転生したはいいが、同僚の腹パンが痛すぎる!   作:Mr.You78

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流石にエイプリルフールネタから2週間は空きすぎかと、リハビリがてら更新

今回はとある理由で、普段よりも読みづらいかもしれませんが、ご了承ください。

たまにはこんな回があっても……ええやろ!

いつもと違う監督が撮ったんじゃないですかね(適当)

特撮じゃよくある事よ


惑星散歩(Ⅰ)

やあ、ぼくアギラ!

 

今日はパパのお仕事が終わったら、たいよーの近くまでピクニックに連れてってもらうんだ!

 

みんなで、ポカポカひなたぼっこするの!

 

……と思ってたんだけど……

 

「V2からの緊急連絡です。未確認飛行物体が地球に接近警戒を要す。アステロイドベルトから外れた小惑星と推測される」

「そんな星屑なんか、大気圏突入で燃え尽きてしまいますよ!」

「でも一応、パトロールは強化しよう」

「はっ……。フルハシ、ダン、アマギ。これより、24時間のパトロールにつけ!」

 

えっと……にじゅーよじかんって、ちきゅうの時計だとどれくらいだっけ?

いーち、にー、さーん……えー!? 針が二回回っちゃったよ!? これから一日中……ってコト?

 

そんなぁ……ピクニックがぁ……マナベさんぼーとたいちょーのいぢわるぅ……

 

 

―――――――――――――――――

 

ひなたぼっこは無くなっちゃったけど、うるとらほーくで夜のお空をビューンっておさんぽだ!

とってもはやいから、すき!

 

「お客さん、来そうもねぇな……」

「おい、あ、あれは……?」

 

アマギたーいんが何か見つけたみたい。

わぁ、おっきな島だねー!

 

……あれ? ここってお空の上じゃなかったっけ?

 

「島だ!」

「こちらフルハシ、飛んでくる島を発見!」

「なんですって?」

「島が飛んでくるんだ!」

 

そうなんだよ、アンヌおねえちゃん! お空の上なのに島がびゅーんって! 

 

「島が? バカなこと言うな」

「いや、確かに島です。本当なんです、隊長」

 

うわーん、たいちょーのばかばか! なんで信じてくれないのー? バカって言った方がバカなんだぞー!

 

「衝突するぞ!」

 

島から変な光が!

うわぁあああああ!!! まぶしぃ!!

すいこまれるぅうううう!!

 

 

―――――――――――――――――

 

 

ううぅん……ここは……あれ? ボクたちどうなったんだっけ?

みんな気絶しちゃってたの……?

ねぇパパ! おきて! おきてー!

 

「う、うぅ……ハッ! フルハシ隊員! アマギ隊員!」

「うっ……あぁ……」

 

よかったーみんな大丈夫そうみたい。

 

「……ここはどこだ!?」

「昨日飛んでいた島ですよ」

「へっ? ……よし、行ってみよう!」

 

パパたちはこの島に降りて、おさんぽする事にしたみたい。

うぇえ、ぶっきみー

 

「まるで鬼ヶ島だな……」

 

ゴツゴツした岩だらけで、まわりはみーんな霧に囲まれてて何も見えないや。

うーん、こんなに霧だらけだと、ミン兄ちゃんを思い出すなぁ……

 

あのね、ミン兄ちゃんは今はパゴじいの使ってるおうちに、少し前まで住んでた家族なの。

 

元々のおうちは、バンデルせーけーって所にあったらしいんだけど、そこが住みにくくなっちゃったから、脱出して宇宙をふわふわしてた所を、パパに拾われたんだって。

 

ボクはよく可愛がってもらったから、すごく好きだったんだけど、せーかくが真逆のダム兄とはよくケンカしてたっけ。

『全くつかみどころのない奴だ』ってダム兄がゆってた。

ミン兄ちゃんは霧の体の怪獣なんだから、掴めないのは当たり前なのにねー。ヘンなの。

 

そうそう! ぼくたちのおうちを繋げてお話したり、たたかいのれんしゅーをしたり、少しだけ外を見れたり出来るようにしてくれたのも、ミン兄ちゃんなんだ! すごいでしょ!

 

でも、地球に来るちょっと前に、居心地の良さそうなおうちを見つけたから、そこでボク達とは一旦お別れしたんだ。

 

ミン兄ちゃんは元々、たたかいが得意でも好きでもなかったから、みんなも引き留めちゃ悪いと思って、笑顔でさよならしたんだけど……ダム兄もすごく寂しそうにしてた。あんなにケンカしてたのにね。

 

懐かしいなぁ……元気にしてるかな、ミンティオス兄ちゃん……

 

そんな事を考えてたら、突然ピーピーガーガーすごくうるさい!

うあぁあ! なになに? 何の音!?

 

「本部へ連絡不能です」

 

なーんだ、パパのつーしんきが、壊れてた音みたいだね。

でも変だなぁ……なんでだろ?

 

「あれを見ろ」

 

フルハシおじさんの指差した先には、ヘンな建物がいっぱい……

 

「ここは地球じゃないんじゃないのか?」

「いや、地球らしいぞ……」

「それも日本ですよ。ほら」

 

パパはそうゆって別の方を指差した。

あ! 青と白のおっきいお山だ。

ぼく知ってるよ! ふじさん!

 

「何だ、地球防衛軍のすぐそばじゃないか……」

「ほんとだ!」

「……待てよ? そいじゃあ、ありゃあ……?」

「……宇宙前衛基地」

 

さっと身を隠すパパ達。

 

そうすると、パパの手元で何かが光った。

あ、これ! この前パパが、ほーくにごーでおさんぽした時に、アマギたーいんにお土産で持っていった石だ!

 

ぼくたちから見るとすごくキラキラしてるんだけど、ニンゲンさんからはただの石ころに見えるみたいで、アマギたーいん喜んでくれなかったの。残念だったなー

 

「これは地球のものではありません。……恐らくV2から連絡してきた小惑星ですよ」

「じゃあ、アステロイドベルトから来たってわけか……」

「ええ、散歩する惑星です」

「冗談言ってる場合じゃないぞ。侵略基地だったらどうする?」

「……ようし、それじゃ、あのへんてこりんな建物に、殴り込みだ!」

 

ええ!? いくらフルハシおじさんでも、建物叩いたら、おててケガしちゃわない?

 

―――――――――――――――――

 

ヘンな基地にはだーれも居なかった。なーんだ。留守か。

扉をパパとフルハシおじさんがいくら引っ張っても開かなかったのに、みんなが別の場所を見に行こうとしたら、ぷしゅーって開いたの。

 

きっと寂しがりやの基地なんだね。

 

「無人基地ですね……」

「電波で操縦されているんだ」

 

中には見たこともない機械がいっぱいあって、ボクにはなんだかよくわかないや。

 

「相当、強力な電磁波が発信されているな……」

 

そうなの? どーりで今日はみくらすやパゴ爺だけじゃなくて、ダム兄までねぼすけさんだと思ってた。

 

それから、基地の中をじっと見ていたアマギたーいんが、ひとつの機械を指さした。

 

「あれだ! ……これがメインの機械だ!」

「こいつが島の心臓か……」

 

すごいすごい! さっすがアマギたーいん!

かしこくってエライ!

たくさんお勉強したんだね。

ぼくはお勉強してると眠くなっちゃうからニガテだけどね、えへへ。

 

「止められますか……?」

「俺にもわからん……やってみよう」

 

その時、基地の扉がぷしゅーって閉まっっちゃった!?

三人で押してもビクともしない。

 

フルハシおじさんが、おててに唾をぺっぺッとして(ばっちぃからよくないと思う)思いっきり体当たりしたけど、全然だめだった。

 

「アイテテ……」

「大丈夫ですか!」

 

だいじょーぶ? 痛いの飛んでけする?

でも、肩でタックルするなら、唾をぺっぺっってする必要はあったのかなぁ?

 

―――――――――――――――――

 

その頃、小惑星から発信される、出力およそ数億万キロの怪電磁波のために、通信網が大混乱。

 

被害はエレクトロニクス諸機械にまで及んだため、地球防衛軍では触角であるレーダーやウルトラホークも使用不能に陥っていた。

 

一方キリヤマ隊長は、ダン、フルハシ、アマギ隊員が、昨夜消息を絶ったのは、怪電磁波を発する小惑星に関係があるものと断定。

 

3隊員の救出と小惑星の調査に赴いたのである。

 

しかし、ポインターはとある一点から前にすすむ事ができない!

 

「何か、見えない壁にぶつかったみたいだ」

 

キリヤマが石ころを投げると、空中で硬質な音を立てて跳ねってくる。

 

「電磁バリアだ……ソガ、レーザー光線発射!」

 

ポインターのレーザーも折れ曲がる不可視のバリア!

 

アンヌが双眼鏡で覗くと、島には不時着したホーク1号が確認できたが、バリアに阻まれてコチラからは手出しが出来ない!

 

「このままの進行方向で基地に近づいてくると……」

「危険だ。妨害電波でミサイルも使えないとなると、残るは……」

「新兵器、キリー」

「うむ、あれなら逆に、妨害電波にくらいついてゆく……」

「しかし、あの惑星にはダンたちが!」

 

マナベは断腸の思いで決断する。

 

「現在、この基地は麻痺状態にある。あの怪電波のためだ。いつまでも放っておくわけにはいかん」

「小惑星の移動速度から計算して、あと53分でこの基地に……」

「53分か……。ここまで待とう、あと20分だ。これから中に入れるわけにはいかん」

 

地図上に最終防衛ラインが示された。

 

「畜生、ホークさえ飛べたらなぁ……」

「キリー発射準備!」

 

―――――――――――――――――

 

基地のドアを開けるために、パパとおじさんが台座になって、アマギたーいんが天井の機械を操作する。

 

アマギたーいんの背が高くて助かったね。

 

「しっかし、なんで敵は島なんぞ送ってきたんだろうな……?」

「それは……おそらく地球圏を覆う電磁バリアや大気圏を抜けるためでしょう……岩石がいくら削れても、この基地さえ大気圏内に到達できれば良いんです。ただの小惑星だと、V2からの偽装にもなりますし……」

「おぉい! まだか!?」

 

フルハシおじさん苦しそう。肩も痛いし15分以上も同じ態勢で支えるなんて、ニンゲンなら辛くて当たり前だ。

まだ涼しい顔のパパがスゴイだけだ。

 

「さっきからずっとこの島、移動し続けていますよ。もしかすると、この惑星自体が時限爆弾になっているのかもしれない」

「なんだって!? ……おい早くしろよ!」

 

邪魔しちゃだめだよ、アマギたーいんはしゅーちゅーしてるの!

 

「おい、なぜ時限爆弾だと思うんだ?」

「地球防衛基地に接近しているからですよ。侵略目的がなければ、無人基地を送り込む必要もありませんしね」

 

パパが今思い出しているのは、アイアンロックスだ。

あの時は鉄のカタマリで爆弾を守っていたけど、今回は石で出来たアイアンロックスってコトだね!

あれ? じゃあ……ロックスロックス?

 

「なるほど、そのことは本部でも気が付いているんだろうな」

「もちろんですよ。直径1キロです。どこからでも見えますよ……」

「……とすると、なぜ攻撃してこないんだ?」

「恐らく、我々のことを気遣っているんでしょう…」

「アマギ!早く何とかしろよ。味方ミサイルの攻撃目標にされるなんて、けっして名誉なことじゃねぇからなぁ!」

「わかった! これだぁ!」

 

ドアが突然開いてみんなが外に転がり出る。

みんな! 急いで!

 

無事にほーくいちごーまで帰ってはきたんだけど……

 

「頼むから、かかってくれよぉ……」

 

シーン……エンジンが動かない……。ガーンだ。

 

「強力な電磁波が狂わしているんだ!」

 

フルハシおじさんがレバーを引っ張っていると、どしゅーうって音がする!

やった! エンジンがかかった……んじゃないや、別の音だ。

うわうわ、下からどんどんスゴイ音が聞こえてくるよ!!

 

「地下に動力室でもあるみたいですね」

「何かが始動を始めたんだ」

「早くここを抜け出さなくては……」

 

でもでも、ほーくのエンジンは止まったまま。

 

「あの強力な電磁波を止める必要がある」

「よし!」

「ダン?」

「止めてきます」

「よし、俺も行こう!」

 

やった、アマギたーいんならすぐに機械をとめてくれるね!

 

「いや、ひとりでやります。もしダメならこれで爆破しますよ」

 

爆弾を取り出すパパ。そっか、壊しちゃえばいいんだ!

 

「すぐ、飛び立てるようにしておいて下さい」

「……うん。気をつけていけよ」

 

二人とも心配そうだけど大丈夫、パパはなんたってウルトラセブンなんだよ!

 

でも、パパが自信満々で飛び出した途端、すごい地震がぐらぐら揺れる。

 

わわわ! 怪獣だ!!

パパ! 変身して!

 

「デュワ!」

 

シーン……

 

おっかしいな?

 

「デュワッ!!」

 

パパがもう一回変身しようとしても何も起きない。

なんでなんでー!?

 

「強力な電磁波の為だ!」

 

そ、そっか! ウルトラアイも機械だから、ほーくやダム兄みたいにおねんねしてるんだ!

 

あ、あ……ダメダメ! そっちは二人のいるほーくの方だよ!

そっちいっちゃだめー!

 

向こうの岩場から、敵の怪獣にドガガガと攻撃が飛ぶ

あの音はえれるろろえーちがんの音だ!

 

アマギたーいんとフルハシおじさんがほーくから降りて、怪獣をやっつけようとしてるんだ!

がんばれー!

 

なのに怪獣には全然効いてないみたい……そのまま進んで……あっ!

ほーくが蹴飛ばされちゃった……!!

 

二人は逃げたみたいだけど、怪獣が追っていく!

ぜったいぜつめいのピンチ!!

 

「あっ、危ない!」

 

パパ! ぼくがいるよ! ぼくを使って!!

 

「アギラ、頼むぞ!」

『AGRAAAAAAAAA!!!!!!!!!』

 

よーし、がんばるぞー!!




さて、今回はアギラ視点でお送りする『散歩する惑星』です。

アギラは設定では、頭が良いとされているにも関わらず、逆に知能戦ができないとか、平成セブンのザバンギ戦で出番が無かった理由が、小説版では事もあろうに頭が悪くて二匹の足を引っ張るとか、紹介される時代や書籍によって評価がバラバラ。

多分、頭が良い(自身の強みを活かして敵を翻弄しようとする。きちんと主人を認識している)というのは、『怪獣としては』かなり知能が高い。
頭が悪い(ニセセブンを看破できない。ウインダムやミクラスの足を引っ張る)のは、まだ幼いが故という二点を両立させるために、こんな感じになりました。

まだ子供というのは、外伝作品であるウルトラマンSTORY0での設定も一部踏襲しています。

実際に、本編でも二回の登場で鳴き声が違ったり、模様が追加されたりしているので、それらも成長による違いなのではないかな? と。

今話で言及されているミンティオスというのもSTORY0で登場した、霧状のカプセル怪獣です。

原作本編時には既に分かれているという解釈にしました。

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