カイマクルの鬼   作:セッル@ポケモン熱発生中!

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不死川中尉vs生きた嘘発見機
11/1 最後の部分を書き足しました。


騙し合い

「やあ、炭治郎、善逸、伊之助。」

 

心を落ち着かせろ…!俺は不死川中尉だ。

 

「げ、玄弥…その服は?」

「玄弥のそれって、帝国陸軍の服!?」

「アイツらと同じ服じゃねえか!」

 

「不死川中尉!次の指示を!」

 

「中尉?」

「中尉ィ!」

「ちゅうい?」

 

「腕立て伏せ100回!」

「はっ!」

 

鬼殺隊にいる軍人の多くは、俺の経歴と同じ中尉や少尉と呼ばれる階級で占められている。だから同年代で同じ階級が多い。

よかった…佐藤教官の出した例のような、歳上の部下がいなくて。

 

「お久しぶりです、お元気そうで何よりであります。」

 

「げ、玄弥…その口調は?」

善逸が恐る恐る聞いている。まあ、俺の元々の人格を知っている面子は面食らうだろうな。

 

「ようやく、()()()()()(と言うことになっている)に戻ることができたので、今までの無教養な口調を直すことができます。改めてご挨拶を、陸軍憲兵中尉、不死川玄弥であります。」

 

「陸軍憲兵中尉?」

「えっ!お前そんな凄い身分だったのか!!」

「けんぺーって、あの九鬼とかいう目つき悪い男と同じか?」

 

「はい、私は元々【鬼殺隊に潜入調査していた者】。分かりやすくいいますと、【間者】最近の言葉では【スパイ】です。(と言うことになっている)」

 

「えっ…!じゃあ兄貴に会いたいというのも…嘘?」

「風柱の弟なのは、本当のこと…なのか?」

「けんぺーって何だ?」

 

「私が()()()()であるのは事実です。しかし鬼殺隊に入隊した理由はそれだけではない。(と言うことになっている)士官学校に通っていた時期に、その時の教官が私の実兄が鬼殺隊の上級幹部になっていると知ったので、血縁を理由に特例措置で潜入調査する事となったのです。

【鬼喰い】の能力は、その時点では判明していなかったのですが、剣士の基本である【呼吸】が使えない代わりに、鬼喰い能力が判明したのは、偶然の産物ですが…今となってはそれも含めて(鬼喰いがなければ俺が国軍に勧誘されることもないから)幸運だったと思えてなりません。」

 

よし、綺麗な言葉で言い切れた!あとは3人の反応だな。

 

「うそ…ではない?」

「音が安定している」

「ピリピリするけどなぁ!ウギャア!」

「伊之助落ち着け」

「うわっ!暴れないでよー!」

 

よし!匂い、音、勘を突破した!この3人に信じてもらえるなら他の隊士も騙し通せる!

 

「説明は以上です。こちらも指導が残っておりますので、これにて。」

 

早く切り上げないと、不審な点を見抜かれる恐れがある。

 

「ちょっと待ってくれ玄弥!」

「玄弥!」

「玄米!」

 

聞くな、振り向くな、俺は…【不死川中尉】だ。

 

 

 

 

 

 

 

▽▽▽

炭治郎side

カツカツ

 

「玄弥…」

 

結局玄弥は俺たちに振り返る事はなかった。

玄弥の話に嘘はない。だけど、何か腑に落ちない。

 

「善逸、伊之助、玄弥の話は本当の事だと思うか?」

 

俺の能力である【匂い】は、香水や化粧品の匂いで体臭が分からなくなったりするから、玄弥が本当の事を言った結果なのかが判別しづらい。今の玄弥は香水とかしていないから、完全に匂いが効かないわけではないけど、玄弥の性格からすれば、違和感がある。

 

「少なくとも…嘘はついていないよ。音も嘘特有の音ではなかったし。」

「プシュー!肌がピリピリするけどなぁ!嘘ではないなぁ」

 

「そうだよな…」

 

そう…分かってはいるんだ。遊郭潜入の時のような、独特のひん曲がった匂いに包まれた街ではないし、玄弥が体臭を誤魔化していないのだから。

でも…玄弥の鬼殺隊入隊が、命令による物が主な理由とは思えない。

嘘ではない。だけど…今の玄弥があるべき姿だと断じるには、違和感がある。

 

「炭治郎…玄弥の言葉が事実であれ、虚偽であれ、俺たちはまだ修行の途中だよ。今はそれよりも訓練しないと…嫌だけど。」

 

「よし!修行!修行だあ!!」

 

嫌々ながらも岩柱の修行に向かおうとする善逸。

嬉々として滝にあたりにいく伊之助。

そうだよな…俺たちには時間がないんだ。

 

「そうだね、行こうか2人とも」

 

岩柱は玄弥の師匠、暇な時聞きに行こう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▽▽▽

不死川玄弥side

後方支援をする軍人や、呼吸に適性がない剣士や隠を、刀以外の手段で鬼に対して時間稼ぎをする部隊。正式名称【銃器中隊】

俺が中尉となって、初めて与えられた仕事だ。

軍人の指導だけならまだしも、剣士や隠からの評価は良くない。

理由は単純だけど、だからこそ指導がしづらい。

軍人の指導は良かった。俺の表向きの立場と、今は鬼殺隊に関する特権を与えられた九鬼さんの任命状を理由にすれば、大人しく年下の俺の命令に従うから。

でも、鬼殺隊の剣士や、剣士を辞めざるを得なかった隠は違う。

 

カン

 

「やってられるか!俺たちは鬼を殺す為に鬼殺隊に入ったんだ!なのに、【鬼から時間稼ぎをするための訓練】など!」

 

鬼殺隊所属組は、俺が呼吸を使えず、なのに剣士の立ち位置であること、岩柱の唯一の弟子であることを知っている奴が多い。当然、鬼殺隊時代から俺のことを妬む奴らもいる。

特に剣士の才能がない故に、隠にならざるを得なかった奴らからは、嫌がらせを受けた事もあったし、隠だけでなく、俺を見下す剣士もいた。

なのに、その一部は、九鬼さんの命令で俺が隊長を勤める部隊に配属にされた。

幸いな事といえば、鬼殺隊組は俺の今の所属や階級に怖気付いて、手元にある銃を乱射しない事。

俺の部隊は軍人率の方が高いから、今のような態度を取れば…

 

「貴様、部隊長の訓練を拒否するのか、そうか、そうか、ならば…」

「不死川中尉!この者を連行します。」

 

軍人が軍法に従い、正しい場所に連行することだ。

はぁ…これで10人目かぁ…。

九鬼さんは、『不穏分子は容赦なく間引くように』との命令を出しているから、俺もそれに従っている。

 

「部隊長として、許可を出します。」

 

俺が言っていい言葉ではないけど、ここまで血気盛んだと、九鬼さんの懸念である『命令違反による鬼側が有利になる可能性』が捨てきれないんだよなぁ。九鬼さんも鬼殺隊組は、俺に対して敵対心を持っている奴らを意図的に集めている節があるし。

とはいえ、

 

「一つだけ言っておきます。鬼殺隊に戻りたければ戻っても良いです。」

 

ザワッ

 

「ただし、君たちをこの部隊に配置した人が()()()()()であることを、知った上で命令違反する気概のある者だけです。この部隊の目的は【鬼を滅すること】ではない。万が一…鬼舞辻を倒しきれない時に、新鮮な情報を提供し、次に活かす為に創られた部隊である事をお忘れなきよう。」

 

俺が利用されている事は、悲鳴嶼さんからも聞かされているし、俺も利用されている自覚はある。

でも…ただで【利用される立場】に甘んじているわけではない。

俺はもう手段は選ばない、【鬼喰い体質】であり【風柱の弟】という俺の立ち位置は、さぞかし利用価値があるように見えるだろうなぁ。

 

九鬼大和が、いや佐藤教官が俺を勧誘した理由も、本当は分かっていた。

 

だが、言い換えれば、【鬼喰い体質】は一生変わらない。

つまり、九鬼大和は鬼が蔓延る今の世界では、俺を無視できる立場ではないという事だ。今の時期なら、多少の我儘を押し通せる立場に俺はいる。これは…軍の階級という枠組みよりも大きい。

 

だから、俺は、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「テメェ玄弥!何だそのふざけた格好は!!」

「お久しゅうございます。兄上」

 

俺の鬼殺隊入りの原点、兄貴と対等な立場で会う。

 

 

 

 

 

 

一方その頃、

『ローズマリーからの伝言ですか?』

 

夕方に訪れた日本人。ローズマリーの通訳。

 

『はい、教会に戻れそうにないので、こちらの手紙とこれを教会に…と。』

 

『ロークワット…日本語では確か【ビワ】ですか?』

 

『健康です。とお伝えしたい。とのご希望でしたので、花はローズマリー特命連絡員が【健康を意味する花を】との事でご用意しました。日本での花言葉は【治癒】です。』

 

『それはまた…随分とご足労をおかけしました。こちらの伝言も伝えていただいても?』

 

『もちろんです。』

 

『近々、また会いましょう。と…お願いします。』

 

『承りました。それでは、よい夜を』

 

『さようなら』

 

ガタン

 

 

(ロークワット…花言葉は【治癒】の他は、【あなたに打ち明ける】【密かな告白】…)

 

『シスター、近々ローズマリーに会うので、お土産にWinter Cherryのジャムを持ち込んでもいいですか?』

 

『はい、問題ありません。ローズマリーは?』

 

『この手紙通り、元気に過ごしているようです。』

『それは良かった。』




不死川玄弥
陸軍憲兵中尉であり、【銃器中隊】の隊長を務める。
これまで散々、鬼殺隊内の心無い輩からの誹謗中傷があったので、自己肯定感が低く、だからこそ、政府側が自分を勧誘した理由も大体察している。
兄貴と対等な立場は、後ろ盾でもないと、一生叶うことがない夢だと諦めていたので、条件と自分の体質を把握されれば、ある程度の我儘を貫けると思ったので、飲み込んだ。

国が本格的に鬼殺隊に介入した時の、初期の混乱に飲み込まれて、精神面が原作よりも強く、より自分を客観視できるようになった事により、産屋敷まではいかなくとも、年齢からすれば、そこそこ腹黒くなった。

【銃器中隊】に集められた鬼殺隊士
元々素行の悪い者
血気盛んだが実力がイマイチな人
政府公認になった鬼殺隊に反対派の中でも過激派所属者
隠などの後方支援部隊の中でも、剣士歴がある人もしくは、剣士希望者

素行が悪い人間は、政府の介入が始まる前から玄弥を馬鹿にしていた。
隠は剣士の才能がない故、剣士を諦めたが、同じくらい剣士の才能がないにも関わらず、剣士を名乗る玄弥に嫉妬をし、処罰されないギリギリの嫌がらせをしていた。

九鬼大和その他政府関係者
もちろん、意図的に集めました。


竈門炭治郎
玄弥の綺麗すぎる言葉遣いに、これまでと違い、余裕がある匂いに違和感がある。でも、玄弥は嘘をついていないので、全てが本当の事だとは思っていないが、話された内容は事実であると思っている。

我妻善逸
玄弥の音が、妙に規則正しいので機械染みていて、少しだけ怖かった。
玄弥の話は本当の事だと思っている。

嘴平伊之助
玄弥の話の内容は半分も理解出来なかった。
しかし、勘は嘘ではないと判断したので、嘘ではない事実だと認識した。

ウィリアム・ヤコブ・ウィスティリア
イエズス会所属の宣教師
主人公の良き友であり、最初の保護者
贈り物の花言葉で、何かを感づいた。
近々会いに行きます。















大正コソコソ噂話
玄弥が隊長を務めている中隊【銃器中隊】の主な役割と比率そして、成立理由

役割
より新鮮な情報提供
訓練で別の才能に目覚めたら銃器には拘らない。(軍人も含む)
余裕があれば、強い剣士が到着するまで末端の鬼殺隊士を守る。
不穏分子の排除(主に鬼殺隊メンバー)
《生き残る事を最優先とした、銃器を扱う情報部隊》

比率
軍人;鬼殺隊組=9;1

成立理由
鬼殺隊の身内間の死者は兎も角、軍人を死なせるわけにはいかない。
(鬼の存在はトップシークレット)
最前線で戦うのは鬼殺隊士、援護はするけど鬼を殺せるほどの人材が、政府側にはいない。
(鬼殺隊に任せきりにした弊害)
自国の介入を反対する者もいる上で、更に他国の外交官もいる中で、全て鬼殺隊任せに見られたら近代国家の印象がなくなる。
鬼殺隊内で過激派や素行の悪い者を1つ所に集めて、監視、秘密裏に処分しやすくしたい。
↑玄弥も薄々感じている1番の目的
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