主人公以外のオリジナルキャラ(宣教師)が出てきます。
鬼滅の歴史と、私たちの歴史は別物と考えてください。
どこの山なのかは分からないが、無事に衣食住の一応の確保が出来た私は今、山の中を歩いている。
今は太陽が暖かく照らす少し肌寒い程度の春だ。
「うーん!お腹いっぱい!太陽最高!」
血気術の発現、衣食住の確保による精神的余裕を得たことにより感情的になってしまったが、人というのは割と単純。
鬼対策兼鬼殺対策で藤の花を撒き散らした空間で眠ったことで物事を冷静に考える事ができた。
自分なりに考えてみたけど、親に会えない、友達に会えないことは言うほど苦痛でもなかった。
両親には悪いが、前世を思い出した時点であの人たちは、叔父さん叔母さんくらいの距離感になってしまった。
いや…、ちゃんと覚えているよ。大切に育てられ、愛されて何不自由なく蝶や花よと綺麗なもので私の世界を完結させてくれた事くらいは。
この時代の人なので、
《女は男の後ろで慎み深く、少し馬鹿なくらいが丁度良い》の考えを当たり前として、私を花嫁修業の一貫としてだが女学校に入れてくれた事も、良い縁談を必死に探していることも。
だが、それはあくまでも、【第三者目線】での話であり、私は、父母を恋しいとは思わない。だって両親の事は、【記憶】ではなく【記録】に置き換わってしまったのだから。
そして、友達についてだが、正直に言うと【大正時代のワタシ】には友達がいない。両親とは違い、ワタシは日本人女子にあるまじき女だった。
だから《女は家庭に入り、夫と夫の両親に仕え、子をもうけて育てる》という一般的な感覚を拒絶していた。
もちろん、表向きは周りに合わせていたが、女の感というやつなのか、
ワタシには恋愛や婚約の相談をする人はいなかった。
必然的に女子グループから外されたワタシを構う同性も異性もいなかった。
「なんだ…、人間でも鬼でも私は1人じゃん。」
ふと、そう結論付けた結果、人を喰わずとも生活できる私の身体ってめちゃくちゃ便利じゃね?と思い、今はすっかりこの身体を受け入れた。
「それにしてもこの山は本当にいい!!」
都会では味わえない綺麗な空気と水。
私は基本、夜間は地下で過ごすし、昼間なら鬼には会わない。
鬼殺隊と鉢合わせても、藤の木に少し穴を開けて作った空間に人形を複数個、地下にも人形を置いている。
自分で実験したけど、私本体を何回か傷つけたけど、栄養素が足りなくなると、人形の方が消えて私に吸収された。
つまり仮に私の首を切ったとしても、エンム?のように死んだりしないということだ。
「それにしてもこの山…やけに藤の木が多くないか?」
私が生活空間とする山から少し離れた2山越えた先にある山の中だ。
鬼にとって弱点の一つでもある藤の香り。
藤の木自身も太陽がよくあたる所を好む性質であり、水を多く吸う植物だ。この山はどちらの要素もあるから繁殖するのも分かる。
「これは、伐採後?」
刃物で切ったみたいにスパッとした切り口がある。
つまりこの山は、誰かの所有物ということか…ん?つまり
「まずい…!人にあったら」
「ヘイ!beautiful green hair Girl!」
この言語は英語!えっと、鬼とは思われていないな。
「Thank you!You are name?」
とりあえず、相手の名前でも聞かないと。
「…もしかして…日本人?」
日本語!少し古い言い方だけど、雇われ外国人なのか?
「ええ、このような髪と目ですが、日本人です。」
「Oh !コレはシツレイイタシマシタ!ワタクシ、この山のモチヌシデース!」
やたら整った藤の木、発音的にはアメリカ英語に近い。まだまだ排他的な人が多い時代でありながら、金髪碧眼の異人が持つ山。
それに…あの服は確か、
「カソック…ですね。カトリックの宣教師の方でしたか。これは失礼しました。それと、わざと発音を外さずとも結構です。私はキリスト教に偏見はもっておりません。」
そう言うと、宣教師さんは、
「Oh,my gosh!!この服をカソックと知っているとは!それにワタシを見て二度見しない人は、ヨコハマの日本人以外にはいませんでした!
あなたの容姿にその態度、ますます気になる人です!」
しまった!東京だから外国人くらい慣れていると思って、話してしまったが、元々この時代の日本人は少し前までは、鎖国により異人を見る機会などまずない。確かに、横浜などの港町でもないと見た目に釘付けになるだろう。
前世とこの世界は、似ているが根本が違う。同じ歴史を歩んでいると言い切れない。少しづつ誤差が生じていてもおかしくない。
私の世界では、大正時代プロテスタントに遅れて、カトリックが入ってきた時代だった。明治期に一時的にキリスト教が流行っていたはずだ。
もし、前世と同じ歴史を歩んでいるとすれば、【カソック】と言う言葉だけで、ここまで興奮しないはずだ。
もしや…、鬼の存在で、民衆が神を信じないから?
それとも、明治期に上流階級でキリスト教が流行らなかったのか?
「ーーさん、」
「お嬢さん!」
考え込んでしまったのだろうか?宣教師さんが私の肩を掴んでいる。
「お嬢さん、アナタはどうやってこの森に入ったのデスカ?」
あっ……、鬼の体力で山道を歩いてきてしまった。
「この山は散歩道以外は、装備を整えないと登れない崖が多いです。なのにあなたは、そんなボロボロの服と裸足で、私と会った。私はずーと散歩道を歩いていました。なのに、あなたとはすれ違っていない。」
「それは…」
言い訳の言葉が出てこない。
「私は神職者です。フホーシンニューしたあなたを捕まえる権限はありません。ですが、聞かせてください。アナタは…何者ですか?」
この人のイントネーションには、変なところがない。一部外れているが誤差範囲内だ。つまり、普段から日本人と過ごしている証拠。
白豪主義の人ではない。この人は信頼できる。
「懺悔したいです。教会に連れて行ってください、私の話はそこで…」
【主人公】
鬼の体力を確認する為に自宅と行き来できる範囲内を昼間に散歩していたぞ。
鬼となって初めて会った人が、まさかの宣教師
キリスト教では懺悔の際に聞いた話は、外には漏れないと知っているから、わざわざ教会に案内させようとしている。
【宣教師】
バリバリの白人だが、東京の横浜から出たのは最近、横浜以外では自分の顔を二度見される事が多かったから、物おじせず、奇特な見た目と英語を話す主人公が珍しかったから声をかけた。
この時代の人には珍しく、黒人や黄色人種も【普通の人】として扱い、それが原因で家族仲は良くない。
宣教師の名前は決めていません。何かいい名前あったら教えてほしいです。