みたいな設定や世界観などは一切ないほんわかした二次創作です。
主に高専生が駄弁るだけです。
キャラ崩壊諸々ご注意ください。
Pixivにも同時投稿してます
杉沢第三高校に通う何の変哲もない高校生、虎杖悠仁。だがある日、ひょんなことから学校に眠る呪物「両面宿儺の指」の封印が解かれ、学校中に呪霊が現れてしまう。残された先輩たちを救うため校舎に乗り込む虎杖!虎杖は亡き祖父との「約束」を果たすため、宿儺の指を取り込む決心をする!!-------------
「みたいな設定の本出さない?」
「設定がくどい」
「どっかで見たことある展開のオンパレードだな」
「そうかなー・・・」
東京都立呪術高等専門学校の放課後、数ある部活の一つである「呪術部」では今後の活動に向けての話し合いが行われていた。
「じゃあマジでどうすんのさー。文化祭の出し物」
「そもそも小説なら文芸部かどっかが出すでしょ。もっと呪術らしい出し物出しなさいよ」
「じゃあ釘崎は何か案あんの?」
「手作りわら人形とか?」
「こえ―よ!」
話し合いというか高校生特有の駄弁りである。どこの部活でも見られる光景だが話し合いの内容は呪術部らしく、一般的な常軌を逸しているようだ。
「ていうかまず去年の先輩たちが何出したか知ってからの方が良くない?」
「そういえばそうね。伏黒、真希さんたちは去年何出したの?」
一年生である二人は今年の出し物の参考がてらに去年の呪術部の様子を尋ねる。伏黒は家の都合でこの呪術高専に早くから関わっているため他二人と同じ一年生ながらも、去年の文化祭の内容なども把握しているのである。
「去年は喫茶店やってたな」
「喫茶!何、メイド?」
「何で男ってすぐそういう思考に行くわけ?」
「何だよー。いいだろ別に」
「普通の喫茶店だよ。そもそもメイド服なんて似合う人いねーだろ」
三人は想像した。呪術部の先輩方(内約一名女性)のメイド服姿を。
「確かにな」
「だろ」
ピキーン
「? どうした真希」
「今すげーイラっと来た」
「ツナ」
「真希さん、仇は取っときましたから」
トンカチを持った釘崎の両端には大きなたんこぶをつけた虎杖伏黒両名が机に突っ伏していた。
「まあそれは良いとして、喫茶店てそれこそ呪術らしくないような気もするけど」
「確かにね。他の部でも出しそうな所は多いだろうし。印象には残らなそう」
「そこは大丈夫だ。呪術部喫茶はメニューに独自性があるからな」
「「・・・どんなメニュー?」」
虎杖と釘崎は思わず声をはもらせる。呪術らしい料理。まさか呪霊や人間の肉を調理した禍々しいものが出てくるのでは。そんな想像をし、虎杖は思わず唾をごくりと飲んだ。
「確か・・・おにぎりがあったな」
「・・・・・えっ、おにぎり?」
「意外と普通ね・・・・・」
あまりに普通な回答に二人は拍子抜けしたようだ。伏黒はそれに構わず話を続ける。
「ああ。米一粒一粒に『呪』って書いてあるおにぎりだ」
「「怖ぇっ!!」」
虎杖は想像した。びっしりと「呪」の文字が農家さんが大事に育てたお米一粒一粒に描かれている邪なおにぎりを。
釘崎は想像した。農家さんが大事に育てたお米一粒一粒に「呪」の文字をちまちま描き込んでいく真希を始めとする先輩たちの姿を。
「ちなみにパンダ先輩は脱穀係な」
「細かい作業無理そうだもんな」
「ていうか稲から始めるの」
ちなみにここで言う脱穀はぐるぐる回転させてやる奴である。それでやった方が程よい呪力が米に纏わり品質が良くなる・・・らしい(五条談)。
「食えば膝のリウマチくらいならすぐ治るぞ」
「じいちゃん方に需要ありそうだな」
「でも喫茶店でおにぎりだけじゃあ。狗巻先輩と山下清くらいでしょ喜ぶの」
釘崎は思わず口をはさむ。おにぎりは美味しいが、確かに喫茶店の看板メニューとしては顔負けする品というのも事実だ。
「パンやクッキーなんかもあったぞ」
「おお。喫茶店っぽい」
「・・・まさかと思うけど表面に『呪』って柄が入ってるヤツだったりする?」
不安に思い虎杖は尋ねる。柄入りクッキーは定番だが『呪』の文字が入ったクッキーは商品としてはいささかロッキーすぎる。
「いや、小麦一粒一粒に『呪』って文字を書き込むんだ」
「挽く工程からやるんだ!!」
虎杖と釘崎は想像した。農家さんが大事に育てた小麦一粒一粒に「呪」という文字をちまちま描き込んでいく先輩たちの姿を。
「食えば半月板損傷くらいならすぐ治るぞ」
「ねえなんでさっきから呪術食品の効能ひざ特攻なの!?呪術の創始者ひざに爆弾抱えてたの!?」
虎杖は突っ込みつつもじいちゃんが生きてたら喜んだろうなと心思わせる。膝が痛いとたまにぼやいてたからな、と。
「ちなみにパンダ先輩は」
「脱穀係、だろ」
「あと挽く係な」
「パワーすごいもんね」
パンダはそのままでも十分なパワーだが、ゴリラモードという形態に入ると更にパワーが増す。というか術式とかいう割にパワーでガンガン押すタイプが多すぎるぞ呪術界。
「じゃあ今年もそれでいく?」
「調理係はー・・・虎杖でいいか?」
「別にいいけど昼時とか一人じゃ大変かもな」
「じゃあミミナナ呼ぶ?あの二人調理部だからできるでしょ?」
「協力してくれっかなー・・・」
「夏油先生も食べにくる、みたいな文句で釣れないか?」
「でもそれだと調理部の出し物で事足りるんじゃない?」
「あの二人、夏油先生用の雑巾仕立てステーキ吐瀉物風ソース掛けを作るので忙しいだろうからな」
「前から思ってたけどそこまで似せる必要ある?」
夏油先生こと夏油傑の術式は呪霊を操る呪霊操術。だが操る呪霊を取り込む際には吐瀉物を処理した雑巾を丸呑みしてるような感覚に襲われるらしい。最強とは見えないところで苦労している者なのだ。(ちなみに件のステーキはちゃんとA5ランクの牛肉を始めとする上等な食材を使用している)
「じゃあ俺らも手伝うか。簡単な調理ならできるだろうし」
「切る工程なら宿儺の術式使えばすぐ終わるしな」
「「使ってんのかよ」」
宿儺の斬撃は二種類。通常の斬撃「解」、呪力差・強度に応じ一太刀で対象を卸す「捌」。つまり包丁での千切りとフードプロセッサーを使い分けるどころか、同時に使うこともできるのだ。便利だね!
「火の術式も使えるからいい感じの焼き加減で料理作れるんだぜ」
「もしかして両面宿儺って自炊男子だったの?」
あの凶悪っぷりで自炊とか、別に構わないけどイメージにそぐわない。釘崎はそう感じた。
「でも去年と全く同じ出し物をしてもインパクトに欠けるな」
「確かに。先輩たちのモチベーションも上がらないだろうし」
どうするか、と再び頭を捻らせる三人たちだったがすぐには名案は浮かばなかった。
そんな考えてる最中。
ティロン♪
誰かのスマホの着信音が静かな部室に鳴り響いた。
「ごめん。俺のスマホ」
虎杖はポケットから自分のスマホを取り確認する。
「誰から?」
「順平からLINEだったわ。土曜に行く映画何が良いかって」
吉野順平と虎杖は学校こそ別だが映画という共通の話題で仲良くなった。別の学校の人間と短期間でここまで仲良くなれるのは虎杖の人間性の賜物だろうか、横の二人はそう思った。
「映画、映画かー・・・」
椅子に背を預け、のけぞりながら虎杖はつぶやく。
「・・・!そうだ!映画!!」
虎杖は勢いよくのけぞりから返る。勢いのあまり椅子がガタンと大きな音を立てた。
「映画撮らねーか!?」
「「映画?」」
「そう!術式使ったアクション短編撮って上映すんの!CG使ってないモノホンのバトルだから見ごたえあるぞ!」
「確かに。それに映画上映しつつ軽食出せば他のとことも差別化できるわね」
「映画研究部のお株を奪いそうだけどな」
「じゃあ映研と共同制作するってのは!?アクション俺らで脚本カメラ映研とかで!」
「なるほど。お互いの足りない部分をカバーし合えるな」
「よしっ!じゃあその方向性で行くことで」
「「異議なし」」
三人の話はそのまま進んでいった。
東京都立呪術高等専門学校呪術部の顧問、五条悟はこう語る。
「若人から青春を取り上げるなんて許されていないんだよ。何人たりともね」
ここは呪術部。呪いを祓う呪術を使う少し変わった学生たちがたむろする場所だ。
「人間の愚かさに絶望した五条先生を止めるために俺ら教え子が立ち向かう、って話でどう?」
「「死ぬわ」」
・呪術部、映画研究部共同制作の映画を見た客の感想
客1「アクションがハリウッド顔負けだった。学生がこれを作ったなんて信じられない」
客2「全員キャラが濃い。特に主人公たちの先生がめちゃカッコイイ。難点を挙げるとするなら主人公の境遇が可哀想すぎる」
客3「面白かったがヒロインたちが男気に溢れすぎてて女っけをあまり感じなかった。もうちょっと癒しのあるヒロイン像を作ってほしい」
本編に日常回がもうないらしいのでじゃあ自分で書くかとなって書いてました。
呪霊なんかも大人しい平和な世界での話です。