カイマクルの鬼   作:セッル@ポケモン熱発生中!

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主人公が居住空間を広げ、神父さんは切れます。
今回は鬼殺隊は関係ありません。


Let's not lick the seriousness of adults.

【竈門炭治郎教会襲来事件】の件以降、私は考えた。そもそもウィリアム神父に【鬼の音】がした元凶は他ならぬ私だ。

 

彼は、私とは違い本物の異人さんだ。

まだまだ帝国主義がまかり通っているこの時代、産屋敷とはいえ他国の宣教師、ましてや、全盛期に比べれば権力は衰えたとはいえども

【カトリック イエズス会所属の司祭】相手に害をなすとは思えない。

 

あの時の神父との出会いと交流は、自分の不安と、この世界への反逆心から生まれたものだ。

そして…大前提として《ウィリアム・ウィスティリア》という人物には弱みがないということだった。

でも……今は違う。

今、私が着ているこの服も神父さんからの贈り物だ。本人は《布教の手伝い》のお礼と言っていたが私は基本、教会の敷地外に出たりしない。だから《布教》の方面では役に立っていない。

 

だから、その名目は「私」が受け取りやすいように作ったものだ。自惚れでもなく、神父さんは私を気に入っている。いくら職業柄「弱者」を慈しみ支援する必要があれども、私への対応はそれの度合いを超えている。そうでもなきゃ偽名とはいえ「名付け親になろうか?」などと言ったりしてこないし、竈門炭治郎から私を守ろうとは動かない。

 

「神父さんの好意に甘え、いつの間にか依存していた私の落ち度だ」

 

交流を断とうと思えばいくらでも機会はあった。神父さんは私がどこの山に住んでいるのかは知らない。暗いところに住んでいるとは言ったがまさか地下に空間を広げているなんて思わないだろう。よくて洞窟に住んでいると思われている程度だ。私が教会に行かなくなれば連絡の仕様もない。

 

それに、

 

「竈門炭治郎…いや産屋敷には既に私の存在は知られてしまった。」

 

鬼殺隊士には必ず付く鎹烏、隊士の連絡係であり生きたGPS、特に妹が鬼の隊士ならば普通の鬼殺隊士よりも報告は頻繁なはず。

 

「私の存在が、2人の立場を苦しめる弱みになってはならない。」

 

ただでさえ炭治郎は《鬼を連れた隊士》として柱からの印象は最悪だ。

そこにさらに不完全とはいえ、《太陽と藤の毒を克服した鬼》とも友好的に話し合っている。なんて情報が漏れたら最悪、鬼ではなく人間に殺される。

神父さんも同じだ。産屋敷は神父さんへは手出しできないが、隊士が感情的になり《鬼の協力者》として神父さんに襲い掛からないと誰がいえる?いくら鬼殺隊士としてのプライドがあっても、鬼に家族や大切な人を奪われた人達には、理屈は通じない可能性が高い。

 

「やはり、直接的な交流はもう終わりだ。さて…やるか。」

 

今は、穴の中には子どもがほふく前進で通れる程度の通路に大人1人が住める居住空間が一つだけ。

ここに穴を掘り進め、幼虫や人形などの食糧庫を作る、

 

「鬼殺隊に知られた以上、大っぴらに外には出れない。だけど、竈門炭治郎や神父さんには伝えたい情報はある。いざ、襲われた場合に備えて部屋は複雑に作らないと。」

 

通路道は、竈門禰豆子が小さくなっていたのを利用して、通路を作る際は幼児になってから掘り進めた。出来るか?と思っていたけど、案外こっちの方がエネルギー消費量が少ない事が判明。力は変わらないし、直ぐに掘り進める事ができた。

 

これって迷いそうと思ったけど、【ヘンゼルとグレーテル戦法】でなんとかなりました。

 

穴を掘り進めると同時に土を食べる。

栄養がいっぱい

血気術が発動【人形が出る】

人形を置く

 

これを繰り返す事で最初の大人1人が暮らせる空間に戻る事ができる。

まぁ、食糧庫であり、自分の人形を置く空間を作るから、道は狭くて長い方がいい。半天狗のような一寸法師までには出来なかったけど、幼児のはいはい体勢で進める道を掘り下げて、一つ一つ、自分でもわからないようにバラバラに設置した。

だけど、これだけなら音柱のように穴を掘り下げる能力者ならすぐに全て壊される。

 

自分が死ぬ分には問題ない。問題は人形を使って産屋敷に脅されること、私の命と引き換えに炭治郎や神父さんが産屋敷に脅されてしまうことだ。

前者ならまだマシだ。そもそも私という存在がこの世界へ与える影響力は未定。いてもいなくても問題ないならまだしも、私がいる事で無惨討伐失敗しましたなんて結末を迎えられたら困る。

私だけなら自殺する事も可能だ。一度死んだ命、今更惜しむ心などありはしない。

でも、後者になったら最悪だ。炭治郎も神父さんも優しい人柄だ。

特に神父さんは私が二度目だとしても、殺されるのを黙って受け入れるほど心を殺せる人ではない、寧ろ関わって知ったが、けっこう…いや、かなり情熱的な人である事を知っている。最悪の場合、『刀を持った人に斬られかけた!』と大使館まで逃げ込む事態も起こしかねない。そうなれば宣教師を斬った犯人を大使館側が要求してもおかしくない。

 

それは困る…、産屋敷は気に食わないが【鬼殺隊】は必要だ。

鬼殺隊の最高の利点は、政府管轄じゃない分自由行動ができるという事だ。公認組織の場合はどうしても利害関係で揉める。それがないからこそ、無惨討伐に千年も費やせたし、無惨討伐もできた。鬼殺隊は表向き、存在した事実さえもなかった事にし続けなければならない。

なのに、原作では登場しない神父さんが鬼殺隊に近づいたら、どんなバタフライエフェクトが起こるのかが分からない。

 

 

「ふーー、とりあえず手紙でも出すか。」

 

教会で勉強する際に、言葉と同時に文字も習った。その際にもらった紙と、緊急時には換金できると切手ももらった。もしかしたら、神父さんはこの状況を予見していたのかもしれないな。

 

【To my friend William Wistiria, reading this means】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方その頃、教会では、

 

 

「レディ…こないな。」

 

竈門炭治郎くんが来たその日に、帰り際レディ…アミークスは『もうここには来れないかもしれない。』と言った。理由は教えてもらえなかったけど、大方の検討は付いている。あの子が鬼殺隊だからだ。あの子、炭治郎くんは素直な子だった、だからいずれ、ここに来ていることがバレてしまう。炭治郎くんから聞いたハシラと呼ばれる上級幹部は、鬼を殺すのに躊躇いはないそうだ。人間は殺さないと聞いたけど、ウブヤシキさんの部下だ。あの子はともかく組織は信用できない。

 

 

カラーンカラーン

 

「鈴の音?」

 

「あっ!いたいた、えーと、ウィリアム・ウィスティリアさんですね、あなた宛に手紙が届いています。」

 

「レター?」

誰からだ?本部からの連絡文は書いたばかりだが。

 

【Priest William】

 

「この文字は、」

間違いない、あの子の文字だ。

 

バサッ

 

【To my friend William Wistiria, reading this means……

 

我が友、ウィリアム・ウィスティリアさんへ

今この手紙を読んでいると言うことは、私が一週間以上教会に立ち寄らなかったことでしょう。そしてこの手紙は、私はあなたとは二度と会わないと決意を固めたことを表明するためです。実は鬼殺隊士にはそれぞれ連絡係として喋れる烏が支給されます。もちろん唯の連絡係ではなく、隊士の近くに待機しているので産屋敷へは隊士の行動が全て把握されるようになっています。竈門炭治郎が来た時点で、神父さんから時々鬼の音がすること、不完全とはいえ鬼の弱点を克服している私の存在は今頃、産屋敷一族にはバレているでしょう。

ここに鬼殺隊士が来るのは確実です。もしかしたら柱クラスが来る可能性もあります。だから、巻き込まれる前にイエズス会日本支部や、大使館などの人々が多くいる場所に逃げてください。

そして、出来るならば日本からは離れて帰国してください。

手紙はどうにかイエズス会日本支部に送り続けます。竈門炭治郎にも渡したい手紙があるので、伝言をお願いします。その際は手紙のシメは神父さん宛には十、竈門炭治郎宛には〆のマークで区別して下さい。

 

 

 

ごめんなさい、巻き込んでしまいました。ですが、あなたの優しさのおかげで、私は本物の鬼にならずにすみました。

ありがとう……私の大切な友よ。

そして、さようなら、どうか、お元気で…。

 

psこの手紙は読み終わり次第、燃やしてください。

 

あなたに救われた人の子より】

 

 

「レディ…私はこんな手紙をやりとりするために、便箋と切手を贈ったわけではなかったのに…。」

 

手紙を燃やせ…か。この手紙を燃やせば「オニ」と関わった証拠は消える。国の組織でもない武力組織なら、証拠もないのに【異人】を拉致するメリットがないからか。

 

 

でも、

 

 

「レディ、私が何も対策を考えていなかったとでも?」

大人の本気を舐めていると、痛い目にあいますよ。




主人公
井戸掘りからの居住空間作りは、実は一部屋だけで、そこも通り道と部屋の区別は明白ではなく、本当に穴を掘っただけだった。例えるならモグラの穴。
そこを改良した。通り道を幼児がよちよち歩きで進める程度に狭くし、(自分は幼児になれるから)肝心の食糧庫は自分の人形を掘ったところにテキトーに土を上書きし、石で道穴を塞いだ。
追加で作られた部屋は、最初の出口に最も近い寝室兼書斎室(神父さんから聖書をもらった)土がこぼれないように近くの木を切り倒して支えをつけたり、床にも木材を一部敷いたりと、最低限、閉じ込められても大丈夫なようにした。
神父さんが産屋敷一族に利用されるのを防ぐために、今の教会から離れてほしいのと、出来るならば帰国を。と手紙に折り込んだ。
手紙を燃やすように指示したのも、鬼と友好的な関係だった事を誤魔化すため。今なら騙されていたと言っても不都合がないから。

ウィリアム・ウィスティリア司祭
実は手紙をもらうのは、2回目。最初は今の郵便がどのようなものか知りたいので、試しで送った。その時は宛名名は【Father William】(神父)であり内容は森の様子や美味しかったものの話だった。今回は【Priest William】(司祭)であったので、良い知らせではないと封を切る前から察していた。
そして、内容がアレだったので、ついに切れた。





























大正コソコソ噂話
神父さんは本部への報告書に、『無国籍の少女の写真』とその子どもの保護を求めたぞ。
もし実現すれば、その少女はアメリカ国籍になるね。
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