主人公の体の変化についてです。
鬼になってしまい、無我夢中で呪いが解けた事を証明できた。
うん?どうやって無惨の呪いを解いたのを確認したか?
単純明快、地下の穴の中で、大声で「鬼舞辻無惨!」と叫んだだけ。
正直、人も鬼もいない空間で叫んだだけだけど、スサ丸?の時も、事実上、あの時は弱々な鬼殺隊士1人相手で、あれほどの報復措置をとったんだ。人も鬼もいようがいまいが、報復できるならするだろう。
でも、私は無事。要するにそう言うことだ。
そして、飢餓感が消えたと思っていたが、そうでもないらしい。
まぁ、人を見ていないから判別は難しいが、私は今【土を美味しそう】と思っている。
パク
モグモグ
「うん…美味しいな、この土。」
いやいや、確かに人を食べるのはリスクが高すぎる。だから、この変化自体は望ましい。
問題は、もし、もし、この予想が当たっていたとなると、別の意味で問題になる。
今の私…【植物】になっているのでは?
見た限りでは、手も足もあり、視界が動かせる以上、人型なのは間違いない。
でも、土を美味しそうと感じ、
実際に口に入れても、嘔吐どころか美味しいと感じる私の味覚。
無性に水を飲みたいと思い、
挙句に本来なら恐れるはずの太陽光を浴びたいと訴え、地上に出ようとする体。
「あー!もぞもぞする!もうこの際、太陽を浴びる!」
「嘘…でしょ。」
鬼特有のアルビノ張りの白い肌はいいとして、川に移るその目と目元周辺は、軍人の隠密作戦で使われる顔料のように覆われ、髪の色、首を覆う色、それは、
「植物特有の色…緑。」
首筋が特に硬い。間違いない、この部分は細胞壁で出来ている。
だが、それ以上に問題なのは、
フワフワ
太陽光を浴びると緑色じゃない部分を傘のように横に伸びる私の髪。
そして、満たされる満腹感。
太陽を恐れるどころじゃない。
太陽無くして生きられない体に変化していた。
「皮肉なものです。《最強の生物》とは植物の事だったんですね。」
少し考えれば分かる事だ。
そもそも動物が他の植物や動物を食べるのは、ひとえに栄養素を自分の体で作れないからだ。
そう言う意味では、太陽光に水、そこそこの温度・湿度があれば、生きることが出来る植物は、まさしく、《地球上、最も優れた生物》と言えるだろう。
でも、私は陽の光無くして生きていけなくなったとはいえ、本当の意味で【太陽を克服】したわけではない。
言うならば、今の状態は、防護服を着た上で太陽に当たれるというもの。
緑の葉緑体部分以外は、普通の鬼と変わらないだろう。
かと言って、全身を葉緑体持ちの細胞に変化させるというのは安着過ぎる。
緑の髪や緑目はまだ、大正時代では、外国人枠で通せるが、肌色が緑な外国人など、いくら情報伝達速度が遅い時代とはいえ、誤魔化す事は不可能だ。
後、単純に目立ちすぎる。
鬼殺隊とは、《鬼を討伐する組織》以前に、
《復讐を正当化する為の組織》である。
異論は認める。
でも、産屋敷の目的が本当の意味で【鬼舞辻無惨の討伐】であるならば、それこそ、ご自慢の【先見の明】を使って軍人や政治家・官僚を抱え込む事も可能なはずだ。
伊達に名門の公家ではない。
もちろん、鬼の軍事化転用などを恐れて表立って協力できないのもあるだろう。
だが、手っ取り早く討伐したいなら、やはり国公認の組織にした方が早い。
鬼舞辻無惨の人間時代の身分から、それこそ帝と面会できるほどの殿上人であるのは間違いない。
いくら鬼が東京中心にひっそりと活動しようとも、人の口は完全には防げない。
そうでもなきゃ、国公認組織でもない鬼殺隊にまで情報が届く訳がない。
本来なら、人がいなくなったりすれば、真っ当な家庭なら警察に行くはず。
でも警察は動かない。
考えうる、理由はいくつかある。
一つは、【そもそも事件と思われていない】
言い方は悪いが、この時代の警察は市民のためではなく、国のために動く組織だ。
よっぽどのお偉方や一気に人がいなくなりでもしない限り、動かない。という可能性も高い。
二つ目は、【鬼と警察組織がグル】の場合、
この場合も、鬼関連の行方不明者が探されないのも納得できる。
鬼舞辻無惨も人に化けて、人間社会に溶け込んでいるのだ。
他の鬼が、血気術を使って特定の警察署内を洗脳している可能性も高い。
最後はかなりメタ発言だが、【原作が警察関連との連携を阻止している】説だ。
ぶっちゃけコレが答えだと、解決策はない。
一つ目や二つ目だったら、お偉方を誘拐したり、元凶の鬼を殺したりすれば、解決できる。でも、敵が原作というか、作者となれば敵わない。
【鬼殺隊】に鬼関連の全てを終わらせる権利があるとすると、
仮に私が今から実家に帰り、
母や父に今の状況を説明して、
父の知人から軍に行き、
私を《実験台》として鬼討伐をお願いしても
寧ろ、無惨討伐の邪魔になってしまう。
今の両親には悪いが、国軍にも鬼殺隊にも頼れない私は、このまま行方不明者になった方が2人も安全だろう。
「軍にも、鬼殺隊にも頼れない…。とりあえず人を喰べずとも生きられることが確認できた以上、地下生活は問題なさそう。
引きこもるか…」
呪いを解いた身、鬼殺隊員はもとより、鬼に見られるのも命の危険がつく。
地下でも美味しい土にありつける。
この森を通気口に生活空間でも作るか。
【主人公】
目元には緑のフェイスペイントをした様になっている。
虹彩は緑。元々は茶色。
首全体は特に硬い。
髪は葉緑体を含む割に柔らかく、普通の髪と対して変わらない。
足元や手元も緑色だが、髪や目に比べれば、かなり薄く、夜半だと普通の肌に見える。
最初に食べたのが、植物である藤の花だった為、体が植物に近寄った。
完全な植物にならなかったのは、皮肉なことに無惨の細胞に刻まれた《完璧な存在》への執着心ゆえ。
それがなかったら、普通に植物となり、自我が消えていた。
《完璧な存在》《最強の生物》の概念が、無惨と主人公は違っていました。
無惨は《捕食者としての最強》
主人公は《生物としての最強》
そして、決定的だったのが、主人公には戦後の義務教育知識があった事です。
大雑把とはいえ、9年間分の知識を寄せ集めて《完璧》を求めた結果、最も重要な要素は《栄養を自力で全て賄える知能生物》という結果に辿り着きました。