カイマクルの鬼   作:セッル@ポケモン熱発生中!

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不死川玄弥が主役です。


任命式と嘘

「軍服一式を揃え終わりましたか?」

「はい、九鬼政府代表任命官」

「では…参りましょう。」

 

後から聞いた話。この九鬼大和と呼ばれる男は、鬼殺隊に関する引き抜きにおいては、大臣と同等の権限…、事実上の宰相なんだってさ。

だから、俺はあっさりと軍隊に移動できたと言われた。

だが、そうは言っても俺の軍移動には不満の声もあった。

 

「華族の私兵を、栄光ある我々帝国軍に入れるなど…」

「そもそも階級の件はふざけているとしか思えん。」

「いくら、政府代表だとしても、これは越権行為が過ぎる!」

 

明らかに高い身分のオッサン達から、睨まれている。

まあ、それも当然か…、オッサン達は正式な手順で、今の立場にいるんだ。俺なんかの平民が急にそこそこの立場を与えられるなんて、もし立場が逆なら俺だってオッサン達と同じことを言っていただろうな。

 

「ご不満ですか?はて、事前に説明したはずでは?」

 

「白々しい!今の君に逆らえない事くらい知っているだろう!」

「今の貴殿はそこらの華族より強い立場ですからな。」

「大君の任命状を持つ者に逆らうことなど、それこそ軍の恥だ。」

 

この人…権力でゴリ押ししたんだ。

道理であっさりと経歴詐称できたわけか。

 

「では、任命式の前に彼の功績を上げます。」

 

俺が今いる場所は、陸軍省内、本来任命式をするような場所ではないそうだが、特例で許可が降りたそうだ。

 

「不死川玄弥は華族産屋敷一族が抱える私兵集団、通称【鬼殺隊】に潜入調査をし、狙撃手として【上弦】と呼ばれる【国家の不穏分子】を始末する事に多大なる功績を上げ、鬼殺隊内で一度も()()を疑われる事なく、丁(ひのと)と呼ばれる陸軍における事実上の准尉階級まで自力で這い上がりました。」

 

「むう…准尉階級か。」

「だが、所詮は私兵集団。質が低ければ無理な話ではない。」

「だが、前例がないな」

 

「これまで軍や、我々特高が送り込んだ諜報員の結果を見れば、この者の有能さがお分かりになられましょう。

前例のない任命式ですので、抵抗があるのは承知の上ですが、彼ほどの人材を、不穏組織に残し続けることの方が国家の損失。」

 

「確かに…九鬼政府代表任免官の仰る通り、この者は刀を使わない。」

「これからは銃の時代になるのは、前の戦で確実だ。」

「講師になるのならば、士官の階級である方が望ましい。」

 

「ここにいる御仁方は、彼の本当の経歴を知っています。この者は、正式に手順を踏んだ陸軍士官学校本科の生徒ではありませんが、実績と功績を踏まえれば、十分妥当な階級だと思います。

他に質問がある人は挙手を。」

 

「ないな。」

「鬼と前線で戦うならば、戦時特例措置も当然だ。」

「私兵集団に寝返られるくらいなら、階級はそちらの命令を受けつけよう。」

 

「ご理解の程ありがとうございます。では、正式に任命式を始めます。不死川玄弥」

 

「はい!」

ここからの流れは、教えられている。絶対にこのオッサン達に俺の印象を崩してはならない。

 

「貴殿は鬼殺隊への潜入調査において、《子どもであること》《兄上が鬼殺隊で上位階級であること》を利用し、かつて孤児達の養父をしていた岩柱、悲鳴嶼行冥に弟子入りを志願し、弱点である《呼吸が使えない》を逆手にとり、見事弟子の座を手に入れる事に成功。その後、これまでの諜報員が脱落した【最終選別】を程々の実力で突破し、疑いの目を向けさせないように誘導。

入団後は、連絡手段をあえて遮断することにより、より疑われなくし、そして、今回の事件を機に、鬼殺隊内における特命連絡員が動くことに反対する勢力の、過激派の報告。

それにより、我々が更に活動しやすい環境を構築するのに一役をかいました。

その功績と実力を認め、貴殿、不死川玄弥を、【陸軍憲兵中尉】に任命します。」

 

「謹んで…お受け致します。」

憲兵…九鬼さんの本来の立場と同じになったのか。

 

「それでは、これにて任命式を終えます。ご証人の皆様、お忙しい中ありがとうございました。」

「あ…ありがとうございました!!」

 

「認めたものだから仕方ない」

「確かに…認めました。」

「十分な働きを期待しています。」

 

結局最後までいい顔はされなかったけど、仕方ないか。本当なら俺のような平民が顔を拝めるだけありがたいものだしな。

 

「ふう…相変わらず固い頭だ。それでは、次は特訓ですね。」

「何を?」

 

オッサン達が退場した後、愚痴を言った九鬼さんは、俺にそう言った。

 

「とりあえず、言葉遣いと、冨岡会話を練習します。」

「冨岡会話?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▽▽▽

「不死川()()、君はこれからそのように呼ばれます。」

 

場所を移動され、陸軍省の客室に案内されて椅子に座ったところに、そう言われた。

 

「はい、ですがそれが何か?」

 

「君の今の口調は、かなり一般人寄り、そして()()()()()()()()エリート軍人の言葉遣いではありません。

君の表向きの経歴は見たでしょう、君は兄との決別後、陸軍に拾われて、狙撃の腕を見込まれ陸軍士官学校本科に通っていたが、兄が鬼殺隊に所属しているのを知った教官が、君を諜報員として鬼殺隊に潜入する命令を下した。

君は見事に誰にも疑われることなく、功績を上げ、鬼殺隊が正式に政府公認となったことにより、()()()()()を公にできるようになった。…と。」

 

「はい…」

改めて聞かされると、本当に誰の過去話かと?聞きたくなる。

だけど、これが今の()の過去になるんだ。

 

「言葉遣いを軍人らしい口調に矯正です。

現時点で私は君の上官に値するので、『はい』ではなく、『はっ!』

一人称の俺…はまだしも、公の場では『私』。

最後の『です』『ます』は『〇〇であります』に統一しなさい。

君の場合は()()()()()()()()の長さを理由にすれば、ある程度は誤魔化しが効きますが、最初から軍人だと騙し通すのは、鬼殺隊だけではない。ほぼ全ての軍人も君の表の経歴を本物だと思います。

バレたら、それこそ君の【縁故採用説】が確実視されます。

全てを騙し通すための訓練を始めます。返事は!」

 

「はっ…はい!!」

「違う!返事は!」

「はっ!九鬼警視!」

「よし!」

 

「ところで九鬼警視、冨岡会話の練習とは?」

 

「『ところで九鬼警視、冨岡会話とはどのようなものでありますか。』言葉は最後まで言い切りなさい。細かいでしょうが、そのような点は、聞く人が聞けば、君の素性を勘ぐります。」

 

「はっ!承知しました!」

 

「今のは正解です。では説明します。君の同期である竈門炭治郎、我妻善逸、嘴平伊之助、3名はそれぞれ、匂い、音、勘により嘘を見抜ける特殊能力者です。不死川中尉が嘘をついた所で、交流頻度が高い3名には嘘がバレます。」

 

「はい」

 

「なので、できる限り嘘はつかない方面で事を進めたい。君は文字の読み書きはできますよね?」

 

「はっ!」

悲鳴嶼さんに教えられたことがこんな所で役に立つなんて。

 

「冨岡会話とは、水柱冨岡義勇の会話を真似ることです。水柱は他の柱に嫌われています。時に風柱などは顕著です。」

 

「はっ!」

確かに兄貴は水柱とは、犬猿の仲だと悲鳴嶼さんから聞いた事がある。

 

「ですが、彼は悪口を言う気などないのです。話し言葉が少ないせいで誤解されがちですが、実際に悲鳴嶼行冥や宇髄天元、今は亡き煉獄杏寿郎などは、彼を嫌ってはいません。冨岡会話の例として、

『俺はお前達とは違う』と言うのがあります。仮に不死川中尉が水柱からこのように言われて、素気なく対応されたらどのように思いますか?」

 

「『実力がない奴と関わるほど俺は暇ではない』と言われたも同然ではないでしょうか?」

 

「ええ、普通の人はそのように解釈しますし、それは間違ってはいません。しかし、当の本人が言いたかった言葉の真意は、」

 

そうして紙に文字を書き出した九鬼さんが渡したのは、

 

『俺は(最終選別を本当の意味で突破していないから)お前たちとは違う』

 

「はっ…?」

省略なんて話ではないだろ?略しすぎて最早内容が成立していない。

 

「冨岡義勇の人との交流不足にも程があります。それと、もう一つ風柱を怒らせている言葉は、『俺は柱ではない』です。」

 

「九鬼警視…この流れだともしやそれは、『俺はお前たちほど立派ではないから柱ではない。』ですか?」

 

「かなり近いですね。冨岡義勇は最終選別において、同期の鯖兎と呼ばれる男子に守られて、最終選別を鬼を1人も殺さずに生き残ったそうです。なので、他の柱のように正規の手段で上り詰めた人たちと、同列扱いされるのを嫌がるのです。」

 

「なんか…随分と贅沢な話だな。」

最終選別はあくまでも、隊士になるための試験だ。鬼を殺そうが、殺すまいが生き残った時点で合格だ。問題はその後の功績だ。水柱は柱に任命されるだけの実力を持っていた。他の柱とどこが違うんだ?

 

「口調!」

「はっ!」

 

ヤベ、つい、いつもの話し方に戻っちまう。

 

「とにかく、冨岡会話の意味は理解したでしょう。不死川中尉には、意図的に重大な部分を外して会話を成立させる訓練を行います。」

 

「はっ!」

 

「では、早速行いますよ、『不死川さんはいつから軍人になったのですか?』」

 

これは、蝶屋敷の女の子たちからの質問か。

 

「えっと…実は俺(表向きの経歴上)鬼殺隊に入る前から軍人だったんだ。」

 

「『なあ玄弥、中尉って結構高い地位だよな。実は名家の生まれだったのか?』」

 

これは善逸か。

 

「違うよ、俺は兄貴と別れた後、帰る場所がなくなって、食い扶持欲しさに年齢を偽って、陸軍の下働きをしていたんだ。そこで俺の狙撃の腕を見込んだ軍人に、特例で陸軍士官学校本科に入学させられたんだ。俺も当時は兄貴がどこにいるかも分からないし、通えば必ず食事と寝床を提供される立場は、将来も考えれば都合が良くて通っていたんだ。んで、兄貴が鬼殺隊に所属している事を知った教官が、俺を鬼殺隊に潜入させる事にしたわけ。俺が風柱の弟だと言い続けた理由はそこなんだ。(という設定になっている)」

 

「『おい玄米!お前ずっと嘘をついていたのか!俺の子分のくせして!』」

 

伊之助か、それにしても九鬼さんもよく見ているな。

 

「俺は嘘はついていないよ(経歴そのものが嘘だからな)兄貴に会いたくて鬼殺隊を目指したのは事実だし、鬼を殺したいと思ったのも事実だ。そこに加えて(今の)上官の命令にも従っていただけの事。(結果的に)悲鳴嶼さんに騙し討ちするような事をしてしまったのは、反省している。」

 

「『玄弥は、ずっと会いたかったお兄さんに、こんな形で会うことになってよかったのか?』」

 

炭治郎か、あいつならマジでこう言い出すだろうな。

 

「俺も本当はもっと穏やかな関係で会いたかったけど、俺の所属が国家側である以上、兄貴との敵対は避けられないし(俺が自分で選んだ道だから)仕方ないよ」

 

「ふむ…『呼吸も使えねぇ雑魚がいるだけでも不愉快だったのに、よりにもよってアイツらのお仲間だったぁ!?いい度胸してんじゃねぇか!』」

 

「あ、兄貴…俺は!」

「はい、失格。」

 

「九鬼警視!今の声はどこから?」

 

「『九鬼警視、今の声はどこからでありますか。』です。口調の矯正も必要ですが、やはり不死川中尉の大敵は実の兄ですね。この声は、レコードで本人の声を録らせてもらいました。なるべく怒りに任せた声を録らせましたが、声だけでここまで狼狽えるなら、直接会ってしまえば、軍人の顔など簡単に取れます。」

 

「申し訳…ないです。」

そうだ、全てを騙し通すとは、俺の兄貴も含まれるんだ。

 

「不死川中尉、その名で呼ばれる本当の意味を理解していないうちに、鬼殺隊に戻ることは認められません。今の私には、貴殿だけに時間をかけるほどの暇はないのです。」

 

「はい…」

 

「幸い、この件のカラクリを知っている人が1人、悲鳴嶼行冥氏がいますが、彼は根っからの鬼殺隊側です。援護を期待してはなりません。」

 

「はい、仰る通りです」

悲鳴嶼さんには、流石に今回の件は九鬼さんが説明した。

九鬼さんとの相談で、俺については何も知らなかった体で、突き通すそうだ。と、なれば俺の援護に回る事はない。

 

「実兄の声に押されず、冷静に対応できると証明できるまでは、陸軍士官学校本科の教官による教育を受けてもらいます。では、私は仕事が残っているので、ここで失礼する。」

 

「はっ!お疲れ様でした!」

 

 

カツカツ

 

 

「本科教養部門の佐藤と申します。不死川中尉、中尉の階級は主に【将校】に分類されます。過去にも鬼殺隊に所属していた者が、軍に移籍する事はありました。なのに、なぜ今回はあのように反対されたかと思いますか?」

 

「えっ?俺以外にもいたのですか?」

前例がないとか、九鬼さんが権力で押し通したと言っていたし、てっきり俺が始めだとばかり思っていたけど…。前例があるのなら何故?

 

「これまで鬼殺隊から軍に移籍する場合は、ノンキャリ…どんなに功績を上げても、軍曹が限界でした。理由は単純です。

軍曹は時として分隊長として、部下を率いて戦場で作戦を取ります。その場合、率いる兵員は10名から20名程度です。そして、軍曹は新兵の教育にも携わります。正直に言いますと…産屋敷という【個人】に忠誠を誓っている可能性が高い人間を、発言力の高い立場にしたくないのです。

しかし、鬼殺隊士の戦闘能力の高さを放置するわけにもいかない。だから、あくまでも【戦闘員】の立場から出さないように人事を調節しているのです。」

 

「俺とは、どう違うのですか?」

俺も前線に出る立場だ。軍曹とどう違うんだ?

 

「軍曹までは【戦闘員】として、中尉からは【教官】としての立場です。

【将校】は正確には一般的に言われる【兵隊さん】とは違います。

兵隊さん、もしくは、兵士さん、軍人さんと呼ばれる人は、【戦場で戦う人】を指しますが、将校と呼ばれる立場は、直接戦場で戦うわけではなく、戦争における作戦、策略を考える人、教官を主に指します。」

 

「表に出てこない人…ですか?」

 

「一応、中尉階級はぎりぎりの範囲では【戦闘員】ともいえますが、少なくとも、中尉が最前線で戦うのが平常になってしまったら、国が終わっていると言えるほどに、平時なら中尉が最前線に出ることはまずありえません。将校はよくて前線、主に後方支援や、軍医などがなる立場だと考えてください。

と…なれば、いくら実力主義を謳っていても、上の立場に求められるのは腕力ではなく、学歴と知略です。

今の君には、とても学識もなければ、思慮深くもない。

そんな君を将校にするなど、平時ならばあり得ない話です。

しかし、此度の鬼退治は他国外交官も見る正式な戦争と扱われます。なので、軍事特例として、一時的に階級を上げることが認められたのです。」

 

一時的に階級を上げる…つまり、

 

「鬼舞辻無惨を殺し終えれば、俺の階級は外されることですか?」

 

「ええ、一応そのようになってはいますが、その鬼舞辻?とやらの戦闘で功績を上げれば、本物の中尉階級に収まることも出来ます。今は戦時扱いなので、教養は程々に、兵士としての実践と、中尉としての心得と常識を学んでもらいます。」

 

「はい!」

兵士としての実践は兎も角、少尉としての心得?

 

「鬼殺隊も実力主義ですが、帝国軍と違う点は2つほどあります。

まず、上の階級は出生や学歴が物を言います。

そして2つ目は、【階級絶対遵守】という物です。」

 

「階級絶対遵守…でありますか?」

遵守、決められたことに従うこと…という意味だったはず。

 

「軍隊では平時も戦時も階級が高い方の言い分が通ります。不死川中尉が中尉になれたのも、この階級絶対遵守が関係しています。

実際に、露西亜との戦争(日露戦争)でも、【20代の中尉が30代の軍曹を怒鳴りつける】事もありました。当然、軍人としての実力は軍曹の方が上です。なのに、甥ほどの少年に怒鳴られてやり返さない理由は、階級が上の人間だからです。」

 

「では、もしやり返したらどうなるのでしょうか?」

 

鬼殺隊に置き換えれば、兄貴が最年長の悲鳴嶼さんに怒鳴りつけるという事か。鬼殺隊ではあり得ない話だな。

 

「戦場で上官の意向に逆らえば、抗命罪が適応される可能性が高いです。そうなれば、最も、重いので死刑、または無期で10年以上の禁固刑ですね。とはいえ、その上官の命令があまりにも不条理なものだったら、適応はされませんので、時と場合によるものとしか言えませんが。」

 

「階級に重きを置いているからこそ、俺が下層とはいえ将校になれた…と。」

 

「もちろん、階級が全てとは言えません。例えば、いくら階級が下でも、戦場で料理を作る人には喧嘩は売れないでしょう。」

 

「なるほど、俺はそういう得意分野がないからですか?」

料理人や、専門職ではない俺が、帝国軍で認められるには【階級】しかないのか。

 

「それもあります。ですが、君に求めるのは戦闘員としての技能よりも、教官としての役割です。

鬼殺隊で身につけた【狙撃能力】を、刀に適正がない鬼殺隊関係者や、鬼殺隊に潜入した軍人に教育することです。

誰だって接近戦で敵と戦うのは怖い。

ましてや、人間相手のように急所の狙い撃ちができない存在ならば、尚更の話です。帝国軍人も今回の件には参加しますが、彼らの本職は鬼と戦うことではない。これからの戦争の形では接近戦は、極限られた場所、状況下でしかできなくなる。帝国軍人にも剣豪はいますが、それが実戦で活躍する確率は低い。

なら、確率が高い方を優先的に身につけさせます。

不死川中尉は此度の戦では最前線で参加ですが、書類上は後方支援かつ、狙撃者の教官として登録しています。」

 

「俺が…教える側?」

 

「それと、最終戦まで鬼食いを禁じます。」

 

「えっ!ですが、そうなると俺は銃を使えなくな」

 

「現在、不死川中尉が使用している拳銃は、こちら側の技術部で更なる改造をしております。中尉が利用している現在の拳銃は、中尉以外だと利用できません。それでは教える意味がありません。」

 

「確かに…反動はどうにかしたいと思っていました。」

 

俺は鬼食いで拳銃を使えるけど、それでも鬼狩りをしているからといって、常に鬼を喰るわけではなかった。その時は短刀も使っているけど、どうしても、首を斬れる形状ではない。

 

「鍛えた軍人なら使用可能な程度に、拳銃の反動を抑える改良、大量生産可能な部品への移行、拳銃の弾も改良をし、より遠距離狙撃が可能な形状に変えます。モデルは現在陸軍で使われている拳銃、コルトM1903に近づけます。なので、」

 

ガチャ

 

「これが現在陸軍で使用されているコルトM1903の拳銃です。改良版が完成する前までは、これで部下の訓練をしなさい。」

 

「はい、佐藤教官。」

 

弾数は8…9か。俺が普段使う拳銃よりも細い。しばらく使わないと慣れないかも。

 

「狙撃施設があります。言葉遣いの矯正授業が一通り終わった後なら、好きな時間に利用しても良いです。許可は得ました。」

 

「はい!ありがとうございます!」

これは本当に助かる!

 

「では…始めますよ。」

「はい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▽▽▽

『呼吸も使えねぇ雑魚がいるだけでも不愉快だったのに、よりにもよってアイツらのお仲間だったぁ!?いい度胸してんじゃねぇか!』

 

「利用したことは謝罪します。しかし(対等な立場になれたことには)後悔はしておりません。」

 

『おい!待ちやがれ!』

 

「兄上、私は(仮初だけど)中尉です。そちらの指示に従う道理はありません。(って九鬼警視が言ってた)それでは失礼します。」

 

 

 

「判定をお願いします。九鬼警視と佐藤教官」

 

「合格だ。新たに録音したレコードにも対応できていたな」

「感情の乱れも、顔に出ていません。」

 

「「よく頑張りましたね、合格です。」」

 

「ありがとうございます!」

やっと、鬼殺隊に帰れる!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▽▽▽

「玄弥!」

「あれ玄弥じゃん!」

「玄米の服変わってるな!」




不死川玄弥
帝国陸軍【陸軍憲兵中尉】
経歴上、士官学校に通うエリート候補の1人なので、階級が特別高いわけではない。戦うだけの戦闘員なら【陸軍中尉】になるが、玄弥の表向きの経歴だと、潜入捜査官なので、括りが【憲兵】になりました。

鬼殺隊への入隊理由は潜入調査並びに、情報収集。
風柱の弟だと言い続けた理由は、簡単に切り捨てられないため。
呼吸が使えないのは、軍部から【命を削る真似を禁じる】と命令されていたから。
風柱は実の兄ではあるが、潜入に利用していた。

と、言う事になっています。

九鬼大和
本職は特別高等警察、略して特高の警視
アメリカ側には、【外務省が派遣した通訳】【鬼殺隊の監視役】
国内では期間限定の役職、【政府代表任免官】
鬼殺隊関連では、人事の全てを押し通す権限が与えられている。
玄弥を中尉にすることができたのも、権力によるゴリ押し。
優秀な人材は、産屋敷に毒される前に確保する。

佐藤教官
41話で善逸を勧誘していた教師です。
鬼殺隊士への教育が一通り終わっていたので、新たな中尉への短期特別コースで、専属教師役をしていました。
玄弥は直ぐに口調が戻ってしまうので、かなり苦労しましたが、地頭は良いので、武器関連の理解への速さには驚いていました。
予定していた期限内で、無事にエリート軍人口調になったので、実は本人よりも喜んでいました。

冨岡会話
冨岡義勇の話し言葉を真似たもの
意図的に一番重大な内容を外すことで、会話を成立させながらも嘘をつかないで誤解させることが出来る便利な会話術。











大正コソコソ噂話
不死川玄弥が中尉になれた理由

風柱への牽制兼人質
狙撃者としての理解と実績の深さ
【鬼食い】という特殊能力者

そして……

「あの性格では、殉職します。対策は練るのですか?」
「鬼退治で、生き残れる体質ではないのは、承知の上では?」
「鬼の因子を取り除ければいいのですが…あの能力は欲しいです。」
「上の人間からすれば、彼は殉職が確定しているからこそ、中尉を嫌々ながらも認めたのです。生き残った方が地獄です。」
「死ぬこと前提の中尉…ですか。嫌なものです。」










殉職が決められている身体だから。
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