カイマクルの鬼   作:セッル@ポケモン熱発生中!

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柱集会議の前日談です。
次が柱集会議での柱を交えた話になります。
勝手に産屋敷一族は【伯爵】としていますが、公式には載っていないので捏造です。1000年以上前からの公家ならそのくらいかな?とは思いますが、公式でその辺りが出れば書き換えます。


産屋敷の罪と罰

「外務省職員の九鬼大和です。産屋敷耀哉伯爵、

この度の件いかように責任を取るおつもりか?」

 

政府は米国大統領からの矢継ぎ早に来る国際通信に「産屋敷耀哉と政府は結託していない」と返答し、だが仮にも【伯爵位】を持つ貴族が裏で画策していた証言を返され、「これでも結託していないとでも?」と全く信用してもらえず、外務省には全権大使からの「産屋敷一族はどのような刑罰を受けるので?」と言った内容の公式文書の返信に悩み、政府に聞き出そうとしてもはっきりとした返答がこないから書けず、

【返答がこない=産屋敷一族は無罪放免】と誤解した米国大使館は、

「こんな野蛮国家に自国民置けるか!」と日本にいる米国人観光客に帰国を促したりと……。

 

【列強の大日本帝国】の名に致命傷を負わせた。

軍部や政府は当然の話だが、そこそこ穏健派が多い外務省や今回の件では関連性がなかった他の省庁も、流石に事件が事件なので元凶の産屋敷一族への制裁に嬉々として加わった。

 

 

 

産屋敷家は普通の華族なら持つ本邸がない。

県を跨いで似たような屋敷を複数持ち、数ヶ月、早ければ数日で移動する一族だ。

だが、日本国内にある以上【政府】が本気を出せば華族としての特権と責任がある産屋敷家を見つかることは容易い。

農林省*1が産屋敷が私有している土地の中で、ある程度の広さと大きな屋敷を持つ土地を調べ尽くしたのも大きかった。

しかも今回の件で、派閥関係なく共闘関係になったのだから尚更だった。

 

 

「これまでの鬼殺隊関連の騒動は黙認していたが、それは国益に反しない行いだったからだ。だが…今回の騒動により、我が帝国の【一流国家】としての矜持に傷どころか、致命傷を負わせた。それどころか、アメリカ側に【鬼の存在】が明らかになった。」

 

そう…もはや、政府内では『産屋敷死すべし、慈悲はない。』な空気どころか、時代が時代なら熱血な男衆が討ち入りに入っていてもおかしくない荒れ具合だ。

 

「外国に知られた、しかも相手国は最近移民問題で反日家も徐々に増え始めている、文字通りの一流国家アメリカだ。

大使の娘を殺そうなどと…脳まで溶けたのか?産屋敷殿?」

 

「ゴボッ…言い返す言葉も…ない…です…ね…」

 

本来なら、曲がりなりにも華族であり伯爵位を授与された千年以上の歴史を持つ、名家中の名家である産屋敷家の当主。

たかが【外務省職員】がこのような口を聞けば、社会的に死んでもおかしくない。だが、今回の件で【黙認していた政府】は米国側に鬼殺隊を乗っ取られる前に、自国の監視下に置くことにした。

つまり…今の鬼殺隊のトップは公式記録上は【総理大臣】であり、【産屋敷耀哉】はいつでも当主の座を追い払える状態なのだ。

 

「いきなり当主を変えたら、末端は混乱するでしょう、総理からの伝言です。

【産屋敷耀哉の代までは鬼殺隊当主であることを認める。米国が本格的な介入を始める前に、鬼舞辻無惨を討伐せよ。そのかわり資金援助、武器提供、技術付与に糸目はかけない。】

陸軍の軍人も入りますが、彼らの行動を制限することは認めません。

またそちらの隊律?ですか、それを守る義務もありません。

彼らには軍規を守ってもらいます。

問題ないですよね?隊律と軍規に大きな差があるとは思えません。」

 

疑問系で聞いてはいるが、実際は産屋敷が否定しても、これまで()()()()()()()()()を盾に押し付ける予定だった。

それを読み取れない産屋敷ではない。

 

「もちろん…ゴボッ…です。」

 

「では、話し終えましたのでこちらは失礼します。」

 

産屋敷当主の呪い…最初はただの遺伝病の一つとしか思っていなかったが…アレはそんな生温いモノではない。だが、あのような状態でも意識がはっきりとしているとは…執念深いという言葉とはこのことなのか。

 

 

 

 

 

 

 

▽▽▽

耀哉side

私の代までは鬼殺隊当主であると認める…か。

確か…あの九鬼大和と呼ばれる男。

上弦の月に見逃されたと報告があったな、

 

「ゴホッ…九鬼大和を…鴉で見張りなさい。」

 

カア!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▽▽▽

カアカア

 

鴉…、やはりか。

 

「諦めが悪いなぁ…」

 

私の弱みを握ったとしても、もはや上層部に産屋敷に加勢する味方はいない。

産屋敷家に味方していた政府高官関係者は、大別して2つの理由がある。莫大な賄賂か、それとも産屋敷との姻戚関係か…だ。

だが、今回の【米国大使の御息女襲撃殺人未遂事件】により、賄賂で騒動をもみ消していた警視庁官、特高の上層部は一新された。

産屋敷も想定していなかった人事異動により、じわじわと囲い込む工程ができなくなった。

だから、今のトップは産屋敷とは関連のないホワイトカラー。

当然、特高が徹底的に産屋敷との姻戚関係がないかを調べた上で…だ。

今回の事件で、軍も警察官の規律の乱れに怒り浸透元々仲が良くなかった上に、事件で国に泥を塗ったのだ。

本来なら軍人と警察官、お互いの領域に文句があれど、立ち位置を弁えて言わないのだ、通常は。

だが、《国に泥を塗る》ことは《陛下の顔に泥を塗る》も同然。

軍の統帥権は陛下にある。

国会にも軍閥とも言える組織が小さいながらも存在するのだ。

国会議員が「【警察の腐敗】を正すことが、【一流国家】の地位を盤石にすることだ!」と叫ぶのは当然の流れだった。発言も正論だったので誰も反論者はいなかった。

 

その影響もあって、ほぼ家柄で決まっていた椅子は関連性がなく、むしろこれまでの上層部の敵とも言える人員で埋まることになった。

この流れは警察だけではなかった。

国会議員はもとより、外務省の官僚、()()()()()()()()()()()()()に不満を抱いていた末端の警察官や、特高も加わった産屋敷の粗探し過程の間で、あろう事か死刑囚が本名で産屋敷耀哉の私兵になっていたことも発覚した。

これで【司法権の腐敗】も明白だった。

警察組織と同じく、こちらも上層部の腐敗の証拠を見つけ出しては、逮捕や罷免、軽いものは罰金で降格といった有様だった。

懲戒処分の中には【産屋敷家との姻戚関係者】も多数含まれていた。

 

ここまで産屋敷の手による腐敗が目立てば、『軍も腐敗していないか?』と言われる。

陸海軍も思うところがあったのか、第三者であり範囲外の特高にあえて調査を依頼。

『ほぼ、あるだろうな』と確信されていたが、無かった。

いや、身内間による庇い合いの痕跡はあったが、一銭も見逃さずに調査した結果、【賄賂の形跡はなし】だった。

 

軍としては意図せずに、【陸海軍の高潔さ】を見せつけた結果だったことに、普段は仲が悪い陸軍兵と海軍兵の笑い合う姿を各地で見ることとなった。

今回の騒動で唯一、「陸海軍がお互い妥協案を出して協力する様になった」という良い影響をもたらした騒動だった。

 

まあ、それはさておき、これからどうしようか?

とりあえず、ローズマリー令嬢に挨拶をしに大使館に行くか。

 

「赤坂の米国大使館前まで」

「はい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『この度の事件は、我が国の不始末で御座います。総理大臣に代わり、改めてお詫び致します。ローズマリーお嬢様の護衛に任命されました、元警察官であり現在は外務省職員ヤマト・クキと申します。』

 

『そ、ソウデスカ…ハリス・ベネットの娘、ローズマリーです。よろしくお願いします。』

 

鬼殺隊の当主が狙ったのだから想定はしていたが、なるほど…鬼だったのか。

 

『どうか固くならないでくださいませ、こちら側が信用できないのは当然の話です。しかし私は()()()のやり方に不満を持っている者なので鬼殺隊に加担することは、死んでもありえません。ローズマリー令嬢が()()であれ、私は私の責務を行う、それだけです。』

 

『やはり…意図的に見逃していたのですね。』

 

この子の中身は10歳ではない。下手な誤魔化しが効かないならば、国の恥であれ、正直に答える方が印象は良くなる。

 

『ヤマト殿、ならば…』

 

隣に黙って座っていたハリス大使が持ち込んだ取引内容は、衝撃的な内容だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『米軍と我が軍が…帝都で合同軍事演習!?』

本気で日本から【鬼】を駆逐するのか。

*1
現在の農林水産省




九鬼大和(くき やまと)
表向きは外務省職員であるが、実際は特高の警察官である
だからこそ、産屋敷耀哉の異常性に気づいた。
鬼と分かった理由は、彼は一度猗窩座に勧誘されたことがあるから。
例え【人喰い鬼】であったとしても、目の前で人間を喰っていても、【米国全権大使の娘】である以上、どんな手を使ってでも【大日本帝国の領地】にいる内は守り通す。
それはそれとして、大使からの爆弾発言は陸軍大臣、海軍大臣に伝えた。

産屋敷耀哉
表向きは伯爵
裏は鬼殺隊当主
華族としての責任は、『代々の病弱体質』を利用して当主は『病気療養』の名目で、息子に任せている。
実際に短命な一族であるのは華族間では有名な話だったので、違和感を抱かれたことはなかった。
日本有数の金持ち華族なので、姻戚になりたい華族も多かったが、当主の妻は代々神職の家系の娘を娶ることも有名だったので、娘婿の座を狙う熾烈な争いがあったという。
今回の事件の主犯として、国そのものを敵に回したが千年以上鬼と戦った実績を、後から乗り込んだ政府関係者が取って代わる事は不可能だと考えているので、まだ心理的には余裕がある。
『ゆっくりと作ったコネを潰されたのは大きいけど、息子の代で立て直せばいいだけの事だしね。』

ハリス・ベネット
米国大使館 全権大使
主人公の義父であり、鬼の存在を自国に知らしめた男
外務省を伝って【産屋敷耀哉の処分】を急かさせたのは日本政府を焦らせる為。
日本人の事なかれ主義を知っているので、処分を決めかねていると知った上で急かして、【自国民の観光客を帰国させる大義名分】を作り、大日本帝国の印象を最悪にする謀略の一つ。
ローズマリーが鬼であり、その鬼の中でも希少種である事を知った時は歓喜した。
その上、鬼殺隊関連で【日本人】には心を開かない上、教会関係者のお陰で【外国人】には素直で従順だし、もう…最高!!
鬼殺隊に近づくため、アンチ鬼殺隊の日本人護衛に()()を持ちかけた。

ローズマリー・ベネット
武装していない外交官関係者の10歳(表向き)の娘が襲撃された。となれば外交問題になるなと思っていたが、新聞の一面にも載っていなかったのを見て、《大袈裟に捉えたか?》と思っていたが、外務省から護衛が来て、しかもその護衛がアンチ鬼殺隊で、自分が鬼であると知っても「守る」と言い切ったのを見て、内心は(えーー!?)となっていた。しかも時を置かずにお父様からの爆弾発言を聞いて、(アメリカが本気になった)と思ったそうだ。

合衆国大統領 
ねえねえ、どういうことだい?何故【迫害から逃れた10歳の少女】を殺そうとするのかい?
ウブヤシキと呼ばれる貴族が裏で手を引いていた証拠もあるよ。
宣戦布告と捉えても問題ないよね?
調べて分かったけど、貴族が私兵を持つことが合法化しているのって、近代国家としてはないと思うよ。
君たちは何時代を生きているのかな?

襲われた自国民が外交官の娘な上に【10歳の少女】であることから、完全な被害者と加害者なので、
日本政府にかなり強気に問い詰めている。

日本政府
いや…産屋敷は確かにうちの貴族ですが、あの貴族と私たちは結託していませんよ。
ばんばん大使館経由で提供される【産屋敷が関わった証言】の数々に頭を抱えつつ、米国に言い訳しようとしても、【(鬼殺隊が)迫害していた】のは事実なので、何と返答すればいいのか分からない。

鬼殺隊が迫害していたのは【色素がおかしいから】だと思っているので、まさか相手国の娘が【鬼】であるとは思っていません。










大正コソコソ噂話
軍部で【腐敗】が発生しなかった理由には、
【鬼の存在】があります。
国内が千年以上内乱状態なので「陸軍は海軍に反対する!」「海軍は陸軍に反対する!」と軍部内まで内輪揉めをしていたら《国を護れない》からです。
ただし、その《国の護り方》に意見違いがあったので仲は悪かったのですが、史実ほどではありませんでした。

そして、決定的な要因は、猗窩座と黒死牟です。
猗窩座は人間時代を思い出す前ですが、
・両親もしくは妻子がいる男
・力を正しく弱者に使える男
・軍人としての矜持を持ち合わせる者

には、何故か「鬼になれ!」とも「今日の食事に」とも思えませんでしたので、闘気が強い男との戦いに楽しさを感じましたが、基本的には理由をつけて見逃していました。
(鬼殺隊士と違い絶対に殺されないため)
当然の事ですが、無惨にもばれてはいましたが、人間時代を思い出されると都合が悪いのと、自分が利用している有力者関係でなければ、猗窩座の行いを黙認していました。

黒死牟は鬼となっても、武士であることに拘った存在です。
なので、現在の武士に値する軍人が堕落するのに我慢がならず、殺して喰っていました。
こちらは猗窩座とは異なり、女だろうが子供だろうが喰いますが、高潔な軍人は「将来鬼にしよう」と思いストックしていたので、軍部内はクズの死亡率が高く、結果的に高潔でストイックある男が生き残りやすい環境になりました。
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