……──コン、コン、コン
「入ってらっしゃい」
……キイィ
カチャッ
カッ
カッ
カッ
カッ
……
「お久しぶりです、お嬢様」
カッ
…ズズッ
「そんなにかしこまらなくても。態度を崩したって誰も起こりはしないわ」
「……しかし」
「メイドが気になるなら退出させるわよ。……ネネ」
「かしこまりました」
タッ
タッ
キイィ……
──パタン
カチャッ
「ほら、これで大丈夫でしょう」
……………………はぁ
「仮にも公爵令嬢たるあなたがそんな適当でどうするの」
「あら、あなたまでそんなこと言うの? ひどいわ」
カッ、カッ
「当たり前でしょうに」
「私が堅苦しいのが嫌いなのはわかっているでしょ?」
「……それは知っているが」
「それに、こうやって素で話せるのはあなただけよ。 ……座らないの?」
「…………」
キイッ……カタッ
「……先ほどメイドの前で言葉を崩していたじゃないか」
──すぅ……
「……もう」
ギイッ
「ア、アルーナ?」
カツッ
カツッ
カツン
グッ、ギュウ……
「そうやって揚げ足をとるのはあなたの悪い癖ね」
「知ってる」
「……会いたかったわ、ユリア」
「あたしもだよ、アルーナ」
……
……
……
……
……カチャッ
「それで、旅行はどうだったの?」
カツンッ
……ズズッ
「旅行なんて生易しいものではなかったぞ」
「ふふ、知ってるわよそのくらい。……大丈夫そう?」
コトッ……
「ああ、多分な。兵士の数も勝っているし、見たところ練度もこちらが上だ」
「そう、なら良かったわ」
カチャ
「アルーナはどうなんだ? 保守派の連中がピリピリしてたぞ」
…………キイ──……ッ
──カタン……
「それがね……ちょっと危ういのよ」
……カチャッ
ズズッ……
「……そうか」
カチャン
「どこで間違えたのかしらね……」
スッ……ツゥ──ッ
「大丈夫、アルーナは死なないさ。しぶとさが長所だろ?」
「何言ってるの、乙女はか弱い生き物なのよ」
カチャンッ!
「はは、冗談はよしてくれ」
「ひどいわね、こっちは結構本気なのに。……紅茶のおかわりは?」
ギ……ッ
「ん……遠慮しておく。もうそろそろ行かなきゃならない」
「わかったわ」
ギシッ
ガタン……
カッ
カッ
カッ
…………
「……また会えるかしら?」
キィ……
「ああ、会えるさ」
カッ
「近いうちにね」
……ィィイイ──
──パタン
……
……
……
……
……シイィ……──ィィイ…………ン……
カッ
カッ
カッ
カッ
カッ
キ……イィ……──ッ
カッ
カッ
カッ
カッ
…………
ドンッ!
ドンッ!
「……あ…………ぁ」
カラァン、カァン、カン、カッ、カラカラカラ……
──ドサッ
「……ごめん」
ガシャン
「…………でも」
ドッ
「こうするしか……なかった……」
ドサッ
「う、うぅ……」
うわああぁあああぁあぁああぁあぁぁあぁああぁあぁ──……
あああぁあぁああぁあぁぁあぁああぁあぁ──……
ぁあぁぁあぁああぁあぁ──……
ぁああぁあぁ──……
ドンッ!
カラン、カン、カッ、カッ、カラカラカラ……
ドサッ……
「……ゆっくりおやすみ」
──ゴトッ……