推しでVの方がいない人推奨の作品です。正直読まない方が良いかもしれません。この世界では私たちの住む『こちら』の世界が理想で、私たちが見る2次元の『あちら』の世界が現実となっております。ご了承ください。
12月13日
冬…私の名前とよく関連がある季節、私、朝雪冬華(アサユキトウカ)は時間を確認する。
時間は7時20分、如月市立如月穴倉高等学校3年の私は、いつも通り朝食を済ませ、外出の準備をしていた。
最近、巷ではV感染症なるものが全国的に広がっていた。どうやら感染した人物は性格どころか、人生の記憶を塗り替えられてしまうらしい。
そんな最悪なウイルスを避けるがため、人々は沈静化するまでマスクの着用を義務づけられた。
「まだ…終わらないんだ…」
そう、多少憂鬱になりながらも、私は外へ出向いた。
学校までの道のりを歩いていると、その感染者が急激に増加したせいか、外を出歩く人が増えたような気がする。…というかおかしい服装の人が多い。何故だ。
私も感染してしまったらあのようになってしまうのだろうかと少し不安になっていると、私を後ろから話しかけてくる人が現れる。
「おっはよ!冬華!」
後ろから話しかけてくるのは私の幼なじみ、夜桜 夏花だった。
「おはよう…朝から元気だね…ふぁ…」
夏花は私よりおっとりしてるような性格だが、私よりも朝に強い。
「今日も寒いね…大丈夫?」
「全然大丈夫だよ!ほら!手袋!」
…夏花がつけていたのはどうみても手袋というより、軍手だった。
「…手袋?」
「…軍手なのはわかってるけどさ、なかったんだもん」
「それ意味無いでしょ…」
気づく頃には学校についていた。
夏花と私は同じクラスだ。前は別のクラスだったが、生徒と先生の減少の末、結果的に同じクラスになった。
教室は昨日と同じようにがらんと空いていた。…まぁ感染者の末路といえばざっくりだが、大半の人を亡くしたという結果な以上、憂鬱な気持ちは拭えない。
「憂鬱だ。」
そう、ポロッと口に出してしまうほど、もう人々は元に戻れない。
先生も最初の頃とは別の方で。前は数学の先生だったのに、今は違う人になっている。
感染者がこの学校で働いていることは僅かながら耳にしたが、あまり残業をしない人らしい。
なんでも、配信活動をしているのだとか。
「どうしたの?」
ため息をついていると夏花が私に問いかける。
「いや…なんでもないよ、大丈夫。」
「なら良かった」
いつも通り授業は行われた。特に先日と変わらない日々だった。
ただ、道徳の授業に『これからの行きかた』という論文を渡され、内容は今のご時世を考えさせられるものだった。…まるで、それが『一般化』し始めているような―
やはり今週も早めの帰りだ。今日はせっかくだから夏花とカラオケに行こうか迷っていた。
「ねぇ夏花、今日カラオケ行かない?」
「ごめん、冬華!今日ちょっと用事があるんだ…ごめんね!」
「…うん、大丈夫だよ」
夏花は割と人気者だ、色んなところに引っ張られるのはいつものことだろう。
私の趣味は作曲とか、歌うことが好きなせいか、どうしても個人活動になってしまう。でも、いつか見せて自慢しよう。出来上がったものが素晴らしいものだと。
やはり、1人で帰っているときはふとV感染症に関して思ってしまう。その未来が果たして幸せなものか、人類の発展へと向かっていくのか。
「憂鬱だ。」
然し、未来は私が決めるものでは無いからこそ、不安と期待を寄せながら、明日も生きるのだろう。もし、私が感染してしまったら、とても苦しい終わり方だ。
この感染症が巷で有名になってから、人々は日記を書くようになった。気づいたら死ぬ病などあまりにも残虐的すぎる。
今日も書こう、明日も、その明後日も。
「ただいま…」
今日は憂鬱になりすぎた。ちょっと横になって落ち着こう。
色んなことが起こり始めているはずなのに、気づけないのは何故だろうか。それが感染症が『一般化』しているせいなのだろうか。私が感染したのなら、せめて、
―楽しく生きて欲しい。
気づくと彼女は身振り手振り身体を動かす。そしてゆっくり口を開けてこう語る。
「これが私の身体か」と。