転生したはいいが、同僚の腹パンが痛すぎる!   作:Mr.You78

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確殺の0.4秒(Ⅵ)

「リヒター博士を連れて来たぞ」

『そうか、でかした』

 

ペガ星人は催眠によって自らの手駒としたヒロタ隊員に対し、鷹揚に頷いた。

最低限、リヒター博士を暗殺出来れば御の字と思ってはいたものの、生け捕りに出来ればそれはそれで使い道がある。

 

なにせ、こちらには催眠装置があるのだ。

 

気圧の関係で宇宙船から自由に出歩けないペガ星人にとって、有力な手駒が増えるのは喜ばしいことであった。

 

『さて……』

 

リヒター博士の頭には袋が被されてぐったりとしている。

ペガ星人は、悪魔の笑みを浮かべながら、地面へ投げ出された背広の男ににじり寄った。

 

 

【挿絵表示】

 

 

『無いとは思うが、二度も影武者に騙されては困るからな……なぁに、計画を喋らせさえすれば、すぐに本人かどうか……グッ!?』

 

ペガ星人が袋をはぎ取ると同時、その青い毛に包まれた喉元へ、力強く拳銃が突きつけられた。

 

「おっと失礼、でもその必要は無くなったぜ?」

『バ、馬鹿な! お、お前は……!?』

「ご懸念通り、二度目の影武者だ……残念だったな、引きこもりのカス野郎」

 

なんと、袋を被って床に転がされていた男は、リヒター博士では無かったのである。

 

「ソガ隊員……推参!」

『し、死んだ筈では……! これはどういう事だ、ヒロタ!』

「確かにおれは、コイツを撃った後、貴様にそう報告したな……しかし……」

「なんせ俺は不死身のソガ隊員でね…………こういう事さ」

 

ソガはニヤリと笑うと、星人へ拳銃を突きつけたまま、穴が開いたジャケットの左胸をぺろりと捲った。

背広の下では、なにやら基盤めいたブローチが銀色の金属光沢を放っており、その中心部分へ、くにゃりと変形した鉛玉が見事にへばりついているではないか。

 

「ウルトラガンでも焼き切れない、シャプレーメタル製のブローチさ……多分鉛玉よりは硬いだろうと思って、胸元に忍ばせておいたんだ。まぁ、賭けではあったが……」

『そ、そんな小さな金属片で、だと!?』

「小さい……? いいや、充分に大きいね。ヒロタがここを外す訳がない」

 

普段、競技で使ってる警備隊のワッペンは、この半分程度なんだからな。

 

「貴様へ報告した後、博士を立たせようと後ろを向いたおれの背中を、悠々とショックガンで撃ちやがったんだコイツは……この卑怯者め」

「試合に負けて勝負に勝つってね。……油断大敵、私の好きな戦法です」

 

どんだけ負けようが、最後に勝ちゃいいんだよ、勝ちゃあな。

正面から勝てない相手へ、真面目に挑むなんて馬鹿馬鹿しいや。

死んだフリ、騙し討ち、なんでもござれ。

汚名挽回……私の苦手な言葉です。

 

『しかし、そんな仕込みをする暇は無かったはずだ……! 傷心のお前がヒロタにここへ連れて来られた後は、ずっと私の制御下に……』

「だからその直前に仕込んだんじゃないか」

「なにっ! ではあの時既にお前は、おれも操られている事を見抜いていたのか!? なぜ!?」

「知りたいか? だったら教えてやろう……こいつを殺した後でな!」

『ま……待て!』

 

ソガは、ぐりぐりと喉元へ押し込んでいたリボルバーを、見えやすいようにペガ星人の眼前へ持っていき……その眉間に向かってゆっくりと、しかし確実に引き金を絞っていった。

徐々に撃鉄が上がっていく……

 

『や、やめ……』

 

ZBAAANNG!!

 

激しい銃声が船内に響き渡り、硝煙が立ち上った。

そして、恐怖で腰の砕けた星人が、力なく床へとへたり込むが……生きている。

 

彼の黒い顔面には、傷ひとつ無かったが……その嘴の根元がガチガチと煩く打ち鳴らされ続けてはいた。

 

「……ハッハッハ!! どうだ良く出来てるだろう? 宇宙人でも見抜けないとは、流石おもちゃじいさんが丹精込めて作っただけはある!!」

「おもちゃじいさん……?」

「これはな、チブル星人が作ったオモチャだよ。部屋に戻って確かめてみると、俺のホルスターには、こいつがすり替わってやがったんだ」

 

もっとも、特別な信号を受信すれば、忽ちロックが外れて本物に早変わりするが……その鍵が外れる時はもう永久に来ない。

どれだけ引き金を引こうが、出るのは音と煙だけ……実弾が飛び出すアクシデントゼロ。

 

「だからな、いくら催眠状態だろうが、これを本物だと信じ込んでいた俺には博士を殺すことなんかできない。……あの銃撃戦の最中、俺一人だけが、玩具を必死に振り回してたという訳さ……どうだ、笑えるだろう?」

「それでトドメを刺したのは自分とは別の……おれだと気付いたわけか」

「そうだ。だからさっきの決闘でお前が死なずにすんだのも、これのお陰であって、早撃ちの結果がどうだったかは分らんぞ?」

「……ほざけ」

『地球人が……コケにしおってぇええ!!!』

 

呆然とした様子で、ソガの告白を聞いていたペガ星人は、怒りに身を震わせながら起き上がって、自衛用の光線発射機能のついたコンソールへ手を伸ばす。

 

しかし、それを黙って見ているヒロタではなく、激昂した鳥人の横面を思い切り銃床で殴りつけると、ふさふさとした胸倉を掴み上げ、嘴の隙間へと黒光りする筒の先端をガチャリと捻じ込んだ。

 

「何を勘違いしているか知らんが、戦場で玩具を振り回すような阿呆は、奴一人だけだ。それとも……おれの銃が本物かどうか……貴様の脳天を吹き飛ばして確かめてやってもいいんだぞ!」

『ガ、グガ……』

 

間近で星人の顔を覗き込んだヒロタの瞳の奥には、紛れもない殺意と、猛烈な怒りと、そしてなにより仄暗い憎悪の炎がありありと燃えており、この男が確実にそれを実行するであろうことを、ペガ星人に否応なく理解させた。

そんな復讐鬼の肩へ、穏やかな掌がそっと置かれる。

 

「……そこまでだ、ヒロタ」

「……」

 

それからも数十秒間、ヒロタが引き金にかけた指が離れる事は無く、より一層グリップを堅く握りこむ音が、ギリリと聞こえてくるかのような沈黙が続いたが……やがて、星人の嘴から拳銃がそっと引き抜かれる。

そうして立ち上がったヒロタであったが、その瞳はずっと足元の糞虫を睨みつけたままだ。

 

『ハァ……ハァ……私を生かしてどうするつもりだ?』

「お前はあくまで先遣隊で、本隊が来るんだろ?」

『フッ……拷問か。しかし、お前たちの基地に連れていくと、どちらにせよ私は死ぬ。……それとも、君達二人がずっとそうして私を見張っているつもりかね?』

 

だが、苦しそうに肩で息をする星人をまるで気にした風も無く、ソガは呑気に隣のヒロタへ話しかけた。

 

「……ヒロタ、今度の賭けも、また俺の勝ちのようだな」

「……チッ……お前が勝手に持ち掛けて来たんだろうが」

『なんの話だ! 私を無視しているのか!』

「いやなに……お前さん、さっきから少し膨らんできてないか?」

『な、なんだと!? ウグッ!?』

 

そうして、自身の体を見下ろそうとした星人は、それが出来なかったが為に深く絶望した。

 

彼の胸はいつの間にか、冬の朝方に公園で団子の如く丸まっている鳩が、そうして暖をとるかのように、大きく膨らんでいて、下半身にまで視線が通らなかったのだ。

 

先程から感じている息苦しさは決して、緊迫した空気と、鋭い本物の殺意に晒されたが故の錯覚ではなく……実際に彼の着込んだ耐圧スーツが膨張していた為であった。

 

『こ、これは……!?』

「いやあ、上手くいったみたいだなアマギ」

「ソガ! この宇宙船は凄いぞ! 圧倒的な技術力だ……! 気圧系統のコントロールが特に厳重だったから、運よく中枢が分かっただけで……それ以外の機能を解析しろと言われても、相当かかるぞこれは」

「それに船体の造りも頑丈で、装甲も一際強固です。恐らく例えセブンであっても、この船を破壊しようと思ったら……最大威力の必殺光線を叩き込まないといけないでしょうね」

 

ビデオシーバーの画面には、バイザーを降ろし宙間装備となったダン。

彼が驚嘆するその向こうから、アマギの興奮した声が聞こえて来る。

コントロールルームは無事に制圧出来たらしい。

 

しかし、アマギでも難儀するような技術の宝庫か。

……まあ、それもそうだ、たかが円盤一機で巨大化セブンと互角にやり合えるくらいの性能を持ってるんだから、これが鹵獲出来たのは大きな戦果と言えるだろう。

 

そりゃセブンも諦めて、侵入してから乗員倒そうとするわけだよ。

なんせ、ペガ星人が死んだ後に外からワイドショット撃たれても、爆散せずにフラフラ墜落するくらい頑丈だったんだから。

 

「まあこいつらにとって、宇宙空間で外殻に傷が付いたりしたら、死活問題だろうしなぁ……」

「お前……もしやそれが分かっていて、おれにあんな賭けを持ちかけてきたのか?」

「賭け……?」

「気圧のコントロールが無くなった時、ペガ星人はしぼむのか、はち切れるのか……てな」

「ふむ、興味深い。膨らんでいるとすると、相当に高密度高重力下の惑星なのだろうな、彼らの星は……なるほど、道理で宇宙船の技術が発達するわけだ……お前たちのいる洗脳室も、あくまで地球人とペガ星人の共存できるギリギリの気圧帯……汽水域のようなものだ。俺達からすると、エベレストのてっぺんと変わらんぞ」

「それでさっきから耳がキンキンするわけだな……おい、ダン。こいつを運ばなきゃならんから来てくれ」

 

いまや風船のように膨らんで、床の上でバタバタもがくペガ星人を見下ろしながら、ダンを呼ぶ。

 

「これで今回は2勝1敗ってところか? ヒロタ」

「こんな下らん勝負を加算するな……馬鹿馬鹿しい」

『ウウ……グァ……このまま、では……死んで……しまう……』

「焦るなよ、一区画だけ元の気圧で残してあるそうだ。そこがお前の軟禁場所という訳さ……」

 

やってきたダンと共に、監禁区画へとペガ星人を運ぼうとするが、固辞されてしまった。

 

「最早こうなったペガ星人が抵抗する事はありません……僕一人で大丈夫ですよ」

「そうか……すまんな、ダン」

 

そう言うダンは、俺の肩越しに背後の男へ向けてチラッと一瞬だけ視線を送る。

 

彼が星人を引き摺りながら出て行った部屋には、俺達だけが取り残されてしまう。

 

……振り向くと、ヒロタは手の中にある拳銃へ視線を落としたまま、黙ってそこに立ち続けていた。

 

「……ヒロタ」

「ソガ、なぜ止めたんだ。おれは、奴を……」

「さっきも言ったじゃないか、奴には吐いて貰わないといかん情報が山ほど……」

「そんな事は分かっているッ!!! 分かっているんだ……分かっていても……おれはこの手で、この手で奴を……殺してやりたかった……ッ!!」

 

そう絞り出すように慟哭し、膝をついて項垂れるヒロタ。

奴は……泣いていた。

 

「すまん……ヒロタ」

「すまん……? すまんだと? そう思うならなぜ……なぜあの時、おれを素直に殺してくれなかったんだ!! 愚かな侵略者の手先として……死なせてくれなかったんだ、ソガ! ええ!?」

「馬鹿野郎!! そんな事……言うな!」

「おれは! 仲間を殺したんだぞ!? 洗脳など関係ない……おれが、この手で殺した……おれの醜い心が! 奴につけ入る隙を与え! ひいては地球を裏切ったんだ!! そんなおれが! なぜ生きて……これからのうのうと……どんな顔で生きろと言うんだ……言ってみろ……ソガ……」

 

ヒロタは怒ったような顔で俺の胸倉を掴み、吊り上がった眼から、静かに涙を流した。

 

「おれを殺せたのは……お前だけだったのに……」

「……それでも俺は、お前に……生きていて欲しかったんだ……お前だけじゃない。ミナミにも、スズキにもエージェント・デューカスにも……みんなを殺したというなら……俺も……同じだ」

「お前に……何がわかる」

「わかるさ……俺だって……たまさかこの銃がホルスターに入っていなければ、今頃……どちらにせよ、お前に手を汚させたのは、俺だ。催眠が関係ないと言うのなら、俺だって、同罪だ……」

 

あの時、催眠から目を覚まして記憶を引き出した時に感じた、仲間を殺してしまったという絶望は……本物だ。

俺は実行犯にならずに済んだというだけで、ただ運が良かったに過ぎない……

 

なにせこのチブル製のモデルガンが、どうしてあの時、都合よくホルスターに入っていたか……オレにはさっぱり分からないのだから。

 

俺は今回、ヒロタの事ばかり考えていて、自分がターゲットになるなんてこれっぽっちも思っていなかったので、あの仕込みをしたのは当然、洗脳された後の事。

 

催眠で夢見心地だった俺が、飾ってあった銃を取り違えたのだとしても……それは本当に奇跡としか言いようがない。

 

いや……さっぱり分からない……とは言うのは語弊があるか。

まさかな……? と疑っているひとつの可能性は……ある。

 

ヒロタと同じく催眠状態において……俺だけがペガ星人の思惑から外れる事ができた理由となると……

 

とはいえ、もし本当に『彼』が助けてくれたのだとしても、それはオレがたまたま特殊な状況だったに過ぎず……結局、運が良かっただけだ。

ヒロタとの違いは、そこにしかない。

 

であるならば、ヒロタだけが苦しんで、オレがそこから外れる事もまた……恥知らずなように思えてならないんだ。

 

「ハッキリ言って、今回の俺はペガ星人に完全にしてやられた。それでも俺は……勝ったんだ。あの悪魔からリヒター博士を守り切って……お前も救う事が出来た。どんなに負けて負けて負け続けても……最後に勝てた。俺達の戦いは……そういうもんじゃないのか? 射撃大会はまた来年がある。でも、死んでしまったら……2度と勝てないんだ……お前こそが……俺の唯一の優勝トロフィーなんだよ……! そのお前が……そんな寂しい事……言ってくれるな。なんの為に俺は、苦労して奴を出し抜いて勝ったんだよ……」

「ソガ……お前は……」

 

言葉につまるヒロタに対して、俺は彼の生きる理由をもう一つ付け足す。

 

「それに……お前が死んだら、お袋さん達の面倒は誰が見るんだ……?」

「……お前、なぜそれを!?」

 

ハッとして、こちらを見上げるヒロタ。

なぜとは水臭いな……知らいでか。

 

「お前がそこまでして参謀本部に拘る理由……俺が気付いてないとでも?」

 

年老いた母親と、病弱な妹……彼女らの住む浦賀港は、東京湾岸にある参謀本部ならいざ知らず、富士山の地下にある秘密基地からというのは少しばかり……遠い。

 

「それでもそんなに殺して欲しいなら……今すぐここでやってやろうか?」

「なんだと……?」

 

言うや否や、ホルスターから拳銃を引き抜き、ヒロタの眉間に向かって、引き金を引く。

銃声と硝煙が立ち上り……ポカンとしたヒロタの顔は、豆鉄砲を食らった鳩のようで……不謹慎ながら笑みが零れた。

 

「バーン」

「お前……」

「……ほら、お望み通り仲間殺しのヒロタはたった今死んだよ。……満足したか?」

「おれは……やはりお前の事が……嫌いだ」

「なんでぇ!?」

「そういう所がだ……まったく、反吐が出る」

 

なんとも言えぬ顔で吐き捨てると、男は立ち上がり、ズボンを手で払いつつ、苦々しい顔でこちらをねめつけた。

 

「本当にお前は……度し難い男だよ。出会った頃は、幾分マシだったと思うんだがな……」

「流石に酷くないか?」

「どうしておれは、お前なんぞと同じ時に入隊してしまったのだろうか……こんな奴を、切磋琢磨し合うべき男などと見込んだおれが……まったく馬鹿馬鹿しい」

「いや、腕前的にはまごう事なく、切磋琢磨し合うべき男だが?」

「そういう事は、おれに早撃ちで勝ってから言うんだな」

「は? 負けてないが?」

「……分かった分かった……そんなに勝星が欲しいならくれてやる……どうせ正式な決着は、次の射撃大会で付く」

「……一応今年はお前の方が上だったらしいがな。オレもお前も優勝してないけど」

「侵略者に水を差された試合など、無効試合だ! 来年だ、来年こそ俺はお前に……」

「……なんだ?」

「うるさい」

 

言葉を切ったヒロタに俺が聞き返すと、彼は露骨に顔をしかめて踵を返す。

でも良かった。なんとか今後も頑張ってくれそうだ。

 

完全に嫌われてしまったようだが……まあ構わない。

生きてさえいれば、いずれ和解のチャンスも来るだろう。

 

そう、生きてさえいれば……俺達の、勝ちなのだから。

 

「そうだヒロタ、せっかくだから参謀本部に帰る前に、祝勝会寄って行けよ。アンヌの手料理が食えるぞ」

「……まったく、勝てんな。お前には」

「なんだって?」

「お前は独り相撲で勝手に優勝してろと言ったんだ」

「それってつまり俺の一人勝ち……ってこと?」

「鬱陶しいからもうそれでいい……少し黙っててくれ」

「やったー!」

 

その晩、俺はささやかな会にて、かけがえのない仲間たちと生ビールで優勝した。

 

 

【挿絵表示】

 




というわけで第36話『必殺の0.1秒』でした。

今回はソガ自身が初っ端から催眠洗脳の対象になってしまう事で、原作より一層面倒な事態に陥るというお話です。

本作は主に、原作というもう一つのストーリーラインを知っている主人公の一人称視点で構成されているので、その本人が前後不覚だと、場面の時系列もてんでバラバラになってしまう……という試みです。

ミステリーではタブーとされる『信頼できない語り手』という奴ですね。
タブーとされるだけあって、前書きで予防線張っては見たものの、自分で読み返しても読みにくい……

何が夢で何が現実か分からない混乱具合や、自分に対する疑心、不安という、今話ソガの状態をほんの少し追体験していただこうという趣向でしたが……いやあ申し訳ありませんでした。

ペガ星人の洗脳は、今までのユシマ博士や、ノガワ隊員のような不自然さを強く感じさせるものではなく、対象を白昼夢にいるかのような曖昧な状態にさせるものなのではないか? と考えています。

前者は、治療無しでちょっとやそっとで解ける事はなく、精密な破壊工作などもさせられる代わりに、周囲から見て不自然(それでもしっかり見抜いたのはダンくらいでしたが)な動きになるという欠点があります。

しかし、ヒロタを見ているとかなり違和感なく行動を起こしています。洗脳後のソガを見てもダンすら「普段とちょっと違うな」程度でスルーしていますし。

その代わりに、気絶したら解けるぐらいに強度が低く、させられる行動も方針以外は対象本人の判断に任せるしかない……というタイプなのでは? と解釈しました。

ソガに目を覚ませと言われたヒロタは「ふん、だまされるもんか!」と返しています。
博士を拉致して明らかに変な行動をしているのに、ヒロタは自分のやっている事が正しいと信じこんでいるのです。

挙句に、自身の望みであるソガとの決闘を持ちかけてきた(博士もソガも問答無用で撃ち殺せば良かったのにそうしなかった)りと……ペガ星人も「そんな事してないでさっさと任務完了してこんかい!」と思ったに違いありません(笑)

夢の中では、どんなに可笑しな状況、設定だとしてもそれをすんなり受け入れた上、本気で信じ込んで行動してしまう事ありませんか?
作者はよくそういう夢(社会人なのになぜか高校入試の勉強をさせられる、自分が飛べるとなぜか知っていて即座に実行するetc)見るんですが……彼らもそういう状態だったんではないかなぁ……なんて。

いやあ今回は難産でしたが無事に書き上がって一安心です。
何度推敲しても変になるから、書き直して……とかやってたら面倒になってエタりそうになっとのでそのまま流しました(笑) 

なんで、もしも完結したらもう少しスッキリした状態に書き直したい話No1かもしれませんね。

――――――――

髑髏の火炎竜(ピクシブ名『D×3』)様から挿絵とエンドカードを頂きました!
ありがとうございます!!

原作では、ヒロタの心に付け込み、勝利の代償としてその魂の所有権を奪う……そして自身は宇宙船から一歩も外にでないまま、操った地球人で計画を進める様は、まさに悪魔のような星人でしたが、その狡猾さが、手前に伸ばした右手とは裏腹に、後ろ手に隠されたもう一方という構図からにじみ出ていますね……!

それとは打って変わってコミカルなエンドカード……かわいいのはズルいww
風船爆弾になってるセンスよ……!
この時期、気候で体調が崩れやすい作者にとっても、低気圧はとても嫌いな言葉です。

皆様もお体にお気をつけ下さい。

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