転生したはいいが、同僚の腹パンが痛すぎる! 作:Mr.You78
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D×3様から、『恒点観測員340号、隣人を怪しむ』より、エンドカードを頂きました!
ほっとするパゴじいinカプセル
続けざまに支援絵をありがとうございます!
ちょっと更新がおくれぎみですが、みなさんの応援を励みに、なんとか頑張っていきます!
そして今回は、ガッツ星人の話があまりに長くなりすぎので、思い切って分割することにしました。
一方そのころ泉が丘上空では、謎の飛行物体に対して、ホーク3号による追撃戦が展開されていた。
今まで、付かず離れずの距離を保ったまま移動していた、ガラス細工の如き円盤は、山間部に到達すると、一旦停止してから、今度はゆっくりと下降を始める。
敵の移動が止まった為に、ようやく目標を射程に収める事の出来た3号が、すぐさまロケットランチャーによる攻撃を加えるも、それをものともしない結晶体。
そればかりか、ホークが再攻撃の為に旋回した一瞬の隙をついて、パルスレーザーによる迎撃まで行ってきた!
右翼に被弾し、煙を吹き出すホーク3号。
ガッツ星人の円盤は、小細工を使うまでも無く、その単純な機体性能だけでウルトラホークを完全に上回っているのだ。
「チクショウ……とことんまでやってやるっ!」
「アマギ隊員! 無茶をして勝てるわけないわ!」
徹夜明けで少々興奮気味のアマギを、アンヌが必死に窘める。
彼女には、昨夜の自分という反面教師がいたために、アマギよりは冷静に、事態を客観視する事が出来た。
なによりも……敵は、あのウインダムすら退ける強敵なのだ。このまま力押しで敵うはずがない。
「……ッ、脱出用意!」
その忠告に、普段の沈着さをとりもどしたアマギは、悔し気に離脱準備へかかる。
黒煙を噴き上げて墜落していくホーク3号……
―――――――――――――――――――
報告を受けた地点にポインターが到着すると、俺達の目の前で、きらめく水晶のようなガッツ円盤が、土煙を濛々と巻き上げて、谷間へ着陸する所だった。
すぐに下車しようとするダンの腕を、慌てて掴んで止める。
「ダン、まずは報告だ」
「はい! ……本部! ハッ!?」
オレの言う通りだと思いなおしてくれたのか、無線で連絡を取ろうとしたダン。しかしその直後、俺たちの耳に、怪しげな飛翔音が飛び込んできた。
二人で車内から上空を窺うと、案の定、ガッツ星人の円盤が着陸した方向から、白磁器を思わせる小型ドローンが飛んでくるのが見えるではないか。
来やがったか……これから起こる事を知っているオレにとっては、まさに因縁の相手である。
「……頼む、効いてくれ!」
一縷の望みをかけて、サイドミラーからニードルレーザー砲による対空砲火を加えるが……
「やっぱり駄目か……」
原作の後編において、フルハシがコレであの小型円盤を撃退していたから、ワンチャンあるかと思ったんだが……
やっぱりというかなんというか、容易く弾き返されてしまった。
とはいえ予想は出来ていた事だ。
なにしろポインターから飛び出したレーザーの形状が、オレの思っていたものとは全く違う。
今飛んで行った攻撃は、スパイナー輸送作戦でキル星人のヘリコプターを堕とした時と同じく、直線の黄色いレーザー光がそのまま着弾したが……件のシーンでは、円盤の周囲へ、青白い無数の閃光に拡散していたような気がする。
つまり、あの時撃っていたのは、普段ポインターに搭載されているモノとは別物という事で……今この瞬間まで普段通りなのに、後編までの僅かな時間で何かしらの変更があったのだとしたら、その要因はもうほぼ一つしかない。
きっとアレは、ダイモード鉱石をマグネリウムエネルギーの偏光レンズに成形した際に発生した切子を、ニードルレーザーの発振器に詰め込んで、即席のマルス133擬きに改良したんだろうな。
さらに言えば、それですら、別に撃墜出来た訳じゃなかった。
人類が未知の武器をいきなり使ってきたから、意表を突かれたガッツ星人が警戒して引き上げただけに違いない。
つまり、今この時点でオレに出来る事は無いと証明されてしまった。
なんとも歯がゆい事だが……俺はこのあと、この小型円盤に捕まってグルグル大車輪をくらう羽目になるという事だ。
だが……ただでは捕まらんぞ!
電磁バリアを展開し、バンパーレーザーやウルトラミサイルも駆使して、弾幕を形成する。
だが、辺りに響く謎の声が、無情な事実を告げた。
『そんな物でガッツ星人に立ち向かえるとでも思っているのか!』
小型円盤はポインターの天板にピッタリと吸い付くと、そのまま車体を持ち去ろうとしてくる。
咄嗟に車外へ飛び出す二人。
ウルトラガンを構えて、最後まで抵抗しようとした俺だったが……左手をついて蹲っていた地面が、小刻みに震えるのを感じ取った。
「な……なにっ!?」
足元がそのまま浮上して、大の字に倒れる俺。
なんと、我々が飛び出した砂利の下には、もう一つの小型ドローンが埋まっていたのだ!
「ウワア゙ア゙ア゙ア゙ァ゙ア゙ア゙~!!!」
「ソガ隊員ーッ!!」
小型円盤の発するトラクタービームによって、ドローン表面へ磔にされたソガ。
円盤からは微弱な電流が絶え間なく、哀れな隊員の体に流し込まれており、あまりの苦痛に絶叫が響き渡った。
ダンの目の前で、巨大な人間車輪がぐるりぐるりとゆっくり地面の上を回転しながら、ガッツ星人の母艦が着陸した方向へ遠ざかっていく。
その速度と言ったら、ともすれば走って追いつく事も出来そうな程の低速で、これがソガ隊員への拷問や、バディに対する分断策を目的としたものならば、余りにも幼稚でお粗末な出来といえる。
不可視の檻でウインダムを捕らえ、ウルトラホークすらも片手間に弄んだ敵の手腕だとはとても思えない。
では、ガッツ星人はなぜこのような迂遠な真似をするのか?
そんなの、決まっている。
少しでも長く仲間の絶叫を聞かせ、その醜態を見せつける事で、ウルトラセブンの精神を追い詰め、揺さぶりをかけようとしているに他ならぬ。まさしくこれは、セブンという敵に対する、見せしめなのである。
余りにも見え透いた罠で、驚く程にやすい挑発だ。
しかし、その効果のほどは……まさしく覿面であった。
ダンが堅く拳を握りしめる。
彼とてこれが、自分を引き摺り出す為の策である事など、とっくのとうに分かっているのだ。
自分がこれからすべき事は、踵を返して直ちにこの場を離れ、そんな人質には価値などないのだと、奴らの挑戦へ、にべも無く三行半を叩きつけてやる他ないのだという事くらい。
そうすれば、忽ち敵はソガ隊員から興味を失って、彼をとっととその辺に打ち捨てるだろう。
真にソガ隊員の事を案じるのであれば、そうすべきだ。
だが……だが!!
誰しも、どうにも我慢がならない事というのは、やはり存在するのだ!
大切な存在を、眼前でこのように辱められて、それを黙って見過ごさなければならないなど!
モロボシ・ダンの心――若き薩摩青年より借り受けて、ウルトラ警備隊の仲間達と育て上げた、熱く迸る正義の血潮と黄金の如き輝きを発する不屈の精神が、ウルトラセブンの胸の奥でしきりに叫んで仕方が無いのである!
彼を助けろと!!
重ねて言うが、ここで変身する事こそが、まさしく敵の思う壷であり、張り巡らされた蜘蛛の巣のような狡猾な罠に自ら飛び込むかの如き、非常に愚かな決断である事は、ダン本人とて重々承知の上であり、それを強いるガッツ星人の方でも、ダンがその狙いを看破するであろうことなど、もはや前提条件でしかない。
双方共に互いを理解しあったその上で、敢えて問うているのだ。
『仲間を置いて、逃げられるものなら、逃げてみろ』……と。
こうなれば、もはやダンに一片の躊躇いもなかった。
彼は胸元から、深紅のデバイスを引き抜くと、その決意を表すかのように真っすぐと伸ばした腕で、正眼に構える。
そして、その慈愛の輝きに富んだ瞳へ、ウルトラアイを装着すると、そこから溢れる憤怒の奔流にその身を委ねた!
「デュワッーー!!」
澄み切ったレンズ越しに、彼の視界は迸る閃光で覆いつくされ、柔らかな頬を、真一文字に堅く結ばれた口元を、白銀の覚悟が覆いつくしていく……そうして彼の肉体は、やがて太陽の強さを凝縮した、紅蓮の炎を身に纏い、蒼く輝く天を衝くのだ!
怒りに燃える平和の使者が、陰謀渦巻く荒涼とした大地へ、今まさに顕現した!
『やっとセブンになったナ』
不気味な白面の怪鳥が、深紅の巨人と対面する。
そうして、その小さな嘴を、僅かに喜悦で歪ませた。
『……待っていたゾ』
――――――――――――――――――
「ヤハリ……ハ……ダ」
「セブンの……は我々の……」
ズルズルと引き上げられていく感覚。
まるで錨を巻き上げるようにゆっくりと、覚醒していく。
ごぽりごぽりと、意識が泡となって体を包み……
「うう……ここは……」
気が付くと、俺は薄暗い部屋の真ん中で、台座の上に大の字で縛り付けられていた。
「今の声はなんだ」
「そが隊員ガ、意識ヲ、取リ戻シタノダ」
「早すぎるのではないか」
「意識消失状態カラノ、回復ニ要スル時間ガ、地球人ノ、平均値ヨリ、半分程度ニ収マッテイル」
「ウルトラ警備隊の脅威度を一段階上方修正」
「了承シタ」
首をおこすと、オウムの化け物達が、モニターを背にして俺の顔を覗きこんでいる。
「ガッツ星人……」
『貴様は我々の虜囚となったのだ』
「くそッ……俺なんかを捕まえてどうするつもりだ!」
マズいぞ……この後、帰ってセブンの救出作戦をしなきゃいかんのに……こんなところで捕まってる場合じゃない!
「勘違いするな我々は貴様に興味などない」
「我々ノ、目的ハ、うるとらせぶんノ打倒ダ」
「丁度いい貴様にも現状を
「我々ノ、勝利ノ、立会人ト、成ルノダ」
「……なに?」
彼らの背にしたモニターでは、セブンが崖っぷちで戦っている。
まさに俺が見たガッツ星人との戦いそのままだ。
画面を注視する俺を無視して、その周囲を取り囲んだガッツ星人達が、口々に説明を始めた。
『我々はある星系に攻め込んだ際、一つのデータを手に入れた』
『そこには【ノンマルト】または地球と呼ばれる辺境の星について記されていた』
『地球は、主要な星域間の、どの航路からも外れた場所に位置している為、ほとんどその存在を知られていなかったが、ある時、護送中の凶悪犯がその逃走ルートに使用した為、暗黒物質蠢動効果におけるミュー粒子の滞留地域としての価値が証明され、近年、注目を集めている星だ』
『この星系を掌握し、地球に前哨基地を置くことが出来れば、サルガッソーを迂回する必要がなくなる』
『暗礁回廊に抜け道を確保する事が、星間戦争において計り知れないアドバンテージを齎すだろう事は明白だ』
『だが、数々の種族が侵略を画策したにも関わらず、未だに地球はその独立を保っている』
『我々が手に入れたのは、その地球の現生人類が組織した防衛機構の構成員のパーソナルデータに関するものだった』
「……なにッ!?」
つまり……ウルトラ警備隊の身体情報という事か!?
そんな物が流出していたなんて……今まで敵の計画は尽く潰して来たはずだ。
そんな敵がいるはず……
いや、待てよ……?
情報を持ち出すとは、まさか……プロテ星人かッ!?
人工衛星は敵の手に渡らなかったから、安心していたが、もしも別口の情報ルートがあったとしたら?
そうだったらかなりマズイ!?
それだけは、はげしくマズイ!
『その情報を精査した我々は、すぐさまそこにある小さな違和感に気付いた』
「違和感だと……?」
『そうだ、現地人で構成されている筈の組織の中に、たった一人だけ、異物が紛れ込んでいる事を見つけだしたのだ』
『巧妙に偽装されていたが、そのホメオスタシスのパターンは、M78星雲人が擬態時に使用する独特の波長を有していたのだ』
『その隊員の名は……モロボシ・ダン』
『我々の狙うセブンは、実はウルトラ警備隊の、ダン隊員なのだ』
『故に我々は、次なる標的に、この星を選んだ。宇宙警備隊の管轄外地域で、M78星雲人との戦闘記録を得られる機会を逃す手は無い』
ガッツ星人の独白を聞かされるソガは、もうすっかり顔面蒼白となっており、それに気をよくしたのか、ますます持って饒舌になっていく鳥人達。
『我々は手始めに、アロンを使ってセブンの戦闘技術について分析した』
『すると驚くべきことに、セブンの用いる格闘術は、宇宙警備隊員が正式採用しているソレとは全く似て非なる事が分かった』
『宇宙警備隊は、M78星雲人が持つ数々の特殊能力を前提として、光線技を主軸に置いた戦闘技術を編み出しており、格闘戦においても、捕縛に優れた関節技や、牽制目的のチョップ連打、光線技へと繋ぎやすい投げ技を多用する傾向にある』
『しかし、セブンの戦術は、初撃の威力に偏重して組まれており、格闘戦においても、慣性の威力を足した突進や、全体重を乗せた重い打撃を主体としたインファイトだ』
そう語るガッツの背後のモニターでは、今まさに、セブンがガッツ星人に向かって、アイスラッガーやエメリウム光線を放つ様子が映しだされていた。
しかし、それらは分身やバリアによって、容易く躱されてしまう。
飛び道具が効かないと悟るや、今度は大きく走り込んでからの大ジャンプ。
ガッツ星人の立っていた場所に紅い巨人が躍りかかるが、既に敵の姿は無い。
……そうだ、確かにセブンは初手から必殺技をぶっ放す事もあるし、いざ怪獣と組み合う時も、ショルダータックルのような、体ごとぶつかっていく技が多い。
『敵の出方によって、柔軟に対応できる中距離戦を得意とする警備隊員に比べ、セブンの戦法は遠、近距離の両極に振り切れている。明らかにセブンは警備隊員らしからぬ戦法を採っている』
『しかし我々は、セブンのドクトリン及び、打撃格闘の構えと奇妙に符合する戦闘技術が存在する事を解き明かしたのだ』
『それは、恒点観測局が局員に広く指導している護身術の構えと、多くの点で合致するのである』
『セブンは、観測局で採用されている護身格闘術に、独自の改良を加えた、我流の宇宙拳法で戦い続けているのだ』
『すぐに我々は、観測員の任命リストを入手し、照合した結果、セブンの正体を突き止めた』
『ウルトラセブンの正体、それは……』
『『【恒点観測員340号】』』
ガッツ星人の声が重なって、その名を合唱する。
ごくりと唾を吞みながらそれを聞くソガにとっては、そのような事は周知の事実であったが……かのガッツ星人が、このようなプロセスを辿ってその事実に辿り着いたのだという事が、彼にとって最も重要なのであった。
『つまり……セブンは正規の戦闘訓練を受けた宇宙警備隊員ではない』
『これの意味するところは、セブンの戦闘経験が浅く、戦術眼、及び戦略的見地において非常に未熟な状態だと言う事だ』
『観測局の護身術は、襲い来る危険生物の出鼻を挫き制圧、または逃走の隙を確保する事を念頭に置いたもので、本来、異星の戦士と高度な駆け引きを行う事は想定されていない』
『ではなぜ、戦闘の素人であるセブンが、これまで多くの戦いを制する事ができたのか』
『その疑問は、アロンとの戦闘記録を紐解く事ですぐに氷解した』
『セブンの身体能力は、M78星雲人の中でも、上位に位置するものである』
『そしてその恩恵は、筋力、敏捷性といった表面的な部分に留まらず、感覚機能、特に、視覚や聴覚といった部分に置いて顕著に表れている』
「感覚だと……?」
『その聴覚は、敵の肉体が発する筋肉や骨の僅かな軋みを逃さず、攻撃の予兆を予備動作の段階から推測する手助けとなる』
『セブンの動体視力であれば、例えそれが光の速度を持つ粒子線であったとしても、その射線を捉える事が可能だ』
『ここに、ウルトラ念力を駆使した、第六感的な補測が加われば、それらの観測結果を、即座に次の行動へ反映するなど、彼の身体能力を以てすれば、造作も無い』
『セブンは、自身の経験の不足を、その驚異的な肉体スペックによって覆す事が、可能なのだ』
……なるほど、確かに彼はペガッサ戦やアイロス戦でも、敵の光線を避けながら戦っていた。
逆に言えば、それくらいできなければ、マッハ7で上空を飛び回りながらの空中戦なんて芸当、出来るはずが無い。
アイスラッガーを縦横無尽に飛ばせる空間認識能力こそが、彼の戦闘スタイルを支えているのか。
いわゆる後の先。見てから回避余裕でしたを、素の能力ゴリ押しで再現していたと。
戦闘経験に裏打ちされた、高度な読み合いが出来ないのならば、敵の攻撃を回避した後に、もしくはそれを撃たれる事が分かった瞬間に上から超火力でねじ伏せる。
……言われてみれば、なんとも粗削りにすぎる戦法だな。
『だがそれは、裏を返せば、戦闘直後から常に過集中の状態にあると言う事だ』
『意図的な極限状態に自身を置いたセブンの頭脳には、尋常ではない程の外部情報が絶えず流れ込んでいる筈』
『その演算処理能力の高さは、戦闘において大きな利点となるが、逆に些細な齟齬でも重大なエラーを引き起こす一因となる』
『視覚や聴覚、その他様々な方法で認識した外界の状態に、欠落があればどうなるか。その行動予測が正確であればあるほどに、現実との認識差は肥大化し、その修正処理に伴う労力は、時間と共に急激に加速するだろう』
その言葉を聞いたソガは、弾かれたように顔を上げた。
……そうか!
俺達人間だって、三半規管と視覚情報にズレが生じると、脳の処理能力がパンクした結果、神経作用の混乱が引き起こされてしまう。
これが乗り物酔いや画面酔いのメカニズム。
ましてやセブンの五感は、俺たち地球人の数万倍だ。
得られる情報量なんて、視覚情報だけでも凄まじいものになるだろう。
彼の場合は、ここにテレパシーの第六感も入ってくるわけで。
普通に戦闘しているだけで、その疲労感は二次関数的に跳ね上がっていくはずだ。
いや、それらが全て一致しているうちはまだいい。
どれか一つでも、本来の認識からズレてしまったら……?
その誤差はとんでもない事になってしまう。
ただでさえ不器用な彼は、敵の一挙手一投足を片時も見逃すまいと、敵の動きへ全神経を集中しているというのに。
その敵が、常ではありえない動きをしてきたとしたら……!?
声はすれども、姿は見えぬ。
気配はないのに、足音だけが聞こえてくる。
人一倍に真面目な彼が、そんな状況に置かれてしまえば、その消耗は普段とは比べ物にならない……!
『第一の結論。セブンは、幻惑を主軸とした翻弄戦法に極めて弱い』
そう断言する侵略者の、背後で光るモニターの中、真っ赤な戦士がよろめいていた。
ガッツ先生による、なぜセブンは強いのか? の授業。
そして、そこから逆算される致命的な弱点に関してでした。
中には、ソガ含め視聴者からは『知ってる』話もありますが、分かり切った事を勿体ぶって懇切丁寧に喋りまくるというのも、彼らガッツ星人の種族特徴のようなものです。
ご愛敬ってやつでひとつ。
文章が長すぎて目が滑る、という方は、ソガの反応だけ流し読みすれば、簡易まとめになっていますので、ご勘弁を。