実は全員分の視点も入れたかったのですが、かなり疲れたので、刀鍛冶は竈門炭治郎だけの視点です。
出来れば、蜜璃さんや時透くんも入れたかったのですが無理でした。
眠っていたところに、時透無一郎が来た。
鼻をつまんで起こされたけど、敵意はなかった。
まあ、この子、小鉄君にも敵意がなかったしなぁ。
「鉄穴森っていう刀鍛冶知らない?」
反応が鈍いと言われたが、流石に敵意があれば起きるよ。
「鉄穴森さんは知っているけど…どうしたの?多分鋼鐡塚さんと一緒にいるんじゃないかな?」
鉄穴森さんは霞柱の新しい刀鍛冶だそうだ。
まあ、この子の性格を考えればいくら柱とはいえ、専属の刀鍛冶に成りたがる人は少なそうだしなぁ。
でも、そういう話なら、
「一緒に探そうか?」
俺も鋼鐡塚さんに用があるし、《人のためにすることは結局巡り巡って自分のためにもなるもの》だと父さん達も言っていたし、俺も行こうと言ったら、
「えっ?」
何か、今初めて目線が合ったような気がした。
そして、禰豆子のことを『すごく変な生き物』と言って『前に会ったかも?』とも言っていたから、薄々感じていたけど、この子…【人の顔を認識できていない】し、【記憶能力が低い】。
生まれつきなのか、何かしらの理由があって後天的にそうなったのかは分からないけど、非戦闘員である小鉄君への暴力行為を誰も咎めなかったのではなくて、本人がそれを覚えられないからだったのか?
「ん?誰か来てます?」
「そうだね」
ぬらり
「ヒィィィィ」
鬼!嘘だろ!匂いもしなかった!この鬼…上弦だ!
ズサーー
「ヒィィィィ!」
早い…!気づかなかった!
霞柱もそうだが、鬼も早い!
怯えているように見えるが、この鬼は大勢を殺している鬼だ!
そうでなきゃ柱の攻撃を避けることなどできない!
俺も…!
ヒノカミ神楽 陽華突
「ヒィィ」
地面に降りた。当たった感触はしない。外れたか?なぜ反撃してこない?……まさか!
ザン
「ヒィィィィ斬られたああ」
首を斬った?だけど、上弦の場合は陸のような例もある。
「時透君油断しないで!」
ビキッ
分裂!頭が生えたのと、体ができた!でも俺はあの時とは違う。
「後ろは俺が!!」
煉獄さんの時のように守られるだけの存在ではない!だが、俺は焦りのあまり、
フオッ
バキャ
「禰豆子…!」
は、大丈夫、
「時透君!!」
鬼が持っていた武器を認識できていなかった。
「カカカッ!楽しいのう、豆粒が遠くまでよく飛んだ、なあ積怒」
「何も楽しくはない、儂はただひたすら腹立たしい、可楽…お前と混ざっていたことも」
「そうかい、離れられて良かったのう」
何だ?鬼を斬るたびに鬼が分裂する血鬼術?
ドドン
ババッ
何っ…だ、これは…あの錫杖
まずい、意識が
飛ぶ…
あれは…屋根に…誰か
玄弥
ドン
ドンドン
あれは…ウィスティリアさんに一度見せてもらった事がある武器…!
銃…!だけど日輪刀と同じ匂いがする
「おおおお、これは楽しいおもしろい、初めて喰らった感触の攻撃だ」
この余裕の表情、やはりこの鬼は、
「玄弥駄目だ!!どんなに強い武器でもこの鬼は倒せない!!」
首をわざと斬らせている。
「斬ったら斬っただけ分裂する!若返ってる!!強くなるんだ!!頸を斬らせるのはわざとだ!!」
四体に分裂…再生が早い!!規則性は?どこが1番早く治る?鬼である以上急所はある!探すんだ!見極めろ!何か…!
▽▽▽
《私の娘を…!香子を返して!》
『キョウコ…?ここ…は?』
何かを…思い出せそうな…?
あの人…どこかで見たような?
私は…何かを…忘れている?
『うっ!』
駄目だ、頭痛がする。
『ローズ…!ローズマリー良かったぁ!』
『シスター…!』
そうだ!私を襲ったあの人と、取り押さえた男性は?
『シスター、私が意識を失った後どうなりましたか?』
『ええ、安心していいわ。あなたを襲った人は警察署内にいるわよ、あなたは立場が立場だからもっと上の方に行くはずよ。もう、鉢合わせる事態は起こり得ないわ。』
『そうですか…』
昼間、シスター様たちと教会で使うお花を買いに行っていた時、突然、見知らぬ女性に胸ぐらを掴まれ、首を締め付けられた。
幸い、その場を歩いていた男性が、件の女性を取り押さえてくれて、騒ぎを聞きつけた警察官に引き渡した。
私は突然の事で過呼吸を起こしてしまったらしく、日が暮れるまで、警察署の医務室で安静にし、その間にシスター様たちがお父様であるハリス大使に連絡を入れてくれたそうだ。
一通りの説明をしてもらった後、お茶を片手に雑談していたところ、
ドン
『ローズマリー!!ああ…!無事でよかった!!』
『お母様!?』
『大使…お父様は、どちらに?』
『ハリスは日本政府に抗議しているわ、結構怒っていたわよ。それよりも、ローズ。首を締め付けられたと聞いたわ、本当に大丈夫なの?』
首周りにそっと手をかけて、痛々しい顔をするお母様に、私はこそっと
『鬼は首を斬られない限り死にませんよ』
と、伝えた。
余談だが、私が【米国全権大使の娘】だと知らされた警察署内はパニックに陥った。
(失神した私の周囲を、騒がしくしたくないと思ったシスター様たちが黙っていたそうだ。)
お母様は外交官ナンバーのついた公用車で来たこと
通訳が外務省職員であったことにより、
お母様が来る前は、医務室の医者と事情聴取の為に控えていた警察官のみだったのに対し、警備が厳戒態勢となった。
今更だけど…これって外交問題になる感じ?
『大使館に泊まります。車の準備を。』
『はい、夫人』
▽▽▽
「うーーー!!」
「カカカッ喜ばしいのう、分かれるのは久方振りじゃ」
この鬼は飛んでいる!能力が全て違うんだ!
「禰豆子俺に構うな!玄弥を手助けし…」
あれは!
「玄弥ーーーっ!!!」
刺された!
「禰豆子助けろ!!玄弥を助けろ!!頼む!!急げ」
このままだと死んでしまう!
「人の心配とは余裕があるのう」
早い…!!
攻撃が来る……!!
ヒノカミ神楽
ギャァィィン
波動…か…まずい……!
枝に掴まれ!
枝に!!
バキッ
ダン
早く立て!!立ち上がれ!!里の人たちも危ない守らなければ…くそ!体が痺れてる、耳も聞こえない
ゴオオオオオ
まただ!!
ならほど、そうか
攻撃の威力が落ちてる!!
これは…恐らく強くなっていく分裂は無限じゃない
ちらりと見えた口の文字、喜怒哀楽。その四体の状態が1番強いんだな?それ以上分裂すると
ドドス
弱くなる!!
後ろ!
ギャイイイ
弱くなっても波動自体が強い!倒さなければ!一体だけでも!早く禰 豆子と玄弥の所へ!!刺した口が消え…!!
服を引き裂かれた!?
「どうだ俺の爪は、この速度切れ味!!金剛石をも砕く威力だ、震えるがいい、歓喜の血飛沫をもっと上げてみせろ!!」
この鬼の特性がわかった、なら…!
「お前もな」
一太刀はいけた!だが、致命傷ではない!
ドン
ババババ
ギャイィィ
「ぐっ…!!」
速度が上がった早く戻りたいのに…!
2人のいる建物さすぐそこなのに…!!どうするんだ、考えろ!!そうだ!!今ここで倒せないなら…いやでも、もしかしたら余計に事態が悪化するかも、わからない、わからない、迷うな!!もうとにかく殺るしかない、禰豆子!!玄弥!死ぬな!!すぐ行くから!!
禰豆子たちのいる建物はすぐそこだ。あそこまで行く一息で!!
方向を見誤るな、相手の飛行能力と勢いを利用する!!
一刻も早く禰豆子と玄弥を助けるために
急速に飛んだ!今だ…!!
ガッ
「カッ」
やっぱりだ軽い!!そうでなきゃこの大きさの翼で、これ程飛び回れない、いける!!
「アアアア!!」
「禰豆子!玄弥!」
杖?あれは電気!!
「禰豆子!!やめろー!!」
やはり杖を使うか!
ガッ
鬼の血鬼術は鬼の血を元に作られている、なら杖も同じだ。同じ細胞で作られた鬼の足を盾にすれば、血鬼術は無効化する!!
そして!
舌をやられるとこの鬼たちは、ほんの僅かだが回復が遅れる
よし、抜ける!
まずい!背後が…!!
ドス
止まった…
ゴッオオオ
「ぐっ……!!ぐあああ小賢しい術を…!」
禰豆子の血は相当効いている!
「禰豆子…」
あれは…!
「楽しそうだのう、儂も仲間に入れてくれ!!」
何て重圧だ、体がひしゃげる…
何だ?
何だろう、これは
この匂いは…
「ちょこまかと逃げるなァァ!!」
「ぐはっ…」
そうだ俺は団扇の鬼の攻撃を受けて、気を失った…!!
禰豆子が先に意識を取り戻したんだ
不甲斐ない…!
考えろ!!考えるんだ!!敵に大打撃を与える方法
直ぐに回復させない攻撃
「!?」
禰豆子?
「カカカッ随分見晴らしが良くなったのう」
「さあこれで、ちょこまかと隠れる場所はない」
くそっ!!瓦礫が…!!
「禰豆子大丈夫だ!見捨てたりしない!刀から手を離すんだ!瓦礫をどかすから!禰豆子!やめろ!指が切れる!!禰豆子!!やめろ」
このままでは共倒れ…
ボッ
これは…、禰豆子の血で刀が燃える
刀の色が変わる!!
温度が上がって黒い刀が赤くなる!!
爆ぜる血をまとってこれは……!!
爆血刀
《赤くなるんですねぇ》
《お侍さまの刀、戦う時だけ赤くなるのねぇ》
《どうしてなの?不思議ねぇ》
《普段は黒曜石のような漆黒なのね》
《とっても奇麗ですねぇ》
見たことのない女性、誰だ?
そうだった、これは遺伝した記憶だ
お侍さまというのは、あの耳飾りの剣士のことだろうか
あの剣士の刀は漆黒だったのか?
俺も同じ黒刀だ
俺の刀も今赤くなった、色が変わった
禰 豆子の血の力によって赤くなった刀だから、きっとあの剣士とはやり方が違うけれど、
強くなったと思っても、鬼はまたさらに強く、生身の体は傷を負い、ボロボロになり、でも、その度に誰かが助けてくれる、命を繋いでくれる
俺は応えなければ
俺に力を貸してくれる皆の願いは、
想いは、一つだけだ。
鬼を倒すこと、人の命を守ること
俺はそれに応えなければ!!
「小細工した所で儂には勝てぬ、斬られたとて痛くも痒くもないわ」
来る…!!
ヒノカミ神楽 日暈の龍頭舞い
ずっと考えていた
あの一撃のことを、妓夫太郎の頚を斬れたあの一撃の威力の理由を
あの瞬間の感覚、呼吸、力の入れ方、
燃えるように熱くなった体中、そして額が
わかった、もうできるぞ
あと一体だ。一度に四体斬らないと、あと一体は
玄弥!!!無事だった!!
四体目の頚を斬ってる!!
やった!やった!同時か?同時に斬れていれば…
「玄…」
玄弥…?玄弥なのか?何だあの姿は、まるで…
「ガアァァ!!何だこの斬撃は!!再生できぬ!!灼けるように痛い!!」
「落ち着け見苦しい、遅いが再生自体はできている」
攻撃は効いている!!玄弥の状態はわからないが、一体斬ってくれたことでわかった!
恐らく四体同時に斬った所で、妓夫太郎たちのようには倒せないんだ!!この喜怒哀楽鬼への攻撃は殆ど意味がない
ずっと気になっていたことがあった
頚が急所じゃないなんてことが、あるのか?
違和感の正体、一瞬だけしたあの匂い
そう、あれは
五体目の匂いだ!!
五体目がいるんだ!!見つけなければ…
五体目の鬼の頚がきっと…
「うわ…っ」
「図に…乗るなよ、上弦を倒すのは…俺だ!!!上弦の陸を倒したのはお前の力じゃない、だからお前は柱になっていない、お前なんかよりも先に俺が…」
玄弥の様子がおかしい、だけど今は、
「五体め見つけたらすぐに教えるから!!禰 豆子だけは斬らないよう気をつけてくれ!俺の妹だから!!」
もう怒り鬼が復活した!!急げ!!
探れ!集中しろ!どこだ、団扇の鬼が風を使ったおかげで、温泉の硫黄の匂いが飛んでる
あれは…!!
いた!!いた!!いた!!見つけた…!!
「玄弥ーーっ!!!北東に真っ直ぐだ!!五体めは低い位置に身を隠してる!向かってくれ!援護する」
「禰豆子!!玄弥を助けろ!!鬼に玄弥の邪魔をさせるな!!」
「ぐわっ」
飛ばされるな!!
絶対にこの場から離れるな
まずい雷の攻撃もくる!!
禰豆子…!!
「がはっ」
斬った、だが、
「このガキ!!」
「玄弥ーーっ!!右側だ!南に移動してる、探してくれ!!西だもっと右!!近くにいる低い!!玄弥!!」
玄弥が…!!!!
「玄弥ーーっ!!!諦めるな!!もう一度狙え!!もう一度頚を斬るんだ!絶対に諦めるな!!次は斬れる!!俺が守るから!!頚を斬ることだけ考えろ!!」
そうだ…!玄弥は確か!
「柱になるんじゃないのか!!不死川玄弥!!」
しまった後ろ…!!
まずい食らった!!もろに……っ、あれっ?
「行け」
「玄弥!!」
あんな体になっても動けるのか…!いや違う、玄弥は俺たちとは違う特殊能力を持っているんだ!!
「俺じゃ斬れない、お前が斬れ、今回だけはお前に譲る」
柱になりたい玄弥が譲った。
斬らなければ…絶対に!!
いた!!小さい…!!
よし!!いける…!!
「ギャァアアアア!!!」
なんて声だ、耳が…!!
でもいける…!?
頚を斬れ…
何だ!?俺の後ろに何かいる!!
喜怒哀楽のどの鬼とも違う匂いだ
何が来た!?どうする?
まずい…判断を誤った
この位置じゃ俺にも当たるから、玄弥も鉄砲を撃てない!!
ドン
まずい攻撃がくる…!!
バキャッ
「禰豆子…!!禰豆子大丈夫か!!」
「弱き者をいたぶる鬼畜、不快、不愉快、極まれり、極悪人共めが」
六体め…!!
さらに出てきた!もういい加減にしてくれ!!いや…あれは六体めじゃないのか?喜怒哀楽…他の鬼の気配が消えている
しまった、本体が囲まれている!!
「待て!」
ピリッ
ドッ
強い…!強い威圧感…!これが上弦…!!
「何ぞ?貴様、儂のすることに何か不満でもあるのか、のう、悪人共めら」
何だ…?この鬼は?
俺たちが悪人?
少なくとも上弦にまで上り詰めた鬼に言われる筋合いはない。
「どうして、どうして俺たちが悪人…なんだ?」
「弱き者をいたぶるからよ、のう先程貴様らは、手の平に乗るような『小さく弱き者』を斬ろうとした。何という極悪非道、これはもう鬼畜の所業だ。」
何だ?なんなんだ?この鬼は…!!!
「ふざけるな、お前たちのこの匂い…血の匂い!!喰った人間の数は百や二百じゃないだろう!!」
これまで俺が、俺たちが会った鬼は基本的にどこか人の面影が残っていた。だが、この鬼は違う。
「その人たちがお前に何をした?その全員が、命をもって償わなければならないことをしたのか!?
大勢の人を殺して喰っておいて、被害者ぶるのはやめろ!!
ねじ曲がった性根だ、絶対に許さない、悪鬼め…!!
お前の頚は俺が斬る!!」
木の龍の頭は5本!!
伸びる範囲はおよそ66尺(20m)だ!!
よし、一つわかったぞ
ヒノカミ神楽 碧羅の
ギャイン
「ガッ…」
まただ、また落とされた。
ダン
「オエッ」
こ、鼓膜が破れた
目が回る
立てない
だめだ!!
早く立て!!早く!!
攻撃が来るぞ!!
「ぐああっ!!」
喜怒哀楽の鬼の力も使える、しかも攻撃力があがってる…!
呼吸の暇もない、回復できない!!攻撃予知で攻撃が来ると分かっても対処できなくなってきた、息が続かない…!!
でも、66尺以上離れればなんとか…よしここなら
伸びっ…技を出せ!!斬っ…
禰豆子!玄弥!
だめだ!!押しつぶされっ
「げうっ…」
ズバババッ
「キャーッすごいお化けなあにアレ!!」
場違いな華やかな声、この声は、
「大丈夫!?ごめんね遅れちゃって!!ギリギリだったね」
「かっ、甘露寺さん!!」
なんて、速さだ!
「休んでていいよ!!頑張ったね、えらいぞ!」
「待って、ゲホッ上弦です、上弦の肆で…」
教えないと、
「知ってるわ…大丈夫よ」
先ほどのふわっとした言動とは違う。固くて覚悟を決めた音がする。
「上弦の肆、半天狗ね、禰豆子ちゃんと玄弥君を返してもらうからね」
名前…?上弦の名前を知っているのか?
一度も名乗られたことはなかったのに…?
「黙れあばずれが、儂に命令して良いのはこの世で御一方のみぞ」
木の龍がまた波動を出した!
「甘露寺さん!!」
だが、俺の心配なんて必要なかった。だって、
「私怒ってるから!見た目が子供でも許さないわよ」
呼吸で攻撃を斬りつけたから。
その後も見た事がない血鬼術での攻撃が続いたが、その全てを甘露寺さんは呼吸で対処した。
すごい…!これが柱と呼ばれる人の実力。
早い、でもダメだ、この鬼は本体ではない!!
言わないと…!
だが、俺が言う前に甘露寺さんは後方に下がった。
「炭治郎君!!炭治郎君なら
任せといて、みんな私が守るからね!!!」
甘露寺さん…!俺も動かないと!甘露寺さんの体力切れが来る前に!!
「炭治郎本体の入っている玉は何処だ、わかるか」
「わかる!!こっちだ」
甘露寺さんが、あの子供の鬼を何とかしてくれている間に、一刻も早く本体の鬼を斬らなければ!
「ぐあああ!!振り落とされるな!!頑張れ頑張れ!!木の…アレ!!ヘビトカゲ竜みたいのが、こっちへ来ない内に!!甘露寺さんが止めてくれてる内に!!」
「ううう!!!」
バキャッバキャッボリボリ
うわああ噛んでる!?凄い硬い歯だ
「でもお腹壊さないか!玄弥大丈夫なのか!」
バキャァ
玄弥のお陰で木の龍の一部が千切れた!
倒れた、今だ!!
「うっ…ぐぁっ…」
枝の鞭が…!!禰豆子?
ゴオオオオオ
ボッ
あの時の爆血刀!
ヒノカミ神楽 炎舞
「やれ!」
もう少し…!いない!!
また逃げた!!どこだ!!どこだ!!近い…
「ヒィィ」
あァ?
「貴様アアアア!!逃げるなァァ!!!責任から逃げるなァァお前が今まで犯した罪、悪業、その全ての責任は必ず取らせる、絶対に逃がさない!!」
「いい加減にしろこの、バカタレェェェェ!!」
ドガァァン
夜明けが近づいてきてる
甘露寺さんは大技連発で体力も長く持たないだろう。
そして夜が明けたら鬼は逃げる、急がなければ
「ガアァァクソがァァいい加減死んだけお前っ…空気を読めえええ!!」
木…ぶん投げたー!!
ドゴゴゴゴ
「ギャァア」
禰豆子!
「ヒィィィィ」
避けられた!?
「ヒィィィィ」
「足速ェェ!!何なんだアイツ、クソがァァ!!追いつけねぇぇ!!」
速い!くそっ!!延々と逃げ続ける気だな、夜が明ける前に
甘露寺さんが潰れるまで
そんなことさせない!!俺たちがお前には勝たせない
ズキッ
「ぐあっ…」
まずい、左足が限界に近い!踏ん張りがきかない!
左足がやられていなければ…!!
《雷の呼吸って一番足に意識を集中させるんだよな、自分のさ、体の寸法とか、筋肉の一つ一つの形ってさ、「それら全てを認識してこそ本物の“全集中”なり」って俺の育手のじいちゃんがよく言ってたなぁ》
筋肉の繊維、一本一本、血管の一筋一筋まで空気を巡らせる
力を足だけに溜めて、溜めて、
ミシッ
一息に爆発させる。空気を切り裂く雷鳴みたいに
速い…!!善逸ほどではないけど、動く…!!
ガキュイン
ミシッ
いけ!いけ!!今度こそ渾身の力で…
「お前はぁあ儂がああああ可哀想だとは思わんのかァアア!!!」
まさか、ここに来て巨大化するとは…!!!
「弱い者いじめをォするなああああ!!!」
まずい…!潰され…!
「テメェの理屈は全部クソなんだよボケ野郎がアアア」
ギギギギ
本当に限界が来てしまう…!!!
ボッゴオオオオオ
「うおおおお」
玄弥と禰豆子のおかげで離れた!今だ!!
崖!まずい落ちる!!
頸に刃は入った!だが、まだ斬れてない
「待て、逃がさないぞ…地獄の果てまで逃げても追いかけて、頚を、斬るからな…!!!」
鬼が人のところに移動した、急げ、早くしろ、もう一度だ、
もう一度地面を全集中で蹴れ!!!
ドス
!?刀…
「使え」
この声は!
「と…」
「炭治郎それを使え!!夜明けが近い!!逃げられるぞ!!」
時透君ありがとう!!
円舞一閃
本体の頚を斬れた、
夜が明ける!!
この開けた場所はまずい
禰豆子
逃げろ!!
「ゲホッカハッ」
声が出ない
「違う!!禰豆子こっちに来なくていい、お前だ、お前なんだ、危ないのは、陽が射すから
「禰豆子逃げろ…!!日陰になる所へ」
「ううっ!!ううう!!」
「うわあああああ逃げろ!!逃げろ!!死んでない!!頚を斬られたのに」
「なっ…」
ちゃんと斬れていたのに!!??
頚を確認しないと!
舌に“恨み”!?
本体は“怯え”だったはず…舌の文字が違う!!
「しくじった!!止めなければ…アイツに止めを」
陽光!?
ジュッ
「ギャッ」
ジュウウ
「禰豆子!!縮めろ!!体を小さくするんだ!!縮め!!」
「ううっ…」
まだ陽が昇り切ってなくても、これほど…!!
「わあああ」
まずい!!誰か…!玄弥!!時透君…
無理に決まっている。崖の上からここまでなんて、そうだあの鬼も朝日で…禰豆子を抱えての移動じゃ間に合わない…ああ…ああ!!
駄目だ決断できない決断…
《仮に…民間人と自分の妹、どちらかしか守れないとしたら炭治郎君、君はどちらを取りますか?》
ああ…!レディさんが言っていた懸念が、現実になった。でもダメだ、俺は禰豆子を切り捨てられない!
ドガッ
「っ……!!」
禰豆子が…笑ってる。
分かった…兄ちゃんも覚悟を決めるよ
嗅ぎ分けろ
遠くには逃げてない
本体がいきなり遠くへ離れたなら、匂いで気づいたはず、近くにいる
どこだ、匂いで捉えろ、形を色を
そこか、まだ鬼の中にいるな、そうか、もっともっと鮮明にもっと、見つけた、心臓の中、
今度こそお終いだ卑怯者、悪鬼!!
「命をもって罪を償え!!!」
バラ…
「ハァハァハァ」
勝った…禰豆子を犠牲にして…
日の光に焼かれて禰豆子は骨も残らない…
「ううっ、ううっ、うっ」
覚悟はしていたと思っていた。だけど、俺は本当は何も考えていなかった。
「竈門殿…」
里の人が指差す方に目を向けると、
「お、お、おはよう」
【炭治郎さん、十二鬼月と禰豆子さんの血と陽光を克服した鬼の血を提供し、研究に協力してくださってありがとう。
浅草で無惨に鬼化させられた男性が自我を取り戻しました。
禰豆子さんの血のお陰です。無惨の支配から解放され少量の血で生きていられる。禰豆子さんの血の変化には驚いています。
この短期間で血の成分が何度も何度も変化している。
私はずっと考えていました。
禰豆子さんが未だに自我を取り戻さず、幼子のような状態でいる理由を。恐らく禰豆子さんの中では、自我を取り戻すよりも重要で、優先すべきことがあるのではないか。
炭治郎さん、これは完全な私の憶測ですが、
禰豆子さんは近いうちに太陽を克服すると思います。
あと、太陽を克服した…】
「禰豆子…よかった、大丈夫か?お前…人間に…」
「よ、よかった、だい…だいじょうぶ、よかったねぇ、ねぇ」
喋ってる…!だけど目も牙もそのままだ…人間に戻ったわけじゃない…
「いや…ほんとによかった、ち、塵になって消えたりしなくて」
禰豆子が生きてる!!
「うわああああよかった…!!よかったああ禰豆子無事でよかったああ!!」
「よかったねぇ」
あっ……
よかった…
「炭治郎大丈夫?」
あれ?こんな澄んだ瞳だったっけ?
「あ…と…時透君…良かった…無事で…刀…ありがとう…」
「こっちこそありがとう、君のお陰で大切なものを取り戻した。」
「え…そんな何もしてないよ俺…」
「それにしても禰豆子はどうなってるの?」
「いや、それが」
ダダダ
「みんなぁああ、うわああ勝った勝ったぁ!みんなで勝ったよ凄いよおお!!生きてるよおおお、良かったああ!!」
「よかったねぇ」
そして、俺は気づいたら7日間意識を失った。
竈門炭治郎
今回の鬼が、悪い意味で人間味が強くて本来の慈悲が表にでなかった。
戦闘に夢中だったので、甘露寺さんが鬼の名前を知っていたり、血鬼術に直ぐに適応していたり、本体の存在を知っていたりする違和感に気づかなかった。
禰豆子と刀鍛冶の人、どちらかの命を選択しなければならないという状況で、主人公に言われた言葉の重さを感じた。
自分は肝心な時に最適な選択をできなかったと、心残りがある。
戦闘後に会った時透君が澄んだ瞳だったので、嫌悪感が消えた。
竈門禰豆子
幼子ゆえに、いや幼子だからこそ自分の心に素直に動いた結果が、原作のアレ。今回、陽光の克服をした上で、精神面が少しだけ成長した。
甘露寺蜜璃
あらかじめ聞いていた上弦情報があったので、半天狗の頸を自分で斬るという選択を最初から弾いた。
実は炭治郎などの特殊能力者は、上弦討伐で大きな力となるので、情報公開時に、炭治郎、善逸、伊之助の能力は柱の中で共有されていた。
(鬼喰いの玄弥は反感をかいやすいので、除外)
厄介な子供鬼の相手が、自分には最適だと即座に判断。
予想通り、無事に上弦討伐に貢献した。
時透無一郎
玉壺の能力を知っていたので、窮地に追い込まれはしたけど、壺の破壊、壺を侮辱することで鬼の視線を自分に集中させて、里の人たちを守った。鋼鐡塚さんは予想外だったけど、玉壺の気を引いてくれたことに感謝している。でも、記憶が戻った今となっては【守られていてくれ】と思っている。
記憶の蓋を開けてくれた炭治郎への好感度が急上昇した。
不死川玄弥
だめだ…!!と思うたびに炭治郎の喝で、生きて謝る!と思い直すことが出来た。今回の上弦戦でこれまでは【鬼喰い】に持っていた嫌悪感と劣等感が薄くなった。(なくなったわけではない)
ローズマリー・ベネット
この度、実の母親に首を締め付けられた。
何か
見事、外交問題に発展する要因になった。
ハリス夫人
主人公の今の母親
養女とはいえ、人ではなくとも娘として接している。
娘が日本人に襲撃されたと聞いて、外交官特権をフル活用して警察署に駆け込んだ。
『無事でよかった!!!』
ハリス大使
日本政府に抗議中
まだ、ローズマリーには会っていない。
大正コソコソ噂話
香子の母親を取り押さえた男性は、香子の父親です。
二手に分かれて【緑髪の異人】を探していましたが、悲鳴で移動した先に、妻が半狂乱で探していた異人の首を絞めていたのを見て(離れるべきではなかった)と後悔したそうです。
取り押さえたのは、殺してしまったら娘のことを聞けないからです。
警察署で妻と離れて事情聴取を受けていたら、途中から妻が特高に受け渡されてしまったことを聞いて
「貴人だったのか?」と聞き、警察官からは、
「奥方は下手したら国家に抹消されかねない」と言われ、
「妻は精神的に病んでいる、政治的判断ができる思考はない」と庇いましたが、
「特高にそれは通用しない」と言われ、取り押さえたとはいえ、襲撃者の夫だから、特高から出頭命令が出てしまいました。
(よく知らない人の言葉を真に受けるんじゃなかった)と思い、あの家族について特高に話そうと決意しました。