カイマクルの鬼   作:セッル@ポケモン熱発生中!

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原作と多少の変化が伴いますが、主人公一行が
柱稽古に向かうお話。
竈門炭治郎目線です。


第三者から見た我妻善逸

俺が大使館に呼ばれて、ローズマリー様と対談したり、九鬼さんが紹介した帝大の教授が身元保証人となって、雲取山の所有権を俺に移したりしていたのもあり、俺はかなり遅れて柱稽古に入ることになった。

 

「あれ?炭治郎たちはアレを受けないのかい?」

 

機能回復訓練も終わり、ちょうど見舞いに来てくれた村田さんに、柱稽古の内容を聞いていたところだった。

 

「アレとは?」

「あれ?」

「柱稽古の前にする事でもあるのか?」

 

「知らないのか?鬼殺隊歴3年未満の隊士は階級に関わらず、先に軍人による勉学と訓練を合格しないと、柱稽古に移れない仕組みになったんだよ。」

 

「何でまた、そんな面倒な手続きを?」

 

稽古の時間が減るばかりだ。それに訓練?何をするんだ?

隊士になった時点で基礎的な技は覚えているはずなのに?

 

「基礎的な体力がない奴が多いとか、音柱の宇髄様からの苦情があったのと、公認組織になったからには教養も必須とか何とかで、とりあえず基礎体力がない鬼殺隊士歴3年未満の隊士を中心に、軍式の訓練と教養を合格した者以外、柱は稽古しないと決まったんだって。」

 

「そうなんだ」

間違いない、九鬼さんとローズマリー様、どちらかが言い出した内容だ。

 

「じゃあ、俺も行ってくるよ」

「おう!頑張れよな!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▽▽▽

俺と伊之助、ビクビクしながら後ろをついてくる善逸を2人でひっぱりながら、時折怒声が聞こえる森の中を歩いてきたら、

 

「軍事訓練をしたい?聞いていないのか?竈門炭治郎、我妻善逸、嘴平伊之助の訓練は免除だ。国際条約の基礎さえ合格すれば、宇髄天元の元に行ってよし!と、いう訳で室内に移れ!」

 

その場で隊士の扱きをしていた軍人さんに言われた言葉だった。

 

「えー!何でですか!」

1人の倒れている隊士の叫びを浴びたが、すかさず、

 

「痴れ者!贔屓しているとでも思っているのか!3人の訓練を免除したのは、この3人は上弦の討伐に貢献しているからだ!文句があるならお前たちも上弦を討伐しろ!」

 

「こいつらが…!?」

「あの噂、ホントだったのか!?」

 

見た事がない顔の隊士だった。最近入ったのか?

 

「さっさと移動しろ」

「はい!」

 

俺たちは扱かれて、地面に転がっている隊士を尻目に室内に移動した。

室内には少数の隊士が机で唸って本を読み込んでいた。そして、

 

「例の3人ですか、はじめまして教師役をしている佐藤と申します。では机に移動してください。」

 

室内には、黒板の前で座っている、先ほどの軍人とは異なり、最低限の筋肉しかもたない、温和な声をした人がいた。

 

「では、新しく人が加わったので、もう一度説明します。ここにいる君たちは【傭兵】です。兵士ではありませんが、それに準ずる戦闘員として認知されます。それに相応しい立ち居振る舞いと教養を身につけて頂きます。」

 

そして俺たちに渡された本の中には、

【外交特権について】と書かれていた。

 

「年末に米国との合同軍事演習を予定しています。表向きは日本軍と米軍の帝都を舞台とした合同軍事演習ですが、実際は《鬼の存在》を知った米国が鬼が本当に滅びたのかを確認するために作られた嘘です。

米国の目的は鬼殺隊の実態調査と、あわよくば我が国との戦争。」

 

「「戦争!?」」

鬼の存在か確認されたのは、まだいい。鬼殺隊を知りたいのも納得だ。なのに戦争?

 

「予想通りの反応ですね、ですが突拍子もない内容ではありません。」

俺たち以前の隊士も同じ反応を返したのだろう。何事もなかったかのように話を続けた。

 

()()()()()()()()()()()()()こと、産屋敷耀哉伯爵が、他国大使、君達にも分かりやすく説明すると、他国代表の御息女を襲いかかるように指示した証拠を突きつけられました。この教科書に載っている特権が適応される立場でありながら…です。」

 

他国代表の御息女…間違いない、ローズマリー様だ。

確かに彼女は、禰豆子の前に太陽を克服した鬼だ

確保を望んでもおかしくない立場。でも、こんな特権を認められている相手にも関わらず襲った?もしかしてお館様って、

 

「馬鹿な華族当主の巻き添えを食らった君たちには同情しますが、理由はどうあれ、この近代国家に置いて【貴族の私兵】は違法です。君たちが処罰されないのは、元凶は馬鹿で愚かな産屋敷一族だからです。とはいえ、だからといって君たちを【無罪放免】にすることは出来ません。どの道、君たちには徴兵が待っています。その時に臣民としての義務を果たして、国に貢献する事が君たちに課せられた処罰です。

この際はっきりと言い切ります、君たち鬼殺隊士は【無惨を殺す事】を最重要事項としていますが、私たち政府側は【米国との戦争回避】を最重要事項としています。鬼を滅する事は二の次です。」

 

「無惨を放置することですか?」

 

鬼舞辻無惨の起こした悪行は知られているはずだ。

なのに鬼舞辻無惨を放置しても構わない?

 

「もちろん、鬼の元凶は叩きます。しかし仮に討伐出来なかったとしても、米国に誤魔化しができるならば、表向きは【鬼討伐成功】と公表します。そして、鬼殺隊を解散させます。」

 

「でもよお!それだと鬼は残り続けるんじゃねぇか?」

伊之助の質問に対し、

 

「政府の管轄で鬼の討伐は秘密裏に進めます。そもそも()()()()()()()()など、初めから不可能な話なのです。現に千年に渡り、鬼の元凶を見つけることも、できていないではありませんか。」

 

確かにそこを突かれるとそうだとしか言えない。

俺が柱集会議で、鬼舞辻を見たとお館様が柱の面々に言った際の追及の激しさを思えば、俺以前では目撃情報さえ無かったはずだ。

 

「だからこそ…です。早く柱の稽古を受けたくてうずうずしている君たちを止める理由は、君たちが余りにも短気で大局を見れないからです。

年末に予定している帝都を舞台とした合同軍事演習では、米軍、日本軍、鬼殺隊が入り混じって鬼舞辻無惨を殺します。

特に米軍には、今回の事件もあり、次に鬼殺隊が問題を起こせば、戦争に移られても文句のつけようがありません。

不穏分子を表に出せば、鬼よりも厄介な人間に、この国を焼き尽くされます!君たちの行動で、この国の未来が決まるのです!

鬼を滅したければ……世界の常識を理解し、行動に移せ!!」

 

外の軍人さんとは違う迫力があった。

 

(あの軍人…!静かだが、とんでもなく強い、肌がピリピリするぜぇ!)

(怖っ!声は川のせせらぎのようなのに、音はマグマだ。)

 

俺たちも教科書を開いたが、俺はあることに気づいた。

 

(これ…?九鬼さんに教えてもらった【ローズマリー様との面会における最低限の礼儀作法】と全く同じ中身だ。)

 

ローズマリー様関連の情報は、特に重点的に教えられていた。

だから、俺は今すぐ試験を受けても、合格できる。

だけど、この内容は就学経験のない伊之助や善逸には難しいのでは?

 

「ムキーー!俺は字は読めねぇー!!」

「そうですか、なら口頭での質疑応答に入りましょう」

「難しいよ〜!」

「君は文字の読み書きはできるのですね?」

「あっ、うん…」

「なら、君が読み聞かせてこの子に教えなさい。教えることで理解が早くなります。」

「え…俺が教師役?」

 

「こちらとしては、ここで躓いてそちらの言う【最終戦】に間に合わなくとも問題ありませんよ。君は怖がりなのでしょう?好き好んで鬼殺隊に入隊した人なら兎も角、君は事実上の人身売買による被害者でしょう。私たちとしても、君のような()()()()の存在は隠したいです。

どうですか、鬼殺隊を辞めて帝国軍に入隊しませんか?

そうすれば、音を聞き分ける君のような特殊能力者を、前線に押し出すほどこちらは愚かでも、人員不足でもありません。

後方支援に配置されますよ、君にはぴったりの人事では?」

 

「お、俺が…戦闘奴隷?」

 

善逸は鬼殺隊に志願したわけではないけど、だからといって、【戦闘奴隷】?

 

「そうでしょう?借金のかたで刀を学ばされたと調査書にはありましたし、君は孤児、師範である桑島慈悟郎と養子縁組もしていない以上、君たちは他人。本人の志願でもないのに、無理矢理刀を握らせて、嫌がる子供を戦闘員に仕立て上げ、今の立場です。

君は、奉公に出ていてもおかしくない歳の子供ですが、問答無用で戦闘員にさせられるほどの人ではありません。

借金も既に返し終わっています。君は自由です。

だからこそ、聞きます。君は本当に今の立場に満足しているのですか?」

 

「お、俺は…!」

 

善逸から言葉は出てこなかった。

それを見た佐藤さんは、

 

「この山は陸軍の所有ですので、軍人の比率が高いです。彼らを見て、君の世界がどれほど狭く、歪であるかを確かめてみなさい。

それを知っても尚、「鬼殺隊を続けたい」と望むなら、それこそが【君が選んだ君の選択】です。臣民としての義務は果たしてもらいますが、君の人生を振り回すことはしないと、約束をします。」

 

匂いがとても真剣で真摯だった。

そういえば、九鬼さんも同じようなことを言っていたな。

『君の意志はどこにある?』と。

 

それからの俺たちは、勉学に励んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「外交特権を持つ者は、基本的には」

「へー、車も建物と同じ括りに入るのか」

「俺はもう理解できたぜ!」

「なら質問していくからな、えっと」

 

俺は試験には早々に合格判定をもらったが、善逸と伊之助、他の躓いている隊士の補助をするために、ここに残っている。

 

「炭治郎!教えてほしいところがあるのだが、」

「お袋!教えてくれよ!」

 

飯炊きもしていたせいか、俺のあだ名はお袋になった。

そんな日常で、善逸は佐藤先生に言われた言葉を受けて、勉学の合間に軍人の所を覗き込んだり、陸軍の軍服を着てみたりしながら過ごし、

無事に、

 

「我妻善逸さん、嘴平伊之助さん、両名、合格です。」

 

「やったー!」

「まあ、当然だな!フーー!」

 

2人も合格した。そして俺たちは、山を降りて宇髄さんの所有地に移動することになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、俺たちとは入れ違いに、

 

「覚悟が決まったようですね」

「はい!よろしくお願いします!」

「帝国軍は君を歓迎します。ようこそ、新しい士官候補生、不死川玄弥君」




竈門炭治郎
外部関係者による案件で、リハビリと書類の書き出しをほぼ同時並行で進めていた。
いざ柱稽古に!と意気込んでいた所、最初の試練があったが、ローズマリー様と会う際の注意点と全く同じ内容だった為、あっさりと試験合格。
2人の教師役と飯炊き係をしていた。
善逸に関しては、確かに…言われてみると…。と筋が通っていると感じた。善逸の人生に俺たちが口出しできる立場ではないと黙っていた。

嘴平伊之助
野生児だったので、文字の読み書きができない。
試験は口頭試験だった。
元々の頭の良さがあったので、覚えるのだけは早かったが、いつも最後で「鬼は殺すもんだろ?」と言っていたせいで、不合格を出し続けていた。しかし、佐藤先生による「親分と名乗る割には、随分と幼稚なようで」と馬鹿にされたので、ムキになって合格を叩き出した。

我妻善逸
文字の読み書きは出来る。
声と音のギャップが激しい教官にビクビクしていたが、急に勧誘されて声が出なかった。
自分を【戦闘奴隷】だと言い切られてびっくりしたが、『志願でもなければ、確かに借金のかただったし。』と振り返り、世界を見ようと決意。伊之助の質問に答えながら、不合格を出し続ける伊之助の傍、軍人についてを質問しに行ったり、軍服を着てみたりしながら過ごした。
改めて見ると、他の軍人は明確な目標があったり、守りたい者がいたりする中で、自分はただ、自分が生き残ればそれでいいのだと、理解した。
今なら獪岳とも話せるかもしれない。

佐藤先生
帝国軍の制服を着用している。
軍属だけど、普段は士官学校の教官をしている。
軍人に相応しい教養を身につけさせていく公務に就いているため、我妻善逸や竈門炭治郎の詳しい経歴を確認して、大きなショックを受けていた。
本人は遊女を【奴隷】と同列だと(一応年期明けというものもあったが、実態は一度入ったら、二度と出られない為)吉原を「近代国家としての恥!」だと痛烈に非難している。
今回の鬼殺隊士の一例が、また酷すぎた内容だったので、善逸を勧誘した。炭治郎の勧誘をしなかったのは、先に九鬼警視が勧誘をしていると知っていたから。









大正コソコソ噂話
日本軍による勧誘は、基本、鬼殺隊歴3年未満の者を中心としています。理由は、それ以上だと、産屋敷の声に魅了されて、二重スパイになってしまう可能性が高いからです。
つまり、どうあがいても、獪岳が勧誘されることはありませんでした。
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