カイマクルの鬼   作:セッル@ポケモン熱発生中!

30 / 66
娘が襲撃された時の父親の対応です。
『』→英語
「」→日本語


ハリス・ベネットという名の男

ダンッ

『この国はウィーン条約すら守れないのか!!!』

 

『御息女への襲撃事件に関しては、申し開きのしようもございません。』

 

ローズマリーを…【他国の大使の娘】個人を狙った襲撃事件があり、預けている教会のシスターから、日本人女性に襲撃されたという緊急連絡があった。

この件を受けて、私は即座に大日本帝国政府を抗議

現在真夜中でありながら、こうして外務省の代表が、アメリカ大使館内にいるという事態だ。

 

いずれこのような事態がくるとはと思っていたが、まさか昼間の往来が盛んな街で行うとは。

産屋敷という一族が、こうも軽率な行動に出るとは思わなかった。

どうやら私は【先見の明】という能力を、過大評価していたようだ。

だが、まだ油断はできない。

コレが囮である可能性もある。

 

『ローズマリーの身辺警護は、全て我が国で賄います。』

 

『そ、それは…!』

 

お前たちは信用できない。

実際、養子であり療養中とはいえ【大使の娘】が首を締め付けられる前に対処できなかったのは、日本側だ。

日本の警護レベルは低い。

この事件は、他国の大使館にも流しておいた。

日本が信用回復するまで、かなりの時間を有するだろう。

 

『養子とはいえ我が子、ウィーン条約で守られるべき対象者です。一般人、しかも女性相手に怖気付くような警備員は邪魔です。それとも何ですか?

軍人をダース単位で娘に付けるとでも?』

 

無理難題を押し付けても問題ないくらい、今回の件で日本はやらかした。とはいえ…、日本軍人の程度も知りたいというこちら側の事情も含んでいるが。

 

『いえ、療養中の御息女にそのような無骨な者は不要です。この度の失態は我が国の汚点。元特別高等警察、現外務省職員の私が、御息女の警護にあたります。国を挙げて貴殿の御息女を御守り致します。』

 

まあ、及第点か。そして何より…()()()()()()()と言質が取れた。今回の事件で、警視総監が辞任、特別高等警察のトップも辞任したと新聞にも載っていたな。

 

『そうですか、二度目はありませんよ』

 

『ご安心ください、今の私には特例措置がとられています。御息女を守る為の行動に関しては、越権行為を認められました。』

 

越権行為ねぇ…どこまで認められているのやら。

まあ、ローズマリーが人間ではないという事実に勘づかれても、私の娘を殺そうとはしないだろう。

なら、表向きの日本人警護は彼1人でいいか。

どうせ、こちらからも付けるし。

 

『ハリス大使、夫人と御息女が参りました』

 

もうそんな時間か、ローズマリーに新しい護衛の事も説明しないとな。

 

『それでは私はこれにて失礼します。』

 

バタン

 

 

 

 

 

 

 

 

▽▽▽

『無事で良かった!ローズマリー!!』

 

ああ…ちゃんと暖かい。

 

『たい…!お父様!!』

 

『今日は大変だったな、さあ、食事にしようか。今夜は新しい野菜を使ったテリーヌだぞ。いっぱい食べなさい。』

 

『はい!』

 

『一皿だけでは足りないでしょう、人参のスープもあるわ。』

『ありがとうございます、お母様』

 

公務で時間が取れない私と違って、リリーとは仲良くなっているな。

 

『うぷ…すみません…吐きます』

『まあ!油が駄目だったのかしら?』

 

本当に野菜しか食べられないのだな。

 

『食事が終わったら簡易だが、部屋を用意した。しばらくは大使館に泊まりなさい。襲撃者が1人とは限らない。』

 

『はい、お父様』

 

『もちろん、リリーの部屋もある』

 

『まあ!大使館に泊まるなんてドキドキするわ!』

 

 

 

 

『おやすみなさい、良い夢を』

『おやすみなさい、お父様、お母様』

 

さて…仕事に戻るか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▽▽▽

 

『クックック……あっHAHAHA!』

 

まさか…!まさか…!こんなに上手くいくなんて!

そう…、あの子にこれまで通りの教会滞在を許したのは、善意ではない。

日本側が付ける警備を薄くさせる為だ。

市街地で生活をさせる、その上頻繁な外出を繰り返しさせれば、警護の人間とはいえ、注意力は低くなる。大使である私には、ガチガチの警備を行うが、その家族ともなると狙われる確率の低さから、警備人数や資質が低くなりがちだ。

誘拐程度の被害でも出れば…と思っていたけど、まさか、本人を意図的に狙った犯行を行うなんて…!

 

『あの子は期待を裏切らないな!』

 

あの子は【オニ】だ。キサツタイでなければ誰でもよかったが、できれば【男】がよかったなぁ。

一般人女性だと、インパクトに欠ける。

とはいえ、二度目を起こさせると今度は()()()()が不利になるからな。今は、まだ…溜め込む時期だ。

 

『さて…大統領府には今回の件は送った。料理は向こう側が行うだろう。私は自分の仕事をするか。』

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

親愛なる大統領閣下

前回送った動画から、日本には【オニ】と呼ばれる吸血鬼もどきが存在することは認知して頂けた事でしょう。

この度の事件において、大使館並びに領事館の警護レベルの引き上げが認められました。

これまで以上に、日系人の諜報員を複数人派遣して頂きたく存じます。

日本人は排他的な性格ゆえ、我々のような見た目はかなり目立ち、都市部の捜査でさえ支障をきたす程です。

できるならば、日系人は見た目もアジア寄りの顔を求めます。身長も低い方が都合が悪くないかと。

これまでの調査で、戦争の幻覚として扱われていた話の中にオニを含むような話も出てきました。

【鬼の軍人】が存在する確率が高まり、また鬼の軍人が実在するならば、裏で手を引いているのは確実に産屋敷耀哉という名の、日本人貴族です。

産屋敷一族は警戒心が高く、またカラスを使役して情報を独占しております。末端とはいえ潜入させるのは困難だと認識しました。

我が娘個人を狙った襲撃事件では、使い捨ての推定実母が襲いました。他人の精神を揺さぶり、汚れ仕事をさせるのに躊躇いがありません。直接、産屋敷を揺さぶるのではなく、産屋敷と関連がある機関に圧力をかけるべきです。

彼らが経営している組織、鬼殺隊は政府非公認。

国家との癒着はありますが、認められていない以上産屋敷一族は鬼の存在は否定的にとらえています。また、鬼殺隊は《剣で首を切り落とす》という原始的な戦略しかなく、鉄砲は1人しか使っていないという時代錯誤な組織です。娘が言うには「遠距離攻撃手段が少なく、その結果犠牲者を量産している」という評価があり、正直な話、鬼殺隊だけで鬼を絶滅させられるかと問われれば、確実に不可能でしょう。

産屋敷の目標は【鬼の絶滅】我が国も、日本がこれ以上アジアで覇権を握られたら国益に影響します。日本を弱体化させるためにも、我が国は鬼殺隊に武器提供を行うべきです。

その為に我が国の技術力で()()()()()()を作れないでしょうか。

鬼は特殊な鉱山で作られた武器でしか殺せません。

故に武器の量産ができないそうです。

そして確実な殺し方は【太陽光を浴びせる】これだけです。

鬼と呼ばれる生き物は、基本的に不老不死、故に確実に滅ぼすためには太陽が必要です。

我が国の国益、並びにいずれ起こる戦争への準備の一環として、大統領に協力を仰ぎます。

 

日本駐在全権大使 ハリス・ベネット

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ホワイト・ハウス

『これはまた…良いネタをもらったな』

『大統領、ハリス大使からはどのような内容が?』

『読んでみたまえ』

 

数ヶ月前、ハリス大使が日本から送った報告書には、【養女を迎え入れたこと】と、()()()()()が送られてきた。

秘匿性が最上位の動画を大統領府に直接送り込むなど、並大抵のことではない。

しかも、相手は破竹の勢いでアジアで覇権を広げる国、大日本帝国の駐日大使。

私はごく一部の信頼できる口が固い議員を複数人呼んで、動画を見た。今も思い出す。あの…ありえない内容を。

 

 

 

 

 

 

 

カラカラカラ

 

《とりあえず、グサっとすればいいのですか?》

 

資料に色塗りの写真で送られた養女が映った動画。

 

《ええ、あのレンズに向けて思いっきりやってください》

《わかりました…うぐっ…!!!》

 

自分で自分の腕を切り裂いた!?

 

『ひい!!』

『oh!!』

『おえ…!!』

 

集まった一部が、筋肉が丸出しになったグロ映像に反応する中、

 

カラカラ

 

《はい、治癒してください》

《わかりました…》

 

動画内は顔色一つ変えずに淡々と進んで、

 

『えっ!!』

『oh…!!』

『Noーー!!』

 

『なっ…!』

傷がゆっくりとだが、癒えている…?

 

《何度も見ますが、相変わらず…凄い回復力ですね。》

《私はこれでも遅い方ですよ、だって…人間を喰べないから。》

《ちなみに、早いオニはどの程度で回復するのですか?》

《そうですね…例えるならば、瞬きをする間に…でしょうか。》

《確かにそれに比べれば、ローズマリーは遅い方ですね。》

 

オニ?人をタベル?瞬きをする間に回復?

なんだ…?この映像は…!!

 

《よし、全回復完了!それでは、初めまして大統領並びに各貴人方、私はこの度ハリス・ベネット大使の養子に迎えられましたローズマリー・ベネットと申します。

先ほどの映像から分かるように、私は人ではありません。

一緒に送られた資料をご覧ください。》

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

オニ

日本版vampire

太陽光を浴びると骨すら残らず灰になり、死亡する生き物

食糧は人間の血並びに人肉

人間の血や肉も何でも良い訳ではなく、特に美味しい血を稀血と呼び、栄養素が高く、普通の人間の10人分の栄養が詰まっている。

人肉以外を食べようとすると吐き戻してしまう。

基本的に不老不死であり、【太陽光を浴びること】【特殊な鉱山で作られた剣で首を切り落とす】以外では死なない。

元々は人であり、とある人間の血により強制的に身体を作り替えられた存在。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

《私は日本では【オニ】と呼ばれる化け物です。キリスト圏国家から見ればvampireです。》

 

流れる映像、話される言葉。資料だけならハリス大使が狂っただけだと思うが、映像で証明されてしまっては嘘ではない。

だが、そんな化け物を仮にも鎖もなしに養子?

ハリス大使は何を考えている?

 

《映像と資料をご覧になった方ならば、なぜ私が大使と普通に会話が成立しているのか気になるでしょう。私は》

 

《こちらから説明します大統領閣下、彼女は【オニ】ですが、人肉を食べられない特殊個体です。

基本食事は、太陽光と水、野菜は食べれますが栄養補助程度です。

動物性油も1gだけで吐き出しました。

そして彼女は、太陽が弱点のオニでありながら【太陽光を克服した唯一のオニ】です。

本来ならば、このような会話など到底できない存在ですが、彼女は太陽を克服する代わりに、【オニ】としての戦闘能力を失いました。

人間の庇護下に入らねば生きていけなくなり、日本人に頼ったら殺されるので、大人しくしていれば【人の子】として扱ってくれる我が国を頼ったという訳です。

それでは話を戻します。オニの始祖の名はキブツジ・ムザン、資料をお読みください。》

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

オニの始祖、ムザン・キブツジ

千年以上前に産まれた貴族の子息であるが、人間時代は病弱で長生きできないと断言されていた。

だが、一人の医師は熱心に検査、治療薬を投与した。

その治療薬が【オニ】を創り出した。

原材料は不明だが、千年以上前に創られた治療薬なので、原材料そのものが絶滅している可能性が高い

彼がオニを増やす理由はただ一つ、【太陽を克服したオニ】を作り、それを吸収することで、己が【完璧な生き物】となるため。

基本的に配下のオニに関しては【増やしたくもない同類】としか思っておらず、陽光を克服するのは自分だけで後はいらないと思っている。

認識としては、見た目は大人、中身は赤ちゃんである。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

『随分と酷い評価だな』

 

ハリス大使が化け物を養子に迎えた理由は分かったが、その化け物の始祖情報は酷評もいいとこだった。

見た目は大人、中身は赤ちゃんって。

だが、こういうプライドもない存在ほど、敵に回ると厄介なのも事実。

 

『プハッ!中身、赤ちゃんって!』

『自己中心の塊だな、赤ちゃん扱いも無理はあるまい。』

『だが、この資料からわかるのは、【生きる為】になら何でもする存在だ。不利になれば逃げる一択、不老不死者相手にソレをやられると痛手だ。』

『敵前逃亡できないように細工するしかない…か。』

 

 

 

 

 

 

 

 

《資料からわかる通り、キブツジ・ムザンは生きることを至高とし、死ぬことを極端に恐れます。故に敵前逃亡や配下の切り捨てにも躊躇いがありません。始祖の鬼である彼は、首を切り落とすことで死ぬことはありません。唯一殺せる手段は太陽光のみです。そして、体液全てが人間にとっては猛毒です。なので…改めて()()()()()

科学と自由の国であるアメリカの力を、大日本帝国に突きつけろ!キサツタイなんて傷の舐め合いをする組織に属する、貴族の私兵如きが【オニを殲滅させる】なんて不可能です。》

 

キサツタイ?

貴族の私兵?

一体、大日本帝国とは何時代を生きているのだ?

だが、分かったことはただ一つ。

あの国が短期間で清に勝てたのは、まだ理解できた。

同じアジアの国だ。戦争に対しての向き合い方や熱量が違えば勝つのは不可能な話ではない。

だが、ロシアは違う。

仮にも当時から落ち目に向かっていたとはいえ、列強国の一員がアジアの国に全体評価で見れば【負け】を突きつけられた理由は、コレだったのか。

不老不死の兵士…こんな存在を量産させられるならば、一定の勝ちを引き寄せるのも当然の結果か。

 

『大統領…?』

『閣下?』

 

『大日本帝国がこれ以上覇権を握れば、我が国の危機になる。全力でこの【オニ】を…潰しにかかるぞ!!』

 

『『『イエッサー!!!』』』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▽▽▽

過去を振り返っていたところ、公式文書を読み終えた報道官は、

 

『使えますね…このネタは。』

 

ニヤリと笑った。

そういえば、彼は真面目で低賃金でよく働く日系人を嫌う、白人労働者層と懇意にしていたな。

 

『ラジオ、新聞の一面になるでしょう、早速調()()しても?』

『勿論だ』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▽▽▽

『号外!号外だよ!』

『駐日大使の娘さんが日本人に殺されかけたよ!!』

『買った!!買ったぁー!!』

 

『一枚もらおうか』

『まいど!』

 

一人の紳士が新聞を買い、それに釣られて、

 

『まあ、物騒な話ね。』

『そうですわね』

『あの国は、ウィーン条約を守る気がなかったのか?』

『10歳の女の子相手に首を絞めるなんて…なんと野蛮な』

『ロシアを撃ち破っても、所詮はアジアの国だからな』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【駐日米国大使の養女、日本人一般女性に殺されかける!】

【背後には貴族の影が!?】

【大統領、日本政府に『宣戦布告か?』と発言】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▽▽▽

「なぜ、あなたの妻は大使の娘を襲ったんだ?」

 

ところ変わり、場所は東京府霞ヶ関。

特高による【取り押さえた者】への事情聴取か行われていた。

 

「……」

何といえば良いのだ?あの親子連れについて話そうとは思ったが、私たちは平民、相手は所作から華族の可能性がある。そんな相手の話をしたら、口封じされてしまうかもしれない…!!

 

「はぁ…、黙秘は良策とは思えませんが、あなたは一応、【取り押さえた者】です。例え大使の娘を襲ったのがあなたの妻だったとしても、あなた自身を裁くことは出来ません。目撃者も多いですからね。」

 

特高は怖い存在だと認識している。

確かに私自身は問題ない。目撃者も多い中で、殺人未遂犯を取り押さえ警察に受け渡したのを、大勢に目撃されている。

だが、妻は、妻は今、どうなっている?

拷問されていてもおかしくない…!

そのくらい大変な相手を気が動転していたとはいえ、殺そうとしたんだ…!

 

「知っている限りのことを話します。しかし、そちらが先に答えて下さい…!妻は…!妻は無事ですか?」

 

「……本来ならば、外交官関係者を殺そうとした罪人にかける情けなどない。内乱罪が適応され、秘密裏に死刑になるのが普通だが…」

 

「だが…?」

否定が入ったということは…!

 

「米国大使、あなたの妻が殺そうとした娘の父親が、罪人の受け渡しを求めた。曰く『日本人に任せて隠蔽されたらたまったものではない』とな。

外務省は今回の襲撃事件でかなりの泥を被った形だ。無論、私たち特高も…だが。少しでも信頼を回復したいのだろうな、平民の襲撃者ということもあり、今は大使館に拘束されている形だ。」

 

「よかっ…た…」

 

少なくとも拷問されることはないだろう。

大事な証言者だ。

 

「こちらは質問に答えた。そちらの事情を聞かせてもらおうか」

 

「はい、まず信じられないでしょうが、【鬼】をご存じで?」

 

「【鬼】?物語のか?」

 

「いえ、現実に存在する不老不死者のことです。

特高では調べられているでしょうが、私たちの娘は現在行方不明になっております。そこに【産屋敷】と名乗る者が現れ「待て」

 

「はい?」

 

「要するに…娘が鬼に喰われたと産屋敷…今の当主は耀哉か?に言われたのか?」

 

「いえ、産屋敷当主ではなく…、やっぱりその反応…華族だったのですね…」

 

予想はしていたが、やっぱり華族の奥方と御子息だったか。

 

「恐らくは警察官さんの言う産屋敷で間違いありません。その産屋敷家時期当主とその母親が、我が家に迷い込んできて、一時的に保護していた時に言われたのです。

『娘が鬼に喰われた』と。実際に遺品として妻が作った手作りの、薔薇の髪飾りを渡され、その髪飾りと全く同じものを持っている異人がいると聞き、私と妻はその【緑髪の異人】を探しに、横浜まで来たのです。そして…」

 

「あなたの奥方が、大使の娘の首を絞める姿を目撃した…と。」

 

「はい…。やはり…華族の言葉があったのが遠因の一つですが、行動を起こしたのは妻。この証言が意味を成す日は来るの……警察官さん!どうしたのですか!!」

 

真っ青な顔をした特高の警察官さん。

手が震え、足は貧乏ゆすりが止まらない。

 

「な…何という…事態だ。こ、これでは…【個人の攻撃】から…【国の攻撃】と…みなされてしまう…。」

 

「け、警察官さん?」

 

バタン

 

「失礼します!」

 

「まだ、終わっていないぞ!!」

 

「それよりも一大事です!!今回の襲撃事件を米国大統領が」

 

「何だ?大使館と領事館の警備増築の許可は出したぞ、謝罪文も出した。何があったんだ」

 

「宣戦布告なのか?と日本政府に問い詰めたそうです!!」

 

「襲撃者の証言が届いたのか…、産屋敷め…!!」

 

異常な速さで届く、私が知ってはならない情報の数々。

特高もあまりの事態に私がいた事すら忘れていたらしく、気づいた時には、

 

「関係のないあなたには不憫な話ですが、機密情報を知ってしまったので、特高で匿います。」

 

特高の施設で、それなりの生活をさせられるようになった。

牢屋じゃないだけマシか。




ローズマリー・ベネット
養子縁組はビジネスパートナーの一環としての契約だと思っている。
回復力を映像に残すことを拒否しなかったのは、
『アメリカに鬼の存在を知らしめるのも、後々の戦争を考えればいいかもしれない』と思ったから。
仮に今回の件が【意図的に作られた事件】だったと知っても、化け物を養子に迎えてくれたのだから、この程度は当然。
【下手に情を持たれると産屋敷一族が唆しかねない】ので【情がない】方が安心する。

ハリス・ベネット大使
主人公の義父
本国と娘の命を天秤にかけたら、本国に落ちるくらいの公僕。
表向きの言葉も全てが嘘ではなく、1割程度の本音は入っている。

リリー・ベネット(ハリス夫人)
主人公の義母
最初は怖かったけど、慣れたらそうでもなくなった。
飾り甲斐がある娘に洋服をたくさんプレゼントしている。

グロ映像
主人公が腕をブシャーとした映像
筋肉まで見える映像で、かなりグロテスクだが回復力を示す為にはそのくらい印象的な方が分かりやすいので、そうなった。

大統領
ホワイト・ハウスでグロ映像を見た人
他の参加者は、報道官、事務次官、大統領秘書です。
大日本帝国が破竹の勢いで覇権を獲得している理由はこれか!!と思ったそうです。
鬼を滅ぼすことが引いては自国の利益になるので、【太陽光と同じ光】の実験を大統領令で出しました。
だって、日本人が人なのか、判断できないと乱戦で壊滅するじゃん。



橘家


主人公の実母
アメリカ大使館に一時拘束中。
証言が取れたので、そこそこ人道的な扱いを受けている。


主人公の実父
特高命令で、霞ヶ関へ。
妻が無事なのに安堵したところに怒涛の勢いでやってきた情報に頭が追いつかない上、知ってはならない機密情報を知ったため、特高で監視という名の軟禁状態になっている。
【襲撃者を確保した人】なので、事情聴取はかなり優しく問いかけられた。
罪人でもないのに、威圧する意味がないので。

特高
「産屋敷め!!」

外務省
「何やらかしているんじゃ死にかけがぁ!!」

日本政府
「宣戦布告ぅ??何でぇー?」

















大正コソコソ噂話
【自国大使の娘が襲撃された事件】は、襲撃されたという事実よりもその背景に注目が集まるように操作されています。
ローズマリー・ベネットの人生は、本人は意識していないけどキリスト圏から見ればかなり好みな物語ですからね。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。