
「どっちも同じだよ。あの人をスキになったのは変わらないんだから」
「――待っててね。綺麗なお姉さま。あなたの輝きが、ダイスキ」
◇
ChapterⅩ【夢幻の帰還】
あの輝き。あの剣技。
自分たちが見惚れたあの紅い輝きに、一歩でも近づくために。
星を追い求めるように、手を伸ばし続けている。
だからこそ、こんな相手に躓いている暇はない。
こんなところで野垂れ死んで、あの人の夢を終わらせてなるものか――!
攻める、攻める。攻める攻める攻める。
ただひたすらに斬撃を放つ。
大技を出す余裕はない。その一瞬の溜めがあれば、この騎士は容易にその隙を突く。
双樹
「なるほど。よくもここまで喰らいつくとは、貴様も見上げた忠義よな――!」
無益の加護を剥がされた今の彼は、それまで自らの手で蹂躙し、希望を手折ってきた魔法少女たちと同じ状況にあるといえる。
しかしそれは簒奪騎士の力を奪い去ったと言えるかといえば、否。
むしろただ振るうだけで敵を滅ぼしうる暴力を奪われたことによって、彼はその身一つ、剣一つで彼女たちと相対せざるを得なくなった。
確かにそれは劣勢だ。絶体絶命の窮地であるといえるだろう。
だが、元より戦士とは命を奪い合う瀬戸際においてこそ輝きを放つもの。
沙羅ウズメと打ち合った一瞬から、無意識に錆び付かせていた部分が研がれていくのを騎士は感じていた。
炎が肌を焼くたびに失われた鼓動が高鳴る。
冷気が動きを鈍らせるたびに思考が加速する。
削られる生命とは対照的に、その剣筋が冴えわたっていく。
かつて剣一つで戦場を席巻した騎士の姿が、そこにある。
「それでも、だ。この程度で敗れるようでは、女王に仕える騎士の名折れよ」
剣が宙を舞う。
斬撃の嵐、狙いすました一閃が魔法を切り裂き、右手から剣を奪った。
それがどうした。
「うっらあああああ!」
左手に残った剣を両手に持ち替え、双樹は最後の力を込めて踏み込んだ。
限界まで魔力を込められたその刃は炎を纏うのみならず、それそのものが赤い光と熱を放っている。
「!!」
ぞぶり、と刃が脇腹に食い込む。
鎧を失い、呪いの護りも失った騎士がこの剣を阻む術は無く、そのまま赤熱の刃が筋肉を溶かして突き進まんとする。
「オオオオオッ!!」
騎士は吼え、渾身の蹴りを双樹の腹部に叩きつける。
それだけで華奢な少女の身体は吹き飛んだ。
「がふっ……!!」
「まずは、一人」
内臓が破裂したのか、血を吐き出しながら蹲る双樹。
簒奪騎士は魔力を失いただの剣となったそれを脇腹から引き抜く。
焼け焦げた傷口から出血はない。常人なら致命傷だが、騎士の霊核には届いていない。
彼女が稼いだ時間は僅かに三十秒。
しかしその三十秒によって準備が間に合った。
「ィィィハハハハ!!!」
――
笑うような咆哮と共に、信城宴は驚くような速度で簒奪騎士を側面から殴りつける。
簒奪騎士は咄嗟に剣の側面で防ぐが、直後に再び来た衝撃によって大きく後退する。
宴はエンジン音と共にブースター加速し、簒奪騎士が構え直す前に懐へと潜り込んでアッパーカットを繰り出す。
「ヌゥッ!」
「いい戦いだった! 後は私に任せた給え!!」
仰け反って躱した簒奪騎士はそのまま宙返りに移行しながらのサマーソルトキックを繰り出す。それを読んでいた宴はマニューバ軌道で側面へ移動して蹴りを叩きつける。魔力強化と機械の質量が乗った一撃は簒奪騎士に苦悶の声を漏らさせる。
「アイツ……」
血を吐きながら双樹はよろめき、立ち上がって宴を見る。
手足を破損していたはずの彼女には隙を縫って攻撃を与えられるほどの機動力も、機構を十分に発揮するだけの制動力も失っていた筈。
その答えは彼女が身に纏う
その正体は宴が駆るモーターサイクル、魔導連携式装甲二輪《スターロードVカスタム》。遠隔操作によってここまで呼び寄せた自慢の躯体を彼女は自らの『機械感応』を用いて接続し、変形させパワードスーツとして装備していた。
激化する戦場を迂回する形で呼び寄せていたために遅れたが、こうして今ある最大級の武装を纏った信城宴は戦線に復帰。万全時と変わらぬ機動力と破壊力で再び簒奪騎士へと攻撃を加えていた。
「……ッ」
張り詰めた糸が切れかけ、再び膝をつく。
あやせもルカも魔力はギリギリ。限界に等しい。
このままドッペルを発動すれば恐らく身体の方が持たないと判断し、懐のグリーフシードを取り出して生命維持に必要な魔力を回復する。
彼女にできることは宴の戦いを眺めるしかない。
掬い上げる斬撃をジェット噴射で回避し、剣の間合いから離れながら宴は両手を向けてトリガーを引く。
手甲に仕込まれた銃口。そこから吐き出される弾丸は先ほどの小銃と同じだが、甲冑を剥がされた騎士にとっては避けなければならない脅威。
切り払いと共に横へ転がって回避する簒奪騎士に宴は脚部に仕込まれた小型ミサイルを射出。着弾し、爆炎に包まれた簒奪騎士へと銃弾を浴びせながら急接近して格闘戦を挑んでいく。
「クソ……それでもか」
そして同じく傍で眺めている夜鴉は顔を顰める。
宴は果敢に攻め立ててはいるものの、その実体は違う。
あの怪物は宴が繰り出す武装の中から致命傷に繋がるものだけを的確に避けており、それ以外の多少の傷は無いとばかりに斬り返している。
恐らくだが、宴が攻めていられるのはほんの僅か。
一撃で決められる切り札がないなら、耐えきられて致命打を叩き込まれるのは宴の方だ。
双樹が稼いだ時間は宴が繋いだ。ではその次は?
宴が抜けられれば最後、簒奪騎士は邪魔な自分を仕留めに来るだろう。
渇望真理のための魔力行使を制御するために身動きができない。今もこうして息をして立っているだけでも心臓が張り裂けそうになっている。
ウズメが魔女を殲滅して戻って来るにはまだ少しだけ時間が要る。
せめてあと一人いれば。
ヤツと近接で渡り合える、手練れの魔法少女が……。
(――あ、そうか)
ちらり、と離れた個所を見る。
必死で結界を維持する葛葉と、彼女を護りながら騎士に向けて魔法を行使しているみふゆさん。
そこに寄り添っている
人が足りないのなら、呼び出せばいい。
解決策が分かってしまえば、これ以上なく単純な話だった。
幸いにも、ここはそういう世界だ。
みふゆさんならできるだろう。私はその後押しをすればいい。
悪だくみを思いついたような笑みを浮かべ、琴織つばめは自分だけの念話回線を繋げた。
◇
「チィ、あれだけ攻めても揺るがずとは……梓さま、幻惑のほうは?」
「……駄目です。全く聞いているようには……」
葛葉道麗の問いかけに、梓みふゆは無念とばかりに首を振る。
双樹が挑みかかったその時から、みふゆは全力の幻惑を簒奪騎士に行使している。だが当の本人はそれを意に介した様子すらない。
明鏡止水。心頭滅却。
そうした領域へ足を踏み入れた達人に並大抵の幻術は通じない。
最初ならば通用したのだろうが、今のアレは極限まで生存本能と闘争本能を覚醒させた戦士だ。
空気の流れ、呼吸の息遣い、血の匂い。ありとあらゆる要素を無意識レベルで嗅ぎ分けてくる以上、一つ二つの感覚の惑わし程度は容易に抜け出して見せる。
葛葉はこの結界を張り今もその維持に努めている。ウズメは羽根たちを救うために魔女を殲滅して戻って来る。夜鴉は隠しているべきだった切り札を解禁した。双樹は全霊で命を張り、宴はそれを受け継いで戦っている。
では自分は何ができた? 役に立ったのはほんの一瞬だけで、それ以降は何もできない荷物に成り下がっているのか。この中で最も魔法少女としての経歴が長い自分が、本来なら前に立って率いなければならない筈の自分が。何故こうして一人無傷で突っ立っている――?
「やっぱり、ワタシには何も……」
魔法の行使も止め、だらりと腕を下げる。
所詮は長く生きすぎただけの魔法少女。彼女たちのように運命を変え、災厄に挑む素質を持つような英雄に並ぶ資格なんてどこにもない。
そうして、もはや眺めているだけになろうとした、その時。
『――みふゆ』
「え?」
聞こえた声に、瞬きする。
きっと幻聴だ。この状況を前に、走馬灯じみた未練による錯覚に過ぎない。
『……まだ。諦めないで』
「なん、で。この声……は」
それでも、まだ聞こえる。
確かに呼びかけてきている。
3年前からもう聞けない筈の彼女の声が、間違いなく耳に響いている。
『できることはあるよ。あたしがいる』
「でも、私の魔法は……」
『そうじゃない。
「使い、かた……?」
『うん。自分の魔法を……願いを、思い出して』
魔法の使い方。
同じことを、前にも言われたような気がする。
あれは、確か――。
『それとも、ここで諦めるの?』
「……違い、ます。違います!」
歯を食いしばって、梓みふゆは立ち上がる。
命を捨ててまで自分を守ってくれた彼女にみっともない姿は見せられない。
思い出すのは、自分が親友たちの前から姿を消した日のこと。
失意にくれたみふゆは、藁に縋るような気持ちで最も頼れる大人の元を訪ねていた。
「ああは言ったが、まさか昨日の今日とはな。どのような要件かね?」
「……神父。魔法少女の力が衰えることは、あるのですか」
「なるほど。君の年ともなれば、そういう問題も浮上してくるか。まあ、それについてなら相談に乗れるとも」
神父は彼女の悩みを一瞬で見抜いた。
この手の問題に直面する魔法少女は存外多い。
そしてそれに対する知識について粛清機関はよく存じていた。
「こういう事を言うのは何だが、粛清機関に属する魔法少女は市井の魔法少女よりも長命だ。組織として蓄積された知識のノウハウ、信仰心という精神の安定化。例え素質に乏しい魔法少女であっても様々な要因によって戦闘能力を底上げしている」
前置きとして予防線を張った上で、神父は残酷な結論を語る。
「だが、結論を言えば成人を迎えたあたりから魔法少女の魔力出力量は低下する傾向にあるのは確かだ。成人に伴う感情の抑制化……インキュベーターが言うように、魔法少女の素質は思春期の少女に顕れるというのなら、これらの時期をピークとして遠ざかるほどに魔法少女としての素質及びに能力は減少していくのだと考えられている」
その説明だけでみふゆには答えが突き付けられた。
どうしようもない。自分に待つのは劣化の末の敗北。あるいは魔女化。
分かっていた不安を事実として叩きつけられた彼女は、失意もなく立ち去ろうとする。
「ありがとうございます……それで十分です……」
「待ちたまえ、話は終わっていない。言ったはずだ、相談に乗れるとな」
だが、それを呼び止めたのもまた神父であった。
「……え?」
「粛清機関の記録の中には、30代まで生き延びた魔法少女もある程度存在する。
「魔法の……探求……?」
「その通り。魔力の量が及ばぬのならば、技の質を磨き上げることに専念した。もし、君が戦いに迷うようであれば、一度自らの戦い方を見直してみるといい。これまでの経験が別の道を拓いてくれるだろう」
その言葉は、ほんのわずかな気休めではあったが。
それでも確かに、彼女の心に僅かな希望を灯した。
魔法少女にとって魔法とは『当たり前に使えるもの』。戦いの中で新たな使い道に気が付くこともあるし、不得手を補うための使い方を模索することは当然の事だ。使いこなすための鍛錬だって、欠かさない少女のほうが少ないだろう。
――だが、魔法そのものを発展させることは? その本質を探ることは?
考えたこともなかった。
自分の魔法は『幻惑』。
『夢の中で自由に在りたい』という願いから発生した魔法。
相手を惑わし、夢うつつに陥れることが魔法の内容だとみふゆは思っており、実際それで六年もの月日を生き抜いてきた。
だが、違う。
自分の願いから生まれた力は、決してそんなものではないはずだ。
彼女の声でようやくそれが理解できた。
「夢の中で自由になりたい……。そうだ、私はこの
私では奴に敵わない。
ならば、あの騎士と戦えるひとがここにいればいい。
そうだ。彼女はいつもそばにいた。
たとえ姿見えずとも、常に自分たちを見守ってくれていた。
彼女が喪われた日から、その死を悼む機会に立ち会えなかったことを悔やまなかった時はない。彼女の姿を夢見なかった日はない。ならば、
今や確信となった想像を叶えるべく、みふゆは魔法を行使する。
この幽谷の結界がそれを後押しする。
死者が来るべき世界。ならば、そこに立っているのは当然――!
「"――ッ!!"」
宴の左装甲を破壊し、そのまま右手も切り落とさんとしたアルファルドは、直感的に何もないはずの場所に剣を振るった。
一瞬後、剣は弾かれる。
そこには鉄パイプを模した鈍器が出現し、さらにそれを持つ手が浮かび上がる。
簒奪騎士の正面に編みあがる朧げな幻像。
それは次第に輪郭を持ち、自らに挑みかかるひとりの少女の姿を現像した。
金色の髪を揺らし、真っすぐに簒奪騎士を見据える黒衣の女戦士。
その姿を知る者はただ二人。
迷い出る魂を視て言葉を交わしこの地に誘った
「お願い、かなえさん……! みんなを、護って……!!」
――
ソレは世界そのものを騙す詐術。
現実を夢へと閉ざし、望むものを具象化する秘術。
見るべき夢は、黒き騎士を打ち倒す力。
あの強固な鎧を砕く、無双の力を振るう
奥義開眼。
魔法少女の希望は、ついに奇跡へと到達した。
○双樹あやせ/ルカ
要するにこういう経緯で脳を焼かれていたんだコイツ。
彼女の過去とか契約内容とかは完全に二次創作。かずみイベント第二弾で出た情報と、「ないものねだりをした」という原作の情報から捏造した。
○
みふゆの奥義。現実と夢を塗り替え、幻惑を実体化させる。
幻影で作った雪野かなえに本人の霊をオーバーソウルする。
メタ的な話では夢の中でかなえが出てくる創作は溢れてるのでそこからの発展形。