転生したはいいが、同僚の腹パンが痛すぎる!   作:Mr.You78

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今回は閑話
だって冒頭でダンとソガが捕まって不在の話をどうしろと……
野生の勘で敵の基地を発見するフルハシの大大大活躍はぜひ原作をご覧下さい。


原作知識を活かして、これまでセブンの負担を相当に減らしてきたソガ

この調子で行けば過労死は免れそうだなと思っていた矢先、おや? ダンの様子が……?


蒸発闘志

俺がパトロールから帰ってくると、作戦室のドアの前にはソワソワと挙動不審な長身の男。

何かの書類を抱えたまま、意を決して入室しようとするも、直前でがっくりと項垂れて引き返すばかり。

何やってんだアイツ……

 

「アマギじゃないか。こんなところでウロウロしてどうしたんだ? 邪魔だぞ」

「あ! ソガァ!」

 

俺の顔を見て、まさに喜色満面といった様子で駆け寄ってくる。

アマギが俺を見つけて嬉しそうにするなんて、明日はウルトラランスでも降ってくるんじゃなかろうか。

普段は鬱陶しそうにするくせに。

 

「おい、なんだよその反応は……やけに珍しいじゃないか」

「そんな事はない! ああ……丁度良かった! 待ってたんだよ!」

 

こいつぁクセェー!

面倒事を押しつけられる匂いがプンプンするゼェー!

と思っていたら……

 

「この書類をな? ダンに渡して欲しいんだ。奴に頼まれてた分析結果だ」

「え? そんな事? ……自分でさっさと渡せばいいじゃん」

「いゃあー! 僕なんかよりも、お前がずっと適任だよ! 頼んだぞ!」

 

書類を押しつけて、そそくさと退散するアマギ。

あいつら喧嘩でもしたのか……?

 

まあ、俺もパトロールの引き継ぎがあるから、ついでに紙渡すくらい別にいいけどさ……

 

作戦室に入ると……いたいた。

近寄ってもこちらに全く気付かず、やけにしかめ面で、虚空を見つめて微動だにしないダン。

考え事か?

肩を叩くと、のっそりと此方を向く。

 

「おいダン。これをアマギがお前に渡してくれってさ」

「ああ……ソガ隊員……そこに置いておいて下さい……」

 

どうした? 妙に覇気が無いな……?

まさか、もうエネルギーが枯渇してきてるのか……!

かなりダメージを軽減出来てると思ったんだが、それは俺の思い込みだったとか!?

 

「ダン、体の具合が悪いのか!? それならそうと、なぜハッキリ言ってくれなかったんだ!」

「い、いえ……体はすこぶる好調ですよ……体は……」

「だったらどうしてそう元気が無いんだ? ……おや? それは……?」 

 

ダンの手元で、金属片のような何かがキラリと光る。

覗きこんで見ると、それは認識番号3番が刻まれたドッグタグであった。

 

「ああ……キャプテン・マキノの時の……」

「ええ……」

「どうした? 彼を救えなかったのを気にしてるのか?  言っちゃ悪いが、あれはマキノ隊長の自業自得じゃないか」

「確かに彼の行動は、許されない行いだったかもしれません……しかし、復讐されて当然だとは……」

「そりゃそうかもしれんがな。いつまで悔やんでいても仕方ねえぞ」

「……」

 

認識票No3に視線を落とすダン。

……ははぁ、なるほど。

資料を渡すのは建前で、お前が元気付けて来いって事か。

こういうのはアンヌに任せろよ……どうして俺なんぞに丸投げするかねぇ……恨むぞアマギ。

 

「なんか悩んでるのか? 言ってみろよ」

「ソガ隊員は………何も感じませんか?」

「何を?」

「仕事の事です。人類には……ウルトラセブンなんていらないのではありませんか……?」

「ブフォッ!! ゲホッ! ゲホッ!!」

 

思わず飲みかけていたコーヒーを吹き出してしまうところだった。

いやいや、お前が言うんかい!

 

「最近のセブンは……敵にしてやられてばかりではありませんか」

「おいおい、セブンが居なかったら、キングジョーはどうなってたんだ? ゴドラ星人やエレキングだってそうさ! それにあの時、セブンが来てくれなかったら、そもそも地球は今頃クール星人のものだぞ? 持ちつ持たれつだよ!」

「そうでしょうか……僕はウルトラ警備隊さえいれば、充分だと思えてなりません……いや、むしろ邪魔なのでは? この間のダンカンの時だって……危うくセブンはみんなを殺してしまうところでした!!」

「ダンカンは……仕方ないじゃん。操られてたんだから」

「いいえ違います。ダンカン達は元々、バンデラス太陽系の宇宙乱流から逃げて来た、いわば難民でした。それがなまじセブンを手中に収める事が出来たばかりに、あのような凶行を……そもそも地球にウルトラセブンが居なければ、彼らは暴力に訴える事も無かったかもしれない! フルハシ隊員が洗脳装置を破壊してくれたから良かったようなものの……そうで無かったとしたら……」

 

そう言って震える両手で頭を抱えるダン。

……あー……本人的にはとにかくそこが一番ツライ訳か。

 

「ダン、これは隊長から聞いたんだがな? セブンの放ったアイスラッガーが、俺を抱えた隊長に当たる直前、不自然な軌道で直角に上へ曲がっていったんだと」

「……」

「セブンのあの武器は、飛ばした後にどんな動きも自由自在だ。いつだったかアマギが脳波で操っているんだろうって分析してたが……そんな武器なら、例え的が小さくたって地面に蹲る警備隊の皆をそのまま、なます切りにしていくなんて造作もないわけだよ」

「ええ……そうですね」

「そこで隊長は確信したんだと。セブンは敵の洗脳に必死で抗っているに違いないって。最初にエメリウム光線を足元の車に当てたり、隣のビルを叩き壊し始めたのも、元々は俺達への攻撃だったのをなんとか逸らそうとした結果なんだなってさ」

「それは……」

「そりゃあ俺だって、意識の無い間に自分がエレキングみたいになる所だったと聞かされりゃあ、ビックリしたよ? 胴体が泣き別れになるのは御免被りたいが……あの時セブンは、例え敵に操られていても、深層心理で俺達を傷つけないようになんとか戦っていたんだよ! それを……そんな風に言ってやるなよ」

「し、しかし……例えそうだったとしても、今後は逆に他の宇宙人が彼を目的として地球にやって来るかもしれない……そうなった時……セブンが地球に留まり続ける事で、巻き込んでしまうかも知れないんですよ!? 僕はそれが……恐ろしい……。そうなる前に、彼は地球を去るべきなんじゃないか? そう思えてならないんです……」

 

もしかしてこれ……俺が頑張りすぎたからか?

原作よりもセブンに負担を掛けないようにしてきたが、それが却って自分が居なくても人類はやっていけると錯覚させてしまった?

それとも俺の知らない内に、バタフライエフェクトで精神的ダメージを負うような場面が増えた?

 

とにかく、今のダンはセブンという異物がこのままここにいても良いのかという点に悩んでいるようだ。

それは勘違いも甚だしいので即刻考え直して欲しいんだが……

俺が頭を掻いてると、折よくアンヌとフルハシが作戦室に入って来るではないか!

良かった! 頼もしい援軍の到着だ!

 

「おーい二人とも、ちょっと来てくれ~! ダンがさ……」

 

俺が事情を説明すると……

 

「おいダン! 何言ってるんだ! セブンが居なけりゃ、俺なんてとっくに三号と一緒に木っ端微塵、島ごとキリーミサイルで木っ端微塵、マックス号で木っ端微塵と陸海空で粉微塵だ!! おふくろなんて今頃涙も涸れ果ててミイラみたいになっちまってるよ! 葬式といやぁマグマライザーで埋葬されそうにもなったしなぁ……」

「そうよダン! 私も貴方も随分と彼に命を助けて貰っておいて、今更彼に出て行けだなんて、そんなのって無いわ!」

「それは確かにそうかもしれないけどねアンヌ……最近のセブンは敵に太刀打ち出来なくなって来ているような気がしてならないんだ。この認識票の事件だってそうさ。アマギ隊員が放射線カメラで敵の位置を教えてあげなかったら、セブンはやられてしまっていたかもしれない……それどころか、侵略者達はセブンを倒す為により恐ろしい作戦や兵器を持ってくるだろう。セブン自身が、R1号のように地球へ災いを齎す事になるかも知れないんだ!」

「そんな時こそ俺達警備隊の出番じゃねえか! 俺はようやくこの前の事件で、セブンに少しばかり恩返しが出来たかもしれねえと思ってたのに、横から水を差される筋合いはねえんだ! ダン、これ以上言うならいくらお前でも怒るぞ! ……だいたい、いくら最近黒星が増えたからって、そもそも俺やお前に恐竜戦車を押し返すなんて事が出来るか? ええ?」

「フルハシ隊員の言う通りだわ! 彼には彼にしか出来ない素晴らしい事が沢山あるんですもの! 私たちにセブンが必要ないなんてそんな考え……あんまりにも寂しいじゃない!」

「それは……」

 

目線を下げたダンに、肩を怒らせたフルハシと、頬を膨らませたアンヌが詰め寄る中……

 

「あ、そっか! 分かった!」

「おい、こっちは真面目な話をしてるってのに素っ頓狂な声あげやがって……なんだよ? 何が分かったってんだソガ?」

「いや、このままじゃ平行線だな……と思ってたんですが、一旦会話から弾き出されるとその原因が分かりました! 二人に選手交代して貰って良かったですよ」

「はぁ?」

「二人はこれまでの事を言っていて、ダンはこれからの事を言っている……それに加えてダン、お前はセブンを暴力装置か何かだと勘違いしているな?」

「どういう事です?」

 

訝し気な彼はひとまず置いといて、セブン過激派の地球人二人に向き直る。

 

「アンヌ……の答えは分かり切っているから、ここは先輩に聞きましょう。もし今後、セブンが戦いに傷ついて二度と怪獣と組み合えないような体に……それこそ俺達人間と変わらない大きさになってしまったとしましょう。そうなったらもう、セブンは地球に必要ありませんか?」

「なんだって! そんな事あってたまるかい!」

「もしもの話ですってば」

「……そんな事は考えたくもねぇが……もしそうなっちまったとして、その時は是非うちの基地に彼をお呼びしてだな……まずはアンヌの治療を受けさせてやらなきゃ! その間は俺達がキッチリと地球を守る。どうだ?」

「そうね、私達の医療が彼に適応できるのかは分からないけれど……なんとしてでも彼に出来る限りの治療をして見せるわ。それに例え後遺症で戦えなくなったとしても、今度こそ彼にはゆっくり休んで貰うのよ。それこそ地球の音楽や自然、美味しい食べ物を楽しんでもらって、これまでの感謝と労いをするのはどうかしら?」

「いいねぇ!! 実は俺も、いつかセブンを行きつけのカレー屋に連れて行ってみたいと思ってたんだ。ほらダン、お前がうまいうまいと三杯もおかわりしたあの店だよ!」

「つまりこういう事だ」

「その、話が見えません……」

 

まあ、当人からしたら地球人の感覚がよく分からんのかもしれんが……M78星雲人、みんな生真面目だしな。

 

「極論を言うとセブンが今後、戦力になろうがなるまいが、そんな事は関係なく地球に必要ってコトだ。俺達が好きなのは怪獣を倒してくれる無敵の巨人だからじゃなくて、ウルトラセブンというあの個人が好きなんだよ! 分かる?」

「あ、そっかぁ! そうだな……」

「確かに彼の素晴らしい点は、能力だけではないわね。そんなものは彼の魅力の一つに過ぎないわ」

「能力ではなく、人格を評価している……という事ですか?」

「言語化するとそうなるかな……」

「あまり彼と接する機会が無くても、確かに私達とセブンの間には絆があって……それこそが友情なのよ」

 

アンヌの言葉を聞いたダンが、ハッとしたように顔を上げるが、直ぐに頭を振って思い直したように眉根を寄せる。

 

「ですがそれは警備隊として、ではなく個人的な感情なのでは……? それは僕としても……地球人とセブンの間にはその……友情が、あると確信しています。彼は明らかに地球と、人類を愛している。心から! そして今となってはこの星から離れたくはないと思っている事も! しかし……だからこそ彼の存在自体が地球にとって害を齎す可能性が出た時には……それを決して望みはしないでしょう。例え警備隊のように親しい人達が悲しむと分かっていても、自分から……そんな事は僕だって……望んではいません。とても、寂しいですからね……しかし……」

「いや、それが間違いだよダン。セブンはな、そこに存在するだけで有益だ。これからの地球全体にとって必要なんだよ!」

「どうしてそう言い切れるんです?」

「彼が、遠い星からやってきた宇宙人で戦友だからだ」

「……どういう事?」

 

さっきと言ってる事が変わらないぞという視線を三人から浴びるが、これはもう確信を持って言える。

 

「この先、宇宙人の侵略が無くなって、地球が平和になったらどうなると思う?」

「どうって……平和ならいいじゃないか」

「……まさか、人間同士で戦争になるという事?」

「いやいや、少し前ならそうなったかもしれないが、外宇宙の侵略を跳ね除けた後だからこそだ。俺達はもうそうなりつつある」

「そうか、宇宙進出……」

「ご名答!」

 

もうこの世界ではホーク2号が太陽系を周回し、近隣の惑星へ探検隊を送っているのだ。それこそキャプテンマキノが率いたワイ星探検隊のような。

いずれこの世界線の地球は、50年もしないうちに外宇宙へ乗り出すだろう。

 

「ところがだ、我が地球が宇宙社会にのこのこ出て行った時に、知り合いはいかほどか? いやもう顔と名前を知ってる相手は嫌程いるが……どいつもこいつも余所の星を侵略しようとするような奴らばかりだぞ?  地球と友好的な条約を結んだ相手なんて、キュラソ連邦とワイルド星間共同体と……あとあのお洒落なサンダル履いてる人達くらいだろ?」

「確かに言われてみれば……少ないわね……」

 

個人単位で友好的な星人はもう少しいるだろうが、この広い宇宙で種族単位の友好国が片手で収まる程って……

 

「しかもだ、そのキュラソーともまだ全然お互いの文化とか浸透してないし、地球人とそれ以外の種族じゃ価値観が違い過ぎて、まだまだ相互理解には程遠い。ワイルド星と住人の受け入れしてみろ? そこらじゅうで喧嘩するぞ、きっと」

「まぁ……なぁ……あんまり上手くやる自信は……ねぇなぁ……」

「その上、我々地球は明らかな後進国な訳で、宇宙的な常識とかルールとか、なーんも知らんわけ。着の身着のままで、外国とか下手すりゃアマゾンのジャングルにほっぽり出されるようなもんよ? 言葉も碌に通じないのに」

「それは……とても不安ね……」

 

これからの未来図を想像したのか、二人の顔が暗くなる。

 

「ところがだ! 俺達にはセブンがいる! 先の見えない航海に、たった一人でも水先案内人がいるとなった時、どれだけ心強いか! しかもその案内人はとびきり親切で、お互いにお互いを大切に思いあっている。それがどれだけ幸運で得難い事かは……もう言わなくても分かるだろ?」

「宇宙の水先案内人……」

「俺達が何か宇宙的なルールを破りそうになった時、セブンならそれを正してくれるだろう。逆に、他の惑星人が地球人とは信頼できるのかと疑惑の目を向けてきた時、彼は地球がどういう星かをきっと説明してくれる……少なくともアンノン星のように、俺達へ懐疑的な星との衝突は避けられるんじゃないか?」

「確かに……」

「そして、そのセブンにそっぽを向かれない為にも、地球人は宇宙に対して誠実であろうとし続けるはずさ……誰かがR3号を作ろうと言い出しても、セブンを怒らせる気かと諫める事ができる。どうだい? セブンが強かろうがなかろうが、関係ないだろ? ただ友達に対して誠実であれ。実に簡単な事じゃないか」

「そうか、我々人類が迷った時に、ただ頭の中でアイツの顔を思い浮かべて、顔向けできる事かどうか考えりゃいいって訳か。そいつぁ分かりやすくっていいや」

「そうね、いつか侵略なんて無しに、宇宙へ地球が仲間入りする……なんて幸せなのかしら……それに……」

「それに?」

 

アンヌがキラキラとした目でこちらを振り返った。

 

「セブンの故郷にも、いつか行ってみたいわ」

「……そうか、セブンの生まれた星か……」

「あんなに優しい心の持ち主が生まれた星よ? きっと素晴らしい人達ばかりだわ……そうそう、セブンのご家族にも挨拶しなくっちゃ!」

「息子さんにいつも大変お世話になっておりますってか?」

「いいじゃないですか。真面目な話、人類が外宇宙に到達できるようになった暁には、真っ先に使者を送るべきはあの星でしょうからね」

「どんな星なのかしら……セブンの体のように光輝いてるのかも」

「太陽みたいな星だったら、熱くてかなわねぇけどな!」

「先輩だったら汗だくになりながら、セブン行きつけのモケケピロピロ屋でおかわりしてそうですけどね」

「なんだいその……モケケピロピロってのは?」

「んー……タキオン粒子と太陽光のオゾンソテー、シーピンを添えて……みたいな?」

「ハッハッハッハ!!」

 

振り返ると、ダンが大笑いしている。

その頬に、なにかキラリと輝くものがあった。

 

「ダン……お前……泣いてるのか……?」

「いやなに、人類がいつかウルトラセブンと肩を並べて宇宙を飛んでる姿を想像したら……そんな日が来るなら……なんて幸せな事だろうか……って」

「お前は本当に、純粋だな……」

「そうよ、ダン。貴方はそうして前向きに、未来を信じて笑っている時が一番ステキよ。だから寂しくて後ろ向きな考えは今日でお終い。いい?」

「そうだね……アンヌ」

 

涙を拭ったダンが、穏やかに笑う。

 

「そうだ、もしも宇宙へ使者を送るような時が来たら……それこそダン。貴方のような人が相応しいわね」

「おお、そうだ! ダンなら安心して地球人の代表を任せられる! 悔しいが俺やソガでは地球人は馬鹿だと舐められかねんからなぁ……」

「ちょっと先輩! まぁ……一先ずダンとアンヌをセットで送り出しときゃ間違いはないでしょう。地球人は思いやりのある種族だと分かって貰わなきゃな」

「僕が、地球人の、代表……?」

 

ダンの頬をつつ……と水滴が伝った。

 

「ああもう! お前はその感激屋な所を直さなきゃならねぇかもしれねぇな……チリ紙取ってきてやるよ、ハハハ!」

「ウフフ……コーヒー淹れてくるわね……」

 

二人がクスクス笑いながら離れて行く。

この調子ならとりあえず大丈夫そうだな、と俺もその場を後にしようとした所で、背中に声が掛かった。

 

「ソガ隊員」

「なんだ……?」

「もしも……もしも僕が地球からの使者をやるような事があったら……その時は一緒に来てくれますか?」

「お前なぁ……そこはアンヌを誘うとこだろ」

「ハハハ、僕だってそうしたいのは山々ですが、彼女は女性ですから。……過酷な航海に付き合わせるのは気が引けます」

「俺なら過酷な旅に連れ回してもいいってか?」

「くくく……そういう事です」

「まったく、言うじゃねぇか。コイツ……」

 

うんまぁ……悪い気は、しないかな。




というわけで、34話「蒸発都市」をサクッとスルーしつつ、今度はダンが自己嫌悪に陥ってしまうお話でした。

キングジョー戦での感想で「セブンの肉体面はフォロー出来たけど、精神面むしろボロボロなのでは?」という心配を沢山いただきましたが……

ええ、皆様の御推察の通りでございます。

キングジョー戦やガンダー戦で、地球人の底力を間近で見せつけられつつ、原作以上にメトロンやプロテといった他星人との問答が増え、自身の正義に揺さぶりをかけられる場面があった事。
そしてR1号事件を経ての、連続スランプ期突入(シャドウマンに手も足も出ず二度も捕獲→没話『認識票No3』で仲間を見捨てて名声を手に入れた地球人マキノという存在を見た上で、彼を守れなかった→『蒸発都市』で敵に洗脳されて危うく仲間を殺しかける)というところですかね。

アマギが気付いたから良かったものの……ソガはそっち方面の配慮とか頭からすっぽ抜けてたんでね。
危ないところでした。

まぁ、なんというか投稿を一週間待ってみたんで公開時期も含めてかなりタイムリーになったんではないでしょうか。何がとはいいませんが。

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