「ようやく、普通の柱集会議だなぁ」
「ああ、また皆で集まれて…南無」
「しのぶちゃん、おはよう!」
「おはようございます、蜜璃さん」
「上弦を倒した後の久々の集まりだな。」
「雲…」
「ところで、まだ宇髄は来ないのか?」
「……」
「無視するな、お前に聞いているんだぞ、冨岡。」
「……知らん」
「ところで今日は、すごい情報があるって宇髄さんが言っていたわ!楽しみ!」
「もしかしたら、その情報の為に遅くなるのでは?」
そんなこんなで話していたら、
「「お館様のおなりです」」
ザッ
「おはゴホッ」
「「「「「「「「お館様!!」」」」」」」」
いきなりの吐血で、騒然とする中、当の本人は、
「すまない、話を続ける…ゴホッ、今日は、みんなにウッ、私の先見の明で見えたウッ、【上弦の能力】とゴホッ、【過去】を、纏めた物を、配りたい。ゴホッゴホッ」
「お館様、もう、お休みください。そのような体では…!」
「ありがとう…さゴホッねみ、大丈夫だよ、あとは、」
「俺様が説明するぜ、お館様、よろしいでしょうか?」
「もちろんだよ、頼んだ…ゴホッ」
「「お館様の退場です」」
ゴホッ
ゴホッ
▽▽▽
「まさか、あそこまで悪化していたとは…」
「ところで、どう言う事ですか、宇髄さん?」
「まあまあ、ここで説明するぜ、お前たちも室内に入れよ、これからの情報は本当に凄いんだからな。」
そうして、宇髄が出したのは表紙に【上弦の月】と書かれた雑誌くらいの厚さの本だった。
「悲鳴嶼さんもいるから俺が朗読するな。陸は倒したから上弦の伍の能力から説明するぜ。」
【【しばらくお待ちください】】
「ヤベェ…」
「南無…今の柱が全員でかかったところで倒せるとは思えぬ。」
鬼殺隊最強の言葉を皮切りに、
「上弦の伍の血鬼術は、狙い撃ちをされたら、かなり厄介かと。宇髄さん、万世極楽教の調査は勿論してますよね?」
壺が有れば、どこでも転移できるという特性を聞き、とりあえずは蝶屋敷にある壺は捨てようと決意した胡蝶しのぶ。
「それを言うなら肆もだァ、なんだよ《首を斬られて分身が暴れ出す》とかぁ。」
半天狗の本体の首を斬らない限り死なない。という事実からバーサーカーな面もある不死川実弥はチッと舌打ちし、
「参もよ!素手が武器で本人の実力を底上げするだけだったなんて。」
単純明快な分、半天狗のように武器を取って優位に立つという作戦が取れない為に、アワアワしている甘露寺蜜璃。
「胡蝶の仇…上弦の弐…呼吸を使う者とは相性が悪すぎる。」
相変わらず顔色は変わらないが、淡々と事実を述べる冨岡義勇。
「そうだな、甘露寺。」
甘露寺蜜璃の意見に同意する伊黒小芭内。
予想を遥かに上回る上弦の能力を聞いた柱が、自分の世界に入りそうになった時、ふと、
「…ねぇ、宇髄さん、まだ言ってないこと…あるよね。」
普段、ボーとしている時透無一郎が聞いた。
「へぇ…なんでそう思ったんだ?」
「なんとなく」
そんな会話を聞いた柱も黙ってはいない。
「おい、宇髄テメェ、何を隠していやがる?」
「情報共有の場です。隠し事はやめて下さい。」
「仲間とは…協力できないと?」
「え!なになに?教えて宇髄さん!」
「甘露寺が知りたがっている、教えろ。」
「隠し事は良くない、宇髄。」
最強の柱による重い言葉により、宇髄天元は両手を上げた。
「わかった、分かったって、だが、これは特に禁忌事項だ。直ぐに記憶から消せよな。」
「わかりました」
「勿論です。」
「当然だ」
「南無…」
「ああ」
「うん」
「上弦の壱については血鬼術以外にも、重要な面がある。それはだな…上弦の壱が人間時に捨てた子供の子孫が、時透無一郎である。」
「えっ!」
「えっえええー!」
「……はっ?」
「南無…」
「僕のご先祖様は、始まりの呼吸の剣士ではないの?」
「……!」
「正式には血縁者であるのは事実だ。だが、お前の直接の先祖は、継国巌勝、今の上弦の壱黒死牟だ。」
「違和感があった理由はそれだったんだね。」
他の柱が驚愕の顔をしている中(冨岡は除く)当の本人はその事実を受け入れていた。
「もともと…おかしいとは思っていたんだよね。本当に始まりの呼吸の剣士の子孫だったら、僕は【日の呼吸】を使えるはずなのに、出来た呼吸は【霞の呼吸】。でも、僕のご先祖様が【月の呼吸】の使い手だったとすれば、月と霞、関連性があるし。」
時透無一郎には名誉欲はない。
もともと鬼殺隊とは無縁の世界で生きてきた人である。
才能だけで結果的に柱に収まったが、本人は炭治郎のような挫折もなければ、鬼殺に心を捧げた人でもなかった故に、周りが【始まりの呼吸の剣士の子孫】と囃し立てるのに、違和感を持っていた。
だからこそ、【直接の子孫ではない】と言われて納得が出来たのだ。
「別に隠すことではないでしょ?今の僕が鬼なわけでもないし、これから鬼になる予定もないのだから。」
「まあ、それもそうだが、案外あっさりと受け入れたな」
「先祖と言われても、400年前の血でしょ。今の僕にはその血は一滴も流れていないよ。」
「それも、そうよね。」
「科学的には血の繋がりはありませんもの。」
「時透は時透だろう?」
「南無…然るべき時に判明したのは良いことだ。」
「俺は……どうでもいい。」
「甘露寺が納得したならそれでいい。」
「それじゃ!これで本当の意味で終了!継子にも隠にも話すなよ。」
「当然だ。」
「もちろんよ」
「ああ」
「うん」
「南無」
「…」
「冨岡ァ、返事しろよぉ」
そうして、柱集会議が終わった。
▽▽▽
「あまね…輝利哉…手筈通りに頼んだよ」
「はい、あなた。」
「はい!ちゃんと演技します!」
裏では、新たな企みが始動していた。
▽▽▽
ガタンッ
『なんでしょうか、この本は?えっと…【血を使った解除方法】?そういえば実家に解読できない文の本があったと聞いたから持ち込んだけど、日本語だったんだ。それにしても…何故、日本人と関わりがなかった実家で日本語の本があったのでしょうか?』
こちらでも新たな動きをみせていた。
お館様
予想通りの反応だったけど、信憑性を持たせる為に無理を押し通した。
「私、1人の吐血程度で可愛い子供たちが信じてくれるなら、万々歳だよ。」
【先見の明】によって財を築き上げた実績は、鬼殺隊士ならば誰もが知っている事実なので、嘘を貫き通せると確信している。
何か良からぬ企みを企ている。
宇髄天元
上弦の血鬼術を大公開!
纏めるのには煉獄慎寿郎と千寿郎の協力があった。
本当は、時透には後で黒死牟との繋がりを話す予定だったが、本人が良いと言ったから、柱に公開した。
分かっていたとはいえ、迫害されなくて良かったと思っている。
上弦の過去は伝えなかった。
個別で伝えるかも知れないが、特に甘露寺に猗窩座の過去は伝えないつもり。感情移入した結果、うっかり殺されてしまいかねないから。
時透無一郎
記憶は戻っていないが、周りが囃し立てる存在ではないと感じていた。
今回、違和感の存在を教えてもらってスッキリしている。
「上弦の壱?殺すけど、何か?」
不死川実弥
特に半天狗と玉壺と童磨に敵意が向いた。
半天狗と玉壺は普通に厄介だから。
童磨は胡蝶姉を殺したから。
時透?普通に仲間だ。
胡蝶しのぶ
姉を殺した鬼が悠々と人間と生きていると聞いて、静かに怒っている。
万世極楽教を宇髄と共に探し始めた。
【強い鬼は首を克服できる】と聞いたので、さらに毒の濃縮研究に力を注ぎ始めた。
無一郎君ですか?400年前の血筋なんて気にしていたら、殆どの人間は鬼ではありませんか。
甘露寺蜜璃
予想よりも強い上弦の鬼にアワアワ。
鍛え直そうと決意した。
運動量が増えた分、食事も多くなったけど、その分伊黒さんとお出かけする機会が増えたわ。
無一郎さんですか?普通に仲間ですよ。
伊黒小芭内
煉獄がやられたから上弦の鬼が強いことは承知の上だったが、数字だけでは表せない血鬼術の厄介さには堪えた。
鍛錬の時間と鬼狩りにこれまで以上に力を入れるようになった。
その分、甘露寺を食事に誘う機会が増えたのでるんるん。
時透?穢れた血の持ち主である俺に比べたらマシだろ。
冨岡義勇
俺は柱ではないが、参加した。
煉獄と炭治郎の仇を取るために情報は大事だと思い、聞いたが予想よりも強かったので、もう一回、鱗滝さんの所で修行しようか迷っている。
↑
柱なのでそんな時間はありません。
時透か…柱だ。
悲鳴嶼行冥
南無…私たちの大半は生きては戻れないだろう。
ならば年長者の私が1番強くあらねばならぬ。
岩を一回り大きくした。暇さえあれば、弟子と共に岩を動かしている。
この子の明るい未来のためにも。
時透無一郎は鬼殺隊の柱である。
大正コソコソ噂話
お館様が企んでいることは、主人公を怒らせる内容だよ。