【天国への道】が明確に示唆されていて、そちらに行こうと思えば行けたという、鬼滅の刃における法則をすり抜けた【堕姫】という鬼は結局何だったのか?
作者なりの解釈を書きます。
「上弦の鬼が倒された…か。」
長いと言われれば長い、だが炭治郎が鬼殺隊に加わってからの時系列で言えば、かなり短いスパンだ。
さて…ならそろそろ
「香子!お兄ちゃんが
ここはあの世とこの世の境目、仏教で言うところの【三途の川】と呼ばれるところ。そしてこの子は【梅ちゃん】。天国の住人からは【白梅ちゃん】と呼ばれて可愛がられている。
特に天国において子どもは、この世の人生では悲惨な生い立ちで、志半端で亡くなるケースが多く、梅ちゃんはまさしくそのケースだったので、尚更、天国の住人たちからは孫のように愛されている。
さて…ではなぜ、天国にいる梅ちゃんがコチラに来れたのかと言うと、それは簡単、彼女の希望が【兄と共に
えっ、堕姫と梅は同一人物ではなくて?
確かに身体は間違いなく同一人物だけど、
前世の記憶から私も疑問だったけど、あの世のシステムを聞いて、なぜ【堕姫】は【梅】の姿で地獄に堕ちたのかを知れた。
要は……私と同じだった。
私は、香子は、間違いなく大正時代を生きる普通の娘。
だけど、途中で鬼となった時に、別人格、すなわち前世の私が表に現れた。その時はまだ
今の彼女には香子としての記憶は殆どなく、新たに誕生した【ローズマリー・ベネット】に相応しい知識と常識を持つ人格となった。
「本当によかったの?梅ちゃんは天国で幸せに暮らす事も出来たのに…わざわざやってもいない罪を償うなんて。」
そう…累が家族と共に地獄に堕ちたのは、理由はどうであれ、【自らの犯した罪は自らが背負わなくてはならない】というあの世の法則が適応されたからだ。勿論、鬼になるまでの過程により罪の重さは変わるけどね。
でも…梅ちゃんは違う。
梅ちゃんは兄を侮辱された事により、侍の目を刺して片目を失明させたけど、その後の報復措置が生きたままの火炙りだ。
そもそも件の侍も、真っ当な店に相手にされない時点で人格はお察し。
梅ちゃんは罪を背負って死んだわけではない。
だから天国に行けたんだ。
【堕姫】は天国に向かっていた梅ちゃんの魂を半分、鬼化により引っ張られて肉体に引き戻された言い方は悪いが、ゾンビの一種だ。
多重人格と異なる新たな人格。分かりやすくいえば、善の魂は【梅】悪の魂は【堕姫】だ。過去の記憶こそ同じだけど、同一人物であり同一人物ではない。人を騙し、鬼としての罪を行ったのは【堕姫】だ。だから悪の魂である【堕姫】は地獄に堕ちるが、善の魂である【梅】は天国がとうの昔に迎え入れていた。
それにしても…
「よく…天国側は受け入れたわね、梅ちゃんが堕姫の罪を背負うなら、堕姫が天国に来る事になるのでしょう?」
この世界は、良くも悪くも因果応報が絶対原則。数えきれないほどの人を騙し、殺してきた堕姫をあの世は苦しめないとは。
「うん!天国の偉い人も最初は嫌がっていたけど、私が「お兄ちゃんがいない世界が私にとっての地獄!」って言ったら、「その手があったか!」と言って許してくれたの。そうだ、これを香子に渡してって!」
「これは?」
まるで、かぐや姫の天の羽衣みたいだ。
「これをね、ダキがここに来たら羽織らせてほしいって。」
「堕姫にこれを羽織らせる?」
絹のようなそうでもないような、光沢がある綺麗な羽衣…、天国の羽衣なら、名実ともに天の羽衣…かぐや姫…竹取物語…、
ああ…確かに堕姫にとって、最も重い罰だな。
「分かったよ、ちゃんと羽織らせるね。」
「ありがとう!あっお兄ちゃん!じゃあね、香子!」
梅ちゃんは、お兄ちゃんがいる地獄の入り口に一直線に向かった。
「さようなら…どうか次は2人で幸せに…ね。」
「ちょっと!そこの不細工!お兄ちゃんはどこよ!」
本命登場か。さて…ここに滞在している以上、頼まれた仕事はしないとね。
「ようこそ、蕨姫花魁。わたくし、さるお方からの使者でございます。お美しい蕨姫花魁にこちらをお渡しするように、ご命令を下されました。どうぞ、お受け取りくださいませ。」
「ふーん、確かに私に相応しい衣だわ。羽織らせてちょうだい。」
「勿論でございます。ささっ、どうぞ。」
「ふふん、まあまあいいじゃない、あっそうだ、お前、私のお兄ちゃんは何処に……………あれ?私、何を考えていたのかしら?」
「天国への道を聞いておられましたよ?私はこの川を渡ることは出来ませんが、あなたは渡れますよ。」
「あっ!そうだったわね!ありがとう案内人!」
「えげつない罰だな。天国のお偉いさんも、何も知らない梅ちゃんも。」
堕姫は二度と【お兄ちゃん】を思い出せず、天国という優しい檻で、何も知らずに心の喪失感に苦しみ、仮に罰が終わって、転生が叶っても【お兄ちゃん】と関われる立場には産まれることが叶わない。
梅ちゃんは、堕姫の罪を背負って地獄に堕ちるけど、大好きなお兄ちゃんと常に一緒だ。刑罰は苦しいが、必ず来る終わりを迎えれば、次もまた人間の兄弟として産まれることが出来る。
はて、どちらが幸せなのだろうか?
少なくとも、梅ちゃんと堕姫の根本にあるのは
【お兄ちゃんと2人で1つ】
【2人が揃えば最強】
「妓夫太郎がいくら妹を溺愛していても…見分けはつかないだろうな。
だって、同一人物だもの。」
堕姫の存在が、この世の人から忘れ去られた日こそが、堕姫の本当の意味での命日になるのだろう。
そして、堕姫を最後に忘れるのは…、
「無知は罪だと…言ったのは誰だったけなぁ。」
可哀想だけど、仕方ないよね。だって忘れることが罰なのだから。
亡霊の香子さん
煉獄家を後にした時、うろうろしていたら三途の川にたどり着いた。
川を渡ろうとはしないし、仮に渡ろうとしても出来ない。だって魂の半分は元気に生きているのだから。という、あの世とこの世の境目に存在する珍しい人格。
実は天国側は梅ちゃんの前例があったため、魂本体は受付できるけど、魂半分は受け付けられなかった。梅ちゃんが受付できたのは当時は規定上問題なかったこと、本人に生きる気力がなかったから。
三途の川に迷い込んだ人を、この世に送り返したり、還ってきた魂を天国に導いたりする仕事をする代わりに、三途の川でこの世の様子を見たり、本体の行動を見る権利を得た。
【ローズマリー・ベネット】が生まれた時点で、魂の繋がりは薄くなっていたが、【ローズマリー】が隠であり未来、【香子】が陽であり過去という正反対な存在になったが為、繋がりは薄いけど磁石のS極とN極のように引き合います。
梅ちゃん
生きたまま焼かれた日が命日。
妓夫太郎が童磨に会う時間の前に、天国が魂を受け入れた為、梅ちゃんは正真正銘天国の住人です。
しかしこの後、死にかけの肉体を無理矢理蘇生させられたため、魂の半分は生きているという不思議な現象が起きてしまいました。
この度、お兄ちゃんが地獄に向かうという事をおばちゃんから聞いたので、自分の魂の片割れの罪を背負って地獄に行くことを決意。
天国のお偉いさんには反対されましたが、お兄ちゃんがいない世界こそ、梅ちゃんにとっては地獄なため、天国の住人の願いは叶える事を最優先とする。という法則が適応されました。
ラッキーガールです。流石、天国の清らかな魂。
堕姫
天国が魂の受付に間に合わなかった梅ちゃんの魂の半分。
染まりやすい性格故に、鬼の本能にも直ぐに染まってしまいました。
散々悪事を働きましたが、梅ちゃんが地獄に堕ちる為、魂の片割れである堕姫は天国への道が開かれました。
しかし、鬼の心のままに天国に来られても対処に困る為、天の羽衣で鬼の記憶を消しました。
彼女の罪への罰は、【大好きなお兄ちゃんを忘れること】です。
天国だから住人も当然優しいです。罪人の羽衣をつけていても差別されたりせず、梅ちゃん同様、愛情たっぷりに大切に育てられます。
ですが、いくら記憶から消せても心は忘れられません。
何かを失った喪失感に天国では苦しむことになります。
仮に生まれ変わっても【お兄ちゃん】と会う未来は訪れません。
だって、それは梅ちゃんへのご褒美なのだから。
天国のお偉いさん
仏様か、天使様かは不明だけど、偉い存在。
梅ちゃんのお願いを叶えることが出来たのは、
堕姫の罪と罰も兼ねていたから。それと、
魂としては合わせて同一人物だから。
身内でも誰かの罪を被ることは出来ない。という法則があるが、梅ちゃんと堕姫は併せて1つの魂だから出来た。
勿論、堕姫の魂だけに罰を与える事も出来たが、堕姫にとって地獄よりも恐ろしいのが、お兄ちゃんに嫌われる事だから、なら、それよりも恐ろしい罰を与えようと思い、梅ちゃんの地獄行きを許可した。
大正コソコソ噂話
実は堕姫の結末は、現時点では主人公と香子さんが辿り着く結末に一番近いです。